登録日:2024/10/17 Thu 08:13:17
更新日:2025/06/20 Fri 21:01:36
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怒首領蜂Ⅱとは、2001年に稼働開始した弾幕系縦スクロールシューティング。
CAVEの看板タイトル『
首領蜂』シリーズの3作目。ただし本作は諸事情によりCAVE内製ではない。
開発は台湾のゲーム会社であるIGS(現地名:鈊象電子、英名:International Games System)。日本での販売元はCAPCOM。
【システム】
操作は1レバー3ボタン(バージョンV102では4ボタン)。 8方向レバーで自機の移動を行う。
Aボタン:ショット/レーザー
短押し(ゆるい速度での連打)で攻撃範囲に優れるショットを発射する。
ボタンを長押しすると攻撃力に優れる「レーザー」の発射に移行する。この時は自機の移動速度が低速になる。
レーザー発射中に自機が纏う「オーラ」にも独立した攻撃判定があり、レーザーの発射源(合体中のオプションが配置される位置)を敵に重ねるとレーザーとオーラが同時ヒットし大ダメージを与えられる(通称:オーラ撃ち)。
オーラ撃ちを当てるには敵へぶつかるギリギリまで近づくリスクはあるが、本作では
ザコ・ボス問わず耐久値が高く設定されている敵が非常に多く
、生き延びる上で生命線といえるテクニック。
Bボタン:スペシャルウェポン
機体選択後に「ボムモード」と「エネルギーモード」のどちらかを選択する様になっている。
アイテムを取得する事でボムを5つまでストックできる。
攻撃範囲は画面全域に及ぶ(従来作でいうスプレッドボム)。
が本作の全体的に硬い敵との相性が悪く選ばれることはほぼない。
自機を敵弾にカスらせる事で画面下のゲージが上昇。最大まで溜まると、攻撃範囲は狭いが高火力の「スーパーオーラ」(従来作でいうレーザーボム)を発射できる。
上記の敵の耐久値調整との兼ね合いやゲージさえ溜まれば何度でも撃てることからクリア・稼ぎ共に事実上これ一択。
Cボタン:オートショット
押し続けるだけでショットを連射できる。
Dボタン:オプション切り替え(V102バージョンのみ)
後期版である「V102」のみ4ボタン目を配線することで自機に標準装備されているオプションを他の機体のものへ切り替えることが出来る。
赤の流星本体+青の怒涛 オプションの組み合わせで高速で移動しながらワイドショットを垂れ流すといった事も可能。
ただし切り替え直後はレーザーが撃てないクールタイムが発生するので注意。
敵に攻撃を当て続けることでヒット数が増え、敵に攻撃を当てた時の撃ち込み点が上昇する。敵破壊もしくは敵へのレーザー照射が一定時間途切れるとヒット数が下がる。また、ボス戦では条件を満たすとコンボの上昇数が10倍になる「10倍モード」へ移行する。
ステージ開始からボス撃破(もしくは逃走)までに一度もミスをしなければボーナス点が獲得できる。ボーナス点はステージが進む事に上昇する。
ゲーム開始時に、以下の難易度から選ぶことができる。
〈練習モード〉
難易度が低い(実際は実戦モードと大差ないが)初心者向けモード。全4ステージ。
〈実戦モード〉
中級者向けモード。全6ステージ+隠しステージを通しでプレイする。
〈I.R.(インターネットランキング)モード〉
上級者向けモード。実戦モードと同様、全6ステージ+隠しステージを通しでプレイする。敵弾が激しくなるほか、敵の配置も増大する。特定のコマンドを入力しない限り、スペシャルウェポンは強制的にエネルギーモードになる。ゲーム終了後にパスワードが表示され、ランキングサイトで入力することでインターネットランキングに参加できた。
【自機】
上級者向けの機体。前作でいうAタイプ。
自機本体と、円状に回転するオプションから前方にショットを放つ。移動速度は最も早い。
ショット・レーザーの威力が低いが、ショットはオプションでカバーされている。レーザーも範囲は小さいが発射までの時間が短く隙が無い。
以上の点からスコアアタックに向いている(余計な敵を倒さず、威力の低さを利用してレーザーでのオーラ撃ちでコンボや得点を稼ぎやすい)。
パイロットはセクシーな女性。
中級者向けの機体。前作でいうBタイプ(ただしヘリコプター型ではなくなっており、オプションの挙動も異なる)。
メインショットを前方に、真横にあるオプションからサブショットを前方から真横90度まで自動的に薙ぎ払うように撃つ超広範囲タイプ。ショット・レーザー、移動速度ともに中間的な性能を持つバランス型。
レーザーの大きさや切り替え時間も中間的。周囲のザコによる不意打ちを避けたいプレイに向く。
パイロットは壮年(?)の偉丈夫。
初心者向けの機体。前作でいうCタイプ。
幅広で威力高めのメインショットに、オプションが斜め方向にショットを放つ4wayタイプ。だが移動速度は最も遅い。
レーザーの範囲は大きいがレーザー切り替えの時間がややもたつく。
パイロットは細マッチョなクールガイ。
【独特の言語センス】
本作最大の特徴となっているのが、ステージ開始時やクリア時にボスの名称や象徴する言葉を、画面中央に極太の明朝体で大きく表示する事である。例として1面ボスをノーミスで倒した際の場合を挙げる。
【ステージ】
難易度問わず1周エンド。実戦もしくはI.R.モードの場合、ステージ6終了時にスコアが4億点(基板設定により2-5億及び8億点に変更可能)を超えると「FINAL STAGE」に進むことができる(超えなかった場合は練習モードと同じエンディング(バッドエンド)になり終了)。他の作品とは異なり、コンティニューの有無は問わない。
【ボス】
過去の壮絶な戦いで葬られた、「最終鬼畜兵器 蜂」が夢魔となって立ちはだかる。
本調子じゃなかったのかどうかは不明だが、 弱い。ゲーム開始早々前作のような本調子で来られてもそれはそれで困るが。
ノーミス撃破時のテロップは上記の通り「浄化」。
敵機が現れ、秘密基地に近づきつつあるのをレーダーが感知した。
包囲される前に敵軍を突破するため、作戦を練りスクランブルをかける。
【ボス】
前作「怒首領蜂」に登場した「スザク08」を彷彿とさせるボス。
量産型の殺戮兵器。その残虐さは味方が震え上がるほど恐ろしい。
ノーミス撃破時のテロップは「突破」。
緊急出撃の任務を完了した後、次に立ちはだかる敵は
敵軍の主力の空中母艦。生き残る道はただ一つだけ。
それは戦って勝利を収めることだけだ。
【ボス】
前作に登場した「火光」を彷彿とさせるボス。
空に浮かぶ六角型の指揮要塞。全方位に及ぶ網状の攻撃で自軍を追い詰める。
ノーミス撃破時のテロップは「穿越」。
逃げるだけでは問題を解決できない事に気づいた自軍は、自ら攻撃を仕掛けることにした。敵軍が集結する都市周辺に接近し外側から攻撃することで、すべての敵軍を基地から引きずり出し、敵基地への侵入を試みる。
道中中盤に配置された網フェンスと柱を全て破壊した上で、その後破壊された建物から現れる蜘蛛型ザコを倒すと1upアイテムが出現。ボムの使用は不問…というより
ボムとオーラ撃ちを駆使しないと壊しきれない程に網フェンスと柱が非常に硬い。
【ボス】
前作の「雷光」を彷彿とさせるボス。
極太レーザーや網状の罠で自軍を殲滅する。
不利な状況に陥ると発狂状態に至り、狂乱な攻撃を行う。
ノーミス撃破時のテロップは「奪回」。
敵軍にコントロールされた生物兵器を解放すべく、敵軍の工場の中に潜入した自軍は悍ましい事実を発見した。それは、敵軍の機械化部隊が地球の生物を改造して作り出されていたということである。無類の生命が殺人兵器として改造されていたのだ。彼らが持つ魂の泣き叫ぶ声を聞いた自軍は心が切り裂かれる思いにかられる。それでもなお自軍にできる事は、破壊の火焔で邪悪に染められた生物達の魂を解放してやることだけしか無かった。
【ボス】
敵軍がハイテク技術で創り上げた最新型の戦闘機。
ハイパワーの装甲装備と高速な動き、そして圧倒的な火力を加えることで自軍に想像以上の損失を与えた。
開幕は高速スクロールの中で下部パーツからの猛攻を避け続け、その後下部パーツと本体と合体して改めて戦闘開始という特殊な構成。
エネルギーモードでも積極的にボムを当てていかないと時間切れ逃亡になりやすい。
このボスのみボムモードでの撃破報告が上がっていない。
ノーミス撃破時のテロップは「解放」。
基地の内部にたどり着いた自軍の前に、敵軍の精鋭部隊が集結した。
ここまで奮戦してきたからこそ、倒されるわけにはいかない。
地球の平和を守る責任を手に、自軍は前進する。
【ボス】
表向きのラスボス。
強い統率力を持ち、敵軍をコントロールしている。
戦闘BGMの途中では有名クラシック「熊蜂の飛行」を思わせるアルペジオが取り入れられている。蜂つながり
ノーミス撃破時のテロップは「撃破」。
戦争の起源、敵軍の真の首脳。
「戦争は本当に終わったのだろうか…」自軍はずっとその疑惑を抱いていた。
もしかしたら、さらに強い邪悪な意志が真相の裏に潜んでいるかもしれない…
【ラスボス】
陰で力を蓄えながら、
「進化の一刻」をたくらんでいる。
一応は名前こそ「秘(ひ)蜂(ばち)」なだけあり、前作の火蜂を彷彿とさせる弾幕(特にふぐ刺し)も繰り出す。
だが、小さな機体は出てこないし後方の弾幕が少々薄い。弾幕もそんなに鬼畜ではない。
何より本作自体が外注なのもあってか、CAVEシューター達には
ヒバチ族としてはカウントされていない。
しかし弾幕を交えながらのビームキャノンはかっこいい。ふぐ刺しとビームの共演は一見の価値あり?
ノーミス撃破時のテロップは「
終結」。
撃破すればグッドエンドとスタッフロールを拝める。
【余談】
「
怒首領蜂」のまさかの続編に当時驚いたシューターは多かったが、いざ発売されると外注作品故かそれまでと毛色が違う雰囲気やゲームデザイン、STAGE1を筆頭にあまりにも目立つ前作からの素材流用…などと言った問題点もあってファンからの評価は思わしくなく、
中には「こんなの怒首領蜂と認めない!」という黒歴史同然の声も見られたほどであった。
稼働から時が経った現在では程よく遊びやすい難易度、毛色は違いつつも従来作に劣らない熱いスコア稼ぎ要素、
、上記のテロップ表示等のネタ要素と「一部荒削りな部分はあるが全体的に見れば丁寧に作られた佳作」と再評価されており、当時毛嫌いしていたファンも「これはこれで」となんだかんだで受け入れた層もいる模様。
ちなみに開発元のIGSは「中国龍」シリーズや「三国戦紀」シリーズ等のパズルやベルトスクロールアクションを得意とするメーカーであり、
シューティングゲームの製作はこれが初めてであった。
ケイブからライセンスを許諾をする形で開発が始まった本作だが、当時「
プロギアの嵐」を以ってアーケードゲーム事業を撤退する予定であり、この先自社で続編を作る予定がなかったため外部委託を行ったと言われている。
日本では賛否両論の一方で海外ではヒットを記録し、そのヒットを受けて
当初の方針を変えて事業継続が決定。ケイブ内製の続編「怒首領蜂大往生」の開発が始まった。
という経緯がある。
つまり、
本作の存在がなければ今のケイブは存在しなかった可能性が高い。そういう意味では隠れた功労者といえる。
ケイブ側でも外注作等の経緯から黒歴史に近い扱いであるが、「怒首領蜂大往生」「
ケツイ 〜絆地獄たち〜」「
ESPGALUDA」ではIGS製の基板をベースに独自にカスタムを施した基板を採用したり、後の「
怒首領蜂最大往生」で
「IGS(インペリアルガードシステム)-彩音-」
なる中ボス敵が出てきたり、スマートフォン向けSTG「ゴシックは魔法乙女」でボス撃破時に
「浄化完了」
と表示される演出が合ったりとネタ的な意味で愛されているようだ。
- 自分は割と好きだった、言い回しとかインストの濃ゆいキャラとか含めて -- 名無しさん (2024-10-17 16:42:30)
- 驚愕-PANIC-は背景からしたら悲壮感漂う演出。……なんだが浄化-K.O-と並んで文体だけ広まり、本作の怪作ぶりとネタ度合いを広める風評被害のダシにされる羽目になってしまった-- 名無しさん (2024-10-17 23:09:33)
- コイツが出てなかったら今のCAVEはなかったというのがなんとも悩ましいところ… -- 名無しさん (2024-10-18 00:33:07)
- ネタ要素や変なところは多いけど十分良いゲームだと思う。ネタも込みで大好きだわ -- 名無しさん (2024-10-18 01:21:36)
- いわゆるマニアな人以外に触って貰いたいタイプのゲーム 理屈抜きに楽しめると思う -- 名無しさん (2024-10-18 11:47:54)
- 深藍の曲が熊蜂の飛行のアレンジとあるけど、似たようなアルペジオが入ってるってだけで全く関係ないと思う -- 名無しさん (2024-11-27 00:38:05)
- ネタにされがちなクソデカテロップ、UI的には分かりやすいんで家電のボタン表記とかで真似してもらいたいと思う -- 名無しさん (2024-11-30 14:52:27)
- 今や絶滅寸前なゲーセンで稼働している -- 名無しさん (2025-01-08 06:53:34)
- ↑続き、その稼働しているのをフツーそうなリーマンがさらっと遊んでいくのを見てるとどことなくホッとするそんなゲーム -- 名無しさん (2025-01-08 06:56:29)
最終更新:2025年06月20日 21:01