登録日:2025/02/08 Sat 03:40:00
更新日:2025/02/18 Tue 23:45:53
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この闘いは、ぬるま湯の人生を貫く 灼熱の剣なのか!?
なぜこんなにも苦しいのか?
なぜこんなにも楽しいのか?
肉体の極限でめくるめく、一瞬のアンビバレンス!
夢も現も今ここに、さあ燃え上がれ!!
「「「「「「「「「「 応!! 」」」」」」」」」」
究極のサバイバルアタック
SASUKE!!
『SASUKE』またの名を『Ninja Warrior』とは、TBS系列で放送されているスポーツバラエティ番組であり、多くの人々の人生を狂わせた魔物である。
概要
毎回異なる顔ぶれからなる100人の挑戦者が、TBS所有の野外スタジオである緑山スタジオに建てられた巨大アスレチックに挑む姿を描く、スポーツバラエティにしてある種のドキュメンタリー要素も持つ視聴者参加型番組。
1997年秋にTBS系列の番組「筋肉番付」の2時間スペシャル内で放送される1コーナーとして始まった。
大勢の参加者がアスレチックに挑戦するという単純明快な企画ながら、
「鋼鉄の魔城」の異名をとるアスレチックの極悪な難易度や、それに果敢に挑んでいく挑戦者たちの姿、そして時にはそんな彼らの人生や素顔にまで切り込む取材と異様に濃い番組内容となっており、
日本におけるスポーツ系アスレチックの代名詞になるほどの知名度と、それに魅了されたコアなファンを産み出している。
中でもコアなファンは「自分も番組に出て魔城を攻略する」という形に行きつく事も多く、公園の遊具や自作した再現セットなどで日夜練習を積み重ね、SASUKE出場を目論む人間も決して少なくはない。
五輪経験者など有力なスポーツ選手の参戦も多く挑戦するが、殆どの場合は序盤で脱落する。
というのもぶら下がり系のギミックを中心に普通のスポーツでは使わない筋肉や体幹・体重とのバランスが求められるため、単に「運動神経がいい」「普段から筋トレしてる」程度ではクリアできない。文字通り「SASUKEのためのトレーニング」を求められる複合種目である点もその過酷さが伺える。
海外では『
Ninja Warrior』として日本版SASUKEの放映権販売、そして現地における独自の大会開催といったフォーマット販売によって世界各国で人気を博しており、海外版の出場者が本家本元である日本のSASUKEに挑戦しに来ることも珍しくはない。
そして、2028年のロサンゼルス五輪で行われる
近代五種にて、馬術の代わりにSASUKEを元ネタの1つとした「オブスタクルスポーツ」が採用されることが決定した。
ルール
出場者は緑山スタジオに建造された4つのステージからなる巨大アスレチック「鋼鉄の魔城」に挑戦する。
各ステージへ順に挑戦し、難所となる「エリア」を突破してスタート地点からゴール地点までたどり着くことができればステージクリア、次のステージに進出。
ステージに設けられた沼地(池)に着水する、順路の外を踏んだり落下したりしてしまう、ステージに設けられた制限時間を超えタイムオーバーとなる、エリアを正規でない方法で突破したり禁止された行為をしてしまうとリタイヤ。次のステージには進めずそこで挑戦終了となる。
参加者
毎回番組スタッフによる選考などで集められた100人の名も無きアスリートたち。
と言ってもそのうちの約1割はちゃんと名の知れたスポーツ選手、約2~4割は芸能人やタレントである。
しかし残りの5割以上は視聴者から公募された一般参加者であり、学校の先生や消防士、営業マン、居酒屋の店主、漁師、建築業、システムエンジニア、……と、てんでバラバラ。
そんな共通項の無い彼らがただ一つ、鋼鉄の魔城を陥落する為だけに緑山へと集結するのである。
なお番組の出場者募集はTBSから随時行われており、近年では応募フォームを通じて応募する事ができる。
そしてその後は書類審査からの制作スタッフを前にしたオーディションを通り、晴れて参加権を獲得する事となる。
ちなみにこのオーディション、ただ「SASUKEを攻略できそう」な人材であるだけで通れるかと言われるとそんなに甘くもなく、「キャラクター性」なども重要視されているのでこれも物凄く狭き門である。
また、大会によってはその前に予選会やトライアウトが行われることがあり、そちらで優秀な成績を残す事でも大会に参加する事が可能。
ただし予選会では基礎体力を測るために、SASUKEの模擬コースへの挑戦だけではなく、腕立て伏せやマラソンといった種目が行われることが多い。そのため予選会は毎回過酷を極めるものとなる。
番組の歴史
前史
全ての始まりはTBS系列で放送された特別番組シリーズ「スポーツマンNo.1決定戦」(以下スポ1) である。
プロスポーツ選手または体力自慢の芸能人が古代ローマのコロッセオを思わせる会場に集結し、オリジナル競技でしのぎを削るという内容の番組で、シリアスでスタイリッシュなスポーツバラエティ番組という形式の先駆者となった。
スポ1の人気に伴い、これを発展させたレギュラー番組として始まったのが「筋肉番付」である。
当初はスポ1と同様芸能人やスポーツ選手がオリジナル競技で対決する企画が中心だったが、やがてその門戸を視聴者にも拡大。
3分間腕立て伏せを行った回数を競う「クイックマッスル」や、延々と続く太鼓の音にあわせて無限に腕立て伏せを続ける狂気の企画「ザ・ファイナルプッシュアップ」などが視聴者公募で集まった肉体自慢の参加者たちによって繰り広げられた。
そしていつしか番組は、芸能人が武術やスポーツの修業をする姿に密着するドキュメンタリー系の特集企画と、素人・プロ問わず参加者がオリジナル競技に挑戦するアトラクションゲーム企画の2つがメインコーナーとなった。
このうちゲーム企画は用意された的を全て射抜く的当て系競技や、スタートからゴールまでエリア(難所)を超えて進むエリアトライアル系競技が多く、主な例は以下の通り。
的当て系競技の例)
- ストラックアウト: 野球のピッチングで9枚の的を射抜く。詳細は当該項目参照
- キックターゲット: サッカーのPK方式でゴールポストに貼られた9枚の的を射抜く
- パンチアウト: 変則的な配置のピンが並ぶレーン9つをボウリングで倒す
エリアトライアル競技の例)
- ハンドウォーク: 逆立ちのまま9エリアのアスレチックに挑む
- スーパーライダー: 自転車で9エリアのアスレチックコースを進む
- スパイダーウォーク: 両手両足を2枚の壁の間で突っ張り、空中に体を維持してコースを進む
- スポンジブリッジ: スポンジで出来た巨大ドミノ倒しの上を倒さずに渡る
的の数やエリア数は最大9個が基準で、9つの難関を突破する形式が競技の中でも難易度が高い。
また、難易度に応じてゲーム別に賞金が設定されており、パーフェクトでクリア=完全制覇すれば設定された賞金が贈呈された。
特に賞金が200万円以上の難競技は「夢の200万円ドリーム企画」とされ、長時間放送のスペシャル版では目玉コーナーとされることが多かった。
そして、その200万円ドリーム企画の1つ、史上最大のエリアトライアル競技としてある企画が産み出された。
第1期 1997秋~1999秋 第1~4回大会
1997年9月27日、筋肉番付2時間スペシャルの1コーナーとして第1回大会が放送。
あくまで1コーナーなので他にもキックターゲットなどのコーナーとも合わせての放送である。
しかし前代未聞の4ステージ制、エリア総数は通常競技の倍で18個という破格の扱いで、この2つの特徴は第2期後半に至るまで守られる事となる。
第1回大会はスポ1などの収録を行っていた東京ベイNKホール内での室内収録で、第2回以降お馴染みの緑山スタジオシティでの屋外ロケーションとなる。
また、夏と冬はスポ1を放送していたこともあり、春と秋に行われる筋肉番付スペシャルの定番コーナーとして定着していく。
当時のエリア構成は「丸太登り/下り」や「揺れる橋」といった脚力やバランス力を要求するエリアが多く、それに伴い、まさに「SASUKE」のタイトル通りに身軽で脚力の強い選手が有利な傾向にあった。その一方でFINALは15mの綱登りという腕力を必要とする構成となっており、第1回、2回共に半分を超えたあたりでタイムアップとなる選手が多かった。
そんな中、ある一人の男が狂い始めた事で番組の運命が大きく変わる。
山田勝己である。
元々クイックマッスルの常連で明らかに腕力の強いタイプだった彼は、リタイヤを喫したエリアを自宅に再現して練習。さらに大幅な減量を敢行し3ヵ月で15kgも落とした上で第3回大会に参加するという狂気を発揮。
その甲斐あってか山田はFINAL STAGEに到達、ゴールまであとわずか30㎝という所まで迫り、最も完全制覇に近い男という称号を手にすることになる。
しかし、SASUKEの女神が微笑んだのは山田ではなく、同じくクイックマッスルの常連でしのぎを削った、毛ガニ漁師の
秋山和彦だった。
第4回大会、山田の自宅トレーニングを参考に開発された新エリア「
クリフハンガー」であろうことか山田自身がリタイヤ。彼の無念を受け取った秋山が完全制覇を果たしたのであった。
第2期 2000春~2006秋 第5~17回大会
秋山の完全制覇以降、さらにSASUKEの難易度は上昇し、同時に番組の人気もうなぎ登りに上がっていく事となる。この時期が番組の黄金期だというファンも多い。
母体である『筋肉番付』が2002年に終了、後継の『体育王国』『黄金筋肉』も2004年に放送終了し、SASUKEが独立していったのもこの頃。
なお長期なうえ、ある大会を境にガラッと雰囲気が変わるため、前期と後期に分けて記載する。
第2期前期 2000春~2003秋 第5~12回大会
秋山の完全制覇に伴い1stSTAGEが大リニューアル。
これまで緑のマットの下から見える丸太模様の足場が白い大理石模様になって雰囲気が変わり、現在も有名な難関エリアである「ジャンプハング」と「そり立つ壁」が登場。ここから鋼鉄の魔城の異常な進化が始まった。
各ステージの難易度上昇、そして魔物が目覚めたとしか言えない様々なアクシデントの結果、まともな状態でのFINAL STAGE挑戦が行われたのは第2期が始まってから6大会後という事態に。
これによりそもそもFINAL STAGEの開城が行われるのが奇跡、3rdをクリアすればその時点で偉業とされる現在のSASUKEに通じる認識が浸透した。
第5回大会では1stがあまりに難化したことで2nd進出者がたったの3人、3rd進出者に至ってガソリンスタンド店員 山本進悟ただ1人となり、結果はパイプスライダーリタイヤ、開催5回目にして初の3rdSTAGE全滅。
さらにこの時点で1stの影に隠れて3rdもかなりの難化リニューアルが行われており、5人が3rdに挑戦した第6回も引き続き3rdSTAGE全滅。
FINALの初お目見えは第7回大会となったものの、唯一のファイナリストとなった山本は挑戦前の段階で既に肩が脱臼状態で、スタートするも登れずにすぐさまドクターストップ、リタイヤ。
そして第8回は収録スケジュール上豪雨を避けられず、土砂降りの雨の中ファイナル決行。その中を決死で登るも振り落とされたケイン・コスギになおも降りしきる雨は、実況の古舘伊知郎に「ケインの悔し涙か!?この雨は!!」と形容されたほど。
しかし、そんな常軌を逸した進化を遂げる魔城を追い越さんばかりに頭角を現す者たちもいた。
岐阜から来た史上最強の消防士
竹田敏浩、印旛村の役場職員にして英雄
白鳥文平。
彼らと、もとより活躍していた山田、秋山、山本はいつしか一般参加者の中でも一線を画す常連勢となり、番組は彼らを「
SASUKEオールスターズ」として扱った。
そして緑山の女神は、1人の超人を見出す。
山田に憧れSASUKEの門を叩いた男にしてSASUKEオールスターズ筆頭、史上最強の漁師 長野誠 である。
初出場の第7回、続く第8回ではそり立つ壁でタイムアップだったが、第9回で壁を超えるといきなり3rdのパイプスライダーまで攻略し、一躍注目選手に。
以後、第11回, 12回と連続でFINALへと進出し、第12回大会ではわずか0.11秒という差でタイムアップを喫するまでに成長。
他の有力選手からも「化物」レベルと称される身体能力を持ち、スポーツ経験無しという経歴がまるで嘘のようなパフォーマンスを見せる長野の完全制覇はもはや時間の問題かと思われた。
しかし……
第2期後期 2004春~2006秋 第13~17回大会
長野のわずかなタイムアップを鋼鉄の魔城は事実上の陥落と捉え、大リニューアルを敢行。
各ステージの雰囲気がガラリと変わり、1stは床マットが黒くなって石造りの廃墟のように、2ndは崩れた教会のように、3rdは神殿のような見た目に変更。
さらに合計18エリアの原則が第13回をもって撤廃。主に1st、3rdにエリアが追加され、次第にロングコース化していくようになった。
1stでは定番エリアであったローリング丸太やジャンプハングがバージョンアップしたほか、「ねじれた壁」や「バタフライウォール」のような当時としては実験的で異質なエリアが登場。
3rdには腕力だけでバーとバーの間を跳躍する衝撃の新エリア「ジャンピングバー」が登場。さらにパイプスライダーと休憩所の間に振り子状のバーを掴んで揺らし渡る「デビルブランコ」が設置され、あと一歩のところで選手たちを葬り去っていく。
完全制覇の有力候補と目された長野も、13回ではFINALに進出して3回連続FINALという記録を作るものの、ジャンピングバー、そしてデビルブランコに阻まれFINALから遠ざかり、さらに調整が加えられた新エリア「メタルスピン」によって初の2ndリタイヤを喫するなど苦戦が続く。
一方で白鳥が攻略者が一切現れなかったデビルブランコの攻略法を編み出す事に成功。その後のパイプスライダーでリタイヤとなったものの、一躍完全制覇候補に名乗りを上げる。
スポーツ界からは若き新星、トランポリン選手の長崎峻侑が頭角を現し、当時17歳で第15回大会に初出場するといきなり1stをクリア。さらに翌16回ではクリフ到達、17回ではFINAL STAGE進出と目覚ましい成長を見せた。
完全制覇を達成するのは長野か、白鳥か、はたまた長崎か。
緑山の女神が微笑んだのは…… 長野誠であった。2.56秒ものタイムを残した上でゴールする事でFINAL STAGEへのリベンジを果たし、長きにわたる鋼鉄の魔城の黄金期へ遂にピリオドを打ったのであった。
第3期 2007春~2009冬 第18~24回大会
長野誠の完全制覇に伴い、ほぼ完全リニューアルを敢行。当時の番組表やPR番組では「新SASUKE」とも題された。
1stステージはマグマの流れる火山道をイメージしたものとなり、床のマットの色が赤色になった。
さらに、第18回では競技開始前には「ゼッケン争奪1200mマラソン」を開催。マラソンのタイムの早かった順にゼッケンを選べるという新システムを導入したが、この回限りとなった。
大リニューアルにあたり鋼鉄の魔城が敵と見定めたのは、超人 長野誠ただ一人。
彼がどのステージでもリタイアしうるようにという意図の元、2エリアを残し全てがバージョンアップないし新エリアへと置き換えられた。あのそり立つ壁ですら頂上からぶら下がるロープを使って登り切る「グレートウォール」に変貌したほどである。次の回すぐ元のそり立つ壁に戻ったけど。
1stはこれまでのスタートからゴールまで一直線のコース取りから、多くのエリアを詰め込んだ超大規模・ロングコースへと変貌。
そして2ndに衝撃の新エリア「サーモンラダー」が初登場。改造され1stへと移動したスパイダーウォーク(ジャンピングスパイダー)に代わり、対策必須レベルの門番として永きに渡り君臨する事となる。
また、長野がまさかのリタイヤを喫した事に着目したのか、メタルスピンは全く変更なしで据え置きとなったエリアの1つとなった。
さらに回を追う毎にメタルスピンのような「ジャンプしてロープに捕まる」ような動きの新エリアが次々と登場したのが第3期~第4期の特徴。
これにより再び身軽な選手が有利となる傾向が強まった一方、この手の動きを苦手とする長野、そして弱視というハンデを背負う秋山にとって厳しい状況が作られていく。
この頃から海外で放送されたNinja Warriorを見て感銘を受け、自らも魔城を陥落せんと来日したSASUKEマニアの海外勢、あるいは海外Ninja Warriorでの有力選手が参戦する事が多くなってくる。
アメリカからやってきたフリーランニングの選手リーヴァイ・ミューエンバーグはその代表例で、インタビューに際し「SASUKEに国籍は全く関係ない、これは人間の限界に挑む競技だからだ」という名言を国際対決を煽りたい演出スタッフの意図ガン無視で残した。
さらに台湾からやって来たプロ・ロッククライマーのリー・エンチも好成績を叩き出すようになり、FINALではゴール地点まで残り4mという所まで鋼鉄の魔城を追い詰めた。
一方のオールスターズも当然負けてはおらず、19回大会では1st全滅という結果を残すものの、翌大会以降は竹田・山本を中心に3rd進出を果たすなど雪辱を晴らしている。
長野誠に至っては散々狙い撃ちでの対策を施されたにも関わらず、23回大会でFINALに進出すると残り10㎝でタイムアップという凄まじい成績を叩き出す。しかもこれは後述するFINAL制限時間短縮の煽りを喰らってなおの結果。もしそれが無ければ長野は二冠を達成していたのは間違いないだろう。
しかし、この第3期の後半ごろからオールスターズの面々にも衰えという抗えぬ波が押し寄せたか、精彩を欠いた動きが目立つようになる。白鳥に至っては21回大会を最後に番組へと出場しなくなってしまい、オールスターズにも引退の影が忍び寄る。
そして、代わりに新たなる有望株が次々と頭角を現し、魔城攻略の最前線を突き進んでいく事となる。
彼らを番組スタッフを始めとする人々は「新世代」と呼び、完全制覇の希望を託した。
なに、さらに次世代が出てきても未だに新世代呼ばわりはどうなんだって? そう言われても他の呼び名定着しなかったし……
最も早く頭角を現したのは当時国士舘大学の体操部部員だった菅野仁志。20回大会に初登場すると1stのジャンピングスパイダーまで進出。ただしこの回は全カットとなり放送に乗っていない。
続く21回大会では予選を潜り抜けた刺客として菅野のほかに、「靴のハルタ」のスーパー営業マン漆原裕治、当時ジムインストラクターの橋本亘司、熱き魂の大工 朝一眞、自室で練習を積んだ「四畳半ヒーロー」こと塗装工の又地諒、教授キャラが着く前の当時コンクリミキサー車ドライバー川口朋広が一気に登場。しかし全員1st落ちという残念な結果に終わっている。なおこの予選会組には後の第6期で頭角を現す後のパルクールトレーナー、当時高校生の佐藤惇も居たりする。
そして翌々回となる22回大会、新世代組にリベンジの機会が与えられると菅野は3rdのスパイダーフリップまで進出。
さらに漆原はその本領を発揮し、第3期初のファイナリストとなった上、ゴール残り10㎝まで到達するという偉業を達成。それにより翌大会以降FINALの制限時間が5秒減らされてしまう。
オールスターズの長野、そして新世代の漆原・菅野という3人が完全制覇の最有力候補と目される中、
緑山の女神が微笑み、鋼鉄の魔城の頂点に到達したのは漆原裕治であった。3.57秒を残し完全制覇を遂げ、新たなる時代の幕開けを切り開いたのである。
第4期 2010春~2011秋 第25~27回大会
漆原の完全制覇により、例によって大規模リニューアルが敢行。
サーモンラダーやクリフハンガーがバージョンアップし、その中でもクリフは
アルティメットクリフハンガーという巨大要塞のような見た目の大規模エリアに変貌した。
第4期初回となる25回は10周年突破記念を兼ねた少々特殊な回で、この回限りで1stの床マットが緑色に戻され、ローリング丸太やジャンプハングと言ったリバイバルエリアが設置。
さらに「全国大会」と称し、各都道府県から1人以上が参加、常連選手もそれぞれの出身地の代表として挑戦したが、この試みは1回限りとなった。
翌第26回には第3期に近いコース構成に戻り、ロッググリップの進化版である「ローリングエスカルゴ」が登場するなどの正統系リニューアルが行われた。
いよいよオールスターズも年齢による衰えを隠し切れなくなった一方、第3期で登場した新世代組が一気にその本領を発揮し始める。
橋本や又地といった面々が頭角を現し始め、3rdのアルティメットクリフへの挑戦を重ねていく。
一方で海外Ninja Warrior勢も現地大会で完全制覇を狙うような超トップ層が来日してくるようになり、アメリカではじめて自作セットを組み立て後に完全制覇を達成するデイヴィッド・キャンベルをはじめ、ブレント・ステッフェンセンやポール・キャゼミアといった面々が3rdにその名を刻んでいく。
一方でオールスターズの中でも長野ただ1人が27回大会において3rdアルティメットクリフに到達し、完全制覇者の力がいまだ健在であることを示す。
そして第27回、漆原裕治が復活を果たしFINAL STAGE初挑戦にして史上初となる2度目の完全制覇を達成。
これにより第4期SASUKEは幕を閉じた。
……のだが、色々あって当時のSASUKEを作っていた制作会社のモンスター・ナインが倒産。
危うくSASUKEそのものが幕を閉じる危機を迎えることになってしまった。
第5期 2012冬~2015夏 第28~31回大会
TBSが直接番組制作を引き継ぎ、制作協力に第1~13回の総合演出を務めた乾雅人率いる「フォルコム」を迎えて鋼鉄の魔城が復活。
第28・29回大会はタイトルが「SASUKE RISING」となっていた他、開催スパンが年1回の期間もあり、より安全性や選手の健康面に配慮した制作体制へと移行した。
例によって全面リニューアル……と言うより以前の制作会社が無くなったため全面作り直しが敢行。
過去大会で離脱した演出スタッフが戻ってきたため、1stが一本道の直線コースに戻るなど各ステージの構成が第2期後半を思わせるものに回帰。一方で1つ1つのエリアは第4期を継承、発展させた高難易度のものとなっており、まるでかつてと当時最新のSASUKEがミックスされたような構成が第5期の特徴である。
クリフハンガーは指先だけで背面ジャンプを行う「クレイジークリフハンガー」へと進化し、3rdステージが腕力だけではなくよりテクニカルな能力が求められる領域へと突入した。
2度の完全制覇を達成した漆原、そして成長目覚ましい新世代組を狙い撃ちにしたような対策も導入。
身軽で腕力の強い第3~4期のSASUKEに完全適応したスタイルの選手が多かったため、ウエイトの重い選手が有利となる掟破りの遊泳エリア「バックストリーム」が登場。さらに1stにも重い台車を押して道を切り開く「タックル」が導入されるなど、徹底的に身軽な選手への対策が進められ、漆原・又地は一時伸び悩むことになる。
一方で第4期に初登場するもイマイチ好成績を残せていなかった町の電気屋さん日置将士がここで覚醒。3rd常連組となり遅れてきた新世代組として扱われることになる。
また、本業のトランポリンのためにしばらく欠場を重ねていた長崎峻侑が復活、そして第4期では不調だった菅野仁志、2nd止まりだった朝一眞や川口朋広も3rdに連続で進出するなど、新世代組はこの第5期で全盛期を迎えることとなる。
そしてオールスターズは第28回で引退を掲げ挑戦し、新世代の多くがあっさり1stをクリアする中、全員が1stステージで敗退。世代交代が明らかなものとなった。長野・竹田はリタイア後に引退宣言をなかったものにして、山本もその次の回で予選会からの再出場の名目であっさり戻ってきたが。
山田勝己は引退後、自らの後継者を育てるべくSASUKEの練習チーム「山田軍団・黒虎」を結成した。出始めの頃は全員が1stステージリタイア・全ダイジェストで済まされるネタ枠のような扱いであったが、「セガ」こと山本浩茂を筆頭に徐々に実力の片鱗を見せるようになっていく。
海外勢では第30回後に行われた体験型アトラクションパーク「SASUKEパーク」にふらっと遊びに来て、驚異の成績を叩き出したことで本戦の出場権を得たタヒチアンダンサーのラギヴァル・アナスターズも視聴者に強い印象を残した。
一応もう1人活躍した海外常連選手が居たのだが、シャレにならない刑事事件を本国アメリカで起こしたため歴史および記録から抹消された。
第3期以降難易度が急上昇したことで1stクリアがほぼ不可能と思われていた芸能人勢にも変化が現れる。
タレントたちの中にも若い頃から出場が憧れだったという世代がついに到来。樽美酒研二(ゴールデンボンバー)や塚田僚一(A.B.C-Z)は伝手を頼る事で常連の実力者と同様の再現セットによる厳しい練習を積み、2ndそして3rdへと到達する快挙を達成。
そして同様に、幼い子供時代からSASUKEに憧れ、完全制覇を夢見た男がついに目覚める。
森本裕介、バイト先でのあだ名は「サスケ君」。第18回に中学3年生で初出場し、第27回では初めて2ndに進出していた。
録画した放送を徹底的に見返しての事前研究、そしてそれを元に構築した独自理論での練習を積むことで研ぎ続けた牙が彼の本領であり、言うなればついに現れた「SASUKEに特化したアスリート」。ある意味SASUKEマニアの最終形態とも言える。
第29回、誰もクリアできなかったクレイジークリフハンガーを突破すると、その後に待ち受ける縦型クリフ「バーティカルリミット」もあっさり攻略、パイプスライダーでリタイヤとなるもその恐るべき実力を知らしめた。
そして第31回ではその雪辱を果たし見事FINAL STAGEへと進出。彼の成長を見届けてきた祖父が見守る中、2.59秒を残し完全制覇を達成。文字通りの新星となった。
第6期 2016夏~2020冬 第32~38回大会
森本の完全制覇により例によって大リニューアルが敢行。
今期からのコンセプトは『世界基準』となり、床マットの色が赤と黒から「American Ninja Warrior」(以下ANW)に合わせた赤と青へと徐々に推移。加えてエリアもANWからの逆輸入・リメイクエリアが登場するようになった。
また、第36・37回は大晦日の特番として放送され、FINAL STAGEは横浜赤レンガ倉庫からの生中継で行われた。
1stはアクリル板に両手両足を突っ張って、対岸へと滑空していくエリア「タイファイター」が登場、トランポリンエリアはANWからの輸入で「ダブルペンダラム」が設置されていた。
これでも難易度が高かったのだが第33回ではKUNOICHIからの逆輸入エリア「フィッシュボーン」が登場、第35回ではダブルペンダラムがこれまたANWからトランポリンを追加しての逆輸入エリア「ドラゴングライダー」に置き換わった上で制限時間が大幅減。その結果1stクリア者が今までの半分になるなど猛威を振るった。
選手の方は森本を中心とした「森本世代」がいよいよ登場。
まず頭角を表したのは、第3期の予選会で初登場したパルクール講師の佐藤惇。第32回で3rdで進出したのを皮切りに連続で3rd進出を果たすも、なぜか放送ではダイジェスト処理が相次ぎ、視聴者の間で彼は一体何をやったのかと話題に。そしてついにフル尺で放送された彼の1stの挑戦模様はそれまでの挑戦者が苦しんだステージをあっさり20秒残しの最速タイムでクリアしていく凄まじいもので、彼を映すとあまりに簡単に見えてしまうからカットされていたのではないかと噂されることに。
そして、山形県庁の星 多田竜也は森本が不測のリタイヤを喫した第37回、彼の無念を晴らすかのように快進撃を見せ、FINALへの進出を果たす。
また他にも塾講師の山本桂太朗、カーデザイナーの荒木直之が実力者としてお馴染みとなる。
更にそれまで今ひとつ振るわなかった「山田軍団・黒虎」も山本良幸・伊佐嘉矩が連続で3rdに進出したことでついに覚醒。SASUKE出場を目指すガチ勢が次々と入団し、誰もが認める実力者の集いとなった。
そして、第5期にスランプ状態となり1stリタイアが連続していた漆原裕治が完全復活を果たす。
第36回に久々の1stクリアを果たすとその勢いのまま2ndもクリア、3rdではウルトラクレイジークリフハンガーを攻略し、バーティカルリミットまで到達する記録を残す。
さらに翌第37回では何とパイプスライダーまで到達。残念ながらクリアはならなかったが、前人未到の3冠が決して無謀な挑戦とは言えなくなった瞬間であった。
一方で一時期はゼッケン99をつけるなど森本に続く2番手とも目された川口朋広がそりたつ壁を登れなくなる、同じく3rdの常連だった菅野仁志・長崎峻侑がドラゴングライダーに阻まれ続ける、又地諒も3rd進出が第36回のみに留まるなど、新世代組は明暗がはっきりと分かれることとなった。
また、引退し指導者や解説の道に進んでいた山田と長野も38回大会にて復帰。当時のような第一線というよりは番組を象徴する選手のような形ではあるものの、現役で出場を続けていた山本・竹田と久々に並び立つ姿は往年のSASUKEファンを喜ばせた。
海外勢からはスタントウーマンジェシー・グラフが初登場。アメリカでの活躍から初参戦で80番台のゼッケンを背負っていたが、なんと第2回以来、そりたつ壁の導入以降としては女性初の1stステージ突破、さらに3rdステージまで進出するという驚異の成績を残す。
また、ドイツから参戦したレネ・キャスリーは表情を変えずにバーティカルリミットをクリアするなど圧倒的なパフォーマンスを見せ、第8回のヨルダン・ヨブチェフ、第24回のリー・エンチ以来となる海外勢3人目のファイナリストとなった。
なお、この第6期から収録コンディション、特に天候に恵まれない事が多くなる。
収録スケジュールが従来からズレたことや、そもそも地球規模の気候変動が進んだことにより、夜露や結露によるコース状態の悪化が多発。
さらには突然の大雨による順延や、収録スケジュール上その大雨の中でも強行せざるを得ないケースが増加。
この対策として各コースには黒い滑り止めが貼られるようになり、悪天候でもある程度選手のパフォーマンスで切り抜けられるような対策が施されるようになった。
第38回では、収録の数か月前から新型コロナウイルスが流行。観覧募集の中止や海外勢の参加見送りがなされた他、出場者も比較的リスク管理が容易な芸能人を中心とした面子となり、常連勢を除く新規一般参加勢は10人前後といった状況であった。
そして迎えた本番、FINAL STAGEの挑戦を目前にして降りしきる土砂降りの大雨。
誰もが第8回大会の悲劇を連想する中、行われたファイナルアタック。
その男は再び頂点に上り詰めた。森本裕介、2度目の完全制覇を達成。これで2冠は漆原と森本の2人となった。
第7期 2021冬~ 第39回大会~
森本の完全制覇により例によって大リニューアルが敢行……されなかった。
前回から続く新型コロナの影響で、開催するだけでも大変な状態だったのだ。
第40回記念大会は過去の有力選手の復活が目玉となっていたが、その中でも特に注目されたのが、第8回を最後に番組を去っていたケイン・コスギの復活である。
実に21年ぶり48歳での参戦、新世代の又地をコーチに特訓を重ねたとはいえ高齢かつブランクのある状態での挑戦のため、ドラゴングライダーをクリアできるかどうかだろう…と多くの人が予想した中、まさかの1stSTAGEクリア。オールドファンの感動を呼び、同じ時期に共に戦っていたオールスターズたちの闘志に火をつけた。
そして、ケインのクリア後に山本進悟が同じく48歳で、第30回以来8年ぶりに1stSTAGEクリア。多くの視聴者の感動を呼んだ。
その直後の挑戦となる山田は、例年までならリタイヤ後は黒虎の面々に「まあ、これがSASUKEや」などと語り緊張をほぐすのが通例だったが、この年のリタイヤ時には現役時を思わせる悔しさの籠った叫びを挙げ、黒虎団員たちを恐れさせていた。
このようにどちらかといえばキャスティングが注目ポイントになりがちな大会が続いているが、そんな中でも佐藤をも超える最速タイムを叩き出す俳優・梶原颯、池谷直樹の後継者・武藤智広、ワールドカップで不屈のスピリットでアメリカを第2位に導いたダニエル・ギルなど、若手の有力選手も続々と頭角を表している。
さらに山本良幸が黒虎初のファイナリストとなるなど、軍団の躍進ぶりを大きく印象付けた。
そして、リニューアルも静かに、徐々に進行している。
第39回では3rd唯一の新エリアとしてANWからの逆輸入エリア「スイングエッジ」が導入。掴みづらい取っ手を使った連続ジャンプを要求する為、早くも新たな難所として注目を浴びた。
そして第41回に導入された驚愕の新エリア「バーティカルリミット.BURST」はぶらさがる重みで回転する板を掴み移動するという超極悪エリアで、研究と修練によって難関を突破するスタイルの森本にとって最大の壁となっており、FINAL進出者はしばらく現れない物と思われていた。
そんな中、愛媛の怪物銀行員宮岡良丞が第42回で早くもこのバーティカルリミットを突破。しかも明らかに動き辛そうなスーツ姿のままで。これにより鋼鉄の魔城との戦いは、新たなる次元へと突入したのである。
果たして鋼鉄の魔城は、そして人間の限界は、どこまで進化を続けてしまうのであろうか……?
関連番組
筋肉番付シリーズ
前述通り、この番組の大元となったTBS系列のスポーツバラエティ番組。詳しくは前史の項を参照のほど。
SASUKEが人気コーナーとして定着した後は、選手に密着した事前特集やドキュメンタリーを放送したり、派生競技として小学生限定の「SASUKE Jr.(ジュニア)」や高齢者限定の「SASUKEシニア」などを放送したりしていた。後述の「KUNOICHI」も2時間スペシャルの1コーナーとして新たに用意されたもの。
しかし参加者に重大な後遺症が残るケガを負わせるような事故を起こしてしまい、人気番組だったものの打ち切りに。その影響でSASUKEは第10回大会から単独番組として独立する事となった。
その後は安全面を見直した上で「体育王国」として再スタート。さらにMC・総合実況を勤める古舘伊知郎が「報道ステーション」開始に伴って降板したため、川平慈英を新MCとした「黄金筋肉」へと変遷した。
SASUKE第11回大会では体育王国の、第13回では黄金筋肉のレギュラー出演者がスタジオ解説パートに出演している。
体育王国では「ROAD TO SASUKE」と題して予選オーディションの模様が放送されたほか、出場権をかけた競技「モンキーバーズ」を開催。
100mのうんていを渡る上、途中には腕立てやバーベル上げ、懸垂を要求されるエリアがあるという過酷な競技で、完全制覇者には第11回大会の出場権に加え30万円の準備資金が贈られる事になっていた。
しかし完全制覇者は現れなかったので、次点として成績優秀者3名に出場権が与えられ、そこから第2期後半の有力選手である小林信治が出場するキッカケとなった。なお最優秀成績者は元々参加権が確保されている竹田敏浩。
黄金筋肉では「SASUKEトライアル」として第11回大会の1stと同様のコースを使ったタイムトライアル競技を開催。
進んだエリア数ないしクリアタイムの短い順でランキングに登録され、上位30名に確約された第13回大会の本戦出場権を争った。なお最終成績1位はまたしても竹田敏浩。
KUNOICHI
女性参加者限定SASUKE。こちらも筋肉番付や体育王国のスペシャル版内1コーナーからスタートし、第3回以降単独番組化した。
一般的に生物学上パワー面が出せない選手が多くなるため脚力やバランス力を重視したコース設計と、漢字三文字で統一されたエリア名が第8回大会までの特徴。
特に初期3大会は後のバランスタンクの原型となった「円柱乗」や筋肉番付の競技スポンジブリッジを組み込んだ「倒連板」、細い上に前後左右に揺れる丸太橋を渡る「天秤橋」などのバランスや体幹を試される難関が多く、番組では「バランス地獄のKUNOICHI」と称されていた。
その中でも2ndSTAGEのスタートエリアだった、大きな坂をスライダーに乗って滑り降り終端で浮島にジャンプする「大跳躍」は後にSASUKE第3期に登場したダウンヒルジャンプの原型となった。
雪の降りしきる中初のファイナルアタックを試みた水野裕子、元ジャズダンスインストラクターの渡邊美香、ワイドショーのアシスタントから完全制覇者まで上り詰めた小宮理英、そして初出場から完全制覇3タテを決めたアクロバットダンサーにして最強女王の三宅綾子がこの頃の有力選手。
第9回以降はSASUKE第5期以降の新製作チームと共通のスタッフが制作となった影響で、サイズや難易度を調整した小型SASUKEそのものといった形に変貌。100人から50人に競技人数が減らされ、会場が緑山スタジオから幕張メッセでの屋内収録に移行している。さらに第9~11回までの3回では1stSTAGEがRedSTAGE、2ndがBlue、3rdがBlackと色の名前で表現されていた。
また小型SASUKEとはいえ新エリアなど実験的要素がこちらで試験的に導入されることもあり、その中でもフィッシュボーンは第33回からSASUKEにアレンジの上逆輸入された。一方で、旧KUNOICHIの倒連板改めスポンジブリッジも残され、多くの選手を苦戦させている。
この頃の有力選手としてはSASUKEでの佐藤惇に続きパルクールの凄まじさと軽やかさを印象付けたトレーナーの泉ひかり、ウォールリフティングをあっさり持ち上げるパワーと高いバランス制御力を併せ持つ総合格闘家の渡辺華奈、体操で培った身体能力でRed・Blueダブル最速タイム、FINAL進出を同じ大会で成し遂げた元体操日本代表の岡部紗季子、当時流行していたクロスフィットトレーナーのAYAなどが代表的選手といえる。そして第12回にして本家SASUKEでも1stをクリアした大嶋あやのが久々に完全制覇した。
人間解析ドキュメント zone / バース・デイ
プロスポーツ選手やアスリートへの密着取材を行い、それを放送するドキュメンタリー番組。
zoneの頃はスポーツマンNo.1決定戦やSASUKEの舞台裏映像や未公開シーン特集、さらには各選手の素顔に密着した回や、第12回大会での「山田勝己手袋事件」の全貌、長野誠の身体スペックを精密検査する企画などが放送された。
バース・デイ移行後はスポーツ選手以外も密着対象に拡大したほか、球団から戦力外通告されたプロ野球選手たちの動向を取材する「プロ野球戦力外通告」シリーズが特番として派生したが、zone時代のようなSASUKE関連の動向は一切放送されなくなった。
しかし2021年に岩本照(Snow man)、そして森本裕介のSASUKE選手としての面を取材した回が放送されて以来、SASUKE放送シーズンが近くなると再び特集が放送されるようになった。
BODY / サスケマニア
こちらもスポーツドキュメンタリー番組。
ただしSASUKE、KUNOICHI、スポーツマンNo.1決定戦に絞った内容となっており、実質的には上記のzoneから筋肉番付系の要素を独立させた形となっている。
主に第2期の終わり~第3期の中頃まで放送され、番組への参加をかけた予選会やトライアウトの模様を放送していた。
海筋肉王 ~バイキング~
TBS……ではなく
フジテレビ系列で2005年~2007年に放送していた筋肉番付シリーズっぽいスポーツバラエティ番組。
坂上忍の「これってさあ、パワハラだよね~?」でお馴染みお昼のワイドショーとは無関係。
MCは体操のひろみちお兄さんこと佐藤弘道と海外系タレントのボビー・オロゴン。
レギュラー放送ではどう見てもストラックアウトな「GOLDEN BUSTER」やどう見てもキックターゲットな「NUMBER HUNTER」などの競技を行っていたほか、
スペシャル放送では3~5個のステージに分かれた巨大アスレチックに100人の挑戦者が挑むというどっからどう見てもSASUKEとしか思えない企画を放送。というか個人戦第2弾ではSASUKEオールスターズから長野、山田、山本、秋山が出場し、番組内でもSASUKEの有力選手であることにガッツリ触れられていた他、「タコ店長」倉持稔や「ハンググライダー男」原島雅美、「魅惑の立体造形家」青木保夫などの盛り上げ役でおなじみの面々もちゃっかり出場するなど、ほぼいつものSASUKEみたいな状態だった。あまりのまんまっぷりに当時ある新聞のコラム欄に苦言が載ったという話もある。
実はこの番組、第4期の項で触れたかつてSASUKEシリーズを制作していた会社の「モンスター・ナイン」が全面的に製作を担当していた。
当時TBSでは黄金筋肉が視聴率低下による打ち切りを喰らい、またモンスター・ナインを立ち上げたプロデューサーが退社してフリーになった後だったため、実質的にスタッフごと番組が局を移籍した形になったのがこの番組だった、という訳。そのため筋肉番付で特集されていた「筋肉ミュージカル」もこちらの番組が引き継いでいる。
ただしSASUKEは引き続きTBSでシリーズ展開が続けられたほか、本家ストラックアウトやキックターゲットも「筋肉王国スペシャル」という名前でTBSで放送されていた。
スペシャル版巨大アスレチックのSASUKEとの違いはずばりモチーフで、SASUKEが忍者や森なのに対しバイキングは海賊、そして海であること。
最初に挑戦する 1st MARINE STAGE はそれ自体が1つの巨大な帆船のような構造となっており、自分でロープを柱に投げて引っ掛け渡る「スイングマスト」や投げ込まれる荷物をキャッチする「ローディングドック」、巨大な舵輪をよじのぼる「キャプテンキャビン」のようなエリアが印象的。
また、純粋な身体能力を競うSASUKEとは異なり、2桁の足し算を行う「パーレイ」や規定秒数でタイマーを止める「バイオクロック」などの頭脳力やセンスを要求するエリアや、SASUKEに先駆けて潜水して進むエリアが登場するなど、変化球が多いのも特徴。どちらかと言えば筋肉番付時代のエリアトライアル競技に近いと言える。
中にはステージ丸ごとがアスレチックではなく、指定されたランダムな数字列を暗記して解答し、間違った桁数が多いとリタイヤとなる「BRAIN SHIP STAGE」など大掛かりなものも存在する。
SASUKEからの輸入エリアも存在し、予選会の第1エリアにまんま五段跳びが「ニンジャ」という「お察しください」がすぎる名前で設置されたり、5連ハンマーが全長50mの「ハンマーロード」として登場したりした。
逆にバイキングからSASUKEへの逆輸入エリアも存在し、一例として「キャノンボール」がそのまま「スピンブリッジ」として、「ハートブレイカー」の一番難しい跳躍部分のみが「スパイダーフリップ」として導入されている。
DOORS
TBS系列で2005~2009年まで放送されていた巨大ゲームアトラクション番組。
MCは福澤朗とナインティナインの2人で、福澤は実況を、ナインティナインはテストプレイヤーを兼任。
いくつものドアとその先に広がるアトラクションからなる巨大遊園地DOORSに参加者たちが挑戦する。
第1回はチームで挑戦し4エリア全8個のROOM(アトラクション)をクリアすれば完全制覇というSASUKEのようなルールだったが、
第2回以降は主に芸能人が単独で挑戦、参加したアトラクションの成績で得点を獲得し、総合成績が高かった者同士で決勝アトラクションを行い、勝者が優勝となるスポ1風のルールとなっている。
上記バイキングとは反対に、こちらは上述した第5期以降のSASUKEに制作協力しているチーム「フォルコム」が担当する番組。
第1回のエリアからして、ジャングルの遺跡→工場地帯→奈落に建つ城→天空とSASUKEのステージとモチーフが似通っていたりするが、これはSASUKEの立ち上げにも関わった総合演出・乾雅人の趣味で
天空の城ラピュタが元ネタとのこと。
代表的なアトラクションは不安定な一本橋を自転車で渡る「ムーンバイク」「ウォーターバイク」や、高さ15以上の超高度から鉄球を落とし、地上に立てられた筒の中に入れる「ヒュースポン」など。
また、ほぼ必ず第1アトラクションは制限時間内に複数の難関を突破してゴールを目指すSASUKE形式のアトラクション「ジャングルアドベンチャー」で、この中で登場した回転する筒から飛び出た障害物を避けて渡る「ローリングサボテン」はより巨大化した上で「ヘッジホッグ」として第5期に逆輸入されている。
余談
三味線や和太鼓、掛け声が印象的な当番組のメインテーマは、ロックバンド六三四が演奏した「柳生外伝」のテーマ引用である。
アニヲタ的にはアニメ版の
NARUTOの劇伴を担当したバンドと言えばなじみ深いかもしれない。和風ロック好きはぜひチェックしてみよう。
我こそは鋼鉄の魔城を追記・修正できるという者 大募集中!!
ご参加はページ上部の修正フォームから
- 昔コロコロコミックでこれをモチーフにした短期集中連載漫画があったんだけどそれがまた結構面白かったなあ(実際に好評だったようで、その後は同じ作者によって筋肉番付のタイアップ漫画が本格的に連載開始した) -- 名無しさん (2025-02-08 06:21:52)
- 長野さんの記載ミス、あの人は7と8にも出てるから初挑戦3rdじゃねーっすよ -- 名無しさん (2025-02-08 07:16:57)
- 外国人が参加したらあっさりクリアする回が衝撃的だったな -- 名無しさん (2025-02-08 07:44:54)
- ↑2 ありがとうございます、修正しました -- 建て主 (2025-02-08 07:51:04)
- SASUKE出れるわ…ッ!!(アクロバティックにトリックの準備をしながら) -- 名無しさん (2025-02-08 07:59:04)
- 初期のSASUKEを見ると今のに比べてとても簡単そうに見える。まあこういうのはだんだん難しくなっていくものだから仕方ないけど。 -- 名無しさん (2025-02-08 09:04:08)
- ↑5確か勝ち残った出場者が宇宙飛行士?に選ばれたやつだっけ?面白かったよね -- 名無しさん (2025-02-08 09:44:45)
- nao -- 名無しさん (2025-02-08 11:16:29)
- ミス、なお「SASUKE出れるわ」の連載当時SASUKEはまだ存在しない -- 名無しさん (2025-02-08 11:17:06)
- 単なる「サバイバルアタック」なだけじゃなくて「スポーツバラエティ」であるのもわりとミソで、見た目に反して「全員が1st突破」なんてのは制作側が全く求めてない(むしろ全滅したって構わんぐらいでやってる)から単に強いだけで出れるかと言われるとそうでもなくて無様に落ちる枠も求められてるっていう独特な競技でもあるんだよな -- 名無しさん (2025-02-08 15:06:41)
- 「1st」と「それ以降」の二部構成って感じなのよな尺的にも雰囲気的にも -- 名無しさん (2025-02-08 15:11:35)
- ↑↑と言っても一時期のSASUKEの低迷はギミックに初見殺しが多過ぎて1st突破できない人が多数になり流石に競技性が損なわれたことが原因と言われてるんで…攻略する側も作る側も本当に大変 -- 名無しさん (2025-02-08 16:39:45)
- ↑3Finalに辿り着けず全滅とか今でもザラにあるもんな -- 名無しさん (2025-02-08 22:58:44)
- なんなら最新の42回での公式の感想が「1stクリアしすぎだからリニューアル予定」な辺りプレイヤーがレベルアップすればするほど「落ちてもらう枠」増えるよなぁ…… -- 名無しさん (2025-02-09 01:45:43)
- ↑2むしろ番組側が3rd全滅を求めてるようにも見える。だから誰か一人でもFinalに行ったときのカタルシスがすごい。 -- 名無しさん (2025-02-09 03:43:44)
- ↑「ファイナリスト」にすらめちゃくちゃな重みがあるからな… -- 名無しさん (2025-02-09 15:06:11)
- >第8回のヨルダン・ヨブチェフ以来となる海外勢のファイナリスト →レネより先にリー・エンチがファイナル行ってなかった? -- 名無しさん (2025-02-09 23:37:55)
- 50手前で当たり前のようにクリフまで行ってる漆原は異常。40歳以降 -- 名無しさん (2025-02-09 23:48:40)
- 山田という一人の男を狂わせたと同時に、緑山の鋼鉄の魔城も狂ったっていう関係性の尊さ -- 名無しさん (2025-02-10 19:25:31)
- SASUKE的なのを自転車でやるやつ好きだったんだかもう復活せんのかな -- (2025-02-13 07:59:49)
- 記事には「5割以上は視聴者から公募された一般参加者」とあるけど、それは昔の話で、今はSASUKEタレントになった元一般人が内輪で盛り上がってるだけだよね。無条件で枠が確保されてるし、リタイアしても「次は」「また来年」と当たり前のように言ってる。当然のように次が確保されてて、その甘えがあるから常連組は誰もファイナルに行けず、一般から這い上がってきた宮岡がファイナルに行けた。 -- 名無しさん (2025-02-17 03:10:11)
- ↑キャラクター性が薄い人は出られないのでそのキャラクター性を確保されて番組存続に必要な人材だから出してるだけじゃん。甘えなんかじゃないよ -- 名無しさん (2025-02-17 12:35:31)
- SASUKEタレントを一般人に含めるかは諸説あるだろうけど、内輪で盛り上がってるのはSASUKEオールスターズなんて括りが出来た頃から変わってないしな。 -- 名無しさん (2025-02-17 15:00:30)
- 人材どうこうじゃなくて覚悟の話でしょ。出場枠が約束されているから「リタイアしてもまた次回やればいい」とファイナルへの意気込みを鈍らせる。実際、絶不調だった漆原はリタイアしたら引退という背水の陣でスランプ脱出したわけだしね。常連は無条件に出場枠を確保したりせず、むしろ常連だからこそ忖度せず「リタイアしたら次回は一般と一緒に予選から」にしてほしい。 -- 名無しさん (2025-02-17 15:35:30)
- 自分も以前はクリアできる見込みのない芸能人選手に似たようなこと思ってたけど、今はテレビ的にはそういう人も大切だって思えるようになった。競技である以前に興行だからね、固定ファンを持つ常連選手の存在は大きい。弱肉強食の構図は予選会でYouTube配信してるし、むしろ今のSASUKEは昔に比べるとガチ感と興行のバランスにかなり気を遣ってる方だと思う。 -- 名無しさん (2025-02-17 16:24:17)
- 一定の年齢超えた選手は100人に含めない別枠にしてYouTubeで流せばいいのにな。今更山田や松田が出たところでクリアできないのは分かりきってんだし。ウェイトリフティングの鳥澤克秀も枠使わずNo.0として始球式みたいな扱いでやれば枠も無駄に使わんで済むのに。 -- 名無しさん (2025-02-18 06:43:47)
- まあその辺は総合演出家が「3rd行ける奴だけを出してる訳じゃない」って明言してるし、クリア出来ないなら枠の無駄って考え自体が番組の趣旨と合ってないんだろうな。それはそれとして、ギラついた一般参加者がもっと観たいのはあるけど -- 名無しさん (2025-02-18 11:20:03)
- SASUKEはガチガチの競技という側面だけでなく「スポーツバラエティ」って側面があるから「TVに映って映える」人のがよっぽど重要視されてるのはそこらかしらで語られてるからな。というかワールドカップ辺りでの海外勢の興奮とか考えたら口が裂けてもレジェンドを枠の無駄なんて言えるわけがないしそりゃ番組の存続考えたら出し続ける一択なんよね。 -- 名無しさん (2025-02-18 11:24:02)
- ↑レジェンドチームは若い海外選手には伝わらなくて白けるんじゃないかと思ってたけど、始まってみたらみんな大興奮でそれぞれにファンを公言してる人もいたりで嬉しくなったな。 -- 名無しさん (2025-02-18 12:22:02)
- つべのコメント欄でもかなりの頻度で言われてるが、常連多すぎて新規が入る余地がないのは由々しき問題だな。あれだけのポテンシャル持った宮岡を10年落とし続けたのは無能の極み。 -- 名無しさん (2025-02-18 22:18:21)
- ↑キャラクター性が足りてるかってのは重要だからむしろ10年落としたからこそだろ。予選会勝ち上がれないなら仕方ないんだし -- 名無しさん (2025-02-18 23:45:53)
最終更新:2025年02月18日 23:45