スパイキッズ2 失われた夢の島

登録日:2023/10/23 (月) 20:00:11
更新日:2024/10/17 Thu 22:05:35
所要時間:約 20 分で読めます







全世界を熱狂させた、最強×最小のヒーローが帰ってくる!



概要


『スパイキッズ2 失われた夢の島』(原題:Spy Kids 2: The Island of Lost Dreams)は、2002年8月7日アメリカで公開された『スパイキッズ』シリーズ2作目。
日本では2002年9月7日に公開。
監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽は、前作から引き続きロバート・ロドリゲス

幼い頃から『夢のチョコレート工場』や『チキ・チキ・バン・バン』といったファミリー映画に007シリーズ、ガンアクションにB級SFやホラー……ジャンル問わずに観ながら育ったロドリゲス。
こうした映画にワクワクした記憶を自身の作品に刻みながら作品を撮り続けていた彼であるが、前作『スパイキッズ』は、ファミリー映画+スパイ映画という欲張りな作風。
これが大ヒットし、早くも続編として作られたのが本作である。
今回の舞台は、謎の巨大生物たちが生息し、謎の古代遺跡が眠る幻の島ということでアドベンチャー要素が強まっており、ますます盛りだくさんな作風に。
ロドリゲス曰く、「本作を『失われた夢の島』と名づけたのは、自分が欲しかったガジェットや旅してみたかった夢の場所など子供の頃に描いていた夢や想像、さらにはすべての子供が冒険やミステリーに対して抱く夢を取り上げて、映画の中に放り込んだからだ」
また、ここでの目玉となる巨大生物たちのデザインや動き方は、ストップモーション・アニメの神様と呼ばれるレイ・ハリーハウゼンへのオマージュ
『SF巨大生物の島』や『シンドバッド七回目の航海』といった作品を連想させるものがあるだろう。
「僕自身が子供の頃、夢中になったファンタジー映画だからね。僕も彼がやったように、キャラクターたちに魂を吹き込みたかった。今うまく出来た特撮映画はたくさんあるけど、本当に実在するかのようなリアルなキャラクターってなかなかいないものだよ」
加えてこのオマージュは、ハイテクからローテクへの回帰という本作のテーマにもつながっている。

物語のスケール感がアップし特殊効果も大幅に増えた本作であるが、意外にも予算は3600万ドルと、前作(3500万ドル)とほぼ変わらない。
しかしコストをかけずともクリエイティブさを発揮するのは、ロドリゲスの十八番。
本作の企画にあたり、ロドリゲスはこれまで感じていた制限を全てなくし、ガジェットが大好きで冒険に憧れる、子供のような創造力に全てを委ねた。
フィルムを含む映画製作の伝統的技術を一切捨て、高速用に改造した2台の特注HDカメラでどんどん撮りまくり、撮影したものを全て自宅のガレージで編集し特殊効果を入れ録音し、最終的な音をミキシング。
彼はとにかく人の度肝を抜く独創的な映像を生み出すことを最優先とし、昔ながらの個性は監督と同様に、ストーリーテリングの面白さを映画作りの各プロセスに注ぎ込んでいる。
そして前作から一貫している「家族愛」のテーマも、祖父母の登場でさらにパワーアップ。
ロドリゲスの思い出をぎゅっと詰め込んだ『夢の島』の冒険を、カルメンとジュニたちと共に堪能しよう。

あらすじ


カルメンとジュニの活躍がきっかけで、OSS(最高機密戦略事務局)にはスパイキッズ部隊が設立された。
もちろん二人も正式なスパイとして活躍中だ。
しかし好事魔多し。二人にはゲイリーとガーティというライバルが立ちふさがるようになっていた。
彼らに尽く手柄をかっさらわれたたり向こうばかり優遇されたりした挙句、OSSのパーティーの最中に秘密兵器トランスムッカーが奪われたことでジュニがクビにされてしまう。
だが転んでもタダでは起きないのがコルテス姉弟。汚名返上のために掟破りの手段で職務に復帰すると、トランスムッカーを取り戻すため、謎の海域へ向かう。
そこには、未知の巨大生物がひしめき、古代遺跡が眠る不思議な島があった……!

登場人物


  • カルメン・コルテス
演:アレクサ・ヴェガ
吹替:清水理沙

ご存じスパイ一家の長女。現在はレベル2(大統領に直接電話できる)*1の権限を持っている。
自分たちと張り合ってくるライバルのゲイリーとガーティに対しても、姉らしく大人の対応を見せていたが……
OSSをクビになった弟のために一肌脱ぎ、システムに侵入し勝手に復帰させたばかりか、ゲイリーとガーティをゴビ砂漠流しにした
しれっとヤバいことをやってのけている辺り、流石はスパイというか、その胆力は相当なものである。
一方で、スパイとして冷徹さに徹しようとするギグルス兄妹のスタンスにも一定の理解を示すあたり、やはり姉である。
そのゲイリーについては憎からず思っており、彼の画像を集めていた
また、前作ではオムツ着用者であることが暴露されていたが、今作では自分で認めるほど足が臭いことが明らかになっている
そしてEDのライブでの歌とキレッキレのダンスは必見。

  • ジュニ・コルテス
演:ダリル・サバラ
吹替:常盤祐貴

ご存じスパイ一家の長男。
弱虫で運動音痴だった前作から大きく成長してすっかりスパイとしての意識に目覚めており、姉と同じくレベル2の権限を持っていた。
が、OSSのパーティーを敵に襲撃された際、ゲイリーと手柄を取り合っている間にトランスムッカーを奪われたことで、その責任を一方的になすりつけられてクビになってしまう
しかし姉のハッキングのおかげで無事(?)復帰。
DIYの才能もあるのか独力でハンモックを作ったり、どんな窮地だろうとお菓子を食べようとしているあたり、サバイバル適正はかなり高いようだ。
また、こちらはアレクサンドラに惚れており、OSSのパーティー会場ではダンスにお誘いしたり、任務中にビデオレターを送っている。

  • グレゴリオ・コルテス
演:アントニオ・バンデラス
吹替:大塚明夫
  • イングリッド・コルテス
演:カーラ・グギノ
吹替:高乃麗

ご存じスパイ姉弟のご両親。
グレゴリオはOSSの新局長になる予定だったが、ハッキングによってダナゴンにその座を奪われる。
さらにジュニがクビにされた後は閑職になったのか、二人とも狭いオフィスに追いやられていた。
その後ダナゴンから任務に就いた姉弟が消息を絶ったことを告げられ、捜索に向かう。

  • フェリックス・ガム
演:チーチ・マリン
吹替:楠見尚己

コルテス夫妻の同僚。前作でフーグリーにされていたが、無事に元の姿に戻っている。
かつては子供たちの護衛のために叔父を名乗っていたが、それでも姉弟にとっては長いつき合いのため、今でも叔父さんと慕われている。
だが終盤では……

  • イサドール・マチェーテ
演:ダニー・トレホ
吹替:廣田行生

コルテス姉弟の伯父にして、スパイグッズの発明家。
ツリーハウスでギグルス兄妹の任務を横取りした姉弟に、新たなスパイグッズを届ける。
EDでのセリフ回しは必見。

  • バレンティン・アヴェラン
演:リカルド・モンタルバン
吹替:中村正
  • ヘルガ・アヴェラン
演:ホランド・テイラー
吹替:沢田敏子

カルメンとジュニの、母方の祖父母。
もちろん二人とも元スパイで、バレンティンは空飛ぶ車椅子に乗っており、ヘルガは飛行装置を背負っている。
だがイングリッドの結婚は秘密事項だったため結婚式には招待されておらず、娘婿のグレゴリオのことは認めていない。
おかげでグレゴリオは舅と姑にタジタジだが、孫の捜索についてきたことから、その活動はすっかりにぎやかなものに……

イングリッドは「パパは月まで行く」とのことだが、次作で言葉通りになることになる。

祖父を演じたリカルド・モンタルバンは『スター・トレック2 カーンの逆襲』のカーン役で知られている。

  • フェーガン・フループ
演:アラン・カミング
吹替:小堺一機

コルテス一家以外の続投組。
番組をトップにするためのアイデアを出してもらったためか、恩人のジュニには頭が上がらない様子。

  • アレクサンダー・ミニオン
演:トニー・シャルーブ
吹替:岩崎ひろし

元OSSのメンバーにして前作の黒幕。そして同じく続投組。
ウカタ任務やトランスムッカーの情報を姉弟に提供する。
曰く、ダナゴンが黒幕であり、海域にある島に暮らす“アイランド・マン”が彼と繋がっているという……
なお、相変わらずその姿は気にしてない模様

  • ゲイリー・ギグルス
演:マット・オリアリー
吹替:浪川大輔
  • ガーティ・ギグルス
演:エミリー・オスメント
吹替:小桜エツ子

前作で登場したダナゴンの子供たちで、本作のライバル枠。
ゲイリーは足からのジェット噴射で、ガーティはおさげをプロペラにして空を飛ぶことが可能。
ダナゴンと次作に出てくる母親の性格からゲイリーは父親似、ガーティは母親似。
命令とはいえコルテス姉弟の任務に割って入って手柄を横取りしたり、装備面でも優遇されて自慢してきたり、ことあるごとに嫌味を言ってきたりと、いかにもなキャラ付け。
さらにOSSの新局長となった父の七光りでコルテス姉弟以上のレベル1に昇格。飛ぶ鳥を落とす勢いで出世していたのだが……
コルテス姉弟によって任務を書き換えられてゴビ砂漠送りにされた挙句、ラクダの肥溜めに落ちるという惨劇に遭遇する。
おまけにリキリキ島では電子機器が使えず、ゲイリーの「古臭いツールでケガすんなよ。スパイの力量は持ってるツールで決まる」の発言がブーメランになって返って来ることに。
しかも終盤で2度目のブーメランになって返ってきた
そんな彼らだが、スパイとしてのプロ意識は高く、一流のスパイとしての自負から家族愛も友情も信じず冷徹に振る舞っている。
が、コルテス姉弟から父親が今回の事件の黒幕だと告げられても信じなかったあたり、やはり親への愛情は捨てられなかったのである
事実、ダナゴンが上陸した後もそっちに味方し続けていたが……

ガーティ役のエミリー・オスメントは、『シックス・センス』や『A.I.』で知られる名子役、ハーレイ・ジョエル・オスメントの妹である。

  • ダナゴン・ギグルス
演:マイク・ジャッジ
吹替:金尾哲夫

ギグルス兄妹の父親。
実は前作にも登場済みで、フーグリーにされたスパイの一人だった。
しかし今作では被害者から一転、わが子まで利用した不正で新局長にのし上がるわ、自身の発明品トランスムッカーを使って世界征服を企むわで、まさかの黒幕と化した。
局長用の広いオフィスにご満悦なようだが、あの構造だとすごい不便というか危険だと思う

演じたマイク・ジャッジは、アニメ『ビーバス&バットヘッド』や『キング・オブ・ザ・ヒル』の製作者であり、『26世紀青年』も監督している。

  • アレクサンドラ
演:テイラー・モンセン
吹替:山下夏生

大統領のご令嬢。
遊園地に遊びに来ていたが、あまり父と一緒の時間を作れないらしく寂しい思いをしている。
そのために、アトラクションの制御装置のキーを抜き、座席から勝手に降りて支柱部分に立て篭もろうとしたり、トランスムッカーを持ち出したりして父が来るように仕向けようとしていた。
OSSのパーティーでもシークレットサービスに囲まれる中で踊っていたが、ジュニのお誘いで共にダンスを踊ったりして距離を縮めていく。


  • ロメロ博士
演:スティーヴ・ブシェミ
吹替:山寺宏一

リキリキ島にただ一人で暮らす人間“アイランド・マン”でダナゴンに雇われており、死火山の中に築いた秘密基地に身を潜めている。
遺伝学の研究者で、実験のために隔絶された場所であるリキリキ島に住んでいた。
元々は金儲けのため子供部屋に置けるミニチュア動物園を開発していたが、ある日試験管を間違って混ぜ合わせ、新種の生物を生み出してしまった。
その後不器用な子でも扱えるように新種の生物をもう少しだけ大きくしようとした所、血清が効きすぎて巨大化。
以降リキリキ島は巨大生物の島となり、彼は自身の生み出した生物に怯えながら基地に引きこもっている。
「ひょっとして……神が天国から出ないのは、自分の創造物を恐れているからか?生き物を……」


  • ディンキー・ウィンクス
演:ビル・パクストン
吹替:大塚芳忠

遊園地「トラブルメーカー・テーマパーク」のオーナー。
アレクサンドラ相手に色々なアトラクションを紹介していたが、後述の通りどれもヤバい代物ばかりである。
EDではロメロ博士の元を訪れ、テーマパーク事業を持ちかけていた。

舞台


【トラブルメーカー・テーマパーク】

物語冒頭に登場する、本シリーズの製作スタジオの名前を冠した遊園地。
大統領のご令嬢アレクサンドラが遊びに来ていたが、そのアトラクションの内訳は、

  • ビシバシ・パニック(WhipperSnapper)

タワーの上から吊るされたカプセルに客が乗り、鞭のように降り回す
原語版での意味合いは「生意気なガキ」「鼻たれ小僧」

  • グルグルガチンコ(NerveWracker)

乗客が乗る二つのライドを回転させ、頂上で激突
原語版での意味合いは「神経キリキリ」

  • ゲロンパ(Vomiter)

乗客がゲロを吐くほどの超速回転コースター。
原語版からして「嘔吐者」であり、アトラクションにもゲロを吐く装飾が施されてる辺り、どう見ても狙ってる。

  • オテダマン(The Juggler)
スタジオのマスコット「ペピーノ」を模したアトラクション。
客の入ったカプセルを持ち上げ、法定速度ギリギリで回転させ、磁気を利用してお手玉する最新マシン。

……と、どれも安全対策そっちのけにしか見えない超危険マシンばかりのラインナップになっている。
これに関してはぶっちゃけ文字だけでは伝わり切らないので、ぜひ一度その無茶ぶりを観てもらいたい。
そのヒドさは、としまえんのエイプリルフール広告「史上最低の遊園地」といい勝負ができるのではないだろうか

【リキリキ島】

今回の任務である「ウカタ任務」の舞台となる、マダガスカル沖にある島。
普段は島自体が見えず、人工衛星にも映らないが、この海域で遭難したOSSのスパイたちからは不思議な生き物が住む謎の島を見たという目撃情報が相次いでいる。
その目撃談を語ったスパイたちは信憑性を疑われクビになったが、今回トランスムッカーを奪った円盤がこの海域で姿を消したことから調査することに。
しかしたどり着いたそこでは電子機器、つまりスパイグッズが使えないばかりか、ロメロ博士の生み出した合成生物が大量に生息している危険な場所だった。
ある意味スパイ映画のお約束をバッサリ否定したような展開であり、それだけに知恵や絆の力が問われる状況と言えるだろう
ロメロの秘密基地の反対側には、古代遺跡が眠っている。
そこは財宝と骸骨だらけの部屋があったり、ループする迷宮と、『インディ・ジョーンズ』ライクな場所である。
またカルメンとジュニはここで、テレパシー能力に開眼した。

※主な生物たち

  • ダブルヘッド・サーペント

尾の先がもう一つの頭になった大蛇で、海中から浮上したコルテス姉弟を島に押し流した。
なお、ラクダのフンまみれになったギグルス兄妹に対してはその悪臭でダウンしていた

  • サルグモ

下半身が蜘蛛になっているゴリラの姿で、ジュニが手なづけた。
ヘビトカゲ戦ではほぼ押され気味だったが、カルメン参戦と糸を出す能力で形勢逆転した。
原語版では「Spider Monkey」で、クモザルから取られている。

  • ヘビトカゲ

首から上が蛇になったトカゲの姿で、ゲイリーが手なづけた。
原語版では「Slizzard」となかなか秀逸なネーミングとなっている。

  • ブタドリ

羽の生えた豚。カルメンとガーティを巣にさらった。
原語版では「spork」で、コウノトリ(stork)と合成されているらしい。
また、「ありえない」を意味する慣用句「When pigs fly」が由来となっており、こちらも秀逸なネーミング。

  • 骸骨戦士
ロメロ博士の創造物でないが便宜上ここに挙げておく。
遺跡の宝物にジュニが手を出したことで動き出しコルテス姉弟を襲うが、ジュニが反省し宝物を返すとあっさり引き下がった。
しかもその後は、サルグモとヘビトカゲの戦いを観戦したりとノリのいい奴らである。
そんな彼らはハリーハウゼンの『アルゴ探検隊の大冒険』のオマージュであり、その動きは他の巨大生物と違ってあえてカクカクしたものとなっている。


その他にも、ハエと馬*2、牛とカエル*3、魚と猫*4、犬と羊*5、亀とカンガルー*6、サメと虎*7の合成獣が確認されている。

主なスパイグッズや発明品など


  • R.A.L.P.H.(ラルフ)

ジュニが愛用する虫型ロボット。名前は「Robotic Arachnid Lithium Photo Helper」の略。
ボウ・タイを結ぶのはもちろん、その小さいボディやワイヤーアクションで隠密行動や監視が得意。
暇なときは寝っ転がっていたりと、見た目も仕草も結構可愛いので本作のマスコット枠と思いきや……
存在に気づいたゲイリーに踏みつぶされるというあんまりな末路を辿った。
一応、物語の舞台上電子機器が使えない制約がある上、EDで修理されてはいるのだが……
続編にも登場しており、序盤でサルグモと喧嘩したり、ラストをドアップで飾る姿が見られた。
が、あちらのメイン舞台は仮想世界という都合上、やはり出番はそこだけ。
こうして見ると、つくづく舞台設定に恵まれないキャラである。出るタイミングを間違えたのだ……

  • OSSジュニア本部

コルテス家の邸宅にあるツリーハウス。
もちろんマチェーテ製だけあって、スパコンに衛星受信アンテナ、ヘリポートと最新設備が揃っている。
カルメンはここからOSSのシステムに侵入してジュニを復帰させたり、ギグルス兄妹をゴビ砂漠流しにした。
また、姉弟のフルネームがパスワードになっており、前作で明かされなかったジュニのフルネームもここで判明している。

  • 最新型スパイ・ウォッチ

携帯にインターネットに衛星放送の受信と、あらゆる通信機能を集めた腕時計。
スパイ映画の定番であると同時に、現代のスマートウォッチの先駆けとでも言うべきアイテムである。
ただし機能を詰め込みすぎて時刻はわからない

  • マチェッティ式万能ゴム

マチェーテの髪留めに使われていたゴムバンドで、カルメンに与えられた。
一見ただのゴムバンドだが、マチェーテ曰く999通りの使い道があり、大事なのはいかに上手く使うかであると諭していた。

  • ドラゴン・スパイシップ

トンボの形をした潜水艇。
船の性能は毎月進化するとのことで、船内の機能は全てオートメーションで動く。
前作のスーパーグッピーを順当に進化させたような性能と言えるだろう。おせっかいなのは相変わらずだが
しかし船内には遭難したOSSの貨物船や敵のマグネット型UFOのデータがない代わりに、なぜかダナゴンのデータが残っていた。

  • 空気スーツ

機能停止したドラゴン・スパイシップから脱出するときにコルテス姉弟とギグルス兄妹が着ていたスーツ。
しかし自動停止装置が作動せず、関取みたいな姿になるまで膨らんでいた。

  • ロメロ・ズー

ロメロ博士が開発したミニチュア動物園。
この中の動物たちは、遺伝子操作により手のひらサイズにまで縮小されている。
自分のミスから新種の生物を作り出した後は、そちらバージョンのロメロ・ズー2も開発した。
また、秘密基地の入口にある、島のミニチュア模型の火山の中心部分は重力の中心でもあるので、そこにミニチュアサイズの動物を放つと外の巨大生物の位置も特定できるようになる。

  • 歯の追跡装置

グレゴリオが子供たちの歯の治療の際に埋め込んだ、歯の形の追跡装置。
非電子式なので、リキリキ島周辺でも追跡が可能。
だが二人は、両親の身を案じてこれを引き抜き破壊。
彼らがスパイとして、厳しい選択を取れるようになった瞬間である。

  • お守りのネックレス

ジュニが祖父からクリスマスプレゼントにもらったネックレス。
実はそれも追跡装置になっており、歯の追跡装置破壊後の二の矢となった。

  • マグネメン

ダナゴンの部下。
OSSのパーティーではウェイターとして働いていたが、大人たちがシャンパンに仕込まれた睡眠薬で倒れると本性を現し、トランスムッカーを奪っていった。
名前の通り頭部が磁石になっており、マグネット船に頭をくっつけることで空を飛ぶ。
EDのライブでは演奏している個体も見られる。

  • 空飛ぶ磁石

ロメロの秘密基地の外に用意されている、大小2組のU字型磁石。
大きい方に乗り、小さい方でバランスを取る形で空を飛べる。
さらに目的地に自動的に飛んでいけるという優れもの。

  • トランスムッカー

あらゆる電子機器を無力化する本作のキーアイテムであり、ダナゴンがこの装置の開発を最初に手掛けた。
グッズが命のスパイにとってはまさに天敵であり、世界を揺るがす力を持つ重要機密なのだが……
その割にはアレクサンドラにあっさり持ち出されるなど扱いがガバガバである。


  • マチェッティ製ミラクルマイクロフォンとギター
EDでライブに出演させられたカルメンにマチェーテが与えたアイテム。
どんな声でも美声になり、吹き替え機能もバッチリ。
「これでブリトニーみたいにブリブリ踊れるぜ!」*8
またジュニには、特製のギターが与えられている。
「これを弾けばサンタナなんて目じゃないぞ、ヨンタナだ!」*9
なおマチェーテは、マイクに電池を入れ忘れていた。つまりカルメンの歌は、素の実力だったわけである。

余談


〇冒頭の遊園地は当初ディズニーランドで撮影する予定だったが、テキサス州アーリントンにある遊園地「シックス・フラッグス・オーバー・テキサス」に変更された。*10
アトラクションは全てCGだが、ビシバシ・パニックは「Oil Derrick」というタワー、グルグルガチンコは「Dive Bomber Alley」というアトラクションがベースとなっている。
つーかこんな殺人アトラクションが実在してたまるか
また、ギグルス兄妹に手柄を横取りされた時に発したカルメンのセリフは「No more rinky dink assignments(こんなショボイ任務もうイヤ)」だが、元は「No more Mickey Mouse assignments」*11だったとのこと。

〇OSSのパーティーで大人たちが睡眠薬を盛られて倒れるシーンで、『スクール・オブ・ロック』などで知られる映画監督、リチャード・リンクレイターがカメオ出演している。
……よく食べ物の中に顔を突っ込む役どころに了承したものである。
ちなみにリンクレイターはロドリゲスと同じくインディーズ映画出身の監督かつ、テキサス州オースティンを拠点にしている所が共通している。

〇遺跡内で骸骨同士が取り合う秘宝を見つけ、盗むことを企むジュニのセリフは、『ロード・オブ・ザ・リング』のパロディ。
また、NG集での言い間違いではゴラムの真似をして「My precious(いとしいしと)」と言っている。





追記・修正は、ゴビ砂漠送りにされてからお願いします。

参考文献
パンフレット

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 映画
  • 洋画
  • スパイ
  • スパイ映画
  • アクション
  • コメディ
  • アドベンチャー
  • ラテン系
  • バカ映画
  • 家族愛
  • 痛快娯楽作品
  • ファミリームービー
  • スパイファミリー
  • スパイキッズ
  • Spy Kids
  • ライバル
  • 遊園地
  • 史上最低の遊園地
  • 動物園
  • へんないきもの
  • 孤島
  • ハリーハウゼンへのオマージュ
  • インディ・ジョーンズへのオマージュ
  • びっくりドッキリメカ
  • ゴビ砂漠
  • ラクダ
  • 魔改造
  • 引きこもり
  • マッドサイエンティスト
  • 磁石
  • NG集
  • ロバート・ロドリゲス
  • アントニオ・バンデラス
  • チーチ・マリン
  • ダニー・トレホ
  • アラン・カミング
  • スティーヴ・ブシェミ
  • 優しい世界
  • ビル・パクストン
  • カーラ・グギノ
  • 2002年
最終更新:2024年10月17日 22:05

*1 なお、これだけの権限を持っていても、イングリッドの発言を見る限りだと単独での任務は許可されてないようである

*2 原語版では「Horse-fly」で、和名だとウシアブとなる

*3 原語版では「Bullfrog」で、ウシガエルを表す

*4 原語版では「Catfish」で、ナマズの英名そのまんまである

*5 原語版では「Sheepdog」で、牧羊犬を表す

*6 原語版では「Turtleroo」

*7 原語版では「Tigershark」で、イタチザメの英名そのまんまである

*8 原語版でマチェーテは「ブリトニー・ロペスみたいに踊れるぞ」と言っており、ブリトニー・スピアーズとジェニファー・ロペスを混同している

*9 原語版でマチェーテは「アンガス・ヴァン・サンタナみたいに弾けるぞ」と言っており、アンガス・ヤング、エディ・ヴァン・ヘイレン、カルロス・サンタナを混同している

*10 ちなみにOSSジュニア支部はサン・アントニオ公共図書館がベースとなっている

*11 皆さんご存じあのネズミの名前が使われているが、ここでは「古臭いもの」や「やっつけ仕事」を意味する俗語である