グフ

登録日:2010/03/09 Tue 16:39:59
更新日:2020/05/16 Sat 10:42:51
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ザクとは違うのだよ、ザクとは!


型式番号 MS-07B
所属 ジオン公国軍
開発 ジオニック社
生産形態 量産機
全高 18.7m
頭頂高 18.2m
本体重量 58.5t
全備重量 75.4t
出力 1,034kw
推力 40,700kg
最高速度 99km/h(地上最大走行速度)
装甲材質 超硬スチール合金

武装
75mm5連装フィンガーバルカン
ヒートサーベル(ヒート剣とも)
ヒートロッド
ヒートホーク
シールド
MMP-78ザクマシンガン
ジャイアントバズ

搭乗者
ランバ・ラル
マ・クベ(ただしセレモニー時のみ)
ヴィッシュ・ドナヒュー
サイラス・ロック

『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ。
ジオン公国軍が間に合わせ改修機である陸戦型ザクⅡ(MS-06J)を凌ぐ陸戦型MSとして地上戦に完全に適応させた新規設計の機体。
ザクで問題となっていた装甲の強化や運動性の向上とあわせ、連邦軍のMS開発を考慮して白兵戦用に機体本体に固定武装を追加、
まさに「ザクとは違う機体」となった。

ザク系・ドム系同様、シリーズを通じて様々な派生機が登場する。
開祖の影響が強いためか、グフ系の機体はベテランのパイロットがよく乗っている。


【ザクⅡとの外見上の違い】

モノアイと口吻を持つ丸い頭部、外部露出パイプ、スパイクアーマー等各部に「ザクの記号」を有しており、
一見するとただ青くなっただけのザクにも見えるが、アニメの設定でも模型でも、各部の外見はかなり異なる。
外見上の主な違いは
  • ツリ目
  • ツノが全機に付いている
  • 肩部アーマーが両肩とも長い屈曲スパイクが付いたスパイクアーマー
といったところ。さらに、出力データや劇中で描かれる性能などから、内部構造は外見以上にザクとは別物になっていると思われる。


【開発経緯】

ジオン公国軍は地球侵攻に向けてザクⅡ(MS-06F)を地上用に改修した陸戦型ザクⅡ(MS-06J)を投入する事で対処した。しかし、所詮改修型では限界があり*1、すぐに後継機の開発に着手する。
当初はグフ(MS-07)とMS-08の二つのプランが平行して進められたが、MS-08プランはYMS-08A(高機動型試験機)の5機をもってグフ(YMS-07A)のプランへ統合された。
ただし、後にMS-08の型式番号を継承したイフリート(MS-08TX)が製作されている。

グフのプランは地球侵攻作戦によって制圧した北米キャリフォルニア基地で設計・開発が進められ、ジオニック社によってプロトタイプグフ(YMS-07)が完成した。
開発にあたってはMS同士の格闘戦を想定し、胸部装甲の強化、右肩に固定されていたシールドを取り回しの良い左腕部に設置し、両肩には大型化したスパイクアーマーを備えた。
また、陸上における運用のためラジエターの大型化とともに機体の軽量化が図られ、バックパックはYMS-08A高機動型試験機のデータを基に製作された。

開発当初から、ドダイYSとの連携攻撃を考慮されていたため、従来指揮官機用だった頭部通信アンテナを標準装備とした。試作1・2号機は通常のマニピュレーターだったが試作3号機から固定武装が装備された。
通常のマニピュレーターを装備した試験型テストタイプ(YMS-07A)がドダイYSとの連動テストや局地での可動データ収集を行った。この機体のテストデータを基に初期生産型(MS-07A)32機が先行生産されている。
両腕の固定武装は試作型(YMS-07B)で標準化され、その後に標準装備型(MS-07B)として本格的に量産化されている。

陸戦型ザクⅡの生産ラインに替わって量産化されたグフは、オデッサやジャブローでの戦闘に大量に投入された。
白兵戦を重視した本機は高性能で*2、熟練パイロットに特に好まれたが、一般パイロットには扱いづらく、操縦性に難点があった。
また、内蔵式の武装は汎用性に欠け不評で、改良型のグフ・カスタム(MS-07B-3)ではMS-07Aと同様の通常型マニピュレーターに戻されている。
何より対MS戦に特化しすぎたために、それ以外の兵器とのは相性はザク以下だった(そんな機体で公国軍1の戦車キラーになったエースもいるが…)。

本機を母体にMSを飛行させる計画も進められていたが、計画は芳しい結果を出さずに終わった。
しかし、そのために開発していたホバー走行に目処が立ち、ツィマッド社のドムで「MSの行動半径拡大」という目的は達成される事になる。以後、陸戦用MS生産の主体はドムに移った。



【武装】


YMS-07BとMS-07Bでは両腕に固定武装が装備されている。

【ヒート・ロッド】


白兵戦用武装として右手首付近に内蔵される伸縮式の電磁鞭。最長で17.5mまで伸びる。
たまに「ロッドはじゃない」とか言ったりする人がいるがロッドには鞭という意味ももちろんある。
ただし硬鞭、棒鞭の事を指すので厳密にはグフのアレは間違い*3であるが*4
当時の翻訳精度の問題なんだし笑って見逃してあげよう。
このヒートロッド、熟練者が使えば非常に有効な装備でありガンダムのルナ・チタニウム合金の装甲を切り裂いたり、巻きつけて電流を流すことで内部メカにダメージを与えることも可能な程の性能を持つが、一般パイロットには扱いが難しかったらしく、後々開発された機体には同系統の武装を採用しているMSは殆ど存在しない*5
グフ・カスタムも同名の装備を内蔵しているが、グフとは違い鞭ではなく先端に電流を流す端子の付いたワイヤー射出式に仕様変更されている。

【フィンガー・バルカン/75mm5連装マシンガン】


左手に内蔵された、指そのものが砲身、指先が砲口となる機関砲。
威力はあるのだがマガジンが小さいため弾丸の装填数が少なく、更に戦闘中に弾を補充出来ないという欠点がある。
また、構造が複雑化するうえに武器の保持や作業に用いるマニピュレータとしての機能は通常型のマニピュレータに劣るとされる。
そのためかシールドは腕に装着する仕様となっているが、一方でこの仕様の手でザクマシンガンやジャイアントバズを使っている描写もあり、
通常の武器をフィンガーバルカン仕様の指で掴んで射撃することは不可能ではない様子。

【その他】


シールド裏には格闘兵器としてヒートサーベル(別名ヒート)を装備する。
この剣は放送当時はビームサーベルという解釈で描かれており、何もなければビームサーベルという設定が公式設定となっていたはずなのだが、
解説本がその設定を忘れて「ギャンがジオン初のビームサーベル装備機」と記述し続けたため、引っ込みがつかなくなった。
映像中ではビーム刃として発振され伸縮する刀身を無理矢理にでも実体刃だった事にするために、「高分子化合物」という謎の技術が取り入れられている。
また、論争から逃れるためかビームなのか実体剣なのかをはぐらかして「グフサーベル」と呼ぶ書籍も存在した。

グフ・カスタムの場合、映像では刃が灼熱化することがなく、その重量で叩き割るのような使われ方だった。
これはノリス・パッカードが、長時間使用する目的で灼熱化させなかったものと推測される。

なおこのヒートサーベルを装備した機体はランバ・ラル機だけで、後に登場する機体にはザクⅡと同じヒートホークを装備した機体も多い。

その他にもザクマシンガンやジャイアントバズのような他機種の携行武装を装備することも可能。
ゲーム等では再現されないが、両手にヒートロッド・フィンガーバルカンを内蔵した手のままでマシンガンやバズーカを携行して出撃し、
携行武装を撃ち切った後は固定武装での戦闘に移行する、といった戦闘スタイルも可能である。


【劇中の活躍】

アニメ『機動戦士ガンダム』第12話にて、これまで主力として登場していたザクとは塗装だけではなく外形も違う、新たな敵モビルスーツとして登場する。
武装や能力、さらにランバ・ラルの操縦技能をもってアムロ・レイの乗るガンダムを苦しめた。
後にランバ・ラルの乗った機体は「YMS-07B 先行量産型グフ」と設定されている。

なお、TV初登場回がオンエアされた時点ではまだ制作側でも機体名が決まっておらず、グフという機体名はしばらく劇中で呼ばれなかった。
このためか、部下クランプはグフを含むラル隊のMSを「ラル様の3機のザク」と呼んでいる。
「グフ」という名前はコズン・グラハムがホワイトベースの捕虜となってから初めて脚本上に登場した。

尚当時の絵本ではシャアのパーソナルカラーに塗られた機体があった。
シャアザクの間違いと思われる。

またシャアはグフ開発時左遷されていたため、グフには触れてもいないと思われる。


【バリエーション】



【主なゲームでの性能】


  • 連邦VSジオン
低~中コスト機ながら高コスト機並みの格闘性能を持つ。
特に空中D格闘は非常に伸びが良く、判定も強め。
その反面射撃性能は低くメイン射撃のフィンガーバルカンはロック距離が短く弾速が遅い上に全弾命中してもダウンを取れず、威力も微妙と割りと散々な性能。
サブ射のヒートロッドは発生がやや遅めだが広範囲を薙ぎ払うので使いこなせば格闘拒否に使える。


射撃性能を含む全ての性能でザクを超える「ザクとは違う」機体。
ザクマシンガンを装備した先行量産型も登場する。
ザクより優秀な機体だが、第一~三次降下作戦で陸戦がメインとなる重要拠点をあらかた制圧することと、イベントの関係でドムの開発を急ぐ為、出番は多くない。
なお、ヒート剣は追加格闘装備扱いで、指揮の効果を得るかパイロットを乗せないと使用しない。


REV1稼働初期から格闘機体として登場。曲者揃いのジオン格闘機の中で(支給が進めば)貴重なマシンガン、クラッカー装備の「癖のない格闘機体」として多くのパイロットに愛用された。しかし、低コスト機体の弱体化とパイロットの成熟、グフ・カスタムやギャンの強化に伴い主力格闘機体の座を降りた。
REV2の現在でも格闘機体で現存。
フィンガーバルカンA・B(威力と連射速度が異なる)
ザクマシンガン
ジャイアントバズ
のいずれかをメインに、ヒートロッドかクラッカーをサブに、ヒート剣を格闘に持つ。


接近戦に主眼を置いた機体の開祖とも言うべき存在だが、最低限の射撃もこなせる。
グフ及びグフ系機体の使い勝手は作品毎の環境によって大きく左右される。
ヒートロッド系の最大射程が3だったり陸戦機や格闘機専用の強力なアビリティがある作品なら使い勝手が上がる。
逆に射程も火力もショボかったり、開発先で格闘武器の種類や射程が減少してしまうようなケースもある。
正直、格闘機が欲しい場合でもハイパーハンマー持ちかつ宇宙でも使えるガンダムの開発を目指した方が効率的。

明確にグフ系の開発を目指しているなら早めに鹵獲するに越しは事はない。
が、ザク系やドム系に比べて入手次期が限定され作品によっては序盤で手に入らないケースもある。

開発先としてグフカスタムやグフフライトタイプのほか、陸戦機繋がりでドムや陸戦高機動型ザクに繋げられることも。


性能は全体的に低めで、射程が短い上に空も飛べないので狙い撃ちもしやすい。
しかし、作品によっては装甲が妙に硬かったりヒートロッドの威力が高かったりと侮れないことも。
ラルは後半でケンプファードーベン・ウルフ等他の機体に乗り換えてくる。


【ガンプラ】

旧キット・HGUCやMGシリーズで製品化。
HGUCは旧HGのグフ・カスタムとデザインの整合性を考慮した作りとなった。関節などがそれより若干進化している…が、かなり初期のキットなので肩が引き出せない、腰が固定…と言った問題点もある。
後にプレミアムバンダイ限定でドナヒュー専用機も発売。同じくドナヒュー専用機のゲルググとセットである。

それから十数年後に、HGUCのリニューアル版が発売。先に発売された「グフR35」を基にした設計だが、顎のダクトが初期設定画と同様、下向けにやや長く伸びた形状になったり、やや太めな造形になったりするなど、よりザクとは違う力強い印象になっている。

MGだと、初期VerはHGUCを基にした形状になっている。また、パーツの幾つかはグフ・カスタムと共有している。
後のVer2.0ではTVアニメ劇中の印象を踏まえた造形になっている。関節可動範囲も拡大されて概ね良い出来である。




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