一年戦争

登録日:2012/02/22(水) 00:31:34
更新日:2020/01/31 Fri 23:06:39
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一年戦争は機動戦士ガンダムにおけるストーリーの核となる戦争であり、後々の宇宙世紀シリーズでも重要な位置付けにある。
この戦争後も宇宙世紀は数々の戦乱が巻き起こっていくが、一年戦争ほどの規模で行われたものは存在しない。
(もう一度この規模の戦争が起きると今度こそ人類は滅びると危惧する登場人物も多い)

なお、「一年戦争」という呼称及び戦争期間が1年間だったということが設定されたのはΖガンダム製作時においてで、初代ガンダム本編では登場しない。
(戦争が一年で終わる・終わったことなんて戦争中にわかるわけがないので当然だが)
また、ジオン側からは「独立戦争」とも呼ばれる。
放送中に発売された「記録全集」や現在のガンダムの設定の大半のベースとなった「ガンダム・センチュリー」においてもこの戦争の年表はどちらも現在のものとは大きく異なり、1年で終わっていなかったりガンダム本編中の出来事がU.C.0080に起きたとされていたりする。
『ガンダムTHE ORIGIN』における一年戦争前夜及びルウム戦役などの描写も、従来のアニメ版の設定とは異なる点が多い。

【開戦~一週間戦争】

U.C.0079 1月3日7時20分
地球から最も遠いスペースコロニー群サイド3が、ジオン公国を名乗り地球連邦政府に対して宣戦布告を行なった。
宣戦布告と同時に行われた先制攻撃によって月面都市グラナダを占拠、同時にサイド1、2、4への奇襲を敢行し、核と毒ガスによって住民ごと駐留連邦軍を壊滅させた。

当初は30:1という圧倒的な物量差によって連邦軍が勝利すると思われていたが、ジオン軍は人型機動兵器モビルスーツを開発し戦線に投入。
その革新的な兵器を持ってしてジオンは地球連邦総司令部ジャブローに対しコロニーを落下させる『ブリティッシュ作戦』を決行。
サイド2のコロニーの一つ『アイランド・イフィッシュ』をその軌道から外し、ジャブローへの落下軌道に投入した。
しかしジャブロー落着を阻止しようとする残存する連邦宇宙軍艦隊の全力をあげての艦砲射撃、地球からの大量の核ミサイルによる迎撃、
そしてコロニーにたまたま不時着していたマゼラン級トーチタスのクルーと、シロー・アマダをはじめとするコロニー内のわずかな生き残りの決死の努力もあって、
コロニーは落下の途上で崩壊し3つに分断、かろうじてジャブロー直撃コースは免れることなる。
作戦自体は失敗に終わったものの、破壊されたコロニーの残骸は地上(オーストラリア、バイカル湖、北米大陸)に落下、この結果オーストラリア大陸の東部、シドニー周辺は消滅し後に「シドニー湾」とも呼ばれる最大直径500キロメートルの巨大なクレーターが誕生する。(機動戦士ガンダムOP冒頭のコロニー落下の映像はこの場面である)
落下時の破壊の他に津波等の二次災害も発生し結果的に大損害を与える。


【ルウム戦役】

ブリティッシュ作戦の失敗の為にジオン公国は再度コロニー落としの実行に迫られた。
その為にジオンはそれまで進行していなかった*1サイド5へ攻め込み占領→コロニー落としと言う計画を試みる*2
それに対し連邦軍もレビル将軍を総大将にし、残存艦隊をかき集めて迎撃に当たった。
戦力比は1対3と尚も連邦が有利であり*3、ジオン側はコロニー落としの為の工作もあって苦戦する。
しかし、コロニー落としを放棄し艦隊の迎撃の為にモビルスーツを投入すると連邦側が苦戦を強いられる様になる。
更にレビル将軍の旗艦が沈没し将軍も黒い三連星に囚われた為に指揮系統が乱れ、連邦艦隊は壊滅させられてしまった。

開戦からこのルウム戦役(およびサイド5消滅)までの短期間にジオンがもたらした死者数は人口の半分、五十億人を超えたと言われる。
その大部分は、非武装の一般市民、民間人であった。
さらにコロニー落としにより、直撃したオーストラリアのみならず地球全体への環境に、重大な悪影響を後々まで残すこととなった。


【南極条約】

コロニー落としが失敗に終わったとは言え、連邦に大打撃を与えた事を背景にジオン側は和平交渉を行う、…とは言えその要求内容は和平交渉とは名ばかりの事実上の降伏勧告にも等しい内容であった。
しかし、コロニー落としとルウムでの敗戦のショックから立ち直れない連邦側に反論材料は無くこのまま交渉が成立しそうになった時に奇跡は起こる。
レビル将軍がジオンから逃げ出してジオン側も消耗しているという内情を暴露したのである。
その為に和平交渉は成立せずに戦争のルールの取り決めである南極条約*4の成立に留まった。


【地球侵攻作戦】

これにより戦争の早期終結を図っていたジオンの計画は大幅な変更を余儀なくされる。
長期戦を嫌うジオン*5は地球の資源や拠点を占拠して連邦軍の戦意を削ぎ落とし長期戦に備える為に地球侵攻作戦を実行に移す。
第一次侵攻作戦でオデッサ地方を占領し資源を確保、第二次侵攻作戦でキャリフォルニアベースを占領、第三次侵攻作戦ではアジア、アフリカ地方を占領し、実に地球上の半分程度がジオンの支配下に置かれたのである。
だが、この快進撃がかえって各地での兵站に支障を生じさせる様になり、連邦側のゲリラ戦法や慣れない地球での暮らしもあってジオン兵の戦意は衰えていった。
また、快進撃の影で非道な行為も多数行っており先のコロニー落としも相まってジオンのやり方に嫌気がさして脱走する兵士も出始めた。
連邦側もモビルスーツに対抗する手段を持たない事もあって戦争は泥沼状態となっていったのである。


【V作戦】

連邦側はこの状況を打破する為にモビルスーツの研究に着手*6。スペースコロニーサイド7にて、モビルスーツとその運用を行うための戦艦を開発した。
更に先の戦いで失われた艦隊を再建するべくビンソン計画を実行に移す。

かくして連邦のモビルスーツであるRXシリーズとモビルスーツ運用型戦艦ペガサス級が完成、サイド7から各部隊へ輸送される手筈であった。

だが、これがジオン軍にも知れ、シャア・アズナブル率いる部隊がサイド7に潜入。史上初のモビルスーツ同士の戦闘が行われた。この時登場したRX-78-2ガンダムは、以降ジオン軍にとって驚異となる。


【ガルマ・ザビの戦死】

サイド7での交戦を潜り抜けたもののRXシリーズは各自1機を残して大破、正規軍人も多数死傷した為に民間人が主体となって運営する事を迫られる。
かろうじてルナツーにたどり着くものの民間人の兵器運用とルナツーの戦力消耗を避ける為に碌な支援も出さずに地上へと送り出したのである。

大気圏での戦闘による進路変更によってジオンの勢力下である北米地帯へ降下を迫られ、ジオンの守備隊の波状攻撃で消耗していったが危険を試みながらも駆け付けた補給部隊による補給やジオン側の水面下での思惑もあって辛くもこれを撃破し、更に司令官であったガルマ・ザビ大佐を戦死させるという大戦果を挙げた。

この際、ガルマ大佐と同行していたシャア少佐がガルマを守りきれなかったとしてドズル・ザビ中将により左遷されている。

【オデッサ作戦】

U.C.0079 11月
V作戦以降、徐々に持ち直してきた連邦軍は、ジオン軍の生命線であるオデッサの鉱山を抑えるため、大規模反抗作戦「オデッサ作戦」を発動。
連邦側はいまだモビルスーツが普及していなかった*7事もあって正面戦力370万、後方支援部隊400万という大規模な戦力を投入する事でジオン軍を撃退。
これにより、地球でのミリタリーバランスは一気に連邦軍へと傾くことになる。
またジオンの敗残兵力は宇宙に脱出したり、アジア方面に逃げ延びる等した。

『THE ORIGIN』ではこのオデッサ作戦と後述のジャブロー降下作戦の時期が入れ替えられている。

【ジャブロー降下作戦】

オデッサでの敗北を受けたジオン軍は、連邦軍の本部であるジャブローに奇襲を行う。水陸両用モビルスーツに加え、ドム、グフといった機体を量産し、大規模部隊をジャブローに降下させた。またマッドアングラー隊が内部に潜入し破壊活動を行うなどしたが、ジャブローの対空網の堅牢さとホワイトベース隊の活躍、連邦軍の開発したモビルスーツGMが戦線に投入されたこともあり、作戦は失敗。

ジオン軍はジャブローからの撤退を余儀なくされた。
また、ジャブロー降下作戦の戦力はキャリフォルニアベースから出された戦力であり、ホワイトベース隊との交戦とガルマの死亡でガタガタになっていたキャリフォルニアベースの戦力は大幅に減退したのである。


【オーストラリア方面軍反抗作戦開始】

U.C.0079 11月22日
連邦軍オーストラリア方面軍独立MS小隊「ホワイト・ディンゴ」をはじめとする各部隊、一斉に反抗作戦を開始。
作戦は順調に進み25日にはアリス・スプリングの奪還に成功する。


【キャリフォルニアベース奪還作戦】

U.C.0079 12月15日
ジャブロー以降、ジオン軍は北米キャリフォルニアベースやアジア方面に戦力を集め、連邦軍の所有する宇宙港を攻めていた。だが、連邦軍がキャリフォルニアベースを奪取すべく作戦を開始。
に連邦軍EXAMシステム搭載機を中心に編成された戦力がキャリフォルニアベースを襲撃。ジオン軍も同じくEXAMシステム搭載機を戦線に投入するが、物量差もありキャリフォルニアベースを奪取されてしまう。これにより、戦局は本格的に宇宙へと移っていく。


【チェンバロ作戦】

U.C.0079 12月24日
連邦軍はジオン軍の宇宙要塞ソロモンを陥落するべく、量産型モビルスーツGMを本格的に戦線へ投入。
さらに連邦主力の第二艦隊はもう一つの新兵器、ソーラ・システムを投入。第三艦隊とホワイトベース隊を囮にしつつ進行開始。
陽動に引っかかったうえにソーラ・システムの大規模攻撃を二度も受けたジオン軍は壊滅的な損害を出してしまう。
これに対してジオン軍はドズル・ザビ将軍が巨大MAビグザムに搭乗し、第二艦隊に特攻、ティアンム司令官を戦死させる。
だがガンダムの活躍もあり、ビグザムは撃墜されドズルは戦死、ジオン軍は敗退に追い込まれる。
この時、ジオン軍のアナベル・ガトーの活躍によって多くのジオン兵が生き延びている。


【星一号作戦】

U.C.0079 12月30日
ジオン軍のデギン・ザビは、連邦軍と和平交渉を行うべく、レビル将軍と接触。しかし、それを良しとしないギレン・ザビの手によって暗殺されてしまう。
ソーラ・レイがギレンの命令により発射され、デギンの乗艦であるグレード・デギンはレビル将軍直属の艦隊もろとも消滅。
この時ソーラ・システムも失われてしまう。

U.C. 0079 12月31日
大打撃を受けた連邦軍はホワイトベース隊を中心に戦力を再編。星一号作戦を発令し、宇宙要塞ア・バオア・クーへ進軍。
連邦が切り札と総大将を失ったこともあって当初は連邦を圧倒しつつあったジオンではあるが、デギン抹殺の罪を挙げてキシリア・ザビがギレン・ザビを粛正した事によって3分程度であるが指揮系統に乱れが生じてしまう。
しかしその3分の間にジオン側は守りの要であるドロス艦隊を連邦軍の猛攻により撃破されてしまい、防衛線を突破されてしまう。
更にギレンの死亡によってデラーズ艦隊などギレン派の部隊が戦線を離脱、これにより戦局は一気に連邦側に傾く事となる。
敗戦を悟ったキシリアは撤退を試みるも待ち伏せていた艦隊の砲撃で脱出艦が破壊され死亡、激戦の末、連邦軍は勝利を収める。

しかしこの戦いでホワイトベース及びガンダムが失われ、連邦艦隊もその戦力の大半を失う。
サイド3の残存戦力(及び離脱したギレン派)に対抗できる力は既になく、連邦軍がジオンの本拠地サイド3を攻略・制圧することは不可能となった。
同時にジオン公国軍の指導者であるザビ家が全滅し、公国軍は大混乱に陥る。


【和平調印締結】

U.C.0080 1月1日
ザビ家の全員の死亡を聞いた和平派はこの機に議会を占拠。
月のグラナダにて和平調印が行われ戦争は終結した。

オーストラリア方面軍への停戦命令が伝わらず。
ホワイト・ディンゴ隊、ヒューエデン要塞基地攻略作戦を開始。翌2日停戦命令が届くもわずかに間に合わず、公国軍ヴィッシュ中尉戦死。
ジオン軍は数機のHLV打ち上げに成功する。
また、他の最前線においても和平調印の事が伝わらなかった為に交戦状態のままで敵部隊を駆逐したが事後報告でそれを知って慟哭した部隊も多数いた模様。


【一年戦争後】

ジオン公国はジオン共和国と改名。

しかしサイド3健在のまま停戦を行った共和国を公国の後継と認めず、戦争続行を望むジオン軍人も多かった。
それら敗残兵の多くはアステロイドベルトのアクシズに逃げ込み、地球圏に残った兵たちはU.C.0083に再びエギーユ・デラーズに率いられ、星の屑作戦に参加する事になる。
また、共和国及び連邦圏内に残った者も戦勝側である連邦の締め付けやこれまでの被害による迫害でまっとうな生き方を許されない者も多数いた模様。
これらの出来事は後の歴史に禍根を残すこととなる。

連邦側も国土である地球に大きなダメージを受け、一年戦争前よりもますますスペースコロニー側に依存する傾向に陥ってしまう。

地球連邦がジオン公国を打倒したという結果で見られることが多い一年戦争だが、内実はまさに「勝利者のいない戦い」であったのかもしれない。

ジオン公国の国営企業であったジオニック社、ツィマッド社は解体されて地球連邦及びアナハイム・エレクトロニクス(AE)社に吸収される。
一年戦争時はあくまでも一企業にすぎなかったAE社はジオン技術の獲得によって地球圏におけるMS開発の中心となり、やがて自らの采配で戦乱を巻き起こす「死の商人」へと変貌していく。


追記、修正お願いします

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