マイルス“テイルス”パウアー

登録日:2024/08/17 Sat 17:21:48
更新日:2025/04/22 Tue 08:42:28
所要時間:約 15 分で読めます





ボク、テイルス!

ソニックとはいつも一緒なんだ!

ね、ソニック?


SEGAのゲームソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズのキャラクター。


●目次


担当声優

椎名へきる(OVA『ソニック★ザ★ヘッジホッグ』)
林一樹 (『ソニックアドベンチャー』)
村田あつき(『ソニックアドベンチャー2』)(『ソニックシャッフル』)
広橋涼(テレビアニメ『ソニックX』以降の関連作品全般)
吉永拓斗(クラシックテイルス*1



概要

『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』にて初登場したキツネの少年。
主人公のソニックや宿敵のDr.エッグマンを除けばメインキャラクターとして最も古参の存在である。

旧設定では8歳とされていたが、時系列などに矛盾が生じると判断されたのか2022年に年齢の公式設定は削除されている。
身長は80cmで体重は20kgとなっており、現実のキツネと同じくらいの体長でありながら、体重は倍近くあることがうかがえる。大きな尻尾を二本持つ故だろうか?
容姿から初見のプレイヤーには性別を誤認されることも少なくないが、れっきとした男の子。公式サイトでの2023年6月の『カレンダー 異世界大喜利』でソニックから冗談交じりに「(ドレスが)中々似合っている」と言われた辺り、作中でもそんな感じの扱いな模様。

彼の本名は「マイルス・パウアー」であり、″テイルス″というのはミドルネームなどではなく、あくまでニックネームである。
当初デザイナーの山口恭史はこのキャラを生み出した際、シンプルにマイルス・パウアーという名前で通したかったとのことだが、セガ・オブ・アメリカは既にテイルスという名前で発表してしまっていたという。会議を重ねた結果として、それぞれを本名とニックネームで扱い分けることに決まったらしい。
こうしたエピソードは、シリーズ生誕25周年となる2016年のファミ通のインタビューによって、ソニックシリーズの制作に携わった飯塚隆、中裕司、大島直人らによって明かされた。
同インタビューでは、テイルスは元々たぬきにする予定であったことも語られている。たぬきマリオと丸被りだと仲間内でも突っ込まれている。*2空を飛ばすため尻尾を二本にした時キツネへと変更されたそうだ。

テイルス(Tails)は尻尾を意味する単語「Tail」に複数形の「s」を付けたというのが由来となっている。
一方マイルス・パウアー(Miles Prower)は、「miles per hour*3」を由来とする。
Prowerはper hourとpowerとを掛け合わせた造語らしく、powerにすると名前が力強すぎるのでこうなったと山口氏は自身のツイートで語っている。



人物

かつては尻尾が二本あることを理由にいじめられていたが、ある日偶然出会ったソニックの走る姿に勇気付けられて以来彼に憧れて追いかける様になる。
ソニックと仲良くなって以降は、持ち前の技術力を活かしてソニックの活躍をサポートするようになったのであった。

ソニックが所有している複葉飛行機「トルネード」を預かっており、殆どの作品でテイルスが操縦していることから元々ソニックの所有物*4であることを知らないor忘れている人も多い。
トルネードの後継機「トルネード2」を始めとした主人公陣営のメカのほとんどはテイルスが設計・開発したものであり、敵側のコンピューターなどへの対処にも懸命に取り組むこともあって、ソニックも彼のことは良き弟分というだけでなく頼れる相棒と見なしている。
ソニックから深く頼りにされるような存在になりたいというテイルスの願いは叶ったと言える。

ちなみに山口氏は、名前の由来を明かした前述のツイート内でソニックとテイルスの関係性についても触れており、当初は『ドラゴンボール(DRAGON BALL)』のピッコロ孫悟飯をイメージしていたという*5
なおスーパーソニックやスーパーテイルスなどのスーパー化もドラゴンボールの影響と明言しているが、
カオスエメラルドが7つあることに関しては「シリーズ第一作で6つ出したから二作目では1つ増やして、全て揃えたら変身が起こることにしよう」という意図での演出でありドラゴンボールの数は関係無いと別のツイートで述べている。
後々デカいのが増えたり、立ち位置がそっくりな類似品も出て来たし。

スピードやパワーなどの身体能力も、流石にソニックには及ばないまでも冒険にしっかり付いていける程には高い。
更に尻尾をプロペラのように回して飛ぶことが可能(関節構造を気にしてはいけない……)。テイルス本人を操作する作品ではこれを活かしたショートカットや足場の悪い場所の踏破が強みとなる。
3D作品での戦闘時は各種メカを武器として操縦するだけでなく、尻尾攻撃やダミーリングボム、スパナ投げなどの多彩な技で戦う。
『ソニック&ナックルズ』『ソニックマニア・プラス』などの作品ではスーパー化も可能だが、設定上は『ソニックアドベンチャー』での台詞からしてナックルズ同様に単独では出来ない模様。『ソニックフロンティア』では物語中にナックルズが、自分もスーパー化すればソニックに引けを取らない力を発揮出来る旨を口にしているが、テイルスの方は語られていない。

その卓越した技術力に関しては、Dr.エッグマン及び彼が生み出した人工知能セージも一目置くほど。
テイルスも時にはエッグマンの実力に感嘆の声を上げるものの、メカを悪事に利用する彼に対しては同じメカニックとして嫌悪感を見せることも少なくない。

良くも悪くも突っ走りがちなソニックと比べて、こちらは穏和な性格だが、自分の専門分野が絡むと熱くなりやすい所がある。
また、緊急事態になると時折ソニックさえも仰天するような過激な手段に訴えることも。


では、そんなテイルスの活躍を振り返ってみよう。
※どの媒体も登場作品が非常に多いため一部作品のみを抜粋。



ゲームにおける活躍

◯1990年代

【ソニック・ザ・ヘッジホッグ2】
テイルスの記念すべきデビュー作品。
カオスエメラルドを手に入れ究極兵器デスエッグを完成させようと行動を開始したDr.エッグマンの野望を止めるため、まだ出会ったばかりのソニックと共に冒険へと乗り出す。

ゲーム内でテイルスはソニックの後ろを付いていく動きをするが、これを2P側で操作することが出来る。
テイルスがダメージを受けたりミスになったりしても何度でも復活するのでアクションゲームが苦手な人でも楽しめる仕様になっている。
オプション画面から選択すればテイルス単体でのプレイも可能。


【テイルスのスカイパトロール】
テイルスが初めて主人公を務めるスピンオフ作品。
彼がたまたま立ち寄った島を乗っ取ろうとする魔女ウィチカートの悪事を食い止めるというストーリー。


【テイルスアドベンチャー】
テイルス主役のスピンオフ作品第二弾。
世界征服を狙うグレイトバトルクック帝国軍がカオスエメラルドを求めて、テイルスの研究所があるココアアイランドを攻めてきたので、我が家を守るべく戦うことに。
テイルスが発明した様々なアイテムやメカ、ナパーム弾を使って進んでいく。

なお時系列としてはテイルスがソニックに出会うずっと前の出来事であるとのこと。
……物騒な兵器すらも平然と扱うような彼をいじめていたイジメっ子達は、ある意味凄まじい度胸の持ち主なのかもしれない。


ソニックアドベンチャー
シリーズ初の本格3Dアクションゲーム。
この作品からテイルスを含む各キャラクター達に声優のボイスが付くようになった。

本作ではソニックを初めとした6人のプレイアブルキャラがおり、それぞれの視点でストーリーを追っていく。
テイルス編では、カオスエメラルドを動力に使った新型飛行機(トルネード2)を墜落させてしまった所から物語が始まる。
Dr.エッグマンにカオスエメラルドを奪われたのを皮切りに彼の陰謀に立ち向かっていく。

テイルスのテーマ曲として流れた『Believe In Myself』は彼を象徴する楽曲と言える。



◯2000年代

ソニックアドベンチャー2
ヒーローサイドのストーリーで操作可能。トルネード2を変形させた二足歩行メカ・サイクロンを駆って敵を倒しながら進む。
前作にてステーションスクエアをDr.エッグマンの爆弾から救ったことで警視総監賞を受賞したらしく、カオスエメラルドも贈られたことが明らかになっている。

ソニックが逮捕されてしまったことを知ったテイルスは、彼を助けるためにプリズンアイランドへ向かう。救出後はソニックと共にエッグマン追跡に奔走。
終盤ではカオスエメラルドを参考にして作ったレプリカ*6も披露。敵の装置に使用されている本物と擦り替えて誤作動を起こさせようとする。
エッグマンの悪知恵の前には通用しなかったが再現度の高さが幸いし、ソニックはこのレプリカを意外な形で活用してピンチを乗り越えていたりする。

スペースコロニー・アークの暴走を食い止めた後、エピローグではエッグマンと二人だけで彼の祖父ジェラルド・ロボトニックについて語り合っている。
エッグマンとしては、自身や祖父と同じく科学の道を歩むテイルスに何か思う所があったのかもしれない。それ故に祖父への想いを吐露したのだろうか?


【ソニックヒーローズ】
チームソニックのメンバーの一人として活躍。
「三日後に世界征服を始める」というDr.エッグマンからの挑戦状をソニックに渡すため、愛機トルネード号に乗って駆け付ける。ナックルズと共にトルネードを空中で乗り捨ててテイルスも駆け出すのだった。
物語中では、自分達を襲ってきたロボットがエッグマンの物ではないことを見抜くなど彼ならではの着眼点で活躍する。


ソニック・ザ・ヘッジホッグ(2006)
ソレアナ公国の王女エリスを護衛するソニックの噂を聞き付けて、彼と共にDr.エッグマンの魔の手からエリスを守ろうとする。

この作品においてはソニックとエリスのドラマに焦点が置かれているからかムービーではナックルズ共々姿を消してしまうことが多い。
単独でエリス救出に向かったり、タウンパートではソニックと行動を共にしたりする見せ場があるだけナックルズよりは救いがあると言えようか……。
その他テイルスの使用技であるダミーリングボムから出る偽のリングは、普通の拾えるリングと見た目が全く同じという少々困った点があったりする。

なおテイルス、ナックルズ、エミーといったソニックのお馴染みの仲間達は本作以降メインシリーズでは20年近くに渡ってプレイアブル化されなくなる*7


【ソニック ワールドアドベンチャー】
夜の街中でナイトメアに襲われ震えていた所、助けを叫ぶ彼の声に応えるかの如く現れたソニックに救われる。
ソニックがウェアホッグの姿に変身している事情を聞いてからは、トルネード号で共に各地を巡っていく。いつの間にか元祖トルネードにも2と同様に変形機能を追加していた。
スパゴニア大学のピックル教授のことをソニックに教えたのも彼なのだが、教授とテイルスは旧知の仲であるようでテイルスが敬語で喋る貴重なシーンを見られる。

また、本作のキーパーソンたるチップとの会話では「幾らエッグマンでも人質にご飯ぐらいは食べさせてあげてると思う」とエッグマンへのささやかな信頼を見せた……。



◯2010年代

【ソニック カラーズ】
Dr.エッグマンが建造した宇宙遊園地に招待され、ソニックと共に来園する。
「今までのことを謝りたい」というエッグマンの言葉に半信半疑ではあったものの、「エッグマンが皆のために何かするわけない」と笑うソニックよりは幾らか彼のことを信用しており、無邪気にアトラクションを楽しもうとするが……?
その後は、遊園地に囚われていたウィスプ達の言葉を翻訳するマシンを作り上げて騒動の解決に貢献。ソニックと互いの健闘を深く称え合う。

ちなみにエッグマンの企みが判明してからも、相変わらず食事面に関しては誠実だろうと信じていたのか定かではないが、彼のレストランでお腹を壊してしまう一幕もあったり。


【ソニック ジェネレーションズ】
ソニックの誕生日会でチリドッグを振る舞っていた最中、タイムイーターという怪物に他の仲間共々呑み込まれる。
程無くして、グリーンヒルに流されていた所をソニックと再会。過去の世界から来たというクラシックソニックやクラシックテイルスとも力を合わせて冒険を進める。

そしてモダンエッグマンとクラシックエッグマンを倒した後は、元の時空へと戻る過去の自分達を見送ったのだった。
なお別れ際、元々はソニックの物だったトルネード号に脚まで取り付けたことに関してクラシックテイルスから呆れられており、本人(モダンテイルス)も「やりすぎたかな」と苦笑している。


【ソニック ロストワールド】
Dr.エッグマンが無理矢理操っていた六鬼衆がソニックの攻撃によって制御不能になってしまった。
そのため、自分の意志で悪事を働こうとする彼らを止めるべくエッグマンと共闘する羽目に。

とはいえエッグマンが当初の目的のため作り上げていた惑星の生命エネルギーを吸い取る装置は、別にエッグマンの手を借りずとも自身の技術で停止させられる物である上、エッグマンの人格自体が全く信用ならないことも相まって、テイルスは反発を見せる。
ソニックがエッグマンと馴れ合ったり彼の能力を信頼したりしていることに不満を抱き、もっとソニックに頼られたいという思いが空回りする場面も。
それでもエッグマンと助け合っていく内、己のそうした考えを改めていくのだった。

そして、六鬼衆にさらわれて改造手術を施されてしまうも、手術用のマシンを尻尾を器用に駆使してこっそり弄ることでテイルスは正気を保っていた。更に六鬼衆を巧妙に欺いて、ソニックと共に彼らを無事に倒す。
案の定エッグマンには裏の思惑があったが、彼も無事に撃破し、生命エネルギー吸収装置も停止させたのであった。


【ソニックフォース】
Dr.エッグマンの軍勢との戦いで窮地に陥った所をソニックに助けられた直後、突如現れたインフィニットによりソニックを目の前で拉致されてしまう。
それから長らくソニック不在の状況で戦い続けるが、カオスに襲われたことで絶望。そんな時クラシックソニック*8に助けられ、以降は行動を共にする。
戦争が終結してからは先頭に立ってクラシックソニックへの感謝を述べ、握手とグータッチを交わして見送った。



◯2020年代

【ソニックフロンティア】
Dr.エッグマンの居場所を空から探していた時、スターフォール諸島にあるカオス島の電脳空間へと閉じ込められる。
そこで「電脳体」という実体を持たない姿に変えられてしまったものの、無事ソニックによって助け出されるのだった。

セージとの問答ではソニックへの全幅の信頼を口にするものの、自分自身の力と心構えを問われた際には言葉に詰まってしまう。ソニックの励ましを受けて自信を取り戻すのだが、その変化にはセージも驚いている。
更にメモリーアイテムを集めて彼の話を聞けば、電脳空間でもう一人の自分から「一人では何も出来ない子分のまま」と嘲られたらしく再び不安に陥るも、やはりソニックの言葉ですぐに立ち直る。
物語終盤ではナックルズやエミーと力を合わせ、サイバーウイルスに身体を侵食されゆくソニックを救い出し、彼の激励に報いたのであった。

2023年9月、無料アップデートで追加されたアナザーストーリー「超・完全決戦」にてナックルズやエミーと共に久方振りのプレイアブル化を実現。
これは3Dアクションのソニックにおいて前述の『新ソニ』以来17年ぶりのことである。しかも『ソニアド2』で御披露目していたサイクロンに搭乗することも可能となっている。

ちなみにエッグマンの音声ダイアリーでは、古代文明やセージのことだけでなく、ソニックの仲間達について彼がどう思っているのかも聞けるのだが、テイルスに対しては科学者として複雑な感情を抱いていることが判明する。
その内容を要約すると、「あれだけ見込みのあるパウアー少年がソニックを崇拝しているのは残念だ。だが、今までアークやステーションスクエアでテイルスに散々苦労させられたことを考えると、ソニックの傍で才能を無駄遣いしてもらった方が良いのかもしれない」というもの。
普段の作中ではもちろん、こちらの音声ダイアリーの中でも一貫してテイルスと呼んでいるエッグマンが一度だけ「パウアー少年」と口にしているのは果たしてどのような心境だったのだろうか?



外部作品における活躍

【マリオ&ソニックシリーズ】
ソニック側のメインキャラなだけに選手の一人としてシリーズ皆勤賞を果たしている。
最終作に当たる『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック』のストーリーモードではルイージと共に主役級の活躍を与えられ、二人で令和の東京を巡り歩く。


大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
大乱闘スマッシュブラザーズX
ステージ「グリーンヒルゾーン」の背景のループ部分をナックルズやシルバーと共に走っている。
フィギュアとしても出演。

大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U
再びフィギュアとして出演。
なおこちらの説明文ではテイルスが女性ではなく男性だということが強調されているが、彼の性別に関してはプレイヤーのみならずソニックシリーズの制作関係者達ですら当初は迷っていたというほどなので、わざわざ念押しするのも頷ける話と言えよう。
先述の25周年インタビューによれば、飯塚氏と大島氏もテイルスの性別が分からなかったらしく、大島氏は山口氏に「男の子、女の子どっち?」とわざわざ電話で設定を確認したという。……気持ちは分からなくもない。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
スピリットとして出演。
種類はサポーターであり、スキルは上必殺ワザ強化。
スピリッツバトルでは、レイガンとロケットベルトを装備した黄色のフォックスと戦うことになる。BGMはテイルスが初登場した『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』のエメラルドヒルゾーンの曲。



アニメにおける活躍

【ソニックX】
現在ではテイルス役としてすっかりお馴染みの広橋氏だが、テイルスを演じるのはこちらの作品が初。
流石にそれまでのゲーム作品のような子役では一年アニメは難しいという判断からの起用だろうか。ちなみにチャオのチーズの役も兼任している。

Dr.エッグマンの基地でのカオスコントロールのせいで人間世界に飛ばされた後、研究施設に囚われたクリームとチーズを助け出すソニックをサポート。
彼と合流してからは他の仲間達と共にクリスの家に世話になることが決まる。当初は騒ぎになることを恐れて人々に見つからないよう生活していた。
更にそこでクリスの祖父にして発明家でもあるチャックと意気投合。成層圏まで上昇可能なXトルネードを作り上げたり、トルネード号をハイパートルネードへと改造したりするのを始めとして、エッグマンに対抗する際は何かと彼の手を借りている。

また、ゲームで設定として語られていたソニックとの出会いについても回想シーンの中で掘り下げられている。
かつて、いじめで悩んでいた時に偶然見かけたソニックを追ってみれば彼の飛行機が停められていたので、もっとスピードが出るよう改造しつつペンキで色も塗り替えた所ソニックに気に入ってもらえた……というのが発端らしい。
なお改造も色の塗替えも、ソニックから許可を得ていないどころか会話したことすら無い状態で行っていたようだ。
そのまま「好きにいじって構わない」と飛行機(後のトルネード号)を使わせてもらえることになったようだ。器の広い所有者でよかった。

物語が進む内にソニック共々その存在を政府に認知され、特殊飛行機運転免許や飛行機整備士免許など山程のライセンスを授与された。
更にDr.エッグマンの爆弾を解体してステーションスクエアを救ったヒーローとして、ソニックの次に有名になる。
武闘大会でもテイルスが勝利した時は観客の女性陣が黄色い声を上げており、彼の愛くるしい姿は好感を持たれている様子。ルージュのキスで骨抜きになって敗北*9したテイルスを見て、彼女達が何を思ったのかは不明。

第二期でのメタレックスとの戦いにおいては、彼が建造した宇宙船ブルータイフーン号がソニック達の母艦として活躍。テイルスは艦長として腕を振るう。
加えて、メタレックス編のメインヒロインと言えるコスモとは相思相愛の関係となり、二人を主軸にした話も多く描かれている。……65話のラブコメ回のタイトルバックでは、ハートの中で向かい合うテイルスとコスモという少しばかり恥ずかしくなるような絵面も。
ところが、ささやかな幸せにやっと巡り会えたコスモには非情な運命が待ち受けていた。
彼女に関する真相を知ってしまったシャドウは心を鬼にして、コスモを殺害しようと動き出す。命に変えても彼女を守り抜くためテイルスは決死の覚悟でシャドウと戦うが……。

そして最終決戦にてテイルスは残酷な決断を迫られることに。
胸が張り裂けそうなほど苦悩する彼を、思いも寄らぬ人物が諭す。


【ソニックトゥーン(アニメ版)】
記念すべきシーズン1の第一話でいきなりソニックの相棒を解雇されてしまう。
これはDr.エッグマンとの戦いで大怪我をしたテイルスを案じたソニックの計らいなのだが、納得のいかないテイルスは、ソニックの主催する相棒オーディションに変装して乗り込む。
結果として見事優勝し、一緒にオーディションに参加していたエッグマンの企みも無事に阻止した。

以降のテイルス回では、他人の本音を読み取るロボット、他のロボットを操るロボットなど様々な発明品を作り出すが、
いずれもエッグマンに奪われたり利用されたりで、全くろくな目に遭っていない。
おまけにエッグマンとは関係ない理由で完膚無きまでにぶっ壊れるのもお約束である。

諸事情でエッグマンのアジトから家出してきたオーボットとキューボットを自宅に招いた時は、暇を持て余す彼らにゲームを貸し与えている。
その内容はテイルス曰く走って転んで素早くリングを集めるゲーム。キューボット「すごくつまんなそう」

なお彼はこちらの作品でも飛行機を無免許で操縦していたらしく、「正義のヒーローが無免許運転などしてはならない」とヒーロー審査員から駄目出しを食らっている。
一応飛行機にはメーカー保証が付いているとのことであり、破壊されても余裕そうにしていた。ソニック「お前がメーカーだろ」テイルス「そうか!自分に保証書渡しちゃった…」
物凄くどうでもいいことだが、飛行機にマッサージをしてあげるのが日課らしい……。

とある回にてソニックやナックルズと共にボーイズバンドを結成することになった際には「ドリームボートエクスプレス」というバンド名をテイルスが発案。
そのおかげで音楽イベントにも「なんか完璧にプロっぽい名前だから」という理由で参加することを許される。
作中では実際に三人で歌っているシーンもあり、テイルスのソロパートも存在する。広橋氏の軽快な歌声は一見の価値あり。

そして本作においてもテイルスの恋愛は描かれている。
ゾーイというキツネの女性に片思いしており、彼女とカップルになるためソニック達のアドバイスを聞きながら頑張るものの、緊張してしまったり子供っぽい姿*10を見せてしまったりで一向に上手くいかない。
あまりの不器用さにエッグマンまで苛立って、テイルスに厳しい言葉を投げかける始末。一方のテイルスも「宿敵同士だよ?信用出来ないな」と反発する。
しかしながら、エッグマンは本心からテイルスのことを応援していた。そこで彼は一肌脱いで、テイルスとゾーイの交際成立に一役買うのであった。エッグマン「ハート型の画面演出もオマケしてやるわい!」

シーズン2(日本未配信)32話の再びボーイズバンドとして活動するべくテイルスの車で遠くへと向かう回では、ゾーイの写真が車内に飾られており二人の関係がまだ続いていることがうかがえる。


【ソニックプライム】
テイルスはDr.エッグマンの仕組んだ罠を見抜いてソニックに警告を送ったのだが、彼は軽はずみに攻撃してエッグマンの思惑に乗ってしまった。
そしてパラドックス・プリズ厶という結晶を刺激したことで幾つもの並行世界が発生。それと同時にソニック達が元いた世界は崩壊し、ソニックとシャドウ以外の面々は崩壊に巻き込まれる。

事態解決のために奔走するソニックは、並行世界の一つであるニューヨウク・シティにてテイルスと同じ姿を持つ少年ナインと出会う。
ナインはテイルスと違って何年もいじめに苦しみ続けた過去を持ち、自らの発明品で仕返しすることに成功したものの孤独な人生を歩んでいた。
ニューヨウク・シティを支配するカオス委員会との戦いを通して彼は、自分に親身になってくれるソニックに対して徐々に心を開いていく。

しかしソニックにとってナインはあくまで″本物の″テイルスが前提にある存在だった。
「ボクだって本物のナインだ。でも本物の友達じゃない」この想いはナインの心に暗い影を落としてゆく……。



実写映画における活躍

【ソニック・ザ・ムービー】
物語の最後、彼が地球のグリーンヒルズ前に降り立った場面で映画は終了する。出番こそ一瞬だったが、続編の存在を意識させるという点では重要な役目だったと言える。
なお原語版でも日本語吹き替え版でも、他のキャラとは違ってテイルスのみゲーム原作と同じ声優が演じている。


【ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ】
タイトルロゴの「VS」の部分はテイルスの体色や尻尾の形を意識したような描き方になっており、彼がソニックやナックルズに続く本作の第三の主人公ということが実感出来る。
前作のラストシーンでの登場時と比べて、体毛は少しばかり抑えめの色に変更された。

物語序盤ソニックの前に初めて現れたテイルスは、路上にあったパトカーを勝手に運転して拝借して、ドクター・ロボトニックとナックルズに襲われているソニックの救出に無事成功。
尻尾を回転させて飛ぶお馴染みのアクション(劇中の本人曰くシリコプター)は実写映画でも健在である。

旅の最中シベリアの奥地で酒場に迷い込んだ二人は、ひょんなことからダンスバトルに挑むことに。
最初は不安そうなテイルスだったが、ノッてくるとガジェットで分身し、ソニックと無邪気にはしゃぎ回る。
映画公開前に大きくフィーチャーされていたシーンの一つであり、2016年グラミー賞最優秀レコード賞受賞の名曲『アップタウン・ファンク』がダンスBGMとして使われていたこともあって話題となった。

存分にダンスを楽しんだテイルスは、かつてソニックが発した膨大なエネルギーを検知してから彼を観察していたこと、自分と同じく孤独でも居場所を作り上げたソニックに憧れていることを語る。
すやすや眠るテイルスに毛布をかけてやったソニックが背中合わせに横たわると、意識的か無意識か……テイルスは尻尾でソニックをくるむのだった。

終盤は飛行機や分身を駆使してロボトニックの巨大ロボットと戦う。真相を知って共闘するナックルズとも見事な連携プレーを見せてマスターエメラルドを取り返すことに成功した。
エピローグではソニック、ナックルズ、ワカウスキー夫妻の面々と一緒に野球を楽しんでいる姿が見られた。



余談

YouTubeのソニック公式チャンネルにて『テイルスチューブ』という映像番組が公開されている。
これは司会のテイルスが様々なゲストを呼んで、やりたいことを何でもやるというコンセプトの番組である。
2022年から2025年にかけて数カ月ごとに配信されており、お馴染みの声優陣による日本語吹き替え版も何本か公開された。

この番組を単なるトークショーと侮るなかれ。時として意外な裏設定が明かされることもある。
Dr.エッグマンのフルネームが「イーヴォ・ロボトニック」であることも、それまでは一部アメコミなどでしか語られていなかったが、この番組により日本で初めて明言されたのだ。
またエッグマンがGUN(連邦政府軍)の話をした際「前の戦いではワシが格の違いを見せつけてやった」と発言し、『ソニックフォース』でも裏ではGUNがエッグマン軍を相手に戦っていたことを明かしている*11

エッグマンについて「IQが300もあるなら必要とされてないことくらい気付けると思うんだけどなぁ」と毒舌をかましたり、
エンジェルアイランドの通信速度をやたら気にしたりするテイルスの姿を見られるのはここだけ。

過去の作品を意識したファンサービスも旺盛であり、たとえばエッグマンにジャックされた番組をテイルスが奪い返す際、彼のアカウント名が「スカイパトロール」になっていることが確認出来る。
他にも『ソニックX』最終話のコスモが散った時に遺した種を植えた鉢植えと同じ物が本棚の上に飾られていたりする。芽の形だけでなく植木鉢の色や細かい装飾まで再現されているのは、嬉しく思うファンも決して少なくないことだろう。



ソニックの後ろを走ってるだけじゃいけない……

いつか自分自身の力で追記・修正しないといけないんだ!



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ
  • テイルス
  • マイルス・パウアー
  • ソニック
  • ✕テイルズ◯テイルス
  • ※男の子です
  • かわいい
  • 天才
  • いじめられっ子
  • もふもふ
  • キツネ
  • 発明家
  • 相棒
  • 弟分
  • ケモショタ
  • 何故かなかなか立たなかった項目
  • Believe In Myself
  • セガ
  • 椎名へきる
  • 林一樹
  • 村田あつき
  • 広橋涼
  • 吉永拓斗
  • ソニックシリーズ
  • スピンオフ主役
  • イエローヒーロー
最終更新:2025年04月22日 08:42

*1 『ソニック ジェネレーションズ』に登場。

*2 当時のSEGAと任天堂は互いのゲームやコマーシャルで煽り合う激戦を繰り広げていたことて有名。SEGAのハード撤退に伴いその風潮も消えていった。

*3 アメリカでは一般的なマイル法を含んだ「時速」という意味である。音速のソニックと対照的なイメージを出したかったとのこと。

*4 機体に″SONIC″というロゴが刻まれているのはその名残。

*5 ソニックシリーズ開始時期(1991年)はドラゴンボールの最盛期。

*6 テイルス曰くパワーも純度も本物には及ばないが、同じ波長と特性を持っているという。

*7 『ソニックトゥーン』シリーズやパーティーゲーム系の作品は除く。

*8 本作におけるキーアイテムのファントムルビーの影響で別次元(同年に発売された『ソニックマニア』の世界)から来た存在。

*9 一応フォローしておくと、真面目に戦っていた時には素手でもルージュと互角の空中戦を繰り広げており、テイルス程度なら秒殺だと侮っていた彼女を驚かせている。

*10 ハンバーガー屋で特典のオモチャをもらって「やったー!ノートとおそろいのワンちゃんペンシルー!」と大はしゃぎ。

*11 この作品の発売当時のアートディレクターのインタビューで「(『フォース』の世界は)人間世界とは違うので英語が存在しない」と言う発言があったり、番外編であるシャドウストーリーではチームダークの所属があやふやにされていたりしていた。