ガンダムGT-FOUR

登録日:2024/12/31 Tue 14:07:30
更新日:2025/04/13 Sun 09:46:46
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これがこいつの本当の姿だ!!

RX-78E

Flight & Operations Unification Reacters

ガンダムGT-FOUR!!



ガンダムGT-FOUR(ジーティーフォー)とは、漫画『機動戦士ガンダム MSジェネレーション』に登場する可変モビルスーツ(TMS)である。






【性能諸元】

型式番号 RX-78E
所属 地球連邦空軍
開発 地球連邦空軍
生産形態 試作機
頭頂高 19.8m
本体重量 69.2t
全備重量 98.5t
出力 1,990kw
総推力 83,200kg
センサー有効半径 6,030m
最高速度 マッハ1.2 (Bモード)
巡航速度 1,030km/h (Bモード)
航続距離 900海里=約1,667km
武装 胸部バルカン砲 ×2門
機首バルカン砲 ×4門
ビームキャノン ×2基
専用ビームライフル
シールド
主なパイロット ジェームズ・A・アーノルド中尉
チャールズ・S・サインツ中尉
アリーナ・ホワイト・ミサキ少尉




【機体解説】

一年戦争末期。MSの本格運用を開始した地球連邦軍では早くも次期構想機の開発計画が発動していた。
「G-4計画」と呼ばれたそれは、G-3ガンダムを開発母体として宇宙軍・陸軍・海軍・空軍のそれぞれで異なるコンセプトのガンダムを開発するというもので、宇宙軍はニュータイプ対応機を、陸軍は格闘専用機と重火力機を、海軍では水中専用機の開発が推進していた。
そして、地球連邦空軍においてバンネンバー・ハヤミ博士を中心とする開発チームが「大気圏内でのMS単独の行動範囲拡大」を目指して開発した機体こそ、このガンダムGT-FOURである。

なお「GT-FOUR」とはG」undam 「T」ransformer / 「F」light & 「O」perations 「U」nification 「R」eactersの略称。
意味合いとしては「飛行と作戦(MS戦)を統合した可変型ガンダム」といったところだろうか。


そんなGT-FOURの特徴は、地球連邦軍初の可変MSであるという点に尽きる。*1
機体構造はMSを変形させる…というよりはコア・ブースターにMSの機構を取り込んだといった方が正しい。

また実験機ということもあってか操縦が複雑化しており、コックピットは複座式でパイロットとガンナー兼ナビゲーターの2名での運用が前提など初期のガンタンクのような乗員の配置となっている。
その影響で頭部もV字アンテナこそあるものの、有視界戦闘を行う為にレ〇ズナーみたいにキャノピーを有したガンナーコックピットになっているなど、ガンダムとしては特異なものとなっている。
一応パイロット1人でも運用は可能だが、当然ながらワンオペとなるので負担は大きくなる。


意欲的な機体ではあったが、やはり一年戦争当時の技術力では要求された性能には至らず、低空低速時の運動性の悪さや変形時の機体バランスなど多くの問題を抱えており、ハッキリ言って完成度は低い。
また、軍内部の派閥闘争によりG-3ガンダムのデータを入手出来なかったことで基本動作の精度が低く、余程の熟練パイロットでもなければ機体をコントロールし切れないことも本機の完成度を下げる一因となった。

ただし、開発者のバンネンバー・ハヤミ博士は「シミュレーション上では問題なく、パイロットの問題」と主張しており、実際に劇中で搭乗したパイロット達は手を焼きつつも存分に使いこなしている。


結局のところ試作機が数機完成した時点で一年戦争は終結。完成した機体も良くて中破、最悪喪失してしまったこともあって本機の開発は打ち切りとなり制式採用されることはなかった。
しかし、GT-FOURの開発チームはその後オーガスタ基地やNT研究所に移籍してTMS / TMAの開発に携わり、後にアッシマーギャプランを完成させるに至った。


一方、ジオン軍でもGT-FOURの情報をキャッチしており、研究員の暗殺や対抗馬としてザク・スピードを開発するなどの対抗措置を講じている。
ザク・スピードは開発経緯や性能について不明な点が多いものの、ジオン脅威のメカニズムによりTMSとしての完成度はGT-FOURのそれを遥かに上回っていた。


GT-FOURは優れたTMSでこそなかったが、次の世代に繋がる確かな存在であったと言えるだろう。




【各形態】

  • コア・ファイター
文字通りの中核となる小型戦闘機。
Bモードでは機首となり、G、Fモード時にはガンダムと同様のバーティカル・イン・ザ・ボディ方式で胴体内に収納される。
ガンダムと同じく空中換装も可能。

ガンダム用のFF-X7の改良型だが、ほぼ全面的に新規設計となっている。
主翼が前進翼になった他にコックピットが複座式に改められ、後部のナビゲーターシートは移動してG・Fモード時にガンナーコックピットに移動する。


  • Gモード
ガンダムモード。所謂MS形態。
「MOBILE SUIT」モードではなく「GUNDAM」モードなのはG-4計画に基づいて開発されたガンダムであることに由来している。

変形に耐える為か装甲強度は意外と高く、グフのヒートサーベルが腕の半ばまで食い込みつつも受け切るくらいのことは出来る。
逆に関節部は脆い様子が見受けられ、ザク・マシンガンくらいの火器でも手脚がもげてしまっていた。


  • Fモード
フライヤーモード。
Gモードから背部ブースターユニットだけを後方に展開した中間形態。

MS並みの機動性と航空機並みの行動範囲の両立を目指した形態だが「自由落下とあまり変わらない」と評される程度に飛行性能が低く、変形を潤滑に行う為の形態としての意味合いが強い。


  • Bモード
ブースターモード。
コア・ファイターを機首に変形したボディが後部ブースターとなったコア・ブースター型の飛行形態で、この姿がGT-FOURのメインとなる。

翼面積が小さく思うように揚力を得られない為に飛行はブースターの生み出す大推力に依存しているので運動性は高くなく、解説ページでも「航空機というよりは飛翔体(ミサイルなど)」と描かれるように連邦製よりもジオン製の航空機や後のギャプランに近い特性を持つ。




【武装】

  • 胸部バルカン砲
胸部に2門装備された機関砲。
一瞬でグフを蜂の巣にする威力を持つ。

  • 機首バルカン砲
オリジナルのコア・ファイターと同じく機首に4門備わる航空機銃。
変形の都合上GモードとFモードでは使用出来ない。

  • ビームキャノン
バックパックに2基装備されたメガ粒子砲。
コア・ブースターに装備されたものの改良型で、威力は据え置きだが銃身の延長によりビームの収束率と命中率が向上した。
基部が可動するので完全固定式だったオリジナルより射角も広い。

  • 専用ビームライフル
GT-FOUR専用に開発されていたビームライフル。
開発4号機がロールアウトした時点ではまだ未完成だったので劇中で装備されることはなかった。

  • シールド
専用のシールド。
表紙で持っているだけで本編未登場どころか設定にすら記載が無い。




【劇中での活躍】

『MSジェネレーション』を通して合計4機が登場。
開発1、3~4号機は無断搭乗を含めてジェームズ・A・アーノルド中尉(ジム)がパイロット、チャールズ・S・サインツ中尉(チャーリー)がナビ/ガンナーを担当した。
開発2号機のみアリーナ・ホワイト・ミサキ少尉の単独操縦。

カラーリングは基本的にトリコロールだが、2号機のみブースター部分のカラーリングが異なる。*2


  • 開発3号機
一番最初に登場。
飛行テスト用で、Gモードへの変形を想定していなかったのか、両腕が無く両脚はフレームの一部のみになっている。

テスト中にドップと遭遇し、弾は積まれておらず護衛も全滅という極限に追い込まれたが、急接近した状態で強引に変形することで無理矢理キック?をかましてドップの撃墜に成功した。
だが、燃料が尽きかけたので遭難者救助でたまたま近くにいた空母タカオに着艦した際に甲板に飛び出した民間人を避けてオーバーラン、海没・喪失してしまった。


  • 開発1号機
3号機をぶっ壊した件で輸送隊のパイロットに左遷されたジムとチャーリーが操縦を担当していたミデアに積まれていた。
外見等ハード面は完成しているが、ソフト面では調整不足の為にオートバランサーや照準に不具合が生じている。

ピレネー山脈付近で輸送隊がドダイYSに乗ったグフ部隊に襲撃された際、咄嗟に搭乗・応戦。
どうにかグフを返り討ちにしたが、直後にGT-FOURを敵と誤認した*3味方の攻撃で大破してしまった。


  • 開発2号機
イギリスのマーナム基地で試験運用を行っていた機体。

開発4号機との模擬戦中にジオン軍の可変MSザクスピードの襲撃を受けて1人乗りであることと性能差から一方的にボコられ、4号機にブースターを譲ってコア・ファイターは一時戦闘から離脱。
その後4号機のピンチにザク・スピードの不意を突いて撃破に成功する。


  • 開発4号機
最後に開発された機体。
この4号機を以て試作機としてはほぼ完成となった。

開発2号機との模擬戦中にジオン軍の可変MSザクスピードの襲撃を受けてブースターを破壊されてしまうも、2号機のブースターを貰う形で戦闘を続行。
しかし完成度で勝るザク・スピードには不利を強いられトドメを刺されそうになるが、2号機のコア・ファイターの援護でどうにか生還を果たした。




【余談】

  • デザインは藤田一己氏。
    元ネタはトヨタから発売された乗用車のセリカGT-FOURで、胸部や後頭部のデザインに実車の名残が見られる。

  • あまり言及されたことはないが、「地球連邦軍初」の可変MS(可変MA)である。
    かつては「宇宙世紀初」だったのだが、現在はヒルドルブが登場した為にその座を譲っている。






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最終更新:2025年04月13日 09:46

*1 あくまでBモードがメインなので本来なら「可変モビルアーマー」に分類されるが、この時期にはまだ正確な定義が決まっていなかったのだろう。

*2 黒っぽいようだが、漫画媒体なので正確なカラーは不明。

*3 機密だったので存在を知らされていなかった。