結晶トカゲ

登録日:2023/08/19 Sat 03:37:30
更新日:2025/02/15 Sat 10:54:50
所要時間:約 7 分で読めます





「旦那様ぁ、キラキラトカゲを知ってますかぃ?」
「すばしっこくて、すぐに逃げられちまうんですが、いい石コロを抱いてるんですよ」
「あっしぁ、あいつらの巣を知ってるんですぜ」
「ああ、旦那様でも、こればっかりは教えられませんがねえ、エヘヘヘヘッ」


結晶トカゲとは、ゲームデモンズソウル」に登場する敵モンスターであり、同作を含む作品群に登場する類似の敵モンスターの総称でもある。

目次


概要

結晶トカゲはゲームデモンズソウル」に登場するトカゲ状の敵モンスターであり、倒すと武器強化に使う素材を多数ドロップするボーナスキャラクターと言える存在である。
この結晶トカゲの登場以来、同作を手掛けたフロムソフトウェア制作の作品群(「ソウルシリーズ」または「ソウルボーンシリーズ」等と呼ばれる)に類似のモンスターが頻繁に登場するようになった。
各作品で正式名称や細かな仕様が異なるものの、
  • 敵としてはごく小さく、攻撃を命中させるのが難しい
  • プレーヤーの接近を察知すると一目散に遁走する
  • プレーヤーを察知して一定時間経過すると消滅する
  • 倒すと貴重なアイテムをドロップする
といった特徴が共通しており、プレーヤーからはまとめて「結晶トカゲ」と呼ばれたり、「こいつは結晶トカゲ枠」といった具合で説明される例が多い。
以下、結晶トカゲとそれに類するモンスターについて解説していく。


結晶トカゲ(デモンズソウル

記念すべき初登場…ではあるのだが、先述の通り「結晶トカゲ」というモンスターはこのデモンズソウル以外に登場していない。
正式名称も作中では血文字を書く際の選択肢でしか出てこないが、「結晶トカゲ」と呼べそうなモンスターが他にいなかったこともあり、プレーヤー間でも正しい名前が自然と定着した。*1
外観は光り輝くトカゲで、青白いウロコのような結晶が体表に散りばめられている。リメイク版では若干アレンジされ、鋭い結晶が生えたトゲトゲしい姿に変わった。

作中ではほとんど情報がなく、「ストーンファング坑道」のNPCから項目冒頭にある通りの大雑把な話を聞ける程度。
大抵のプレーヤーはこの前後に光り輝く小さなトカゲを見かけて「なるほど、アレが何か良いアイテムを落とすんだな?」と察したことだろう。
───が、それで終わらないのが結晶トカゲ。プレーヤーを悩ませる要素がいくつも複合しているのだ。
・再配置制限
デモンズソウルの結晶トカゲは再配置回数に制限があり、トカゲを仕留めても逃しても配置回数を消耗してしまう
そして再配置回数を増やす条件はエリアのボスであるデーモンを倒すこと。各エリアには都合3〜4体のデーモンがいるため、結晶トカゲは初期配置を含めて最大4〜5回出現するのだが、逃した分は取り返しがつかずトカゲを逃がすほど武器の強化に制約がかかり、場合によっては攻略にも影響が出てくる。
一応、周回プレイが可能なので逃した分は次周で再挑戦…ということにはなるのだが、周回するほど敵が強くなるので強化のタイミングが遅れるのは痛い。
・配置が嫌らしい
そうなるとトカゲを見かけたら確実に狩って素材を回収したいところなのだが、そう簡単には狩らせてくれないのがフロムソフトウェアという会社。結晶トカゲの配置がまた大層いやらしく、
  • 崖際ギリギリにトカゲがいる → トカゲを追って転落死 or トカゲが谷底へダイブ*2
  • 複数同時に配置されている → 一匹を追いかけている間に他のトカゲが消える
  • トカゲが逃げた先に敵が配置されている → 敵に構っている間にトカゲが消える or  トカゲを無理に追いかけて袋叩きにされる
  • 攻略の道中にトカゲがいる → 意識せずに通るとそれだけで消えてしまう
  • NPCの近くにトカゲがいる → 間違えてNPCを攻撃して敵対
  • デーモンのエリアにトカゲがいる → ボスの相手でトカゲどころではない
…と、まともにトカゲを狩らせる気がサラサラ無い。トカゲ自体が罠の一部になっていたりするので、一度引っかかればホイホイ追っていく気にもならないだろう。
・ドロップ内容が確定ではない
細心の注意を払い、慎重に慎重を重ねて数に限りのあるトカゲを仕留めたとしても、ドロップ内容が完全確定ではないというオチが待っている。
素材集め用の敵であるため各アイテムのドロップ率自体はそれなりで、一部確定ドロップとなっているため全くアイテムが出ないということはないものの、運が悪いとドロップが渋くて必要数に届かないという事態が起こりうる…というか割とよく起きる気がする。
該当エリアのソウル傾向を黒に傾けたり、「探すものの大剣」を装備すればドロップ率が上がるためトカゲ狩りをするときは事前に準備しておきたいところ。

このように、失敗すれば取り返しがつかず、そもそも狩りにくく、狩っても運に左右される…という三重苦を味わうことになる。理論上は周回を重ねれば入手数に制限は無いものの、あまり現実的ではないだろう。
特に問題になるのが結晶トカゲ以外の入手法が存在しないアイテム。刃石の項目に詳しく記載されているが、これらを落とすトカゲを狩り損ねたりドロップに恵まれなかったりすると次の周回までお預けをくらう羽目になる。*3
マラソンの必要は無いので時間泥棒ではないし、よく準備して臨めばかなり補える程度のバランスではあったものの、時に理不尽さを感じさせる仕様であったためか「逃がすと取り返しがつかない」という点についてはデモンズソウルだけの特徴となっており、エリア傾向システム等も相まってアイテム収集要素に関しては後の作品群と比べても過酷な仕様となっている。


石守(ダークソウルシリーズ)

続くダークソウルシリーズにおいては「石守」という名称で登場。とはいえ作中では名称が一切不明だったためデモンズソウルに倣って「結晶トカゲ」と呼ばれるようになった。ダークソウル3に至っては作中の文献で結晶トカゲと呼ばれていたり、後述の派生型モンスターの存在もあって少々ややこしいことになっている。

外観が大きく変更され、背中に巨大な宝石を背負った八本足のトカゲという、よりお宝モンスターっぽい姿に。
本シリーズでも倒すとその周回では現れなくなるが、取り逃がしても篝火に触れてからもう一度同じ場所へ行けば何度でもリトライ可能。とはいえやはり配置はいやらしく、篝火に触れれば道中の他の敵も復活してしまうため、逃したときの苛立ちはなかなかのもの。
ドロップ内容が確定でない点については変わらない*4が、大半のアイテムはマラソンでの収集も可能となっており(相応の労力を注ぐ必要があるとはいえ)デモンズソウルに比べれば装備強化についての制限はかなり緩和されたと言える。

石守自体の設定について当初は作中一切の情報が無かったが、ダークソウル3においてはアイテム「錬成炉」の説明において「結晶トカゲの抜け殻を張り合わせ作られている」と書かれていたり、以下のような派生型の敵モンスターも登場したりと考察の余地が増えた。
・赤い石守(ダークソウル2
「輝石街ジェルドラ」に出現する赤く輝く石守
それまでに青い石守を見慣れたプレーヤーは色違いの個体を発見して「レア素材の結晶トカゲか!」と喜び勇んで駆け寄る…が、近寄った瞬間大爆発する。
おまけに爆発する前に倒せたとしても何もドロップしないという、プレーヤーを引っ掛ける気満々のトラップとなっている。
・大食らいの結晶トカゲ(ダークソウル3
ロスリック各地に出現する石守の亜種…らしい。
結晶トカゲの名を冠してはいるがはるかに巨大で、長い手足と尻尾もあるため手足の本数以外に石守の面影は殆どない。
習性も非常に攻撃的で、遭遇すると派手なモーションで襲いかかってくる。倒すと「楔石のウロコ」をドロップし、再配置はされない。
周囲に結晶を生やす攻撃をしてくるため白竜シースやクリスタルゴーレムなどとの関連が疑われるが、作中の伝承では「ソウルを食らった結晶トカゲ」とされている模様。*5
・石守(ダークソウル3
「古龍の頂」に出現する巨大な石守。こちらは小さな石守をそのまま大きくしたような見た目だが背中の宝石は岩石に変わっており「足の生えた岩」といった具合。小さな石守との関係は不明。小さい方の石守が未だにトカゲ呼ばわりされるのは主にこいつのせい。
完全な敵モンスターで、回転しながらの突進や炎のブレスで攻撃してくるし、再配置もされる。
地味に堅く、頭突きの発生がやたら速いため意外と難敵。キックすると転がるので叩き落せる。
倒すと「光る楔石」や「楔石のウロコ」をドロップするのでマラソンの対象にされたりもする。


さまよう悪夢(Bloodborne

各地に出現するが、本編と聖杯ダンジョンでは落とすアイテムが異なり、前者はブラッドボーンにおける強化素材であるところの「血石」を、後者は数多の地底人を生み出した「血晶石」をドロップする。
見た目は「ドクロの塊に手足が生えて這い回っている」といった具合の、なんとも名状しがたいシロモノ。この見た目になると流石に結晶トカゲと呼ばれることは少ない。
結晶トカゲや石守と違い黒っぽく地味な見た目のため事前に把握してないと見逃しやすく、例に漏れず狩りにくい位置に配置されているおかげで残さず狩るには骨が折れる。

大型と小型の2種類が存在しており、大型の個体は攻撃してくるため、見た目で油断して手痛い反撃を受けるプレーヤーも少なくない。
本作はダークソウル3より前に発売されているため、赤い石守のようなフェイクでもなく紛れもない結晶トカゲ枠なのに反撃してきたという衝撃は大きかった。

血石をドロップする本編の個体はそこそこ有用だが、聖杯ダンジョンの血晶石の方は繋ぎとして使えるかどうかも怪しいくらい弱いものばかりであり、最高ランクの血晶石を求める地底人からは軒並みスルーされるという意味でもこれまでの結晶トカゲ枠とは一線を画する。


スカラベ(ELDEN RING

エルデンリングでの結晶トカゲ枠となる、光り輝く球体を転がす大きなフンコロガシ。
倒すと武器の強化素材である鍛石の他、戦灰や魔術、祈祷といった技の類も落とす。

ただ一目散に逃げ回るだけだった従来作と異なり、
オープンワールドになったためか一定のルートを高速で巡回していたり、透明で足跡しか見えない個体、近づくと即座にワープして逃げる個体など、かなりバリエーションに富んでいる。中には普通にスカラベと思って倒すと、突然巨大化するトンデモ個体も…
落とすものの都合上、逃がしたとしても再配置されるため、諦めずに挑戦しよう。

亜種に聖杯瓶を補充してくれる「雫スカラベ」もいる。



余談


  • 英語ではそのまま「Crystal Lizard」と呼ばれている。

  • トカゲに逃げられたらその場で「タイトル画面へ戻る」→「プロファイルをロード」で配置回数を消費することなく再出現する…という小技もあるが、作品によっては使えないので注意。*6

  • 株式会社Geccoがフロムソフトウェアスタッフの協力監修のもと制作・販売した「アストラの上級騎士オスカー 1/6スケールスタチュー」の予約特典として同じく1/6スケールの「石守」が添付されていた。
    後にLED発光ギミックを追加した「石守(結晶トカゲ) 1/6スケールライトアップスタチュー」が限定販売された。

  • デモンズソウルでは、納期のデーモンによって北の巨人の要石が丸ごと没ステージになったというのは有名な逸話だが、実は現存するステージの「ストーンファング坑道」「塔のラトリア」「嵐の祭祀場」「腐れ谷」も1エリア分ほど規模を縮小せざるをえなくなった結果製品版の形になったのこと。各エリア3のトカゲの配置がかなり無理矢理気味なのもその辺りが影響しているのかもしれない。



追記・修正は結晶トカゲの類を追い回して転落したことのある方にお願いします。
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最終更新:2025年02月15日 10:54

*1 おそらく公式攻略本に記載されていたのが唯一の公式情報と思われる

*2 当時の結晶トカゲはアイテムを自動回収できなかったため、トカゲが谷底へダイブしてしまった時点で当然回収不能&倒した扱いにはなってしまっているので配置回数はきっちり減らされるダブルパンチ

*3 ちなみに本作には結晶トカゲとは別に「原生デーモン」という別の強化素材集め用の敵が居るのだが、そちらも確定ドロップではない(攻略本では100%のはずなのだが、バグなのかドロップしないことがよくある)ためやはり運が悪いと数が足りなくなる。

*4 「光る楔石」を確定で1個ドロップするが、残りは確率ドロップとなっている

*5 断言されていないのであくまで「伝承でそのように語られている」に過ぎないが

*6 少なくともダークソウル2ではトカゲが出現しない