野比のび太郎

登録日:2025/02/12 Wed 23:49:02
更新日:2025/03/07 Fri 19:23:19
所要時間:約 4 分で読めるよ





のび太じゃないよ!


ぼく、のび太郞だよ!


野比 のび太郞とは『ドラえもん』に登場するキャラクターである。



【概要】

野比のび太の遠い親戚であり、その容姿は彼と全くの瓜二つ。
あまりに容姿が似すぎているせいでドラえもん達はおろか、お互いの母親同士にも間違えられている。最近になってのび太達が暮らす町に引っ越してきたらしい。
なお、のび太とのび太郞はお互いに相手の存在を知らなかったが、一方でそれぞれの母親同士は面識があったらしく、お互いに親しげに挨拶を交わしていた。


ここまで読んでみて「あれ?ドラえもんにそんなキャラいたっけ?」と思った方は正解。


厳密に言うと、のび太郎は『ドラえもん』そのものに登場していたわけではなく、そのスピンオフ作品である『ドラミちゃん』に登場していたキャラクターなのだから...

【人物】

性格は怠け者なのび太とは正反対

わざわざ、夏休みの遊ぶ時間を削ってネッシーが実在するという証拠の資料を作成し、否定派のズル木に討論で真っ向勝負を挑んだり、ドラミのひみつ道具の力を借りて日本からサンフランシスコまで海底をハイキングするという、いわゆる【太平洋徒歩横断計画】なるものを実行するなど、非常に利発で行動的で知的好奇心も強い*1

のび太とは異なり泳ぐこともでき、それなりに運動神経は高い。さらに美意識も自分の顔を漫画みたいと自虐していたのび太よりかは高く、ドラミが改造した自身そっくりの中古ロボットを見て、自分はもっと美男子だと文句を言っていた事もある。

その他にも、家の門構えが豪華だったり、のび太郎の部屋にベッドがあったりと、のび太の家に比べるとやや金持ちな風に描かれている。

ただし、学力の低さや歌唱力の低さ、要領の悪さといったのび太との共通点も少なからず存在している。恐らく、いくらのび太との差別化を図るとはいえ、彼が優秀すぎるとドラミやひみつ道具の出番がなくなってしまうと考慮されたものと思われる。

【人間関係】

●ドラミ
ひょんな事から、のび太郞の事を気に入って彼の家で居候している猫型ロボット。
のび太とは異なり、彼女の事はちゃん付けではなく、ドラミと呼び捨てにしており、より相棒らしさが増している。ドラミからはのびちゃんと呼ばれている。
のび太郎はドラミの優秀さを大きく買っているが「くそまじめなところが欠点」とも評している。

●野比のぶ子
のび太郎の母親で、『ドラミちゃん』における玉子ポジション。茶髪のショートヘアで眼鏡はかけておらず、結構美人に描かれている。
玉子に比べると少々落ち着いた性格で、ヒステリックな場面を見せることは少ない。

●パパ
名前は不明。のび太郎の父親で、『ドラミちゃん』におけるのび助ポジション。
前髪が伸びた髪型をしており、またほうれい線にシワがあったりと、のび助に比べるとやや年配な印象を受ける。また運動音痴だったのび助とは対照的に、学生時代は野球部のピッチャーで、雪合戦が上手かったりとスポーツ万能な描写がなされている。
「地底の国探検」のラストのみ、単行本収録時の差し替えが行われていなかった。

●みよちゃん
『ドラミちゃん』における静香ちゃんポジションの女の子。髪型は茶髪のショートカットで、静香に比べるとやや活動的な印象を受ける。
名字は不明。のび太郞とはクラスメートであり、植物採集が好き。
一方で静香ちゃんと同様にバイオリンは苦手らしい。 
静香ちゃん同様にのび太郎が憧れるクラスメイトだが、今作ではドラミがヒロイン役も兼ねているため出番は少なめ。
なお、『ウメ星デンカ』と『キテレツ大百科』に同名の少女がそれぞれいるが、どちらとも全く顔が異なる(おさげがなくて髪色の淡い静香といった感じ)。

●カバ田
『ドラミちゃん』におけるジャイアンポジションのガキ大将。
名前が本名かは不明。あだ名の割にはそこまでカバに似ていないし、他にも「ゴリブリ*2」というイジメとしか思えないあだ名で呼ばれたこともある。またジャイアンよりも小柄な体型で、ズル木とそれほど身長は変わらない。そのせいで単行本収録時の差し替えの際にやけにチビなジャイアンが生まれている。おまけに家も商店ではなく、普通の一軒家。
ちなみに古い版の単行本では見た目はジャイアンに修正されている一方で台詞が修正されておらず、真夜中にカバ田の家から剛田親子が現れるという珍妙なワンシーンを拝める。
ジャイアンの名言である「いつかえさなかった!?えいきゅうにかりておくだけだぞ。」は元々は彼の発言だったりする。

木鳥高夫(きどりたかお)
『ドラミちゃん』におけるスネ夫ポジションで通称は「ズル木」
主要な友人3人の中では唯一、本名が判明している。おまけにスネ夫と体格が違い過ぎるという理由で*3単行本収録時にもキャラ差し替えが行われていないため、彼の知名度はみよちゃんやカバ田...どころか、下手すればのび太郞よりも高かったりする。よって、のび太とのび太郞の双方のライバルとも言える。
性格面はスネ夫そのものだが、頭脳はスネ夫よりも上でロボット養成学校の優等生だったドラミにも『ズル木さんってかなり頭がいい』と言わせるほどでネッシーが実在するか否やについて、のび太郞と論戦を繰り広げた事もある。
ただし、根は小心者な上に喧嘩も弱く、カバ田の暴力や恫喝の被害に度々遭っている。ちなみにカバ田の理不尽な暴力に遭うのはのび太郎ではなくズル木のほうが多かったりする。
アニメ版では登場シーンがスネ夫に差し替えられている。
ゲーム作品では「ドラえもん3 のび太と時の宝玉」に登場。アニメ版がベースの作品なので、アニメ版チックな彼の顔を見ることができる。セリフもあるがテキストなので、残念ながら声優は付いていない。

余談だが、スネ夫の方も元が『ドラミちゃん』のエピソードに全く登場しないわけではなく、単行本収録時に遭難者を見つけるシーンが追加されたり、モブの少年の顔がスネ夫に書き替えられていたりする。ただし、ズル木とスネ夫が共演した事はない。

戸手茂(とても)できる
『ドラミちゃん』における出木杉ポジションだが、出番はかなり少ない。
その名の通り、成績優秀で特技は歌。
何気に彼もズル木同様に単行本収録時の差し替えは行われていなかったが、アニメ版では登場シーンが出木杉に差し替えられている。

【余談】

  • 前述のように『ドラミちゃん』の話は『ドラえもん』の単行本に収録される事が決定された際に登場キャラは『ドラえもん』の登場キャラに差し替えられるか、差し替えられずにそのまま登場させるかに分かれたのだが、のび太郞の場合はあまりにものび太と容姿が似ているためか、容姿は変えずに台詞の一部は書き直すという珍事も起こっている。

  • 『ドラミちゃん』のエピソードで最初にコミックスに収録されたのは「海底ハイキング」であり、コミックス4巻に収録されている。直前の挿絵ではドラえもんがスイッチを切られて休んでいることになっており、代わりにドラミがのび太の世話をするという形になっている。が、開幕からジャイアンがチビだったり、スネ夫みたいな知らない奴がいたりとツッコミどころ満載だったのは言うまでもない。その他、コミックスに収録されたエピソードは「テレビ局をはじめたよ」「山奥村の怪事件」「ウラシマキャンデー」「地底の国探検」「ネッシーが来る」「とう明人間目ぐすり」。

  • 単行本では差し替えが行われてなかったズル木やできるもアニメ版では差し替えられていた事を考えると今後、のび太郞がアニメ版に登場する可能性はかなり低いと思われる。

  • ドラえもんファンなら、のび太郞を全く知らない場合でも一度は元々、彼が登場していた話を読んだ事があるはず。分かりやすく言うなら、単行本にて主人公であるドラえもんが登場しない回は全て『ドラミちゃん』のエピソードである*4。アニメ化された際には差し替えだけではなくドラえもんも登場させるように改変されている*5

  • キャラが差し替えられる前ののび太郎たちが登場するバージョンは、現在では藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』第20巻で読むことができる。何気にのび太郞の初登場回でのび太との対面とドラミがのび太郞の家で居候するきっかけとなったエピソード「じゅん番入れかわりき(大全集目次では「じゅん番入れかわりそうち」名義)」はここでしか読めない。


ドラミ、追記・修正は任せたよ。



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最終更新:2025年03月07日 19:23

*1 ただし、のび太の方も時折聡明な一面を覗かせたり、興味のある方面に関しては行動的で知的好奇心の強い面も見せている

*2 恐らくゴリラとゴキブリを合わせたものだと思われる

*3 ズル木の身長はカバ田並みに長身

*4 そのため、やけにのび太が行動的だったり、のび太の部屋にベッドがあったり、野比家の門構えが違ったりしていたため、不思議に思っていた人もいたんだとか。

*5 ただし、サブキャラ的な扱いに回されて「定期検診」などを理由にのび太やドラミ達とは別行動を取る場合が多いので他のエピソードより出るシーンは少なめ。例外的に「テレビ局をはじめたよ」の場合はドラミとの喧嘩が発展して対決形式になっていた。