登録日:2024/02/24 Sat 00:04:01
更新日:2025/01/02 Thu 19:30:31
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YouTubeの漫画動画チャンネル『
ヒューマンバグ大学』の登場人物の一人。2024年現在、故人となっている。
概要
ヒューマンバグ大学の裏社会系人気シリーズ『華の天羽組』に登場していたキャラクター。天羽組(前身は田頭組)の構成員の一人で、主人公である小峠華太の先輩(兄貴)である。
通称、工藤の兄貴、ドスの工藤、生きる伝説など。
他の天羽組のキャラクターが例外も多数いるとはいえ概ね一般人と差し支えない見た目をしている中でいかにもヤクザらしい見た目をしており、厳つい顔面とオールバックの髪型、裸の上半身の上に薄いシャツを着ているといういかにもスジモンですと主張している格好が目を引く。
後述する事情から察せられるに、推定年齢は50代。
担当している声優は畑耕平氏。畑氏は同チャンネルにおいて同じ天羽組の狂人兄貴達を多数演じている。
一応狂人枠に入れられているものの狂人の要素は比較的薄く、むしろ「昔ながらの任侠精神を重んじるヤクザ」に近い人物である。
存命当時は天羽桂司(組長)、天羽京子(姐さん)、阿久津敏朗(当時の若頭)の3人を除けば最も地位が高かった。組長と阿久津と工藤の3人だけで会議を行ったこともあるため、階級については明言されていないものの、おそらく若頭補佐であると思われる。
天羽組に入る前はプロボクサーであり、東洋太平洋チャンピオンにまで登り詰めたほどである。
それだけの栄光を得たのに「なぜ裏社会などに入ったのか」と聞いてはいけない。
天王寺組との抗争の中で城戸丈一郎との戦いの果てに、2人の後輩(華太と速水泰輝)を庇って戦死してしまった。その最後は、演じた畑氏が「涙で収録を3度も中断した」と語る程に壮絶なものであった。
性格
正義感の塊とも言える人物であり、天羽組の中でもトップクラスの人格者であるとされる。
堅気(一般人)に対しては優しいのは他の兄貴たちと同じだが、工藤は野田一や
小林幸真、永瀬光一などと異なり後輩(舎弟)たちに理不尽なパワハラを行うこともほとんど無い。華太たちが困っている時には相談に乗ったり、時には積極的にフォローしてくれるなど面倒見が良い点も非常に評価が高い。
しかし本気で任侠道を極める者を育成するという観点から、(工藤自身の生真面目な性格もあるが)教育に関してはとても厳しくスパルタに近いものであった。
また、理不尽なパワハラこそ稀だが、天羽組に損害を与えかねない提案をした者に対しては(たとえそれが冗談だったとしても)鉄拳制裁を加えることもある。
天羽組に入社した新人は工藤からドスの使い方と接近戦の基礎を教わるのが通過儀礼とされていた。その際、「格上の相手と戦う際はあえて自分の腹を刺させて距離を近づける」という恐ろしい戦術も教えていた。実際、これによって窮地を脱した戦闘もあり兄貴の教えが功を奏した形となった。
また、あくまで兄貴たちの中では比較的穏健派というだけで一応狂人枠という事もあり、外道(仁義外れ)に対しては一切容赦が無く、場合によってはドス(短刀)で腹を切り殺害することもある。そして自身が経営している水産加工工場で敵の死体を裁断機で解体した後にミンチにするという恐ろしい一面も見せており、彼もまた極道であると再認識させられる。
一応水産工場自体は、普段は普通に魚の缶詰を製造してシノギに充てているらしい。食いたくねぇ……。この水産工場は25年前に一度警察に目を向けられたようで、その際警察をあしらったのも工藤の兄貴だった。
ちなみに兄貴の例に漏れず後輩に食事を奢ることも多いが、
「後輩にはなるべく安い料理や酒を奢る」という意外な一面もあった。他の兄貴が
焼肉へ誘っている中でどうなのかという意見もあるが、これに関しては「天羽組は京極組や天王寺組のような大規模な組織ではない」「後述の家族がいる」という理由もあるため、工藤を批判することはできないという考え方もある。
戦闘能力
伊集院茂夫や
瓜生龍臣、天羽組内でも
和中蒼一郎に
小林幸真などのトップクラスの実力者と比べると霞んで見えてしまうが、それでも十分強い。
基本的にドスと格闘攻撃のみで戦い、銃火器や拳銃は一切使わないという古風な戦闘スタイルだが、若い頃プロボクサーとして鍛えたという実績から
「フットワークの軽さ」と「パワー」は最高クラスであり、
近距離戦に限れば作中最強クラスである。
元々東洋太平洋チャンピオンになるほどだったのでフットワークは軽かったものの、裏社会に入ってからはさらにスピードが速くなっている。
また、パワーも小林幸真や
紅林二郎に匹敵するほどであり、
並の相手ならパンチだけで顔面を陥没させることも可能。
ボクサー時代は使わなかった
頭突きや蹴りといった禁じ手も、(裏社会ではルールを厳格に守っていたら生死に関わるため)ヤクザになってからは解禁している。
「接近戦のスペシャリスト」と思われがちだが、実は遠距離戦もそこそこ得意であり、ドスを投げて遠くの相手に致命傷を負わせたこともある。
メンタル面でも非常にタフであり、常に冷静に物事を判断できるという強みもある。
また、相手の目を見てその人物の本性を見抜くことも得意。
人間関係
ここでは工藤と関係の深い主な登場人物を紹介する。
天羽組
『華の天羽組』シリーズの主人公。
面倒見の良い工藤のことをとても信頼しており、その工藤からも期待されていた。工藤からは初期こそ苗字の「小峠」と呼ばれていたが、途中から下の名前で呼ばれるようになった。
信頼が垣間見えるエピソードとして組長の自宅に空き巣が入った際の対応を例に挙げると、この時組長は怒りのあまり犯人探しを3日で行えと華太へ難題を突き付けた。他の兄貴たちへ協力を仰ぐ華太だが兄貴たちが他人事と思って無視したのに対し、工藤は犯人の粛清に協力してくれたのである。
しかしある日、冗談で「誤った死体処理の方法」を提案した際には、腹を強く殴られている。工藤が華太に対して鉄拳制裁を加えたのは(少なくとも作中では)これが唯一である。
(工藤が亡くなった時には華太は意識不明の状態だったため)回復してから工藤の死を知ることになるが、その際に「代わりに俺が死ねば良かった」と失言をしているが、これを聞いた(華太の見舞いに来ていた)野田の兄貴からは「二度とそんなことを言うな」と厳しく注意された。
工藤と最も年齢、入社歴が近い後輩。アイスピックを使った戦闘を得意とする。
若い頃から優秀だったらしく工藤とは強い信頼関係で結ばれていた。
しかし野田は優秀だった反面、「他人に興味を示さず後輩の育成に真剣に取り組まない」という致命的な欠点があった。そこで食事を兼ねて工藤から呼び出され「厳しくても良いからちゃんと教育しなさい」とお説教を受けるが、それに対して「そいつが辞めてしまったら教えたことが無駄になるじゃないですか」と開き直ったため工藤が激怒する。それから野田は後輩に対する態度を改めている。
工藤の葬儀では参列者で唯一泣かなかったが、その後に和中や飯豊朔太郎と食事に行った際には「もう一度お説教してくださいよぉ!」と大号泣した。
彼も思う所があったのか、阿久津と工藤が亡くなった後は正式に若頭(カシラ)に就任している。
天羽組の最強戦士の一人。
CODE-EL出身者で幼少期から殺人の英才教育を受けていたが、特にアーミーナイフを得意としている。
元々殺し屋組織にいたこともあり新人の頃
は善悪の区別がつかない人物で自分が気に入らない者は容赦なく殺害していたが、工藤から
「悪い奴だけをやっつけるんだよ!」と注意されたため、それからは任侠の人になった。
小林はしばしば後輩(特に速水)に対してパワハラを行っているが、
もし工藤がいなかったら本当に後輩を殺していたかもしれない…。
ちなみに同じく元CODE-ELだった瓜生龍臣も
メロンパン屋のおばあちゃん(師匠)のおかげで改心して正義のヒーローになっているため、小林にとっての工藤は「瓜生にとってのメロンパン屋の師匠」に近い関係なのかもしれない。
日本刀を使った戦闘にこだわるクールな剣士。小林と並び天羽組では最強クラスとされる。
裕福な士族の家に生まれ、天羽組に入る前から謎の流派で剣術の英才教育を受けており免許皆伝クラスの実力を得ていた。そのため入社した時には既にほとんどの先輩たちより強かったが、その反面、
自分より弱い先輩に「敬語を使わない」「礼儀を払わない」という上下関係に厳しい極道社会的に問題がある人物でもあった。
ある日工藤と木刀で勝負することとなるが、途中までは和中が勝っており「何のために戦っているのかわからない」と言ったが、これで火がついた工藤に
「お前のためだよ!人を優劣で見下してんじゃねえ!」と怒鳴られ、それからは先輩に対する態度を改めたという。しかし、野田曰く「今でも先輩にタメ口を使うことがたまにある」らしい。
元々は地元の愚連隊のメンバーであり、「暇だから」という理由で毎日喧嘩に明け暮れていた。
ある日工藤から立ち退きを命じられるがそれに反発し決闘を申し込むが、完敗したため無理やり天羽組に入れられることとなる。しかしこれがきっかけで須永の人生が(良い意味で)大きく変わったため、工藤を尊敬している。
ガスバーナーと辛口の
カレーライスが大好きな狂人。
4歳の時に母親に捨てられ孤児になり、児童養護施設(孤児院)に入所。その後はグレて不良になるが、14歳の時に姐さん(天羽京子)に引き取られて養子となった。
実の両親のように育ててくれた姐さんと組長のことをとても尊敬している。普段は「姐さんの護衛」と「書類の監査」が主な仕事なので登場頻度は少ないが、姐さんに危害を加えた者に対しては容赦が無く、本気で怒った場合の戦闘能力は(流石に和中や小林ほどではないが)上位クラスである。
また、工藤のことも
実の兄のように慕っており、その工藤からは「光一」と呼ばれていた。
女装ヒットマンと言われる、天羽組では特殊な戦い方をする人物。
どちらかと言えば工藤とのかかわりは薄かったが、葬儀では他のメンバーと同様に涙を流した。
ちなみに香月は須永を尊敬しているが、香月自身も須永と同様に元々は愚連隊のメンバーであり野田と喧嘩して負けたため天羽組に入れられたという過去がある。
香月の親友。ハニートラップが得意な香月とは対照的なパワーファイター。
作中では(1年半もの間、四国への出張に行っていたため)工藤との直接のかかわりはなかったが、帰還後に工藤(と冨樫宗司と北岡隆太)の訃報を知り悲しむ様子を見せた。
新人のヤクザ。一応、宇佐美純平や後述の工藤亘清よりは先輩。
初登場時はメンタル面が弱かったため工藤から「親元へ帰れ」と天羽組を辞めることを促されることもあった(ちなみに速水は孤児であり、物心ついたことには既に両親がいなかった)。
しかし徐々に成長したことが認められ、天王寺組との抗争では工藤は速水と(重傷を負い意識不明の)華太を庇うために城戸丈一郎と戦った。
その際、速水は逃げることを躊躇していたが、「速水(と華太)が天羽組の未来のために必要な人物である」と確信した工藤から「華太を担いで必死で走らんかぁ!」と怒鳴られたため、急いで華太を闇医者(氷室)のところへ運んだ。
ちなみに戦闘能力は京極組の佐古大和や花沢伊織と並び裏社会では最弱クラスだが、「ムードメーカーである」「事務作業は得意」「後輩たちに対する面倒見が良い」「パワハラを何度もしてくる小林の兄貴とは何だかんだで仲が良い」などの強みもある。
清志の実の息子で、清志が亡くなるまでは母親の苗字を名乗っていた。
清志が亡くなってからは天羽組への入社を志願するが、生前に清志が「亘清が裏社会に入ること」に反対していたため、組長は試用期間を設けた。
父親のような偉大な人物を目指すという立派な目標を持ってはいたが少し傲慢な一面が見られたため華太たちからは内心警戒されていた。
ある日華太たちが鉄火場に行っている際に(待機命令が出ていたにもかかわらず無視して)そこに来てしまったが、何もできなかったどころか敵の半グレに襲われるという大ピンチに陥ってしまった。幸い速水が身を挺して庇ったため負傷しなかった(速水も運良く軽傷で済んだ)が、この一件で華太と須永から「いい加減にしろ!父親とお前は別人だ!」と厳しく注意される。それ以降は今までのプライドを捨て、新人として地道に努力していくようになったため、組長からも正式採用が認められた。
ちなみに(華太を含む)先輩からはたまに下の名前で呼ばれることもある。現時点では実力、メンタル面ともに清志に比べてかなり劣るが、それでも先輩たちからは期待されているようだ。
また、柔道の有段者であるため「新人にしては」そこそこ強いが、雑用や事務作業が苦手という速水とは真逆の欠点もある。
天羽組以外
通称「拷問ソムリエ」。
瓜生龍臣と並ぶヒューマンバグ大学の最強キャラクターの一人であり、裏社会では最悪の災厄として恐れられる人物。
天羽組は基本的に協力関係にあるものの、それでも反社会的勢力であるのは事実であり伊集院からは完全に信頼されているわけではない。しかし唯一、工藤だけは「正義感の塊」として伊集院が心から信頼している人物らしく、お互いにさん付けかつ敬語で会話している。
堅気(一般人)としては最強クラスの戦闘能力を誇り、純粋なパワーだけなら伊集院茂夫や瓜生龍臣をも上回るとされている人物。
空龍街で複数の家庭を崩壊させた悪徳宗教団体を懲らしめるため工藤と共闘し、お互いの正義感の強さと実力を認め合っていた。
ちなみに工藤が初めて出演したのは天羽組シリーズではなく紅林シリーズであり、高齢者をターゲットとした詐欺会社の社長と専務を粛清するために登場した。紅林は工藤が(相手が悪人であるとはいえ)平気で殺す様子に怯えていたが、工藤の方も(紅林に殴られた社長たちの顔を見て)そのパンチ力に驚いていた。
ヒューマンバグ大学で最も有名な堅気のキャラクター。
ショッピングモールにて天羽組の元組員の息子(赤ん坊)を殺し屋(火炎放射器を持っている)から守り抜いたため、工藤から「男の中の男」と認められた。
ちなみに佐竹を狙った殺し屋は工藤に粛清された。
追加、修正は工藤の兄貴からドスの使い方を教わった人にお願いします。
- プロボクサーから極道になったという経歴は久瀬の兄貴を彷彿とさせる -- 名無しさん (2024-05-21 23:47:59)
最終更新:2025年01月02日 19:30