登録日:2024/04/04 Thu 23:09:00
更新日:2025/03/07 Fri 14:27:07
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真実は中指の指す方向にある
イルマティックエンベロープ
Illvelo
『イルベロ』正式名称『イルマティックエンベロープ』は、マイルストーンおよび開発チームの流れを汲む後継会社『RS34』が開発したアーケード用シューティングゲームシリーズである。
概要
マイルストーンより発売された『カオスフィールド』『ラジルギ』『
カラス』に続く縦スクロールシューディングゲームシリーズの第四弾。
これまでのマイルSTGの特徴である、
武器やボムを使って弾を消す事に重点を置いたプレイスタイルや、
武器にそれぞれ経験値とレベルが設定され使うほど強力になっていく要素を引き継いでいる。
一方の新要素として、これまでにあった近接攻撃用のソードが削除され、新たにオプション兵装の「ドール」が追加された。耐久力のある大型機にめり込ませて瞬殺したり、自機の目の前に置いて防御に使ったりと幅広い戦略がとれる。
また、シリーズを通して謎解きをテーマとしており、以下のような特徴を持つ。
- どの作品でも最低100ステージが用意されている
- 特定のステージで特定の行動を取る事によって入手できる隠しアイテム「運命の鍵」の収集率によって真エンドを迎えられるかが決定される
プレイヤーは繰り返し遊ぶことで
ゲームの仕様や全容を解明していくことになるため、普通の面クリア型STGとは大きく異なるゲーム性になっている。
というか、もはや別ジャンルのゲームを強引にSTGに押し込めている雰囲気すら感じる。
独特過ぎる世界観
本作のモチーフはインターネットや仮想空間がモチーフで、得点や状況を表示するUIは
パソコンのGUIを彷彿とさせるものになっている。
薄暗く全体的に褪せたモノトーン調の『カラス』から打って変わり、本作は再びカラフルでポップなトゥーン表現の世界観。店内宣伝用の紹介広告では「
仮想空間の中で展開する飛び出す絵本」と紹介されていた。
が、その一方で毒電波ぶりとサイケデリックさが他シリーズとは一線を画すレベルでぶち込まれている。
クッキーや棒アイスが散らばる宇宙空間の中で、
飛来する手首やパラシュート降下する人形、人間の生足を持つ蜘蛛たちを倒し、
最後に待ち受ける回転寿司職人のマグロ攻撃を耐えて倒せばクリア
である。……薬でもキメてるのかと思ったかもしれないが本当にずっとこんな調子のゲームなんだから仕方ない。
おまけに自機がボムを使うと劇画のような顔がついた火の玉が「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」という叫びを上げながら爆発し、
被弾してやられると「あぁああああああぁああああぁぁぁぁ~~~!」と絶叫しながら死ぬ。
これらのボイスは開発スタッフの肉声。ロケテスト中は爆音で鳴る様に設定され、設置していた店舗から苦情が入り製品版では音量が下げられたというが、それでもイヤに耳に残る事間違いなし。
音楽は他マイルSTGシリーズと同じく、林康氏と永田大祐氏からなるユニットk.h.d.n.が担当。
ハウスミュージックの『ラジルギ』、ドラムンベースの『カラス』、ときてイルベロではエレクトロ系の
BGMが採用されており、浮遊感を感じるクールな曲からガバキックが乱打するハードな曲まで幅広い種類の
BGMが用意されている。
また永田氏はメインキャラクターデザインやシリーズ構成、シナリオ制作も行っており、
今作もラジルギやカラスと同じくハードな設定が裏に存在する……のだが、今作は他シリーズに比べそれを言葉でうかがわせる要素が少なめな傾向にある。
システム
ここではシリーズ共通のシステムについて記載する。各作品のシステムに関しては後述の各作品の項目を参照のほど。
自機「TRAX」
本体である
「ライド」とオプション兵装
「ドール」の組み合わせが自機となる。
攻撃武器は
ショット・
シールド・
ドール (シュリケン)・
メガロファズの4種類。それぞれに属性が存在し、対応する属性でなければダメージが入らない、破壊できない敵やオブジェクトも存在する。
それぞれの武器で敵を倒した分だけ
経験値が累積され、一定値まで上がるとその武器がレベルアップする。
イルベロシリーズでも武器のレベルがスコアの倍率に関わってくるため、効率の良い
経験値稼ぎがハイスコアへの近道となる。
ショット
ライド前方に弾を発射する。レベルアップにより発射する方向が増えたり威力が上がったりする。
シールド / レフショット
ショットを打たない状態でライド前方にシールドを展開する。
ぶつかった敵へダメージを与えたり敵弾を消したりするほか、レベルアップによりカウンター弾「レフショット」を発射するようになる。
ドール
通常はライドの左右に装着されているオプション兵装、ドール操作ボタンを押す事で前方に射出する。
射出されたドールはさらにボタンを押している間だけライドの動きと同期して動くようになり、プレイヤーの自由な場所へ動かすことが可能。
ショット・シールドの状態は完全にライドに同期しており、ライドが攻撃していればドールもショットを打ち、ライドがシールドを張っていればドールもシールドを貼る。
シュリケン
敵機にドールをめり込ませた状態で攻撃するとショットの代わりにシュリケン状の弾を周囲全方向にばら撒く。
このシュリケンで敵を倒した分がドールの経験値となり、また「ドールでないと倒せない」などとヒントの出る敵もこのシュリケンでなければ倒せないという意味となっている。
メガロファズ
敵を倒すと溜まる「汁」と書かれた「メガロマジルゲージ」が満タンになると利用可能なボム。
自分の周囲にやたら濃い劇画のような顔の火の玉が展開され、一定時間無敵になる。
攻撃および敵弾消去範囲は火の玉の部分のみだが、そこから外れても無敵状態は継続される。
メール
ラジルギやカラスに引き続き、メールアイテムを取得すると誰かからのメールを受信することができる。
内容はチーポからの操作ヒントだったり、ゲーム内世界の誰かの私信だったり、胡散臭い広告だったりと様々。
近作になると時代の流れに伴い、メールというよりもSNSを流れる投稿のような文面に変わってくるのだが、
病みアカウントや出会い系、
陰謀論といった妙に解像度の高い荒廃した文面が紛れているあたり、やはり毒電波成分が強い。
イルベロ / イルマティックエンベロープ (Illvelo / Illmatic Envelope)
アーケードゲーム。移植版は
Wiiの単体移植『イルベロ
Wii』のほか、『マイルストーンコレクション2』(
Wii) 『サクラフラミンゴアーカイブス』(XBox360)に収録。
またラジルギノア
Wiiには本作のメインショットをラジルギの機体の物に置き換えた『イルベロ スティル』が収録されている。
システム
全5ステージの縦スクロールSTG。最後に待ち構えるボスを撃破すればステージクリア。
ただしステージ内には至る所に全100面ある裏ステージへの入口が隠されており、これに入ると裏面のどれかに飛ばされ、終了後に元の表面へ戻ってくる。
なお裏面の内容は入った場所だけでなく、現在の装備や鍵の取得状況などの自機状況も影響して決まるため、ちょっとプレイスタイルを変えただけで全然違う内容になってしまうことも…
裏面をクリアすると「運命の鍵」が手に入る。それぞれ色によって価値が異なり銅が1個分、青が5個分、銀が10個分、金が50個分。
大抵は銅、たまに青が手に入り、獲得して累積すると都度上位のカギに置き換えてまとめられる。
1プレイ通しで51個分が手に入るようになっており、
グッドエンドを見る為に真ボスへ挑戦するにはそのうち50個(金の鍵1個)が必要。
それ未満だと5面ボスを倒した時点で終了。鍵が1個~49個ならノーマルエンド、1個も鍵を持っていないと
バッドエンドとなる…が、全く鍵を取らないのも地味に初見では難しかったりする。
自機「TRAX」
今作のみショットの種類をアイテムにより変更可能。装備している種類により自機の移動速度も変わる。
- ワイド: 標準的なバルカンショット。初期装備もこれ。
- レーザー: ロックオンレーザー。武器レベルが上がるとレーザーが貫通するようになる。自機速度はワイドよりも早め。
- バブル: シャボン玉のような大きめの丸い貫通ショット。敵との接触で球速が遅くなる。自機速度はワイドより遅め。
ストーリー
『DEF』と呼ばれるオンライン上の仮想空間が普及した時代。
不登校で引きこもりの少女「ダマジャ・ルジエ」は今日もDEFが提供するオンラインゲーム『JUSTA』にのめりこんでいた。
だが、DEFには不穏な噂が流れていた。あまりにもDEFにハマり過ぎた奴は神隠しに逢い戻って来れなくなる――
そんな中、ルジエの数少ないオンライン上の友達『ソーダ』が最近音信不通になってしまっていた。
不安に耐え切れなくなったルジエはサポートAIの相棒『チーポ』と共に、JUSTAのシステムを利用してDEFをハッキングし、ソーダの痕跡を追う事を決意する。
果たして引きこもりの少女は仮想空間の深部に何を見つけるのか?
イルベロデリンジャ (Illvelo Dillinjah)
ニンテンドー3DSのダウンロード専用ソフト。当初クロンから配信されていたが、後に開発チーム移籍に伴いRS34へ配信元が変更された。
システム
全100面の中から1つずつ選んで挑戦する形式。1面あたりのボリュームは初代イルベロの裏面と同じく数分で済むもので、内容としては短編集に近い。
各ステージにはそれぞれ「運命の鍵」を手に入れる為の条件が銅・銀・金の3つ分設定されており、それぞれの種類を全て(100個)集める事で対応する3種のエンディングムービーを見ることができる。
自機
本来のイルベロ自機「TRAX」のほか、ラジルギの自機やカラスの自機も選択可能。
ゲームを進行する事により解禁され、全8種類の機体を使うことができる。
ストーリー
オンライン仮想現実DEFにのめりこんでいたルジエは、プレイ中の
ゲームJASTAから「新しいクエストが追加される」というアップデート通知を受け取る。
いつもなら相棒のチーポにアップデートを適用して良いか判断を仰ぐところが、その日はメンテの為にチーポが停止していた。
膨大な規約テキストを適当に飛ばしてOKを押したルジエは早速ダウンロードした
ゲームを遊び始める…
『ステージをクリアして鍵を集めよう!鍵は全部で300個!』
『全て集めるとこの世界(イルマティック・エンべロープ)の秘密が見える…かも!?』
イルベロスウォンプ (Illvelo Swamp)
Nintendo Switch専用ソフト。ダウンロード版は単体、パッケージ版は『ラジルギスワッグ』と2本セットになった同梱パッケージでの発売となっている。
大型新作ということもありグラフィックや効果音がリファインされたほか、なぜか奇声生声による効果音が増加。パワーアップアイテムを取ると「パワップ!」と叫んだり、運命の鍵を取ると「キィィ~~」と唸ったりする。
また開発時期内に発生した新型ウィルス感染症(2019~2021年)に影響を受け、敵キャラの一部やメガロファズの火球がマスクを着用するグラフィックに。
2025年6月5日にマイル系STGでは初となるアナザーバージョン『イルベロスウォンプ ハッピートゥギャザー』が発売予定。
システム
ステージを連続でプレイしていき、ボスの待ち受けるゴール面を突破すれば
ゲームクリア。
ただし各ステージのクリア後、
次に進むステージを選ぶ分岐が発生することがあり、それにより攻略ルートは無数に枝分かれしていくことになる。
ステージは通し番号が振られており、
STAGE1~100の全100面。その中にゴール面は複数あるが、バッドエンドや真エンドというべき特殊なエンディングが見れるのは99面と100面をクリアした場合のみ。
各ステージには「特定の敵を倒す」「敵の編隊をまとめて倒す」「メガロファズを使わない」というような行動条件を指定する
「オーダー」が9個設定されている。
そのうち3つが
「キーオーダー」で、クリアすると対応したブロンズ・シルバー・ゴールドどれかの「運命の鍵」が手に入る。実はステージの分岐にはこの
運命の鍵でロックされ選択不可になっているルートがあるため、100面を目指すならばキーオーダーの達成は避けては通れない。
また、ほかの6つは「サブオーダー」で、クリアすると各武器に
経験値がボーナス加算されるようになっている。
自機「TRAX ゼノストレプシー」
最大の特徴はドールがRスティックにより単独操作可能になった事。
これにより任意の敵を攻撃したり狙った場所にドールを置いたり、といった操作が直感的にやりやすくなった…というかこれを駆使しないとクリアできないオーダーが多い。
その為左手でライド(自機)を、右手でドールを操作しつつボタン操作で攻撃の切り替えを行うプレイスタイルが基本となっている。公式紹介動画曰く「第3の脳を使え!」…とのこと。
またドールを一旦回収した後、特定の方向へキー入力した状態でドールを発射すると、ドールが以下の特殊な状態となる。
これらの特殊ドールを使用しているときもメガロマジルゲージを消費し、ゼロになるとライドへ戻ってきてしまうため要注意。
ワイドドール
ライドの左右横に展開する形でドールが伸び縮みし、ドールとその間からショットを展開して弾幕を貼る。展開方向はRスティックで前後に調節可能。攻撃は全てショット属性となり、ショットへの
経験値蓄積が早くなる。
ローリングドール
ライドの周囲を旋回する形でドールが回転する。回転幅はRスティックで調節可能。攻撃は全てシールド属性となり、シールドへの
経験値蓄積が早くなる。
リフレクトドール
ドールが画面内を乱反射する。反射方向はRスティックで調節可能だが、狙った反射を行うのは難しい。攻撃は全てシュリケン(ドール)属性となり、ドールへの
経験値蓄積が早くなる。
ホーミングドール
ドールが勝手に敵へ張り付き攻撃を行う。属性の無い攻撃となりどの武器にも
経験値の倍率がかからない。
序盤はこれ使っておけばいいと公式資料集に書かれるほど強力だが、その反面武器のレベルが上がりにくいのでこれ頼りという訳にもいかない。というかこれに頼っているとオーダーがクリアできない。
ストーリー
仮想空間DEFに広がる不吉な噂。その殆どが「プレイヤーの失踪」という結果を暗示するものだった。
さらにゲーム内のサポートAIである「ライム」にもおかしな挙動の報告が相次ぎ、勝手に違う物に変わっていた、いつの間にか消滅していた、中にはライムに自分を削除された、などというものまでがあった。
ルジエもフレンドの失踪に不安を覚え、
ゲームのサポートに問い合わせるも、答えが得られないばかりか、問い合わせを送ったその日からリアルにまで影響の及ぶ異変が起き始める。
妙なメールがきたり、注文した覚えのない荷物が届いたり、近所で深夜まで騒音を発する工事が始まったり、不自然な警察のパトロールがきたり……
不安に耐え切れなくなったルジエはチーポと共にDEFの中にうごめく何かの調査を始める。
はたしてこのデータの世界の裏側に、何が起こっているというのだろうか。
登場人物
ダマジャ・ルジエ
主人公。14歳で紫髪のメカクレ少女。だがほとんど
ゲーム中にその姿は出てこない。
中学1年(12歳)のはじめごろから不登校になり、進学すらせず実家の2階にある自室で仮想現実ネットワーク「DEF」にのめりこむ生粋のヒキニート。
小さなソフト開発会社の経営者である父「ダマジャ・ロイパン」と、アングラ舞台女優の母「ダマジャ・メリジェ」は仕事の関係もあって殆ど家に帰らないようで、それが彼女のDEF依存を許してしまっているようだ。
オンライン上ではハンドルネーム「ジェイルー」を名乗っており、相棒のチーポやホーミー(フレンド)達には「るー」と呼ばれている。
DEFとその上にあるコミュニティへ完全に依存し切っている状態で、特にその中の1人「ソーダ」には友人を越えて惹かれている状態。
初代イルベロではそのソーダの不在に耐え切れなくなったことが、彼女をハッキングへと駆り立てる事に。
スウォンプではソーダが存在するかはっきりしていないものの、DEFが彼女の住む日常世界である事は変わらず、それが崩される不安から行動を開始した。
チーポ
マイル系STGお馴染み変な語尾の
メガネっ娘相棒枠。
ルジエがDEF上で持つサポートAI
「ライム」で、語尾に「~~ポ」をつけるような独特の喋り方をする、水色のツインお団子ヘアにグルグルメガネの少女型プログラム。
自らウイルススキャンを実行したり、システムにハッキングしたりとかなり高性能な性能を持ち、
ゲーム内のメールで送られてくるヒントも結構的確・マトモなものが多い。
時にはルジエを「DEFに依存しすぎて現実が生きていけないようではダメ」と叱ったり「居なくなったホーミーたちはきっと無事」と励ましたりと支えている。
しかし実は「lovesick_4095_ch」なるウイルスに感染しており、
その影響かたまに発する言語がバグったり、「もし自分が実体化できる術があるなら実行してルジエと一緒になりたい」「もしルジエがDEFの中で生きる事になったら嬉しくないけど嬉しい」など危険な香りが漂う発言をするようになっている。
ソーダ
初代・デリンジャでルジエの一番の友達とされたDEFのホーミー。
水色ショートヘアの活発めでボーイッシュな女の子のアバターでDEFにアクセスしている。
初代イルベロの本編よりも前にDEFから姿を消しており、音信不通になっていた。
ルジエとはお互いネット上でしか会った事のない関係だが、果たして彼女の正体は……
デリンジャではヒントメッセージを送ってくれる人物の1人として登場。
スウォンプでは未登場。
ノーマルエンドではアバター姿のまま登場。音信不通になっていた原因は以前会話した時に険悪になったままログアウトしてしまい、中々連絡が取り辛かったからとのこと。もっと本当に話し合えるリアルでの再会を約束して物語は終わる。
バッドエンドでは、彼女が実は変質者の男性である事が明かされ、アカウント情報から特定したルジエの自宅に男が乗り込んでくるところで物語が終わる……
が、グッドエンドで明らかになった真の正体を考えると、この変質者はソーダのアカウントを乗っ取った無関係な人物の可能性がある。
スウォンプではゲーム中には登場しないものの、限定版に付属する資料集「イ沼文書」にて彼が危険人物として指名手配されている書類が確認できる。
そしてグッドエンドでは、うっかりDEFの深部に足を踏み入れてしまったルジエが、危険な実験に巻き込まれチーポもあわや削除寸前といった所を助ける形で登場。
その真の正体は別シリーズ「ラジルギ」の登場人物のはずであった「相田タダヨ」。
どうやら彼女は裏事情や陰謀に関するかなり深い所まで切り込んでいるようで、これ以上進むと重大な危険がある事をルジエに忠告。そして自らの本名と「また別のアーキシャルで会える」と再開を約束して去っていった。
ちなみに、ソーダとしてのアバターはタダヨの親友である「守草シズル」にそっくりな見た目になっており、ラジルギを既にプレイした事のあるシリーズファンにはピンと来る関連性が仕込まれている。
用語
DEF
「ホーリーエンタテイメント社(ホーリーエンタープライズ社)」が提供するオンラインシミュレーションシステム。
いわゆる仮想現実にあたる物らしく、ネットワークを介してあらゆる現象を体験できる……らしい。
接続したユーザーの感情をフィードバックするような仕組みが存在し、それがDEF上に構築された世界「Illmatic Envelope」に様々な影響を与えるとのこと。
とりわけ妄想や不安、恐怖といった負の感情はDEF上では利用者に何らかの害をもたらす敵となって現れるようだ。
例として初代イルベロ1面のボスはなぜかぽっちゃりめな青年の顔がマシンにはめ込まれているが、
これはルジエが家にピザを届けに来たピザ屋のバイト君に“なんだこのボッソボソのガキ”と嘲笑われた
トラウマが表出して襲い掛かってきたものらしい。
こんなシステムなのに提供元のホーリー社は「DEFへの接続による精神汚染の可能性は極めて低い」とコメントしており実はかなり怪しいシロモノであることは確か。
加えてプレイヤーが神隠しにあったり、ロクな説明もなしに謎のプログラムが配布されたりと不穏な騒動も多発している。
JUSTA
本編でルジエたちが遊んでいる
ゲーム。「Illmatic Envelope」に現れた敵を撃破していく
ゲームのようだ。
TRAX
DEFにログインしたプレイヤーが搭乗するメカ。基本的に本体である「ライド」と分離ユニット「ドール」からなる構成が一般的らしい。
トラックスの本体やMODデータはDEF内で行われる頒布イベント「デフケット」などで手に入れることができるとされており、
イルベロスウォンプでルジエの搭乗するTRAXはインディーズメーカーの「トラックス野郎一番星」が制作したパッチを当てて、自らカスタムしたオリジナル機種「ゼノストレプシー」である。
ライム
DEFでプレイヤーが使うアバターにして、TRAXに搭載された感情を持つ疑似人格プログラム。
ライム同士のコミュニティも持ち、ある程度の記憶は情報化して共有することができるという。
プレイヤーにとって一心同体となる相棒のはずだが、ウイルス騒ぎが起こったり、意味不明な言語を発したり、突然消えてなくなったり…とDEFの騒乱にあわせてこちらも不穏な挙動を見せ始めている。
メガロファズ
プレイヤーの不安や恐怖、ストレスにより蓄積する
「メガロマジルエネルギー」を動力として発動する爆発的な兵装。
ゲーム中に出てくる例の人面火球はチーポ曰く「古臭いがセンスは悪くない」ものらしい。
ホーミー
DEFにおけるいわゆるフレンドの事。
パリピポ
DEFにおける迷惑プレイヤーの事。MMORPGにおけるトロル行為をする奴らのようなものらしい。
MADOWS
DEFにアクセスする端末のOS。初代イルベロでは「98se」、スウォンプでは「3SICKS」(666?)が使われている。
「ラジルギ」や「カラス」シリーズにおいても同様の物と思われる名称が登場しており、マイル系STGシリーズの世界で
最も普及したOSなのかと思われる。
カオスフィールド
マイルSTG第1作目にして、その後のシリーズの中核を担う裏設定の一つ。
通常の一般人が住む表向きの世界「オーダーフィールド」に対をなす形で存在する裏世界で、我々側から見ると平行世界にもあたる。
人の不安や恐怖といった負の感情が極限まで高まる事で、周囲の空間を巻き込んで『裏返り』、カオスフィールドに到達することができると考えられている。
各シリーズでそれぞれ黒幕たちの手により研究やオーダーフィールドからの移住計画が密かに進行しており、イルベロではDEFの提供元であるホーリー社がそれを進めている。
負の感情が具現化するDEFの設定は『裏返り』の現象を再現したものらしく、それに過度な同調性を見せシステムの深部に辿り着けてしまった者をカオスフィールド移住計画の被験者として拉致していたことが、初代イルベロにおける神隠し事件の真相だった。
アーキシャル
オーダーフィールドとカオスフィールドの対である「アドヒア」を格納する一つの世界線を指す。
同軸構造を意味する「コアキシャル」から取られた造語とのこと。コンセプトを担当する永田氏曰く「(沢山の世界を管理する)神様の机の上みたいなもの」とのこと。
常に隣り合う平行世界のアドヒアとは異なりアーキシャル同士は完全に別世界だが、結合したり分離したりという事も頻繁に起こっているという。
「別のアーキシャルで会おう」……という最後のセリフが結局何を意味するのかは今も分かっていない。また別の新作ゲームで会いましょうってことかも?
人格アップロード
あらゆる生体情報を電子データに移植する事で、現実世界から情報端末やオンラインネットワーク上に移住すること。及びそれを行う技術。
つまるところ現実では死ぬ代わりに、電脳世界上で無限に生きる行為の事である。
「格上げ」「アゲる」などのスラングで気軽に呼称されるが
当然のことながら倫理的に無茶苦茶問題がある行為で、基本的に自身が同意して行うサービスが最近始まった、レベルの技術である。
とはいえその成功率は99%を超えるらしく、気軽にそれを望むものは結構な数がいる模様。
なお一度人格アップロードをした後でも、それを元通りに定着させる肉体さえあれば「リバース延命」という措置をすることで現実の生命体に戻ることができ、こちらは「格下げ」「サゲる」と呼ばれている。
しかし以前の肉体を保存するにしろ、人工合成した義体を用意するにしろ人格アップロードよりも費用がかかるため「あえて寿命を買う」などと揶揄されていたりする。
こっちも当然問題があり、中には「著名人そっくりに作った義体にリバース延命したら」「むしろ狙った人間を強制的に『アゲ』て、余った体に別の人が『サゲ』たら」という最早倫理を越え犯罪じみた利用法まで考案されてしまっている。
そしてこの技術の主要な提供元は、やはりDEFを提供するホーリー社である。
最近DEFにおかしな不具合が頻発するようになったのは、DEFを人格アップロード先の実験場としてあれこれやっている為の模様。
さらにDEFの開発スタッフは、ほぼ全員が本人の意志とは関係なく強引に人格アップロードさせられてしまったようで、プレイヤーの受け取るメールには既に戻る体を失った彼らからの悲痛なメッセージが混ざっている……
ホーリー社はそれに飽き足らずさらなる実験体を求めているらしく、
身寄りのないプレイヤーやDEFの深部に足を踏み入れるような重度の依存プレイヤーを対象に誘拐、人格アップロードを強制的に行っている模様。
ルジエの身辺に発生したリアルでのおかしな現象(身に覚えのない配達や、深夜にも関わらず行われる工事)は、全て周囲に気付かれぬよう誘拐を実行する為のカモフラージュなのではないかと考えられる。
追記修正、お願いしますポ
- カラスで語られた人間勢力の世界がラジルギで、それのさらにネット世界がイルベロでいいんだろうか -- 名無しさん (2024-04-05 00:20:09)
最終更新:2025年03月07日 14:27