惑星封鎖機構大型武装ヘリ(ACⅥ)

登録日:2023/09/13 (水曜日) 09:18:01
更新日:2025/04/14 Mon 18:08:30
所要時間:約 8 分で読めます




惑星封鎖機構大型武装ヘリとは、フロムソフトウェアより発売されたゲーム、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』に登場する兵器。


概要



やはり目を付けられていたか

封鎖機構とやり合うのは
本意ではないが

構わん、迎撃しろ
今ならお前が特定されることはない

画像出典:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON ゲーム画面 ミッション「密航」
© フロム・ソフトウェア 2023年8月25日発売

正式名称「AH12 HC HELICOPTER」
誰が呼んだか通称・ルビコプター

プレイヤーが駆るACと比べても非常に大きな機体に、交差反転式ローターと大量の武装を携えた大型戦闘ヘリコプター
惑星封鎖機構が保有する兵器の一つであり、ルビコン表層を哨戒している対象警備部隊(SG/サブジェクトガード)に配備され、星外企業やルビコン解放戦線、密航を企てる独立傭兵達に睨みを効かせている。
ニューゲーム時に即開始することとなるオープニングミッション「密航」で襲い掛かってくる

惑星ルビコン3に密航し、他人のAC残骸から身分を偽装するため傭兵ライセンスを漁る621だったが、いずれも実績に乏しいランク外、足のつく企業所属、期限切れによる失効済みと求めている物が見つからない。
最後に4機目の残骸を検知したハンドラー・ウォルターの指示で、外れに建つ高層ビルの上部へと向かい、残骸からライセンスを回収。解析が終わり、ウォルターが識別名を読み上げようとした瞬間、周囲を哨戒していた本機に目をつけられ、戦闘を開始する事となる。
もっとも目的の残骸が遮蔽が散らばる広い平地にあるため、「これ絶対にボス出てくるやつだろ」と思うプレイヤーもいたと思われるが…。

なお、後にミッション「無人洋上都市調査」では惑星封鎖機構の精鋭である執行部隊所属のコイツと再戦が待ち構えている。
執行部隊のパーソナルカラーである黒一色に塗られたその姿は密航の時より威圧感を感じさせ、実際ステータスも若干ながら上がり対ミサイル装備も搭載している。


性能


硬い。耐実弾・耐爆性能が高く、手持ちのライフルやミサイルだけで倒し切るのは至難の業。
武装も4連装ロケット×2基、6連装誘導ミサイル×6基に機銃4門×2基と非常に重武装。

武装

6連装誘導ミサイル

両翼に装備されたミサイルを垂れ流してくる。
誘導性能はそこそこ程度だが、後述の機銃やロケットに気を取られていると当たりやすく、ACSゲージが溜まりやすい。

4連装ロケット

機体下部に搭載されたロケットポッド。ヘリの武装の中で最も威力が高く、爆発範囲も広いため非常に危険。
このロケットは上空から連射して撃ち下ろされるうえ、爆風ギリギリでも威力減衰がないため、地上をブースト移動しているだけでは回避が困難。
発射の際はアラートが鳴るため、よく聞いてから空中に退避すれば躱せるが、空中をただフワフワしていると直接狙われる。

機銃

両翼に搭載された機銃を乱射してくる。
ダメージ自体は控えめだが、射線を切る以外に避けるのが困難。
バカ正直に正面から突っ込もうとするとこいつでスタッガーさせられ負け筋に直行しかねない。

フレア

上述の様にミッション「無人洋上都市調査」で再戦する機体は本作では非常に珍しくフレアを積んでおり、迂闊にミサイルを撃つと散布して誘導を切ってくるので「密航」の時よりミサイル系武器が有効活用しにくい。
幸い一度散布するとリロードの為か少しの間使わなくなる。

ロケット含めそこまで大技があるわけではないが、絶え間ない弾幕によってスタッガー状態になり、APが削り取られていく。有効打を見出せないでいると、そのうちリペアキットも尽きて削り切られてしまう。


対策


当然ながら有効な対策は存在している。
しかし先述の通りこいつと最初に戦うミッションはNEW GAME選択直後に始まるオープニングなのでアセンブル*1が固定されており、プレイヤーのアクション以外に改善できることはない。

使える武装は右腕のライフル、右肩のミサイル、そして左腕のパルスブレードのみ。そして敵は真正面に火力を投射してくる。
ライフルもミサイルもろくに効かず、正面に立ってられないのならば、他の方向からパルスブレードをぶち当てるしかない。
そしてこのヘリ、実弾・爆発耐性こそ高いもののEN属性への耐性が非常に低くパルスブレードの大威力が十二分に発揮される。

つまりエネルギーゲージを切らさない程度に、クイックブースト(QB)のステップとアサルトブースト(AB)のダッシュで横にまわりつつ真下を取る

真下からAB+ブレード使用時のダッシュで近づき斬撃

ブレードのクールタイム中はミサイルやライフルで敵の負荷ゲージを維持・蓄積する…
というのが基本的な倒し方になる。
ヘリは正面に対する火力が高いためただ普通に突っ込むだけではブチ殺されるが、
真下が安全地帯と言っても過言ではないため、そこを経由してしまえば安全な時間ができる
またABは「カメラが向いている前方へダッシュ」なので、今作に導入されたターゲットアシストでヘリを捉え続けたまま、右スティックには触らずアサルトブーストを起動すれば簡単に近づきやすくなる。

ただし、大型かつ常時飛行タイプの敵であることから戦闘エリアの移動制限が適用されていない。
流石にこちらの火器が当たらないほど遠くへは行かないが、平然とエリア外に出て射撃してくることも少なくないわけである。
常時安全な真下をとり続けるのが困難なのはこのせい。

更に言えば、ある程度ヘリの位置と動きを確認しながら戦っていないと
ブレードで斬りかかろうとブーストで飛び上がり距離を詰める→エリア制限の壁にぶつかるorヘリに後退で逃げられて目の前で動きが止まる→悪くすればブースト切れ→そのまま空中で火器を浴びせられ大ダメージ
なんてことにもなる。

後ほど分かることだが初期機体のジェネレーターはゲーム中最低クラスの劣悪な性能のためゲージの消費は必要最低限に留めたいところ。真っ先に変えるべきだがアセン固定なので変えられない。
空になってから復旧した際の供給量も乏しいため、焦るとロクに動けずにジリ貧になりやすい。




総評


初見殺し要素が強いが、実戦チュートリアルとして学べるものも多いボス敵。
ただしゲーム内のアドバイスはウォルターが回避面を多少アドバイスしてくれる程度なので、そこは多少スパルタなボスと言えるだろう。
「射撃系に強く適当に撃つだけでは到底倒せない」「パルスブレードに極端に弱い」点はゲーム内で明言されることは無く*2、予習抜きでは色々と試してのダメージ効率からプレイヤーが自力で発見しなければならない
難敵ではあるものの、戦い方に気づくことができれば倒せるはずだ。

無事こいつを倒した頃には、プレイヤーは本作の基礎をある程度モノにしていることだろう。
スタッガー、ロックオン機能、AB・QBとEN管理(=ダッシュ・回避とスタミナ管理)、攻撃パターンと安全地帯&有効な武器の把握…
これらの要点はACVIにとどまらず、3Dアクションゲームの数々にも全てではないが多く見受けられる共通点である。

近接攻撃が一番効くのにたまにエリア外に行ってから攻撃してきちゃう点、そしてこの後にシミュレータのチュートリアルトレーニング解禁が控えている点は御愛嬌。


余談


本作のボスを務める大型兵器はどれもこれも図体の大きさが特徴なのだが、このヘリもその手に漏れず有志の検証によれば全高約89m、全長約272mという、最早ヘリというよりは一種の飛行戦艦と呼べる巨体ぶり。
こんなのが宙を舞って猛爆撃を仕掛けてくるのは、地上戦力からすれば恐怖以外の何物でもないだろう。

前述のように対処法さえ理解すれば大したボスではないのだが、何度も言うようにこいつと戦うのはゲーム開始直後、オールマインドによる基本操作のチュートリアル開放前
ただでさえ操作法の複雑なゲームであるため、右も左もわからない、特にACというゲームの基本的な勝手を全く掴んでいない新規勢を中心に苦戦者が続出。
そのシリーズを初めて触る初心者を最初のミッションで容赦なく殺しにくるという構図から全ての原点である『ARMORED CORE(初代AC)』に登場するヤツを彷彿とさせる。
そして過去作経験者にとっても「飛び込んで積極的にブレードを振る」というのは従来のACの作法からするとイレギュラーな行いだったため、なまじ過去のACを知っているばかりに旧作で鉄板だった引き撃ち戦法に拘ってしまった結果硬すぎて絶望するというパターンもある。
このように新規・旧作既プレイ問わず数多くのプレイヤーを悩ませた事もあり、「最初のヘリ」や「チュートリアルのヘリ」といった関連ワードが発売当日のX(Twitter)でトレンド上位入りする事態となった。

この話題性からフロムゲーの序盤強敵枠として鬼形部ガスコイン神父と並びたてる向きもあるが、SteamやPS5のトロフィー取得率を見る限り9割は突破出来ているようなので鬼刑部の6割、ガスコイン神父の4割と比べればそこまででもない模様。
とはいえ普通のゲームならクリアして当然といえる、チュートリアル前のオープニングステージの突破率が話題になるのも異様な事態ではある。

そんな訳で話題となったこのヘリだが、後にチャプター3のミッション「無人洋上都市調査」にも出現。
今度は取り巻きの狙撃部隊を連れていたり新たにフレアを装備してミサイル対策をしたりしているものの、中盤ということで十分にアセンブルされた機体と成長した技量により、かつてのように苦戦することはないだろう。
ただし、高低差の激しい都市内に出現する都合か「密航」の時より高度をかなり高く取るうえにエリア外にも平然と出るため、性能や技量が改善されるとはいえなかなか間合いに捉えさせてはくれない、面倒な敵ではある。

なお、「密航」でのヘリ攻略の鍵であるパルスブレードことHI-32:BU-TT/Aだが、その正体は初期武器にして最後まで使っていける、歴代屈指に優秀な近接兵装。この後もSランク埋めや強敵攻略に時たま引っ張り出したり、果ては結局このまま左腕がずっとパルブレという621もいたとか。
ああずっと、ずっと側にいてくれたのか。我が師、導きのパルスブレードよ…

また、2周目以降は「密航」がスキップされるため、周回のたびにいちいち貧弱な機体でヘリと戦うことは避けられる。

しかし、こいつが密かな壁として立ちはだかるのはまた別のやりこみ段階にある。
それはトロフィーコンプ、その最大の難関となっているお約束の「全ミッションランクS」。「密航」も対象である
しかもこれリプレイ時もしっかりアセン固定仕様のせいで、どれだけゲームが進んでも機体や装備の組み換えで乗り切る事は出来ず、純粋にプレイスキルのみでの突破が必要となるのである。
無論、他の高難易度ミッション、ボス戦やSランクノルマがきついミッションを制覇できるようならこいつに手間取りはしないだろうが、進めば進むほど慣れ親しんだハイスペックから急激にクソスペックに叩き落とされる落差は覚悟した方がいいだろう。
とりあえず、アサルトブーストで道中を駆け抜け、クリアタイムをなるべく早く心がけると幾分楽だと思われる。


なお、初アプデとなるVer.1.02では凶悪ボス達に下方修正が入ったが、本機は弱体化されていない。フロム的にはあくまで適正なチュートリアルらしい。
ただし、同パッチではライフル系の武器全般が上方修正されており、「密航」で強制使用させられる初期装備ライフル「RF-024 TURNER」もその対象のためほんのちょっとだけ楽になった。
更に、その後のVer.1.03.1などでは初期機体のフレームやジェネレーターにも上方修正が入っており、相対的にはある程度弱体化されていると言える。


ちなみにアナウンスメントトレーラーではルビコプターの編隊が登場していたりする今となってはこの編隊と戦ってみたかったという意見もある


追記・修正はブレードを振りながらお願いいたします。

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  • 導きのパルスブレードの始まり
最終更新:2025年04月14日 18:08
添付ファイル

*1 ACシリーズにおけるカスタマイズ、装備構成のこと

*2 一応死亡時に表示されるTIPSの動画にはヘリにパルスブレードを叩き込んでいるシーンが映されるが、文言は別の事項(ジャンプ回避)についての説明なので気づかないプレイヤーもいたと思われる