This House of Dreams

登録日:2025/04/03 (木曜日) 01:05:00
更新日:2025/04/17 Thu 10:06:51
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This House of Dreamsは、2012年に建てられたサマンサというアメリカ人のブログ……という体裁を取るノベル。

レメディー・エンターテイメントの作品間で共有される世界観「RCU(レメディー・コネクテッド・ユニバース)」に連なる作品であり、『Alan Wake』シリーズや『Control』シリーズの伏線が多く含まれている。

なおこのブログは『Control』や『Alan Wake Ⅱ』でも言及される。

ストーリー

2012年、アメリカ合衆国メイン州オーディナリーの新しい家に引っ越してきたサマンサは、その家の屋根裏で奇妙な靴箱を発見する。

靴箱には多くの詩が書かれた原稿と、ダイバーらしき男性と恋人らしき女性が写った写真が二枚入っており、奇妙なことに二人の顔はインクで塗りつぶされていた

それ以降、サマンサは悪夢を連日見るようになり、数々の超常現象に遭遇することになるのだった……。


登場人物

◎サマンサ・"サム"・ウェルズ

ブログ主の女性。メイン州オーディナリー在住。
2012年2月22日に新居を購入すると同時にブログを始めた。

2月5日に新居の屋根裏で奇妙な靴箱と、中に入っていた写真と詩の原稿を手に取ってから数々の超常現象に遭遇する。
原稿は文字が崩れていたり滲んでいたりするのだが、彼女がメッチャメチャ頑張って書き起こしてくれている

最初は恐怖に怯えるだけだったが、やがては自分の家(This House)平凡な日々(Ordinary)を守るために抗う決意を固めた強い人。

ファミリーネームが「ウェルズ」であることは『Control』でようやく判明する(研究セクターのホワイトボードに書いてある)。

+ ...
7月29日にゼインの夢についてアップしたのを最後にブログの更新が止まるが、その後の動向は不明。
後述のFBCとの約束に応じただけかもしれない。

◎アンドレア、ジェン

サマンサの友人達。言及のみ。

◎ジョス

近所の友人。
5月30日に「闇に支配された者」を目撃したサマンサから助けを求められて家に駆けつけてくれた良い奴。

T/トーマス・ゼイン

靴箱に入っていた詩の作者である「詩人にしてダイバー」。
合計で18枚もの詩と2枚の写真が登場する。
7月29日にサマンサの夢の中に現れ、自身が超常現象生命体と化した経緯を語る。
+ ...
肉体を「ブライト・プレゼンス(光の存在)」に明け渡し、ゼインの魂は「マスターポエム」という特別な詩によって生み出された別の宇宙に避難し、ジャガーの魂と共に平和に過ごしているとのこと。


B/バーバラ・ジャガー

ダイバーと共に写真に写っていた恋人らしき女性。
1970年の変貌世界事象で「闇の存在」の化身「引っかき女」となった。
原稿のメモにも度々言及されており、彼女が書いたと思わしきメモ書きもあった。

+ ...
ゼイン曰く彼女の魂は「マスターポエム」の宇宙でゼインと共に幸せに過ごしているとのこと。

E/エミル・ハートマン

詩の原稿のメモで時折言及される「アシスタント」。
+ ...
ジャガーが「闇の存在」となった元凶。

FBI捜査官/ロバート・ナイチンゲール

3月14日にサマンサの夢に現れた「FBI捜査官」を名乗る謎の男。
顔が黒いインクの煙により覆われていた。

その正体は『Alan Wake』にて闇の存在に取り込まれたロバート・ナイチンゲール捜査官だと思われる。

胸に付けたバッヂには「FBI」ではなく「AWE」と記されていた。

◎前の家主

サマンサの新居の以前の持ち主である女性。
アルツハイマーで老人ホームにいるが治る見込みは無い。
ガレージセールで様々な物を購入したとされるが靴箱を入手した手段は不明。

◎前の家主の娘

サマンサが前の家主についての情報を聞き出した人物。

アラン・ウェイク

黒髪のハンサムな男。古臭い肘当て付きの服を着ている。

5月30日にサマンサの夢に現れ、「支配された者」たちの襲撃を警告し、明かりをつけるように促した。

◎FBCエージェント

政府の機密機関「FBC(連邦操作局)」のエージェント。
7月22日にサマンサに接触し、ブログをやめることを条件に情報提供した。
また、消えた靴箱に執心しており、手に入れるためには手段を選ばないことを示唆した。

本作では「謎の組織」だったが『Control』にて正体がFBCだと判明した。

◎プール

In this hall of mirrors / built by liars / I’m a pale reflection of myself(この鏡の間は/嘘つき達によって建てられた/青白い虚像は自分自身だ)

MAX PAYNE』シリーズの作中作『Address Unknown』でも言及された詩人。

ゼインの原稿の中で彼の詩が引用されたが、その内容は『Address Unknown』でジョン・ミラが引用したものと一言一句同じ

超常現象生命体/余剰次元生命体


闇の存在(Dark Presence)

ジャガーの身体を乗っ取った超自然的な生命体。
知覚と音、驚異的な伝播力を持つ闇。

闇に支配された者たち(Taken)

「闇の存在」に支配され眷属と成り果てた人間たち。
+ ...
5月30日にサマンサにより家の外で目撃され、6月13日に遂にサマンサの家を襲撃して侵入した。
しかしサマンサは咄嗟にクローゼットに隠れたためやり過ごすことが出来た。

光の存在(Bright Presence)

ゼインを超自然的な存在に変えた生命体。
知覚を持ち闇を焼き払う光。
1970年の変貌世界事象でゼインの身体を乗っ取った。

変貌アイテム/パワーオブジェクト

◎原稿

書かれたことが現実に反映される詩の原稿。
『Alan Wake』本編と違い既に起こったことが記されている。

また、アランの小説のタイトル案の原稿も登場し、『イニシエーション』というタイトルが『Alan Wake Ⅱ』に11年も先んじて登場していた。

◎靴箱

次元を超えて中に入れた物を転送出来る靴箱。
1970年の変貌世界事象以降、世界中の一部の靴箱が変質した。
『Alan Wake Ⅱ』では『バイオハザード』のアイテムボックスのような役割となる。

◎古い電気のスイッチ

3月14日に一度消えたあと、7月22日に再び出現した靴箱の中に入っていた古い電気ランプのスイッチ。

『Alan Wake』シリーズでお馴染みのパワーオブジェクト「クリッカー」の亜種と思わしきアイテムで、サマンサがダイヤルを回してスイッチを入れると家中の電気が消えた。

余談

  • Alan Wake's American Nightmare』のテーマソング「バランス スレイズ ザ デーモン」のとある部分を逆再生すると「It will happen again, in another town, a town called Ordinary(それはまた起こるだろう、別の町、オーディナリーと呼ばれる町で)」という本作の出来事を示唆する隠しメッセージがある。


  • 『AWE』という単語には「変貌世界事象(Altered World Event)」と「アラン・ウェイクの経験(Alan Wake Experience)」の2つの意味が隠されている。

追記、修正は平凡(オーディナリー)な日常を取り戻してからお願いします。


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最終更新:2025年04月17日 10:06