ザク・マシンガン

登録日:2022/01/08 Sat 12:55:30
更新日:2025/04/22 Tue 17:11:34
所要時間:約 14 分で読めます





てめえなんざ、一発あれば十分だ!




ザク・マシンガンとは、『機動戦士ガンダムシリーズ』に登場する銃器である。
本項目では基本的に最もオーソドックスなM-120A1型を中心に解説する。







基本仕様

正式名称:M-120A1(ZMC38Ⅲ)
開発企業:ジオニック社
  製造:ジオニック社
     ツィマッド社(OME生産)
運用勢力:ジオン公国軍
     ジオン共和国軍
     デラーズ・フリート他ジオン残党
     ネオ・ジオン
     地球連邦
     他
  口径:120mm
 装弾数:約100~145発
砲口初速: 200m/s (1G下)
発射速度:毎分280発
有効射程:4200m
総生産数:約1万5000挺




解説

ジオン公国軍の主戦力であるモビルスーツ(MS)は人間のように四肢を持つ兵器であり、特に初期の主力機であるザクシリーズには内蔵火器がなく、手持ちの火器で戦闘を行うものが主流であった。
そこでジオニック社がMS用の火器として開発したものが、このザク・マシンガンこと「M-120A1 120mmマシンガン」である。


構造

全体的に見て大口径でストックと銃身が長めに作られており、第二次世界大戦期の軽機関銃に近い構成をしている。

しかしその形状はなかなか特殊で、機関部上面に配置された円形のドラムマガジン(実際には違う形式のマガジンだが、詳しくは余談にて)、大きめに作られたトリガーガードとそこから水平に配置されたフォアグリップ、やや湾曲した細めのストック、機関部の右上に飛び出した円筒形のスコープなど、他にはあまり見られない特徴的な姿をしている。
その見た目に反して中身は堅実で、駆動方式に電気作動式を採用している以外は人間用火器の拡大版であるらしい。
但し排莢口は左側にある(近年は右側に直されてる事が多い)。まあMSだし排出された薬莢で火傷する心配はないから大丈夫なのだろう。

最大の特徴はその口径。マシンガン(機関銃)と言いつつ口径120mmという破格のサイズ。
かのA-10搭載機関砲でさえ口径30mmなのに、いくらMSだからって現代戦車の主砲とか迫撃砲、ガンタンクの主砲クラスのブツを連射して大丈夫なのだろうか……
元々は既存の大砲を改造しただけの単純な物を想定していたようだが、重量や反動、宇宙空間での姿勢制御などの面で問題があったために新規開発する運びとなったという。
しかしやはりMSの携行火器としてはバランスが悪かったようで、連邦軍では一回り小さい90mm口径をMS用マシンガンに採用している(一部は陸戦型ジムガンダムの主装備であった100mm口径のマシンガンもあったが、戦後ほとんど90mmに統合された)。
後述する、ジオン公国が統合整備計画で開発・採用した新型マシンガンも、90mm口径となっている。


フォアグリップは左右どちらにも可動するので両腕どちらでも安定した射撃姿勢をとることが可能だが、スコープはある程度可動はするものの左側にしか動かせないので精密射撃は右腕でしか行えない。


なお、名前に反してグフドムゲルググヅダなどザク以外の機種でも使用可能。
というか腕があれば何でも、あるいは腕がなくても固定兵装として使用した機体まであった。


性能

初期のMS用兵装であったが火力はそれなりに高く、セイバーフィッシュのような宇宙戦闘機や61式戦車なら一撃で、ジムのようなチタン合金を使用した軽装甲のMSなら数発で破壊が可能(な場合もある)。

ストックは細めで華奢に見えるが意外に強度は高く、あまり強力ではないがいざという時は近接武器にもなった。


「マシンガン」と呼ばれてはいるが、機能としてはアサルトライフル(突撃銃)に近く、セミオートとフルオートの切り替えを目的に応じて使い分ける。
劇中でも「ライフル」と呼ばれる場面が多々あり、少なくとも現場の兵士には小銃感覚で用いられたようである。
また、スコープにはレーザー通信によるモノアイとのデータリンク機能が備わっていてミノフスキー粒子の影響下でも射撃精度が高く、単発射撃による狙撃銃としても機能した。
登場作品によって描写にある程度の差はあるが、初代『ガンダム』では2~3点のバースト射撃を行う描写が多く、その他の作品ではフルオート射撃で攻撃する場面が多い。

運用可能な弾薬も最初期から使用されていたオーソドックスなAP-3徹甲榴弾(タイプ23)、対宇宙戦艦特化のAPCR弾(硬芯徹甲弾)ST-4対宇宙戦艦用徹甲弾(タイプ75)、対戦車戦で多用されたHT-3成形炸薬弾(タイプ79)を基本に榴弾、徹甲弾、煙幕弾、信号弾、照明弾など多岐に渡る。
また新しい弾薬の開発にも余念がない上に運用も安易らしく、ジオニックフロントでは「ダイヤに匹敵する硬い特殊合金で作られた徹甲弾」「モンロー効果を利用したホロチャージ弾」をテストもせずに実戦に投入*1され、両方とも問題なく作動、成果を上げた。


このため、ザクマシンガンは本来のマシンガンのような制圧射撃による支援だけではなく、ある時は戦車や宇宙戦闘機との戦いで、ある時は狙撃に、またある時は連絡手段として、MS用火器としては最高記録である1万5,000挺近くもの数が生産され(予備パーツや補修部品や弾丸も含めればそれ以上)、個々のMSによって多目的に用いられるマルチウェポンとして多くのパイロットに愛用された。
中には部隊や任務毎にカスタマイズしたり、自らの愛銃として独自の改造を施していた者もいたという。


欠点

初速が遅すぎる。

その一言に尽きる。

何せ初速200m/sとは時速に換算して720km/h。
これだけ聞いてもピンとくる人は少ないだろうが、これは機関銃拳銃はおろか火縄銃より遅い。それどころか第二次大戦期の一部の高速レシプロ戦闘機の 飛行速度 より遅い。
宇宙空間ならともかく重力のある地球上では弓矢のように自由落下を計算して斜め上に撃たないと当てられない。
重力はあるが風も空気抵抗もない平らな土地にザクを射撃姿勢にさせて、ザクのモノアイの高さ(17m)にザクマシンガンを 地面と平行な角度で 構えて撃つと弾丸は 約370m先 の地面に落ちる。
有効射程とされる4km先に弾を届けたいのであればザクは斜め上約50度に銃を向けて発砲して「弾を放り投げて落とさ」ないと4km先には届かない。もちろん届く時間は発砲から20秒以上後になる。空気抵抗があればもっと悪化する。
上記では高精度とか狙撃だとかと述べたが、こんな惨状ではプロパガンダとしか言いようがない。

全てのサイズを1/10に、つまりザクを175cmの人間の歩兵にするとザクマシンガンのスケールスピードも1/10の20m/s(72km/h)になるが、これだと日本の法律で 空気銃ではなく遊戯用エアガンとして通るレベル である*2
上記の「370m先」、即ちザクの身長のざっくり20倍目安も、人間スケールにすると35m程度。野球のグラウンドならホームベースと2塁ベースの直線距離より短い。投げやすいものを選べば 直球でも投石の方が遠くに届く。

ここまで遅いとサラミスの艦首から艦尾にいる相手に撃っても到達するのに1秒以上掛かる。
生身のシローが撃たれてから避けられる訳である。

元々の開発コンセプトからして「低初速・低反動の対艦用自動榴弾砲」というものだったのだが、
当初は長距離での戦闘を想定した初速400~500m/sの単発式として開発が進んでいた。

しかしMSの戦闘演習を重ねるうちに予想以上に艦艇への肉薄が可能であることが判明。
そこでMS用火器の開発も当初の「長距離から断続的に大火力を叩き込む」という構想から「中~近距離で多量の砲弾を一気に浴びせる」方があらゆる戦局に対応出来るものと判断され、低反動で連射が利くように要求が100m/sに引き下げられたのである。
どう考えても連射するには口径が大き過ぎて反動が強烈だったであろうことの弊害だが、
先述のように最初は既存の大砲を改造して仕立てるつもりだったので仕方ない……と思いきや、試作型の100mm~前期型の105mmを経て120mmとなったので単に欲張った結果なだけの気もするが……。

とはいえ、この数値はあくまで1G下でのものなので宇宙空間では十分なスペックだったのかもしれない*3


当たり前だがこの超低初速と弾薬の関係で貫通力は悲惨。
航空機や戦車が相手の頃はまだ問題にならなかったが、連邦軍がMSを投入するようになると一挙に問題が露わとなった。
そこに追い打ちを掛けたのが新素材「ルナ・チタニウム合金」の登場である。
従来の合金よりも軽量かつ高い剛性・耐熱性・耐融性を持つそれはザクマシンガンでは傷一つ付けられず*4、厚い装甲の物に至ってはジャイアント・バズすら致命傷にならなかった。
シャアガンダムの装甲の硬さを把握してからはザクバズーカを装備している。
どこぞの世界線では白い棺桶が軽い音と一緒に数発撃たれただけで爆散した?なんのこっちゃ

幸いルナ・チタニウムを装甲とするMSは大半が試作機で、連邦の主力MSはチタン合金製のジム系であったが、そのジムも一撃で撃破とはいかない*5上にルナ・チタニウム製の大型シールドを常備していて、やはり不利は免れなかった。
ジム・クゥエルに至っては至近距離からザクマシンガンで構造上弱いマニピュレーターを撃たれたのにもかかわらず一切ダメージを受けていなかった事もある。(単行本では修正されシールドで防いだことになってる。)
至近距離から射撃しても咄嗟に防御姿勢が取れるというのも初速が遅い証拠であり、盾で防いでも無謀にも旧式兵器で新型機に立ち向かうザクとしての説得力は残ったままである。

ちなみに現在の120㎜戦車砲はだいたい初速1800m/sと9倍の速度。それを耐える耐えないの次元で戦っている現実の戦車の正面装甲相手にザクマシンガンは歯が立たない可能性が高い。


当然ながらこれらの欠点を放置しておく訳がなく、前述の通り初速の早い徹甲弾をジャブロー戦にてテスト配備させている。
その後も連邦軍がMSを投入してくることを見据えてマ・クベ大佐主導の「統合整備計画」の中で改良型のMMP-78や発展型のMMP-80の開発が進められ、比較的に配備は順調に進んでいたものの、全軍に行き渡る前にジオンは敗戦してしまった。

もっとも、「低初速」という設定は元々非公式の考察だったものが何故か公式百科事典にも掲載されたもので、劇中の描写では明らかにそんなに遅く描かれていない*6
……シローが避けられたのは、彼がサイボーグかエヴォリュダーだから出来たことである。……たぶん。

まあ、ガンダムシリーズは長く続くうちに設定が足されていって後付けのオンパレードとなった作品群なので、設定と描写の食い違いなんてもはやいつものことである。
その辺りは割り切って見たほうがいいだろう。
しかし総合的な威力が低かったのは様々な媒体で描写されており、そこから弾の性質にもよるが初速も遅いということに繋がるため、
データ程に遅いかは後付けで変わるかもしれないが、初速が遅めなことも間違いないだろう。



一年戦争以降の去就

シリーズ総計で1万5,000挺近くも生産されただけあって戦後もジオン共和国、地球連邦軍、ジオン残党、反連邦組織、果ては宙賊や海賊のような野盗や民間軍事会社にまで派生型を含めて多数が流れ、運用され続けた。

特に連邦軍ではハイザックの開発に合わせてジオンが遺した生産設備を流用出来るので改良・量産されている。
しかし、流石にそれ以降に後継機種などは開発されず、形状だけ似せたビーム兵器が登場するに留まった。

次にザク・マシンガンが姿を現すのは、地球連邦や生産技術が衰えていく中でコロニー同士が覇権を争った群雄割拠の宇宙戦国時代まで待たねばならないのであった。




型式一覧


XZM-1

プロトタイプ・ザクに用意された試作品。
フォアグリップもストックも無く、マガジンはトンプソン機関銃のように下部に配置されているのが特徴。

口径は100mmで、最初期の試作品ということもあって性能は高くなかったようだ。


ZMP-47D

ザクⅠと共に生産された初の制式量産モデル。
装弾数は100発程度で重量約5t。XZM-1からやや口径が拡大した105mmに変更されている。

この時点でスタイルは概ね固まっているが、まだストックが無く、マガジンも右側面に配置されている。

ちなみに型式番号の「ZMP」は「ザク・マシン・ピストル」の略。


ZMP-50B

ZMP-47Bを外観はそのまま、より強力な120mm口径にボアアップしたもの。
これ以降は120mm口径がスタンダードとなっていった。


M-120A1

ザク・マシンガンとして最もポピュラーな型式。ジオニック社における開発コードは「ZMC38Ⅲ」。
上に書いたので説明略。

やっぱりザクマシンガンと言えばこれだね。


M-120AC

バレル下部に銃剣型ヒートサーベルを装着した近接戦対応型。
扱い難かったのか、生産台数は極めて少ない。

しかし後年になって発見された資料によれば「黒い三連星」のメンバーとして知られるマッシュ中尉の06Rが運用試験を兼ねて使用した他、エリック・マンスフィールド少佐(当時)の06FSやジョニー・ライデン大尉(当時)の06Sなど、一部のエースパイロットは好んで使用していたという。


M-120AS

砂漠地帯用の改良モデル。
ハンドガードとスコープが削除されてバレルがフラッシュハイダー付きのショートバレルに、ストックも折り畳み式に変更された。
後期に生産された物には逆に空冷ジャケットを装備したロングバレルにしたタイプもあったようだが、こちらは熱帯仕様だったらしい。

主にザク・デザートタイプやディザートザクのような砂漠地帯のMSが使用したが、信頼性の高さから砂漠地帯以外でも愛用したパイロットも多かった。


ZMP-50D

主に東南アジア方面軍が使用していたとされるZMP-50Bの発展形。
基本的な仕様はM-120系と同じだが、フォアグリップが円柱状でドラムマガジンが上面右寄りに配置されているのが特徴*7
排莢も右から行われる。


MMP-78

一年戦争末期にMMP社が開発したM-120系統のアップデートモデル。
連邦軍にもMSが現れ始めたことを受け、対MS戦を見据えた全体的な設計の見直しが図られた。

M-120系との主だった差異は、伸縮式ストックの採用とバレル下部へのグレネードランチャーの設置。
グレネードランチャーの設置に伴って排莢口は右側に、フォアグリップは左側面に再配置されているので完全に右腕専用になった。

性能面では特に貫徹力が大きく改善され、ジムの上位機種にも十分通用する威力を発揮した。
更に対空砲弾用の箱型マガジンも用意されて汎用性も増している。

しかし悲しいかな、こいつがロールアウトした時には既に後述のMMP-80が出回り始めていた為、装備していたのはザクⅡF2型位であった。


デザインはカトキハジメ氏によるもので、モチーフはアメリカ軍のM4カービンであると思われる。


MMP-78/WG

MMP-78のトリガーガードとグリップを、ドム系のマニュピレーターでも扱い易いように大きくしたもの。
ストックなど全体的な形状はM-120A1タイプに近く、トリガーガードと一体化していたフォアグリップとグレネードランチャーは着脱式に改められた。


MMP-78 中期型

陸戦高機動型ザクが使用した銃身ガードとバレルジャケットを装備した改良タイプ。
連射性能が落ちた代わりに対MS戦でも威力を発揮できるようになった。

「MMP-78の前期型をベースとした」とされるが、見た目はM-120系に近くこちらがベースであったとも言われている。*8
ひょっとしたらM-120A1をMMP-78に近づけた中間の仕様だったのかもしれない。




その他の派生型

固定兵装化

グリップを廃して固定兵装に改造した物。
オッゴのようなマニピュレーターを持たない戦闘ポッドなどが装備した。

特に「ワイルドボア」と呼ばれたザクタンクはZMP-47Dを上下2基連結して背部のマガジンからのベルト給弾式に改造した物を装備。
約3.5倍もの装弾数を誇り、素のザクⅡ以上の射撃性能を発揮したという。


偽装120mmマシンガン

MS IGLOO』漫画版エピソードにて、連邦軍風偽装MS「ゲム・カモフ」用に用意されたもの。制式名称不明。
マガジンをボックスタイプに変更、フォアグリップにカバーをかけて見た目を連邦軍製の銃器っぽくしているだけで性能は変わらないらしい。


ロングレンジ・ライフル

デザートザクのロンメル中佐専用機が使用したとされる長距離攻撃用のカスタムタイプ。
ベースとなったのはZMP-47系列のようだ。


狙撃用ライフル

ザクマシンガンの機関部を流用して開発された狙撃用ライフル。
中でもノイジー・フェアリー隊のヘレナ・ヘーゲル曹長が搭乗したザクⅡ狙撃型が使用した物は給弾機構に改良が加えられて弾種の切り替えが可能な特別仕様となっている。


120mmコマンドライフル

MS降下猟兵部隊用にM-120A1を短銃身化したタイプ。
銃口に大型のマズルブレーキが装着され、ストックも折り畳み式に改められた。


120mmオートマチックウェポン

フルオート射撃に特化したタイプらしいが、詳細不明。


防盾付きザク・マシンガン

ノリス・パッカード大佐(当時は少佐)の専用ザクⅠQ型が装備していた物。
M-120A1のバレル上部に防盾が取り付けられたが、正直言ってあまり役立ちそうにない。


120mmガトリング砲

グフ戦術強攻型のランドセル側面に備える120mmガトリング砲はザクマシンガンを6本束ねたもの。
装弾数は約300発で、中距離での対地・対空戦闘で効果を発揮したとされる。


ザク・マシンガン改

M-120A1をハイザック用に近代化改修したもの。
開発担当は旧ジオニック社が主体であるAEグラナダ支社のジオニック事業部。
型式番号などの詳細は不明だが、スコープやストックなどの部品規格を最新の連邦軍仕様に合わせていて命中精度が向上している。

近代化改修しているとはいえ、普通にビーム兵器が出回っているグリプス戦役当時には火力不足だが、直撃すればネモくらいなら撃墜可能、重装甲のリック・ディアスにも損傷を与えるシーンがあるので、ガンダリウムγにもそれなりに通用するだけの威力はあるようだ。

ハイザック自体が主に宇宙で運用されている為、コロニー内での使用を考慮したのであるなら案外妥当*9な装備でもあったりする。


ボルジャーノン・マシンガン

遥か未来の時代に発掘されたザクことボルジャーノンの武器。
形状こそM-120だが、威力はディアナ・カウンターの機体にも通用する。
恐らく未来で作られたレプリカモデルか、ナノマシンで改良されているのだろう。

しかし弾速の遅さは相変わらずで、暴れたボルジャーノンが∀ガンダムに殴られて暴発した時に近くにいたミリシャの皆様は跳んできた流れ弾を掻い潜って逃げていた。


MS用マシンガン

アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界におけるザクマシンガン。
従来のものと変わりないが、ザクⅡ開発前のザクⅠが配備された時点で既に存在している。

漫画版では下記のハイパー・ライフルが主流でこちらはたまに登場する程度だったが、アニメ版ではサイド7襲撃前が舞台であるためかこちらが主流だった。

派生作品の劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 』ではサザンクロス隊機の装備として改良型のMS用マシンガンが登場。
バレル下部にはヒートダガーを銃剣として装着可能。


ハイパー・ライフル

原作漫画『THE ORIGIN』におけるスタンダードなザク・マシンガン。
携行弾数の多いベルト給弾方式に変更され、口径も140mmに拡大している。
作中ではこちらがザクの主武装となっている。
なお、連邦からは原作同様に「ザク・マシンガン」と呼ばれている模様。

アニメ版でも登場するが、こちらでは単に「ベルト給弾式MS用マシンガン」と表記されるだけで仕様に関しては触れられていない。

ちなみにベルト給弾式になった理由はデザインの大河原氏曰く「安彦さんがアニメ版のパンマガジンを気に入っていないと言っていたから」(意訳)とのこと。


GUNDAM Mission to the Riseのザクマシンガン

宇宙世紀のパラレルワールドである『GUNDAM Mission to the Rise』の世界における、ザクマシンガンと思われるザクの武器。
ハンドガン型の形状となっていて、なんとガンダムを破壊する威力を見せている。
こちらの世界のザクマシンガンが強いのか、それともガンダムの装甲が正史よりも貧弱なのかは不明。


GUNDAM 0079 The War For Earthのザクマシンガン

実写でケツアゴのシャアが登場することで有名なゲームソフトに登場するザクが装備している、おそらく史上最強のザクマシンガン
どの位強いかと言うと、無傷のガンダムが起動前はおろか通常戦闘でも数発当たるだけで爆発四散してしまう程。ルナチタニウム?何それ?
このゲームは凄まじく死にやすいというか選択肢を1つでも間違えると概ね即死するクソg…極端なゲームバランスのため、プレイヤーは「ドンドンドン(銃声)カンカンカン(空き缶じみた被弾音)ドカーン(ガンダム爆発)デーデーデー(ゲームオーバージングル)」という、史上最強のザクマシンガンのムービーを何度も何度も何度も何度も見る事になるのであった。
ちなみにガンダムばかり取り沙汰されるが実はガンタンクも3回ほどの掃射で撃破している。\やられ千葉ァ!/


機動戦士ガンダム(冒険王版)のザクマシンガン

冒頭で暴走したザクがコロニー内の人間相手に撃つという暴挙を働き、撃たれた人間は蜂の巣にされ死亡した。
眼球が飛び出したりと妙にグロい死に方をしていたが、見ての通りその口径は120mmにしては明らかに小さい。設定通りなら蜂の巣ではなくミンチになるはずである。撃たれた側にとってどっちが良かったかは不明。


40周年記念スペシャルムービーのザクマシンガン

「ガンダム×KEN OKUYAMA DESIGN×LDH JAPAN ”G40プロジェクト”」で公開されたスペシャルムービーに登場したもの。
デザインは概ね同じだが銃身がジャケットで保護されていてストックが無く、マガジンにキャリングハンドルが付いている。

機体によってはマズルブレーキやグレネードランチャーらしきものが付いたショートバレルタイプやストック付きのロングバレルタイプを持っているなど、派生型もいくつか確認出来る。


機動戦士Gundam GQuuuuuuXのザクマシンガン

正史とは異なる歴史に進んだ世界のザクマシンガン。
デザインはアレンジされて全体的に角張った形状に変更されてマガジンは小さく、ストックは短くなった。
横に突き出したセンサーサイトはオミットされたが、代わりにマズル上部にセンサーが追加されている。

U.C.0085年には改良型のザク・マシンガン改も出回っており、マガジンがバナナ型に変更されている。
こちらは数が少ないのか、先行上映の段階では軍警ザクの中でも特殊部隊仕様にしか装備されていない。




関連する火器


宇宙世紀

MMP-80

統合整備計画で開発されたMS用マシンガン。
開発はMMP-78を開発したMMP社。

従来のザクマシンガンに比べて
  • マガジンをボックスタイプに変更
  • ストックを折り畳み式に変更
  • スコープを廃した代わりに内蔵型センサーを採用
  • フォアグリップの削除
など全面的に設計が見直され、これまでのジオン製MS機関銃とは全く異なる物として完成した。

これまでのジオン製携行機関銃に比べてかなり大きい割に口径が90mmに抑えられているが、最初から対MS戦を想定して開発されているので従来の120mm系統のMS用機関銃よりも命中精度や初速が大きく向上、連邦製MSにも十分通用するようになった。先に述べたジム・クゥエルとの戦闘においてもこちらはコクピットをハチの巣にしている。
また、銃口下部に197mmグレネードランチャーの装着も可能である。

マガジンにはシングルカラム(単列)式とトリプルカラム(3列)式の2種があり、装弾数はそれぞれ32発と100発になっている。
前者は実在の構造で装弾数は少ないが信頼性は高く、後者は現代では見られない構造なので断定は出来ないが、信頼性を犠牲に装弾数を重視したものなのだろう。

これ自体は統合整備計画に則って開発された使用機種を問わない汎用装備で、どちらかと言えばドム系かゲルググMが持っているイメージが強いが、ザクⅡFZ型(ザクⅡ改)はこれを標準装備しているので、そういう意味で言えばこれもれっきとした「ザク(も使う)マシンガン」である。

統合整備計画の中でも比較的早期に完成していたので生産された物には前期型(『ポケ戦』初出の方)と後期型(『0083』初出の方)の2種類があり、後期型は前期型よりも大分コンパクトになっているが、その分グレネード弾の取り付け口がオミットされてランチャーがオプションとなった。
メタな理由だと出展によってデザイナーとモチーフが異なるための分類である*10


配備が開始されたのは一年戦争終盤であるが、開発自体は早かったのでシュツルム・ファウスト共々比較的多くの部隊に配備が行き届いていたとされ、戦後もビーム兵器より整備性に優れていたことから鹵獲運用した連邦軍をはじめデラーズ・フリート等のジオン残党にも多くが流出、使用されていた。


サブ・マシンガン

袖付き」で使用されたMMP-80後期型の現地改修モデル。
銃身と銃床を切り詰めてフォアグリップを追加した。
流石に宇宙世紀も90年後期になると旧式もいいところなので主にサブウェポンとして使用されている。


4連装ブルパップ・マシンガン

アクト・ザク専用に製作された、ややガトリングっぽい見た目のマシンガン。
どちらかというと最低野郎共が持っていそうな形状が特徴。

しかし、同時期に ハイザックから時空の壁を越えて使い回した アクト・ザク専用に開発されていたビームライフルも完成しており、しかも実際の作品内ではそのビームライフルばかりが使用されがちなため、こちらのマシンガンは正直影が薄い。


RFザクのマシンガン / ビームライフル

火星独立ジオン軍(オールズモビル)の主力機RFザクの主兵装。
作品によってデザインが異なり、U.C.120年にデフ達と戦ったオールズモビルの物はM-120A1そのままのデザインだが、ベルフらと戦った122年時の機体はMMP-78をベースにZMP系列の右側面マガジンを取り付けたような形状の物を使用している。
設定では「マシンガン」と表記されるだけなのでビームか実弾かは不明だが、後者はデモムービーだとビームを発射しているので、恐らくビーム兵器。

なお、形状はRFシリーズと同様に旧ジオン軍のそれにわざわざ似せて作ったものと思われる。


ザクラオのビームマシンガン

機動戦士クロスボーン・ガンダム』にて、コロニー連合軍のMSの一つであるザクラオの主武装。別名「ビーム・ザクマシンガン」。
ザクラオがザクに寄せてデザインされているため、これも似せてある。

……と思いきや、実はマガジン位しか似ていない。



アナザーガンダム/その他

MMI-M633 ビーム突撃銃

ザクウォーリア/ザクファントム用のビームライフル
世界観の繋がりはなく、ザクウォーリアと合わせてザクⅡへのオマージュである。
弾倉部分はエネルギーパックになっており、シールド裏に2つ携行している。


105mmライフル/105mmマシンガン

リーオー用のライフル/マシンガン。
アサルトライフルにも似た形状で、銃身の下部に大型のマガジン式カートリッジを装填。そこから実体弾を発射する。


100mmマシンガン

ジェニス用のマシンガン。
トンプソン・サブマシンガンにも似た形状で、銃身下部にある固定式の円型ドラムマガジンが特徴。
設定画では銃口の下にビームサーベルが搭載されており、トリガー前のスイッチを押すことで銃剣としても使われるが劇中では未使用。


ジラマシンガンZ06

スペースコロニー・ファーデーンを二分する勢力であるザラムが運用するMS・ジラの武装。
機体共々ザクのオマージュだが、形状はザクマシンガンというかほぼトンプソンそのまんま。

機体そのものはヴェイガンがもたらした「銀の杯条約」以前の技術に由来する高性能機だが、武装に関しては意図的に機体性能に見合わない低レベルなデータを与えられた為に殺傷力は低く、ヴェイガンのMSはおろか同レベルのMSにさえ有効打を与えられない程度しかない。
一応速射性だけは高いので牽制くらいは出来る。


110mmヴァルキュリアライフル

ヴァルキュリア・フレーム専用に開発されたライフル。
これもザクマシンガンのオマージュ。やや細長い形状をしている他、ドラム型マガジンをコンパクトに折り畳める。


ザコマシンガン

ザコソルジャーの武器。
というか、まんまザクマシンガン。もちろんガンダムフォースには通用しません。


サクマシンガン

ザクを極限まで簡略化したMSサクの持つ火器。
詳しい性能は不明だが、デフォルメされ過ぎてザクマシンガンというより古いSF作品のチープな光線銃にしか見えない。


フルアーマー電童のビームライフル

GEAR戦士電童』に登場したフルアーマー電童の武器。
フルアーマー電童の装備は往年のロボットアニメのパロディだが、ビームライフルはガンダムのビームライフルとザク・マシンガンを折衷したデザインになっている。


アノライフル

SEGAのオンラインアクションRPG『ファンタシースターオンライン』に登場するライフル系武器。
ガンダムシリーズどころかバンダイとすら無関係なゲームの武器だが、デザインが言い逃れできないほどザクマシンガンに酷似している
フレーバーテキストでも「ある国の軍事用アンドロイドの初期装備」とはっきり書かれてしまっている。
続編である『ファンタシースターオンライン ブルーバースト』でもドムのジャイアントバズと瓜二つの「アノバズーカ」なんて武器も実装されていたりする
当然だが、どちらも後の作品では復刻されていない。

なお、SEGAは過去にも『スペースハリアー』でその名の通りな見た目*11の『超高性能モビルスーツロボット・ドム』なる敵を出している前歴がある。
社員にジオニストがいたのだろうか…


ZURAマシンガン

銀魂』に登場した桂小太郎専用MS・ZURAの専用武器。
……なのだが、ザクっぽくはあってもオリジナルデザインなZURAに対してこっちはザクマシンガン(M-120A1)そのまんま。
まあ銀魂のアニメはサンライズが創ってるからね、仕方ないね。




立体化

ザクが立体化するとほぼ確実にザクマシンガンが付属する。

構造が単純で成型しやすいため、最近キットに至っても初期HGUCの金型流用で作られたランナーが配置されやすい。
付属するキットによっては、スコープ有/無や、下部にグレネードや銃剣が付くものがある。
特にガンダムベース限定商品のシステムキットウェポン01(1/144スケール)に封入されているものはM-120A1型とMMP-78型を選択して組むことが可能となっている。

初期のマスターグレードに付属していた物はドラムマガジンが右側にオフセットされているが、これは両手持ちした際にマガジンが胸部に干渉するのを防ぐ為で、同時期に発表された『第08MS小隊』にデザインが流用された結果*12、後々ZMP-50Dとしてバリエーションの一つとなったのは上記の通り。


MMP-80型のライフルは、マガジン一体型・取り外し可能なものの二つがある。ザクマシンガンと違って上部にマガジンを取り付けないため、モナカ構造による合わせ目がかなり目立つが、平坦な見た目なので合わせ目消しもしやすい。
劇中で使用される場面が多かったからか、前期型は主にザクⅡ改リック・ドムⅡなどの『0080』系、後期型はザクⅡF2型、ゲルググ・マリーネやドム・トローペン*13など『0083』系のキットなど多くのキットに付属している。


だがMMP-78の方は付属するキットがまばらで、ザクⅡF2型はHGUCだとジオン・連邦の2種共に付属するが、MGだと連邦仕様、ビッター機、キンバライト仕様には入っているのにジオンカラーには入っておらず、何故か一度も使う場面の無いHGUCグフ(リニューアル前)にも付属している。


4連装ブルパップ・マシンガンは長らく立体化されなかったが、HGアクト・ザク(キシリア部隊機)でようやく正式に立体化された。


ハイパー・ライフルはHGシャア専用ザクⅠなどに付属。設定どおりバックパックから繋がる給弾式ベルトで接続されているが、ケーブルの長さには余裕を持たせているので干渉はしづらい。


変わったものではウォーターガンが発売されている。
全長36cmと劇中でのサイズ感に比べれば小振りだが、スコープとフォアグリップが可動する。




余談

  • デザインは大河原邦男氏によるもの。
    モチーフはイギリスのルイス軽機関銃か、ソ連のDP28軽機関銃であると言われている。

  • 設定では一貫して「ドラムマガジン」と表記されているが、本来ドラムマガジンとはゼンマイ動力で弾丸を送り出す円筒形の弾倉のことで、ザクマシンガンのような円形の平たい皿のような弾倉は現実では「パンマガジン*14」と呼ばれている。
    試作品のXZM-1が正しくドラムマガジンの配置だったので、そこから改良を重ねて配置が変わっても名前だけが残ったのだろう。

  • マガジンに装填されている弾丸の向きは媒体によって異なり、主に縦置き、内向き、外向きの3種が確認出来る。

  • かつてゲームセンターで稼働していたザクが主役のガンシューティングゲーム「スピリッツオブジオン」シリーズのコントローラーがザクマシンガンを模したものであり、ゲーム開始時にドズル閣下自らが使用方法をレクチャーしてくれた。
    その性能だが、弾速こそ瞬着だがジム撃破に数発必要など本項目に近い火力であり、ビッグ・トレーやガンダムタイプと戦うのはまさに命がけであった…。





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最終更新:2025年04月22日 17:11

*1 というよりこの実戦でのテストを余儀なくされた

*2 あくまで一発当たりの速度やエネルギーの話であり、本当にそこそこ大きい金属の弾を初速72km/hで連発する銃があれば玩具とはみなされないだろう。

*3 そもそも地球侵攻自体が予想外だった。

*4 但し、同じ箇所に当て続ければダメージを与えられる。当然だが内部が露出した分解状態ならひとたまりもない。

*5 逆にジムはビーム兵器を持つために一撃でザクの撃破が可能だった。またビーム兵器が配備されていなくても、ジム用の90mm口径マシンガンは十分ザクやグフの装甲を貫通した。

*6 ムック本やファンサイトで唱えられた非公式の設定が公式に登場した例は他にもある。

*7 『08小隊』に登場したザクのデザインの参考となったのがマスターグレード1.0のザクⅡだったため。

*8 M-120A1=MMP-78前期型とする資料も見られる為、こちらを参考にした可能性が高い。

*9 ビーム兵器ではコロニーの外壁を破壊してしまうだけでは無く、敵MSの動力部に直撃した場合、核爆発を起こすリスクがある。

*10 前者が出渕裕氏のデザインでモチーフは「ワルサーMPL」、後者がカトキハジメ氏によるデザインでモチーフは「MP40」であるとされる。

*11 頭だけは『装甲騎兵ボトムズ』のスタンディングトータス寄りのデザイン

*12 どちらも大河原氏のデザイン

*13 ノーマルカラーには付属せず、シュツルムファウスト共々サンドブラウンとUC版に付属する。

*14 「パン」とは「平たい鍋」を意味する。