登録日:2025/01/21 Tue 04:25:07
更新日:2025/02/10 Mon 10:32:34
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『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』(原題:Sonic The Hedgehog 2)は2022年公開の実写版ソニック第二作である。
2020年公開の映画『ソニック・ザ・ムービー』の続編で、監督ジェフ・ファウラー、脚本のパトリック・ケイシーとジョシュ・ミラーが続投。さらにジョン・ウィッティントンも参加した。
※以下、映画のネタバレあり
概要
第1作の成功を受けて制作が決定した本作は前作のラストで登場したテイルスに加え、ハリモグラのナックルズも参戦。
ソニックとテイルスとの友情、ナックルズとの対決、ワカウスキー一家との家族の物語等が盛り込まれた作品となった。
タイトルは表記自体は『ソニック・ザ・ムービー VS ナックルズ』で、テイルスを模したVSでソニック・ザ・ムービーのソニックとナックルズをつなぐ形となっている。
ちなみに原題のタイトルロゴは2がテイルスの尻尾を模したものとなっており、ナックルズの要素は入っていない。
全世界共通主題歌はなんとDREAMS COME TRUEが担当。かつて『
ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の楽曲を中村氏が担当してからの縁である。
「Green Hill Zone」をベースにした伊藤園の「お~いお茶」とのタイアップソングとして作られた「次のせ~の!で -ON THE GREEN HILL-」のMASADO and MIWASCO Versionとその英語バージョンが採用された。
全世界の興行収入は全世界で前作を越える記録を叩き出した一方、日本では前作同様に苦戦を強いられた。
とはいえ、(前作はコロナ禍初期の緊急事態宣言が明けたばかりで全国の映画館も閑散としていた時期の公開だったために単純比較はできないものの)前作の興収を一応上回っている。
スピンオフとして本作の後日談となる『ナックルズ』がパラマウント+で配信されている。
ストーリー
平穏が戻ったグリーンヒルズにて「本当のヒーローになりたい」という願いを抱きながら夜ごと勝手に街を守っているソニック。
そんな折、キノコ惑星に飛ばされていたドクター・ロボトニックは奇妙な偶然も重なり、出逢ったナックルズを引き連れて地球に帰還する。
彼らの目的はマスターエメラルドのありか。
そしてなぜかナックルズに執拗に狙われるソニックだったが、ナックルズにはまるで歯が立たない。
間一髪のところでテイルスに救出されたソニックは、マスターエメラルドを探す旅に出ることを決意する。
主な登場キャラクター
ソニック
声:ベン・シュワルツ、日本語吹替:中川大志
超音速で走ることができる青いハリネズミ。
前作で宿敵ロボトニックを倒し、ワカウスキー家の新しい一員としてトムやマディとともに地球で暮らしていた。
ヒーローに憧れ夜な夜なブルージャスティスを自称し若干傍迷惑なヒーロー活動を行っている。
トムとマディがハワイに出掛けている間にロボトニックたちの襲撃にあい、ソニックはテイルスと出会ったことでマスターエメラルドを探す旅に出ることになる。
ちなみに原作通りカナヅチである模様。
.
「ゲームオーバーだ、エッグマン」
スーパーソニック
クライマックスにて登場。
ロボトニックの手中から取り出された後、ソニックの手の内でボロボロに砕け散ったマスターエメラルドの中から出てきた7つのカオスエメラルドを取り込んで変身した姿。
ナックルズの一撃でさえも大してダメージを与えられなかったロボトニックの巨大ロボットを相手にしても難無く大打撃を与えるほどの力を持つ。
エメラルドのパワーの応用なのか、何も無い空間であろうとも不思議な力によって、好物であるチリドッグを生成する場面も見られた。
ナックルズ
声:イドリス・エルバ、日本語吹替:
木村昴
赤いハリモグラの戦士でエキドゥナ族の生き残り。テイルス曰く、「
銀河系でもっとも危険な戦士」。
戦闘経験豊富で、ソニックのスピンアタックも片手で防げるほどの驚異的な戦闘能力を持つ。
エキドゥナ族の名誉の回復する定めを自認していて、ロングクローの一族と因縁があり、エメラルドのカギを握るソニックを執拗に狙う。
強情かつ攻撃的でわりと短気、それでいて真面目かつ天然な性格。
そして100万パーセント筋肉を自称するほどの脳筋思考だが、決して単純な馬鹿ではなく物事の理解度も結構高い。それはそれとして脳筋
ゲーム版ナックルズとトゥーン版のマッスルズを混ぜたイメージが近いか。
またその性格故に騙されやすく、そこをロボトニックに利用されてしまうことに……。
今回声を演じるのは俳優の1人イドリス・エルバ。
日本では『マイティ・ソー』のヘイムダルや『ズートピア』のボゴ署長などが有名か。
吹替では声優木村昴が担当。
原作ゲームでナックルズを務める神奈氏とはまた異なる脳筋キャラを見ることができる。
テイルス
声:コリーン・オショーネシー、日本語吹替:
広橋涼
黄橙色で2本の尾を持つキツネ。前作ポストクレジットに登場した際と同様、日本語版英語版共に原作と共通のオリジナルキャストが声を担当している。
ソニックが野球場で発したパワーを検知して彼の存在を知り、以降遠隔でソニックの活躍を個人的に眺めていた。
実際に出会っている原作と比べてストーカー一歩手前な行動ともいえるためか、ソニックに当初引かれていた
原作同様に周りから二本の尻尾が気持ち悪いと言われており、同じく孤独な存在ながら、流れ着いた地球で友人を作り、地球を守るソニックの姿に憧れていた。
しかしロボトニックがナックルズを連れ立って地球に襲来することを知り、自らソニックと接触するために地球のアメリカへと降り立つ。
ナックルズに関することなど、事前にかなりの情報を仕入れており、当初は警告のためだけに来たが、
ソニックに誘われ彼と共にマスターエメラルドを探す旅に出ることになる。
トーマス・マイケル・ワカウスキー
演:ジェームズ・マースデン、日本語吹替:
中村悠一
モンタナ州グリーンヒルズの保安官にしてソニックの地球での家族。
ソニックのヒーロー活動には苦言を呈しつつ、彼を導く父から託されたワカウスキー家の言葉を告げる。
義姉であるレイチェルの結婚式に同行するため家を留守にする。
マディ・ワカウスキー
演:ティカ・サンプター、日本語吹替:
井上麻里奈
獣医師で、トムの妻。
姉のレイチェルの結婚式のためにソニックのリングを使ってハワイへと向かう。
ウェイド・ウィップル
演:アダム・パリー、日本語吹替:吉田ウーロン太
トムの同僚で、保安官代理。
終盤も意外な活躍を果たすことに……。
レイチェル
演:ナターシャ・ロスウェル、日本語吹替:斎藤こず恵
マディの姉。
ランダル・ハンデルを相手に再婚を決め、ハワイで結婚式をあげる…のだが……。
ドクター・ロボトニック
演:ジム・キャリー、日本語吹替:
山寺宏一
前作でソニックに敗北して243日もの間キノコの惑星に取り残された。それゆえか狂気性が増しており、ソニックに狂犬病に例えられたほど。
前作のラストで描写されていたように肉体以外はかなり原作の
Dr.エッグマンに近づいてきた。
偶然ソニックの力(持っていたソニックのトゲのエネルギー)を辿ってきたナックルズを巧みに騙して協力関係を結び、
世界征服の目的を達成するためにエメラルドを探しだし、その力を持って巨大なロボットを作り出した。
エージェント・ストーン
演:リー・マジドゥブ、日本語吹替:濱野大輝
ロボトニックの元エージェント。ソニックがロボトニックをキノコの惑星に追放したため、ストーンが事実上のボスの座に就いていた。
意気消沈しながら「MEAN BEAN」を経営していたが、ロボトニックの地球帰還を知り歓喜の声を上げながら再び彼に協力する。
ラテアートでロボトニックの顔を作り上げてしまうほど彼に心酔している様子。
ウォルターズ
演:トム・バトラー、日本語吹替:沢木郁也
アメリカ統合参謀本部副議長にして『Guardian Units of Nations』のリーダー。
前作での騒ぎもあってある作戦を実行に移すのだが……。
……次回作での一件を含めると彼のエイリアンに対する思いは大分複雑なものであったと思われ、野放しにするという選択肢が取れなかったのはさもありなん。隊員の装備等を見るにこれでも手加減していたのかも。
ロングクロー
声:ドナ・ジェイ・ファルクス、日本語吹替:石塚理恵
ソニックの育ての親であったフクロウ。前作と比べると瞳のデザインが少しデフォルメされている。
今作にて前作冒頭で示唆されていたエキドゥナ族との因縁が明かされ、ソニックを地球に送り出した理由も明かされる。
ソニックに渡していた地図にはメッセージを残していた。
用語
エキドゥナ族
前作の冒頭でも登場していたハリモグラの一族。
ロングクローを含めたフクロウ族とはマスターエメラルドの処遇を巡って対立しており、ナックルズはその生き残りである。
マスターエメラルド
かつてエキドゥナ族が7つのカオスエメラルドから作成した史上最大の武器。
大きさは原作版と比べると小ぶりで原作のカオスエメラルドより少し大きいくらいのイメージとなっている。
中のカオスエメラルドもそれに応じて原作と比べて小ぶりだが、過去のマスターエメラルド制作時のイメージシーンでは原作のカオスエメラルドに近い大きさとなっていたため、
マスターエメラルド作成時に圧縮された可能性もあるかもしれない。
思いを現実にするほどの力を持っており、戦士一人で敵の全軍を倒せるほどの力を授けることができるほど。
それの悪用を危険視した英雄たちによって奪取され地球に封印されていた。
作中ではロボトニックが手に入れその力で巨大なロボットを制作するが、テイルスとナックルズの協力で奪還される。
その後、ソニックはマスターエメラルドの力で逆転を狙うが、マスターエメラルドは崩れ去ってしまった。
しかし中に残されていたカオスエメラルドを取り込むことでスーパーソニックへと変身することになる。
作中での使用方法から、マスターエメラルド自体を取り込むと体が緑色に発光した状態となり(過去のエキドゥナ族およびロボトニックの描写)、
マスターエメラルドの中にある7つのカオスエメラルド自体を取り込むと黄金に輝くスーパー化状態になれる様子。
戦いの後はナックルズによってマスターエメラルドとして再生し、以後ソニックたちによって守られていくことになる。
GUN
正式名称『Guardian Units of Nations』。通称『ガン』。
地球をエイリアンから守るために設立された組織。次回作で判明した事実を絡めるとなかなかにきな臭い事情が伺える
巨大エッグマンロボ
ロボトニックがマスターエメラルドの力で、GUNの兵器や近くを走っていた自動車・列車等を材料に作成した巨大なロボット。
原作ゲームにおけるデスエッグロボのような存在で、それと比べると非常にマッシブであり、手も一般的な5本指のロボットアームとなっている。
ロボトニックが取り込んだマスターエメラルドの力で動いているが、それがなくなっても補助電源で動くことが可能である。
基本的には内部のロボトニックの動作をトレースして動いており、ミサイルや口髭バサミなどの武装を持つ。
軽々とトラックを突き破るほどのパワーを有するナックルズの攻撃を受けても、大したダメージにならないほどの防御性能を持つ。
ちなみに紙媒体のマニュアル付き。
余談
前作より続投。『3』でも同じように変更されているためソニック・ザ・ムービーシリーズのお約束である模様。
前作終盤に飛ばされたソニックが行くはずだったキノコの星。
『ソニック&ナックルズ』の『マッシュルームヒルゾーン』より。作品最初のステージでもある。
リングから現れぶっ飛ばされて放置された謎の戦士達『ソニックライダーズ』シリーズに登場する『バビロン盗賊団』のジェット、ウェーブ、ストームが仮面のデザインネタとなっている。
Sanicらしき絵が描かれている。
テイルスの登場シーンにて。
日本語吹替ではわからないが、英語では「It doesn’t matter.」と言っておりソニックのテーマ曲とかけている。
ストーンの経営するカフェ、海外でのみ発売されたゲーム『Dr.エッグマンのミーンビーンマシーン』が元ネタ。
あの『ぷよぷよ』の国外向けバージョンの一つ。『ソニックマニア』にこのゲームが一部収録されている。
『ソニックカラーズ』より。
あちらは温厚な宇宙人『ウィスプ』の声を翻訳するために使用していたが今回は逆に自分たちの声を翻訳。しかし相手が悪かった。
中盤の見せ場ダンスバトルでのシーン『アップタウン・ファンク』中に決めたポーズの中に『ソニックアドベンチャー』のジャケット絵と同じものがある。
雪山からの逃走シーン。
機械の残骸をボードにするのは『ソニックアドベンチャー2』の『シティエスケープ』から、雪山下りは『ソニック3』、『ソニックアドベンチャー』の『アイスキャップゾーン』などがある。
後者は映画と同じく雪崩付き。
『グリーンヒルゾーン』のBGMが使われている。
『ソニックアドベンチャー2』より。
あちらでは連邦の国防軍となっている。ちなみに「ガン」と呼ばれるようになったのはこの映画から。
原作ゲームでは『ソニックフロンティア』まで「グン」と呼称されており(「軍」とかけている様子)、『シャドウジェネレーションズ』からこちらの呼び方に変更された。
結婚式で使われていた赤い飛行機。
元ネタはソニックの飛行機『トルネード号』。
ソニックたちがウィングに立つシーンも原作再現の一つ。
ストーンの衣装デザイン案の中にクラシックエッグマンの服がある。
ストーン的にはイマイチだった模様。
マスターエメラルドを手に入れたロボトニックの台詞。
元ネタはマスターエメラルドのリミッター機能を発動させるための呪文の一部。
フルだと「行うもの 其は七つの混沌 混沌は力 力は心によりて力たり 抑えるもの 其は混沌を統べるもの」となる。
ナックルズ族(エキドゥナ族)が唱える必要がある。
原作の呪文のパート的にはカオスエメラルドへの記述だが、本作のマスターエメラルドの場合は7つのカオスエメラルドを使って作成されているため結構しっくりくる。
海で溺れかけたナックルズを助けるためにソニックが浮いてきた泡を吸い取ったシーン。
ゲームでも似たような方法で息継ぎを行って進むことがある。
ロボトニックがマスターエメラルドを使って作成したロボット。
『ソニック2』のラスボス『デスエッグロボ』が元ネタと思われる。
ロボトニックとの決戦の中ナックルズが丸まったソニックを投げ飛ばすシーン。
『ソニックヒーローズ』のパワーフォーメーションで行うことができるモーションの一つにそっくり。
ロボトニック役のジム・キャリーは本作で引退を仄めかしていた。
それでもシリーズのプロデューサー陣は仮に彼が引退したとしてもロボトニック役をジム・キャリー以外の人物に配役し直すつもりはない、と断言し、
彼が一緒に仕事をしたいと思う限り、自分たちは彼を歓迎するとも言及していた。
そして次回作ではさらにパワーアップしたロボトニックに加え、ジェラルド・ロボトニック役としても再参戦を果たした。
誓いを立てよう、追記・修正するのは項目をより良くするため、そして閲覧者を楽しませるためだ
エピローグパートで登場した黒きハリネズミ。
ある施設で拘束された状態で冷凍保存されており、彼が目覚めるシーンで本作の物語は終了する。
ちなみにCGモデルがスーパーソニックのアレンジである模様で、次回作でのデザインとは少し異なる。
一応、次回作の描写を加味すると、拘束されていた所を目覚めるシーンは本作でのイメージで直接的な繋がりはないということになっている様子。
- 1弾の項目も欲しい頃 -- 名無しさん (2025-01-21 08:08:54)
最終更新:2025年02月10日 10:32