ビビアン(ペーパーマリオRPG)

登録日:2024/11/07 (木) 00:40:31
更新日:2025/03/09 Sun 01:42:33
所要時間約 9 分で読めるわ




マリオとかいうやつを見つけだして、スターストーンのありかがわかるという地図をうばうのよね?
でもってマリオとそのなかまはサクッとしまつしちゃうんでしょ?


ビビアンとは、『ペーパーマリオRPG』に登場する敵組織メガバッテンに雇われた「カゲ三人組」に所属する魔法使いである。



【概要】

マジョリンマリリンの三人によって構成されているチームの末っ子。全員口元以外の素顔がうかがえない影のような魔法使いの見た目をしており、ビビアンはその中でも赤色を基調としている。
スマートかつお洒落なカールの髪に淑やかな笑顔とかなり可愛い外見をしており、クリスチーヌからも「あたしよりかわいいかも…」とまで称されている。
マリオを倒す指令を与えられてはいるのだが、長女のマジョリンからは虐待に近い扱いを受けており、次女のマリリンにもまともにフォローしてもらえないので、敵ながら何だか非常に不憫な子だったりする。

見た目や言動から女の子と思われがちだが、実は男の子(正確にはMtFのトランス女性)である。
海外版では諸事情により女の子という設定(ただし地域差はある)になっており、リメイク版では時代の流れに伴ってか体は男だけど心は女というトランスジェンダーの設定が色濃くなっている(当記事でもそれに倣って三人称は「彼女」表記とする)。
ただ当人の個性に癖は無く、性格や口調は女の子っぽい淑やかなもので、自分をイジメているマジョリンのことも「お姉様」と呼び慕っている健気な子である。
描写は少なめだが、第三者と話す時は敬語調になる。

【本篇の動向】

登場するのはステージ2から。マリオ抹殺のためにカゲ三人組としてふしぎの森に赴いたものの、肝心のマリオの似顔絵をマジョリンが無くしてしまい、それを自身が無くしたと言いがかりをつけられてしまう。
そして、道中でクラウダが落としていたネックレスを拾っていたのだが、それをオシオキと称してマジョリンに取られてしまう。
丁度そんなやり取りをしていたところをマリオ達が通りかかるのだが、この時はマリオの顔が割れていないため戦闘にはならない。

それだけ責め立てておいて実はマジョリンが似顔絵を持っていたことが発覚するのだが、当の本人は「細かいことを気にするんじゃないよ!」と言うだけで謝りもしなかった。
しかも、似顔絵を見て実はさっき通りかかったヒゲオヤジがマリオだと分かると、取り逃した責任をなぜか押し付けられてしまう。おまけに取り上げたネックレスも返さないという始末。ひっでえ……

尤もマリオからしたらそのネックレスが必要になるので再会を果たすことになるのだが、マジョリンらが三人で繋げる形で自分らのチーム名を名乗る際に「(カゲ)三姉妹」と発言してしまい、それをマジョリンに怒鳴られる形で咎められてとうとう泣き崩れてしまう。
だが、落ち込む暇すら与えられずに、マリオを始末するために姉と共に襲い掛かって来る。

ステータスはHPが10、攻撃力が1、防御力が0。通常攻撃は1体だけだが、まほうのほのおを放つ時はマリオと仲間に1ダメージを与えて来る。
チャージで火力を上げるマリリン、バフ・デバフの付与と言った搦め手に欠けるマジョリンと比べると、これといった特徴も無いので、特に放置しても問題は無い。

倒すと三人とも踵を返して行き、その際にマジョリンが落としたネックレスを拾うことで、マリオはクラウダを仲間にすることができるようになる。

続くステージ4では再びマリオ討伐に向けてウスグラ村へ出張。この際にマジョリンは必殺兵器としてイチコロバクダンなる物騒なものを用意していたのだが、またもやどこかに無くしてしまったようで、その責任を擦り付けられてしまう。
そして自身にイチコロバクダンを見つけられなかったらオシオキをすると言い残して、1人村に取り残される羽目になる。
1人泣きながら草むらを探し回るものの一向に見つからず、そこに偶然通りかかった影のようなナナシの人物のおかげで、イチコロバクダンが発見される。
喜ぶのもつかの間、イチコロバクダンはマジョリンが落とした際の衝撃で壊れており、使い物にならなくなっていた。よく爆発しなかったものだ。
これでは結局オシオキは免れないと落胆してしまうが、自身を励ましてくれる相手の懸命さに落ち着きを取り戻す。
そして、相手の名前を尋ねようとするが、相手は名前と姿を奪われてしまって誰からも認識されなくなった存在と知り……





































































それじゃあ アタイなんかより ずっと ずっと たいへんじゃない!

それなのに こんなアタイにやさしくしてくれて…あなたって人は…

アタイ きめたっ!

あなたの名前と体…それとおともだちをとりもどすお手伝いをするわ!






ビビアンは、『ペーパーマリオRPG』に登場する仲間キャラクターの1人である。


【活躍】

加入前に敵対する仲間キャラというのはマリオストーリーのポコピー以来となるが、あちらと違い敵として登場してから加入までの時期が長く、味方化することでプレイヤーを驚かせている。影なのに光墜ちである。
仲間になる順番としては5番目だが、加入時はそれまでの仲間が1人も居ない状況下にあるという、それまでの仲間キャラクターと比べるとかなり特殊な立ち位置にいる。
彼女が加入するステージ4では、マリオが変な布お化けによって姿と名前を奪われてシルエットのような姿にされており、それまでの仲間が全員まんまと偽物に騙されてしまい、単独行動を取っている最中だった(伏せていたが、前述した「影のようなナナシの人物」こそがマリオである)。
そんな中、マリオは相手が敵対していた存在と知りながらもビビアンを助けており、その時の優しさに心を打たれたことで、相手をマリオとは知らずに恩返しをすることを決意する形で仲間になってくれる。
ちなみにこの後に仲間たちや偽物のマリオの元に向かっても、相手がマリオであることに気付いていない。本人はどこかで見たことはあるという程度で、敵対していた時のことはあまり覚えていない様子だった。

フィールド上で使える能力としては、マリオと共に影の中に隠れることで、姿を消すことができるというもの。前作で言うレサレサと同じ効果。
更に鳥の足元で影に隠れると、何と鳥たちの声を聞くことが出来る。ビビアンはこの力を駆使して手掛かりがオドロン寺院にあることを突き止め、最終的には寺院にいるオウムから敵の魔法を解く手段を聞き出すことに成功する。
ちなみに村にいるカラスの声を耳を傾けると、大半がどうでも良いことを呟いている……というか、ネット回線の話や次世代エネルギーの話、果ては哲学に子供の受験など、およそカラスとは思えないような会話を聞くことができる。ビビアン曰く鳥達はものしりとのことだが、もはや次元が違う。

そして、ランペルと呼ばれる敵との最終決戦に挑むのだが、ここでついにナナシの人物の正体がマリオであることが判明してしまう。
敵のために行動していたことに動揺するビビアンではあったが、迷いを断ち切ったビビアンはすぐに戦場に復帰する。


マリオ、しぬも 生きるもいっしょよ!

もうまよわないわ こうなったら マリオの なかまでも えんりょしないから!


かくして、ビビアンの協力の元もあって、マリオはついに元凶のランペルを倒し、呪縛から解放されるのであった。少なからず、この件に関してはビビアンが居なければ完全に詰んでいただろう。
なお、この時にかつての仲間たちが襲い掛かってくる訳だが、倒しても何のメリットもない。とはいえリメイク版ですら、まんまと騙されてこちらに襲い掛かったことへの謝罪はクラウダしかしてこないので、あえてお灸を据えてやったプレイヤーもいるのではないだろうか。
その後どうするか不安に思うビビアンだったが、マリオの説得や、彼女のおかげで助かったということもあり、無事にマリオの元の仲間たちと打ち解けることになる。ビビアンからしても理不尽に虐げられる姉の元で行動するよりかは、マリオ達と行動を共にする方がはるかに幸せだろう。
この際「やっぱりビビアンが仲間になった」と特殊なメッセージが表示され、ビビアンが一時加入メンバーではなく、正式な仲間キャラクターであることが確定する。

なお、その後マジョリン達とは終盤で再戦する機会があるので、ぜひともこれまでの仕返しをしてやろう。とはいえ、勝った後に伸びてるマジョリンに話しかけると「ごめんなさい」と謝っており、あれだけイジメられていながらもマジョリンのことを憎んではいなかったようである。いい子過ぎる。
マジョリンは本作の黒幕的な存在でもあるのだが、詳細な計画はビビアンには知らせていなかった模様。そのため、ラスボスについても本人にはあまり心当たりは無いのだが、ラストダンジョンに入ると本能的にどこか懐かしさを感じる描写が見受けられる。

リメイク版では大まかな流れは変わっていないものの、マジョリンやクリスチーヌ等から性別を言及される事が無くなり*1、加入する際にビビアン自らが「体は男の子だけど心は女の子」と打ち明ける描写が追加されている。
また、怒鳴ったマジョリンに対する台詞が「心の中では妹だから、つい…」となっており、初見の人に血の繋がっていない姉妹なのではと思われる描写とも取れるようになっている。

【ステータスと技】

ランク 初期ランク スーパーランク ウルトラランク
HP 15 20 30

敵→味方でステータスが下がる中ボスはRPGに数多いが、彼女は珍しいことに敵の時よりHPが1.5倍、攻撃力3倍*2と上昇している。
姉2人も再戦時に強くなっているので、敗北後修行でもしたのだろうか?
一方で敵対時に使っていた「まほうのほのお」は使えなくなっている。ランクアップで使えるようになるが、こちらは最大5ダメージと実に5倍の威力に上昇している。

戦闘中は影を伸ばして天井にいるまで攻撃できる初期技や、強化で使える全体攻撃が強力。
炎系の魔法を得意としており、ターン終了後に1ダメージを追加で与える「ほのお」の状態異常を与えることができる。
効果としては地味に思えるが、分身するタイプの敵は追加ダメージで本体が割れるので、有効活用していきたい。
分かりづらいが、地面から浮いているので地震攻撃を受けない特性も持っている。

ステージ4の後半にて仲間になり、この時はクリアまでビビアンのみが仲間キャラクターにいる状態になる。戦力としては非常に貴重な存在なだけに大変ありがたい。
なお、マリオは名を奪われた都合上ウスグラ村から出ることは出来ないので、ステージクリア後までは初期ランクのまま戦わなければならない。

かげぬけパンチ

消費FP:0
アクションコマンド:画面に表示されたボタンをタイミングよく押す。

初期技。
やや特殊な攻撃技で、アクションコマンドに成功してもダメージは増えないが、「ほのお」の状態異常を付加することで実質1ダメージを追加するというものになっている。
加入時のエリアは浮いている敵や天井にいる敵が登場するので、どこにいても攻撃が通る点はありがたい。
ただし接触技につき、触れるとダメージを受ける敵には攻撃しないように。
「ほのお」は行動後に1ダメージが付加される仕様上、戦闘を早めに処理したい雑魚戦においては僅かながら火力不足と言えるかもしれないが、HPの多いボス戦においてはジワジワと効果を発揮するので、ボス戦向きの性能とも言える。
アクロバットのタイミングはビビアンが元の位置に戻る瞬間と、慣れないうちはやや難しめ。

カゲがくれ

消費FP:1
アクションコマンド:画面に表示されているボタンを順番にすべて押す。

初期技。
レサレサと同じ回避技。加入時に出てくる敵が丁度ハイパー系のチャージ攻撃をしてくる奴ばかりなので、緊急回避に使える。
注意点として使用後はそのまま敵のターンに回ってしまうので、本当に危険な攻撃が予想された際の回避として使うこと。
なお、リメイク版では表示するボタン表記がボタンの形から色付きの丸型に統一されているので、「まほうのほのお」もそうだが若干ながら入力難易度が上がっている。
アクロバットのタイミングは地上に戻る瞬間とやや難しめ。とはいえ技を使う機会が限られているので、無理に練習する必要は無いだろう。

まほうのほのお

消費FP:6
アクションコマンド:表示されるボタンを順に押すと、押した回数分のダメージを与える(最大ダメージは5)。

スーパーランクから使用できる技。
敵全体に防御力無視のダメージを与え、更に「ほのお」の状態異常を付与するという、本作屈指の強技。
消費FPが重いのが難点だが、数の多い敵を蹴散らすうえでは非常に有効。
ステージ5、ステージ6のボスやバツガルフはオプションを発生させて来るので、それらを蹴散らすうえでも有効。
炎を付加した後に相手が分身しても、スリップダメージで文字通り炙り出し、分身を強制解除させる。
この恩恵で100階ダンジョン後半のマホマホーン処理の為にお呼びが掛かる。
炎を纏っている敵には無効化されるので注意。
アクロバットは攻撃後すぐなので分かりやすい。

メロメロキッス

消費FP:4
アクションコマンド:敵の頭上にハートマークが出た瞬間にAボタンを押す。

ウルトラランクから使用できる技。
すべての敵を3ターン「こんらん」状態にする搦め手技。ランダム性が強いので、今更この技に頼るくらいなら攻撃した方が無難。
意外にもこの技、姉のマリリンとマジョリンにも通用する場合がある
アクロバットは攻撃後すぐで、1体1体につきアクロバット判定が発生する。

余談

  • 妹の設定に変更されている英語版では「カゲ三人組」は"The Three Shadow Sisters"になっているのだが、先のチーム名の言い間違いのくだりではビビアンが"The Three Shadow Beauties"と名乗っている。このため、マジョリンからは"You're PLUG-UGLY"、即ち「アンタ、とんでもなく醜いじゃないか!」と言われるという、原語版よりも酷いことになっている。
    流石にこれはあんまりだったのか、リメイク版では"The Three Shadows"というチーム名に代わり、ビビアンが"The Three Shadow Sisters"と名乗った際に、"Sisters"が入っていると悪役らしい雰囲気が削れるから不要だと言い張られるくだりに修正されている。

  • 1000年前に恐ろしい魔物を封じた4人の勇者のうちの1人であるゆうしゃテレサは、元々は魔物の配下であったが、同胞を裏切って魔法でゆうしゃノコノコを救ったとされている。幽霊のような存在の魔法使いが悪から寝返るという点は奇しくもビビアンと共通している。そのゆうしゃテレサが最後に向かった場所がウスグラ村であるのは何らかの因果を感じさせる。

  • どういう訳かドラゴンクエストⅣに登場するビビアンもまたリメイク版で男の娘属性が付けられている。意外にもVivianは元々男性名だったりもするらしいのだが……



あの… あらためて いうのも はずかしいけど…

これからも 追記・修正 ヨロシクね

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最終更新:2025年03月09日 01:42

*1 おなやみセンターの依頼に登場するクリボー・クリチェロからの台詞も変わっており、「(ノコタロウやバレルのように)男性だから」ではなく「(クラウダ等と同様で)クリボーじゃないから」という理由で断っている。

*2 通常攻撃の「かげぬけパンチ」基準