登録日:2024/02/04 (日曜日) 14:24:52
更新日:2025/04/25 Fri 23:09:34
所要時間:約 6 分で読めます
【目次】
【概要】
『サイドカー刑事』は、1995年から1996年にかけてモーニング増刊でOPENに断続的に連載された小宮正志による
漫画作品。
アメリカ合衆国を舞台にした
復讐劇が描かれている。
主人公であるサイドカー刑事が、巨大犯罪組織マウンテンによって家族を失った復讐の旅を描く。彼はサイドカーに乗り、世界中を駆け巡りながらマウンテンの構成員を次々と倒していく。
敵対する悪党たちや秘密兵器、狙撃手、科学者、ロッカーなど、様々なキャラクターが登場し、アクションとスリリングな展開が楽しめる作品。
小宮の白目キャラと細かい描き込み、胸を打つシーンで
BGMを感じてもらうために随所に楽譜を載せるなど前衛的な描写が
妻が結城に微笑みかけながら爆死するシーンや、サイドカー刑事を愛してしまった殺人マシーンの死など感動的なシーンを支える。
……あ、この漫画は笑いとハードボイルド要素が絶妙に織り交ぜられた
ナンセンスギャグ漫画です。
これらはすべてギャグとして、笑いを口で説明しない漢らしいスタイルで描かれており、読者を楽しませてくれる。
トンチキニューヨーク描写が挟まったり、有名作品で言えば
ニンジャスレイヤーの日米を逆転したようなアトモスフィア。
同性愛ネタやSMネタは小宮の趣味だと当時の担当編集が弁明している。
単行本は全1巻。現在はWEBサイト「マンガ図書館Z」でも無料で閲覧可能。
意外なことに、
特殊刑事課(こち亀)に「サイドカー刑事」は登場していない。同作には本口リカという正統派のサイドカーキャラがいるからだろうか。
【あらすじ】
スピード違反をしてニューヨークの警察に止められるサイドカーの男。彼は警察手帳を見せ名乗る「
刑事だ」と。
マウンテンの屈指の殺し屋グレン・ミッチェルを標的としたサイドカー刑事は彼の行きつけのバーに現れる。だがバーのマスターはグレンの味方をする。
復讐鬼と呼ばれるサイドカー刑事も嘗ては結城という熱血刑事だった。
殺された先輩刑事本庄の追っていた悪の組織を探す結城は、妻子とともに悪の組織に殺される。しかし、奇跡的に生き残った結城は、復讐のために本庄の遺志を継いだサイドカーに乗りサイドカー刑事となって戦う結城は、飛鳥落勢流免許皆伝の腕と正義感で、様々な事件に挑む。
マウンテンの主催する地下格闘技を壊滅させるため、選手として潜入するサイドカー刑事。標的は無敗の格闘王者ランディ・グローリー・ナサニエル。しかし、選手としてリングに上がった以上、愛用の
拳銃を使えば死が待っている。
マウンテン屈指の狙撃手グレゴリー・リビングストンを狙ったサイドカー刑事だったが、狙撃は失敗、逆に恐るべきハンターから追われる身となってしまう。
マウンテンの秘密兵器開発センターを壊滅させたサイドカー刑事だが、マウンテン最高の頭脳フリッツ・フォン・エーベルシュタイン博士と彼の怪物マシン「3X」は生きていた。マウンテン幹部専用車として開発された3Xの性能はサイドカーを上回り、装甲は銃弾を寄せ付けない。
芸能界を牛耳る悪のアクター「ロレンツォ・ヤングブラッド」を倒すため、彼の主催する舞台劇『愛とサンダー』へ潜入を試みるサイドカー刑事だったが、オーディションに落選してしまう。だがヤングブラッドに接近できるチャンスは舞台上にしかない。
ロサンゼルス中華街を支配する国際的犯罪組織マウンテンの幹部スティーブ・陳に捕らわれたサイドカー刑事は、陳の右腕である殺し屋「ミッシェル・K」の拷問に耐える。
マウンテン幹部であるジョンソン・パトリオット博士の病院に乗り込む際の事故により
記憶喪失となったサイドカー刑事は、件の病院に担ぎ込まれる。そこで博士の人体実験の被験者だった兄を探す看護婦シャロンとともに博士が作り出した超人と対決することになる。その無力感を引き金にサイドカー刑事の記憶が蘇る。
サイドカー刑事は、若者を退廃に誘う悪徳ロックスター「ブライアン・ハリケーン」を倒すため、四人の伝説的ロッカーと協力して、新人ロックバンドオーディションに出場する。
巨大国際犯罪組織マウンテンを壊滅させたサイドカー刑事は姿を消した。20年後の近未来都市で現役の警官と酔客がサイドカー刑事の伝説を語る。サイドカー刑事の正体と運命は今。
【登場人物】
結城(サイドカー刑事)
本作の主人公で、巨大犯罪組織マウンテンに最愛の妻の美津子と娘の多美と先輩を殺された元刑事。復讐のためにサイドカーを駆使して世界中を駆け巡り、愛用の拳銃でマウンテンの構成員を次々と倒していく。
舞台俳優としての演技力は大根だが、普通の職場への潜入はこなせるので自覚はない。
性的に割とアレな願望を抱いており、
記憶喪失の際に身元を示す唯一の手がかりはSMクラブの会員証と写真だった。
ロックバンドのボーカルとしてオーディションで観客を熱狂させた彼は、20年後の今、サイドカー刑事の伝説を静かに聞く。
サイドカーの側車には亡き妻が娘に作っていたぬいぐるみを乗せており、人を乗せる場面はない。
マウンテン
本作の敵で、世界中に支部を持つ巨大な犯罪組織。
暗殺、麻薬密売、重婚罪、風営法違反、建築基準法違反、
神奈川県青年条例違反。あらゆる犯罪を行っており、サイドカー刑事の家族を殺した張本人でもある。幹部や殺し屋は個性的な名前や特徴を持っている。
グレン・ミッチェル
マウンテン屈指の殺し屋で、サイドカー刑事の最初の標的。サイドカー刑事と対峙し、走馬灯を見る。
藤堂剛毅
常に捜査の最前線に立ち結城からの尊敬も深い捜査一課課長の警視。本庄の死後、結城を心配してマウンテンの捜査から手を引かせようとするが、実はマウンテンの一員だった。
剣の腕は結城を上回り、本庄の遺した証拠映像を見た結城の抹殺を図るが奇襲を受けて昏倒し、既に証拠映像が表に出ていることを言い渡されて腹を切る。
ランディ・グローリー・ナサニエル
現WWB世界ヘビー級チャンピオンだが、裏ではマウンテンの格闘技場で無敵の王者として君臨するボクサー。数知れない格闘家を抹殺している。
グレゴリー・リビングストン伯爵
マウンテン屈指のテロリストで、フォスという名の猟犬を連れている。ワシントン条約に違反して狩猟していたので、サイドカー刑事から一矢報いられると動物達から追撃を受けた。
フリッツ・フォン・エーベルシュタイン博士
マウンテン最高の頭脳で、秘密兵器開発センターの責任者。駿台模試全国1位の天才科学者で、怪物マシン「3X」の開発者。センターを破壊したサイドカー刑事を倒すために3Xを使う。
3X
フリッツ・フォン・エーベルシュタイン博士が開発した怪物マシン、試作1号機の完成を以てサイドカー刑事に爆破されるが、無敵の力と速さと耐久力を持ち、博士の運転でサイドカー刑事に迫る。
スティーブ・陳
ロサンゼルス中華街を支配するマウンテンの幹部。サイドカー刑事の背後に敵対組織がいると睨み冷酷に拷問する。
ミッシェル・K
陳の右腕で、マウンテンの殺し屋。殺人機械の異名を持つ冷酷な男だが、サイドカー刑事の胆力に惚れ込んでいく。
ジョンソン・パトリオット博士
マウンテンの幹部で、非道の人体実験を行う悪の病院の院長。人体実験によって超人を作り出す。
ロレンツォ・ヤングブラッド
芸能界を牛耳る悪のアクターで、マウンテンの幹部の一人。舞台劇『愛とサンダー』舞台上でサイドカー刑事によって倒される。
ブライアン・ハリケーン
マウンテンの資金源として、若者をバカにするロックを垂れ流す悪のロッカー。オーディションの最中に、ジミー結城ウイズ低能警察の曲が自身を含むマウンテンを皮肉ったものだと気づきステージに上がりこむ。
その他
本庄大吾
結城の先輩の部長刑事。結城とは家族ぐるみの付き合いで、マウンテンの核心に迫ったが、組織の暗殺者によって命を落とした。
遺言状で結城に証拠品のビデオとサイドカーを託す。
タイガー・フォン・ローン
嘗て4人の世界チャンプを育てた名トレーナー。マウンテンの地下格闘界のコーディネーターに身を落としていたが、愛弟子をランディに抹殺されサイドカー刑事の潜入を手伝う。
シャロン
ジョンソン・パトリオット総合医療センターの看護婦。記憶喪失の男に親身になる。兄がマウンテンに拉致されたことを知り、病院に潜入する。
3人のロッカー
それぞれの事情から夢を諦めた伝説的ロッカー。サイドカー刑事の勧誘に応じ、彼の復讐を手助けする。
どうだ結城、ひさしぶりに追記・修正をしてくれんか?飛鳥落勢流免許皆伝の腕は、まだなまってはいまい?
- こち亀の特殊刑事課の変態刑事の記事かと思ったw -- 名無しさん (2024-02-04 17:57:55)
- ↑同じく -- 名無しさん (2024-02-04 20:08:54)
- しかし当の結城本人は彼らに負けず劣らずの変態だな -- 名無しさん (2024-02-04 20:26:37)
- 特殊刑事課の変態の項目かと思ったら違ったw -- 名無しさん (2024-02-04 20:33:02)
- 妙に読後感が良い なんだこれ -- 名無しさん (2024-02-04 20:36:14)
- サイドカー刑事(漫画)とかへの変更を項目議論用スレにでも出してきた方が良いと思う? -- 名無しさん (2024-02-04 20:36:24)
- 特殊刑事課感わかるw 単独で活動しているのに「好きだから」ってだけでサイドカーを乗り回してて、側車に両津を乗せて暴れ回りそう -- 名無しさん (2024-02-04 23:00:46)
- 多くを語らないスタイルを補うためかコマ割りがうるさいギャグになってるが段々まともになっていく -- 名無しさん (2024-02-05 12:42:43)
- ↑3 いや、別にこのままでいいと思うよ。 -- 名無しさん (2024-02-05 14:25:58)
- 最終話の掃除機がザク?っぽい小ネタ好き -- 名無しさん (2024-02-05 15:11:24)
- たまにすごい格好良いシーンがある。ボクサーの膝砕いたとことか -- 名無しさん (2024-02-05 15:48:08)
- 余談ですが作者の小宮政志氏は後に美少女ゲームの製作に手を染めることになります -- 名無しさん (2024-07-13 09:21:51)
最終更新:2025年04月25日 23:09