外星人(シン・ウルトラマン)

登録日:2023/05/07 Sun 22:24:38
更新日:2024/10/31 Thu 22:08:51
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外星人(がいせいじん)とは、『シン・ウルトラマン』に登場する地球外生命体の総称。
いわゆるこの世界における宇宙人の名称である。


概要


地球以外の天体からやって来た知的生命体。禍威獣が頻出する日本に現れ、地球に干渉しようとする。
劇中で登場した外星人はウルトラマン含めて4体だが、シン・ウルトラマンのマルチバース(この世界の宇宙・銀河のような呼び名)内には130億近くの種族が存在するらしい。

惑星間移動や後述のベーターシステムなど人類のそれを遙かに凌駕した技術力に加え、個々の外星人が高度な知性と特殊能力を兼ね備えており地球人よりも様々な面で優れている。

地球側にとっては初めて確認された外宇宙からの来訪者として認識され、殆どの外星人が国の要人ないし全権大使としての立ち位置で日本の内閣総理大臣陣と即座に謁見・協定を結んでいる。
ただし作中に登場する外星人の本来の目的は尽く現生人類の抹殺もしくは隷属化であり、地球人を対等な生命体と見做しているのはウルトラマンのみ。
実際に人類と結んだ協定の内容も、自分たちが一方的に得をするような不平等条約である。
さらに今作の外星人は、子供向け番組の敵役というくびきを外されているためか基本的に恐ろしく頭が切れる。
よってその奸計は日本国家を巻き込んで猛スピードで進行し、結果として(現実時間にして)30分程度で絶体絶命の状態に追い込まれた地球人を助けるべくウルトラマンが戦わざるを得ない状況となる。

しかし極度に進化しすぎた故に他者を必要としないスタンドアロンな生命体となっており、
その個人プレイなやり方が逆に欠点となり、ウルトラマンと禍特対の連携によって目的を阻止されている。
これに関連して、『ウルトラシリーズ』に登場する宇宙人は、基本的に「○○という星出身の宇宙人」という意味合いで「○○星人」と呼称されるが、
本作では自称他称問わず、「○○」の部分のみを取って「外星人(第N号)○○」と呼称されており、個体毎の個人名ともとれるようになっている。

ベーターシステム

外星人達が自分の体を60メートル級に巨大化させるオーバーテクノロジー。
地球では基礎理論すら知られていないが、宇宙全体では常識となっている模様。

赤く輝く球体を中心に構成された棺型の物体・ベーターボックスを起動させることでどんなに脆い生物だろうと巨大化させ、
人類の技術では傷一つ付けられない程の強度を持つ肉体に変貌する。
メタ的には「特撮の宇宙人はどうやって体を巨大化させているのか?」というよくある疑問への理由付けである。


外星人一覧


外星人第0号「メフィラス」


私の名はメフィラス。

この星に福音を授けに来た外星人第0号です。

ウルトラマンよりも先に地球に来訪していたと称する外星人。
黒いスーツの地球人男性に変身しており、地球の諺や四字熟語を引用しては「私の好きな言葉です」or「私の苦手な言葉です」と続ける口癖がある。
ベーターシステムを用いることで、地球人を生体兵器として利用(輸出)できると考えており、
そのために、まずはベーターシステムのデモンストレーションを行った上で地球人に「外星人に対する無力感」を抱かせ、
その上で外星人たる自身を上位存在として認めさせて実効支配しようと目論んでいるが、
一方で地球の文化に慣れ親しんだ結果、自身の仕事・使命とは関係ない所で地球に対して(あくまで彼なりの、ではあるが)好意を抱いている。

外星人としての真の姿は手足が細く非常にスマートで、顔は細い横長のバイザーと口元に大きく広がる発光体で構成されている。
しかし手足の指はそれぞれ上下に裂ける10本とややグロテスク
地球人の姿でも瞬間移動等の特殊能力を使えるが、PC(インターネット)ハッキングの際には手だけ本来の姿に戻しており、
擬態状態では使えない特殊能力もいくつか存在する様子。



巨大人型生物「ウルトラマン」


両方だ。あえて狭間にいるからこそ見えることもある。

光の星から地球に降着してきた巨人。時系列的には外星人第1号にあたる。
降着直後は全身銀色で顔も若干皺が寄っていたが、降着時の衝撃波から子供を庇って命を落とした神永新二と融合してからは身体に赤色のラインが走り、顔から皺が無くなるなど一部外見に変化が出ている。
この身体のラインはエネルギー残量によって変化し、変身状態での消耗が激しくなると緑に変化する。
本名は「リピアー」だが、地球人や他の外星人からは終始「ウルトラマン」と呼ばれている*1

神永と融合した理由は、見ず知らずの他者を庇って落命した彼の自己犠牲精神に関心を示したためであり、
書物を読み漁って人間を学ぶと共に、神永として彼の仲間である禍特対メンバーらと交流を重ねたことで、
光の星の監視者「リピアー」から、人類を愛し守るために戦う「ウルトラマン」へと変化していった。

原典はご存じ我らのウルトラマン。
覗き穴がない目やカラータイマーのない胸など、デザインは成田亨によるウルトラマンのオリジナルデザインと、それを描いた『真実と正義と美の化身』を基準としている。


外星人第2号「ザラブ」


私の名はザラブ。

ウルトラマン同様他天体からの来訪者だ。“外星人第2号”に当たる。

ウルトラマンに続けて現れた第2の外星人にして初めて地球人類に干渉してきた個体。
独自に開発した翻訳アプリをインストールした携帯端末で対話する。
外見は首と胴体が繋がった茶色いボディと銀色に輝くヘルメットのような頭部をしているが、
実は後ろ側を見ると抉れているかのように実体がなく、前半分の皮しかない衝撃的な姿をしている。
ただしこれは後ろ半分を常時透明化させているだけで、後ろ半分にもしっかり実体が存在する。

作中では突然禍特対対策室に出現し、その際に生じた電磁パルスによって消滅したPC内のデータを損害の補償としてすぐさま完全に復旧させるなど、外星人としての優れた技術を披露した*2後、
初めて現れた地球外生命体という立場から人類との友好関係構築の第一段階として日本政府との友好協定を締結。

しかしザラブの真の目的は、マーカーを確認した天体の現住知的生物の抹殺。協定の内容も人類に対して露骨に不平等なもので、諸外国への接触を仄めかすなどしつつ国家間の不和を煽ることで人類を自滅させようとしていた。
ザラブ本人は自身の目的に対して「それが私の仕事だからだ」と冷徹に割り切っており、何の疑問も抱いていない。
また地球人に対しても「未成熟でむやみに増殖する秩序のない危険な群体」として侮蔑し、そのあり様に一切の関心を示さなかった。

原典は『凶悪宇宙人ザラブ星人』。
前姿は成田亨のデザイン画を忠実に再現している。


光の星


私の名は■■■■。

光の星の掟を破った君に変わり、この星の人類と呼ばれる原住生物の"監視者"となった。同時に私は裁定者でもある

リピアーの同族。
光の星は大型にしかできないベーターシステムをベーターカプセルにまで小型化させた技術力や光線を有した戦闘力などで他の外星人たちからは恐れられており、
光の星側もその力を有効利用し他惑星で目覚めた禍威獣や侵略にやってきた外星人への対処のため派遣し、マルチバースの秩序を護っている。

しかし、秩序のためならば非情な判断を取ることもためらわない過激な一面があり、
危険な存在になる可能性が高い生命体の住む星を天体制圧用最終兵器を用いて星系ごと抹消することも厭わない。
リピアーと異なり「膨大な数の知的生命体の内の1つが消えたところで宇宙は何も変わらない」と無情に言い放っている。

本編終盤にてリピアーが光の星の掟で禁じられている他生命体との融合を行ったことから、新たな使者が地球に来訪し、
メフィラスの暗躍もあって地球人が強力な生物兵器に転用可能だと周知され、外星人に利用されることを防ぐべく天体制圧用最終兵器を展開した。

原典は『M78星雲・光の国』。
ただしシン・ウルトラマンの世界以外の宇宙にも光の国は存在しており、彼らもその内の1つ。


地球人

我々。他の宇宙の知的生命体から見たら自分たちも外星人の一種。
宇宙の常識となっているベーターシステムが知られていない通り他の外星人との技術力は雲泥の差であり、リピアーからは未成熟かつ発展途上と称されている。
しかし、個人主義の強い外星人と違い集団行動・群れとしての行動が特徴とされている互いを信頼し助け合うことが個を重点とする外星人にはない強みとなっている。
さらに終盤でベーターシステムで巨大化による強力な存在になれることが判明し、ある人物からは「我々(光の星)と同じ進化に至る可能性がある」と言われている。
それがメフィラスによってマルバース中に知れ渡ったことから、やがて宇宙全域の外星人たちが地球人を生物兵器の有効資源として狙ってくることが示唆されている。


余談


  • 外星人の元ネタは中国語で「宇宙人・異星人」を意味することから。外国人も掛けていると思われる。

  • 2008年の野村亮馬氏のSF漫画『ベントラーベントラー』にも使われている。

  • ちなみにウルトラファイトに登場する宇宙人は外星人と同じく○○○星人じゃなく個人名として呼ばれる。



私の名はWiki篭もり。
本項目を追記・修正するために来訪した外星人だ。

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最終更新:2024年10月31日 22:08

*1 尤も、本人が名乗っていない都合上光の星の同胞以外は「リピアー」の名を知らないので致し方ない部分もある。

*2 最も後者はザラブ曰く「生まれつき出来る事」らしく、これが真実ならば科学技術の賜物というより種族特性の一種と思われる。