ゼッフル粒子(銀河英雄伝説)

登録日:2024/05/17 Fri 00:34:50
更新日:2025/03/17 Mon 19:26:29
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「大佐、指向性ゼッフル粒子を」



ゼッフル粒子とは「銀河英雄伝説」に登場する架空の粒子を指す。
OVA版ではキラキラと光り輝くエフェクトで表現されていた。

【概要】

カール・ゼッフル博士によって発明されたガス状の化学物質。
人体には無毒かつ無色無臭で、人間の活動には差しさわりない性質を持つが、センサー等で散布領域の判別は可能。
本来は土木作業用や鉱物採掘作業のために研究されていたものだが、兵器転用されており作中では専らその扱いである。
惑星の大気圏内、宇宙空間のどちらでも使用でき、その性質はざっくり言えば気体爆薬。一定範囲内に充満させ、着火すれば*1大爆発を起こす性質を持っている。その爆発の威力は最大で宇宙戦艦を消し飛ばしてしまうほどで、後述のとおり密室で使用されると一気に戦闘が原始時代に逆戻りする。
銀河帝国、自由惑星同盟のどちらもが保有しているが、新兵器の『指向性ゼッフル粒子』に限っては帝国のみが保有している。

使用方法は主に、白兵戦での重火器使用封じと、宇宙戦での危険物除去の二つ。

白兵戦での使用

ビルや基地、艦船や要塞内部などの密閉空間でゼッフル粒子を充満させることにより、レーザー銃などの使用を封じる。
ただし散布範囲内で重火器を使用すれば、即引火して敵もろとも自分も粉々になるリスクがある。なので占領目的の施設や攻略目標の要人なども攻め側は失ってしまう可能性があるため、ゼッフル粒子を巻けば万全という訳ではない。
なので安易に使おうものなら、第一目標を達成できず諸共に喪失する可能性もある。
かといってゼッフル粒子に引火しない程度の小火器を使おうにも、帝国同盟ともに使用している白兵戦用の装甲服は携帯火器程度は跳ね返してしまう*2
このため白兵戦では帝国同盟どちらも原始的な手段に退化せざるを得ず、人工ダイヤモンド製トマホークやボウガンなどが主力武器となっている。

白兵戦が始まるシーンでは、
「ゼッフル粒子が充満しています」
「くそっ」
が、お約束。

宇宙空間での使用

ゼッフル粒子は正確には違うがガスのようなものなので、宇宙空間で放出してもその場で漂うだけで宇宙戦では使えない。
撤退戦のときに粒子を放出しながら逃げて、追手に砲撃をためらわせることはできるが、やはり引火のリスクがあるので機雷や爆雷を放出したほうがよい。

だがゼッフル粒子を宇宙空間での実用的な兵器として使えるように改良したのが、流れる方向をコントロールできる『指向性ゼッフル粒子』である。
その仕組みはゼッフル粒子に特殊なナノマシンを混ぜ、ナノマシンを操作して流れを作るという理屈。
発明者は後にガイエスブルグ要塞の移動も発案するシャフト技術大将。

もちろん宇宙空間で使えるとは言っても、艦隊戦では敵に粒子が届く前に砲撃で引火させられて終わりである。
またノイエ版では艦船数隻に匹敵する大きなサイズで描写され、手軽に運用すらできないという点でフォローされている。
ただし相手が機雷のような危険ではあっても反撃してこない物体であれば、広範囲を焼き払えるゼッフル粒子は絶好の掃海手段になる。

主な使用例は、OVA版では外伝【奪還者】が実戦での初使用。
ヘルクスハイマー伯爵が試作品を強奪して同盟に亡命しようとしたことを阻止し、試作品を奪還したラインハルトの巡航艦ヘーシュリッヒエンチェンが使用。
なおコントロール装置はキルヒアイスが操作した。
試作品のため誘導が不完全であり、敵艦隊を覆うことはできなかったが包囲網に風穴を開けて脱出の切り札になった。

本編ではカストロプ動乱でカストロプ領惑星を取り囲むアルテミスの首飾りの同型機を破壊するためにキルヒアイス艦隊が使用。
工作艦で首飾りをリング状に覆うように展開し、見事に全衛星を破壊した。

アムリッツァ星域会戦でもキルヒアイス艦隊が使用。
このとき第13艦隊は後方に機雷原を敷いて時間稼ぎを狙っていたが、キルヒアイス艦隊に指向性ゼッフル粒子で機雷原をあまりにも早く突破されたことで味方の援護もできずに防戦に努めるしかなくなってしまった。

回廊の戦いでもヤン艦隊は回廊一杯に機雷原を敷いていたがあっさりと風穴を開けられてしまった。





余談だが、OVA版では3回もキルヒアイスの手で使用されたため彼の必殺技のようなイメージになっている。
二次創作でもキルヒアイスの得意技のように扱う例がしばしば見受けられるようだ。



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最終更新:2025年03月17日 19:26

*1 着火する温度は高熱である事以外は不明で、少なくとも戦艦のエンジン熱では着火せず、衛兵が所持するレーザー銃では着火している

*2 また火薬式の銃は決闘に使用される程度にしか使用されておらず、外伝ではラインハルトが決闘という儀式と共に古臭さを貶している