ジョン・ミラ(レメディー社作品)

登録日:2024/08/27 Tue 22:55:00
更新日:2025/07/11 Fri 09:55:28
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俺はそこには行きたくない。どうしてもそこだけは行きたくないんだが、結局最後はそうなっちまうんだ。
ピンクのフラミンゴと話しているのは俺じゃない。
何か特別なことを知っている誰かだ。
奴はそこにいるが、俺は物陰に隠れて様子を伺っていた。
そしてフラミンゴにこう言うんだ。

フラミンゴ:「鏡ハTVヨリ楽シイヨ!」
ジョン:「テレビより面白いのはさ」

理由(わけ)は聞かないでくれ。
そしてもう一人の俺が、何か面白い物でも見たように作り笑いをする。
突然、そこに俺が隠れていることに気付き、振り返った二人は冷たい目で俺を見る。
フラミンゴはまたこう言った。

「堕天使ノ肉!」

いったい、何を言っているんだ。
そして白い病院でベッドで縛られた俺は、いつも自分の叫び声に起こされる。

──ジョン 『Address Unknown』より抜粋


ジョン・ミラ とは、『MAX PAYNE』シリーズ及びレメディー・エンターテイメント作品間で共有される世界観「レメディー・コネクテッド・ユニバース(RCU)」の登場キャラクター。
  • 演者
    • 演:サム・レイク
    • 声:グレゴリー・シムズ

【概要】

『MAX PAYNE』及び『MAX PAYNE 2:THE FALL OF MAX PAYNE』の作中作Address Unknown 』に登場するヴィラン。
妄想症と幻聴・幻覚に苦しむ主人公ジョンの悪のドッペルゲンガーにして鏡の向こう側に広がるニューヨークの代替現実「ノワールヨーク・シティ」の支配者、そして 殺人鬼
ジョン曰く「悪魔の化身にして堕天使」

黒ずくめの服装にサングラスを身に付け、ナイフを持ち歩いている。
因みにジョンは茶髪の白人であり、ドッペルゲンガーであるミラも同様。
更に付け加えると、演者の都合で前作のマックス・ペイン及びRCUのアレックス・ケイシーともドッペルゲンガーになっている。

同じく鏡の世界の住人である「ピンクのフラミンゴ」と仲が良いらしく、行動を共にする。
なおフラミンゴは逆再生のような独自の言語を発話する。

ニューヨークシティでは連続殺人犯として知られているが、ノワールヨークシティでは権力者であり、「ピンクバード精神研究所」を所有している。

作中では「ジョンのガールフレンドを殺害した犯人」とされており、その真相究明が物語の主題となっている。

【能力】

  • 次元間移動
ノワールヨークシティとニューヨークシティを自由に行き来できる。

  • 現実改変
ノワールヨークシティは彼が殺人を犯す度に地形が変化する。

  • 超自然犯罪
人々を次々に不可解な手口で殺害する。

  • 支配
人々を殺害し自分の配下にできるようで、作中ではジョンのガールフレンドを髪を赤く染めたストリッパーに仕立て上げノワールヨークシティで働かせていた。

  • ピンクのフラミンゴとの意識の共有
相棒たるピンクのフラミンゴとは意識を繋げており、フラミンゴが見たものはミラも見ることができる。

総じてRCUのメインヴィランであるミスター・スクラッチを彷彿とさせる。

【『Address Unknown』での活躍】

・『Max Payne』

項目冒頭のジョンのナレーションにより言及される通り、悪夢にピンクのフラミンゴと共に現れてジョンを精神的に追い詰めていた。

また、ナレーションの裏でミラの邪悪な笑い声が流れている。

・『MAX PAYNE 2:THE FALL OF MAX PAYNE』

ジョンのガールフレンドを連れ去り、「ノワールヨークシティ」に逃げ込む。

連続殺人犯であるミラは自分の罪をジョンに擦り付けることを考えつき、安モーテルに隠れていたジョンに手紙(恐らく脅迫状)を差し出し、ガールフレンドを助けに来た彼をノワールヨークに引き込んだ。

その後、ジョンの行く先々を殺害現場に仕立て上げて彼を翻弄した。

やがてジョンのガールフレンドを殺害して自分の配下(赤髪のストリッパー)に作り変え、彼女に公衆電話で電話をかけさせてジョンをナイトクラブ「ピンクフラミンゴ」に誘い出した。

その後、ノコノコやってきたジョンの姿を意識を共有したピンクのフラミンゴを介して確認し、ナイトクラブに手下達を派遣して捕らえさせ、ピンクバード精神研究所に収監した。

最終的にジョンはミラが支配するピンクバード精神研究所から脱走することに成功するが、「 ガールフレンドを死に追いやったジョン・ミラの正体はジョン自身であった 」という、20年後に発売されることになる『Alan Wake Ⅱ』のアラン編に酷似した結末であった。

・本編での活躍

モナ・サックスが隠れ家にしていた『Address Unknown』のファンハウスにて等身大パネルが登場する。

また、マックス・ペインの悪夢の中でも狂気や心の闇の象徴として現れ、最終的にはマックスの姿で現れて苦しめる。

【超自然的な存在?】

『MAX PAYNE』シリーズはクライムアクションゲームであり、超自然的な要素とは基本的には無縁である。
しかしシリーズ2作目である『MAX PAYNE 2』には超常現象を匂わせる要素が散見される。

マックスがデザートイーグルで頭を撃たれ昏睡状態となった際、彼が知り得ない筈のヴィニー・ゴニッチの最期やモナ・サックスとウラジミール・レムの攻防を「テレビの映像」として知覚する描写や、“脳に弾丸が埋まった者同士”で悪夢のなかで会話する場面はその最たる例である。

そのためマックスの悪夢に現れたミラの正体も、本当に超自然的な存在であった可能性もある。


【RCUでは】

レメディー・エンターテイメントは『MAX PAYNE』フランチャイズの権利を全て売却したため、『Alan Wake』などの以降の作品では直接的な言及は避けられているものの 間接的には言及され続けており、 特にアレックス・ケイシーはマックス・ペインと共通のフェイスモデル(サム・レイク)と声優(ジェームズ・マカフリー)により演じられ、服装や髪型、設定なども非常に酷似した 事実上の代替キャラクター として機能している。
しかしそんな中でも異例として直接的に言及されているのが『Address Unknown』関連の要素である。
  • 『Alan Wake』の作中作『ナイトスプリングス』のエピソードのひとつに『鏡の中の男』というものがあり、「 鏡の世界に潜むドッペルゲンガーが現実に現れる 」という『Address Unknown』を思わせる内容となっている。

  • 『Alan Wake』のDLC『シグナル』では、舞台となる闇の世界に「MIRRA WAS HERE(ミラはここにいた)」というメッセージが隠されている。また、DLCのシナリオ自体も「 ブライトフォールズの代替現実でアランが自分のドッペルゲンガーと戦う 」という『Address Unknown』を彷彿とさせる内容となっている。

  • This House of Dreams』では『Address Unknown』でジョンにより引用されたプールという人物の詩が、トーマス・ゼインにより引用される形で 一言一句そのまま登場 する。

  • Control』にはーシジェという 鏡の世界に潜むドッペルゲンガー が登場し、ミラと同様に逆再生のような言語を発話する。また、ジョンの幻覚として登場した「ピンクのフラミンゴ」も変貌アイテム「ピンクのフラミンゴ(AI46-KE)」として登場する。

  • 『Alan Wake Ⅱ』のアラン編は「ニューヨークの代替現実でアランが自分の邪悪なドッペルゲンガーにして殺人鬼であるスクラッチと戦う」という『シグナル』以上に『Address Unknown』を思わせる内容のストーリーとなっている。

これらのことから、 ノワールヨーク=闇の世界 はほぼ明確な描写となっている。


【余談】

ミラを 実写で 演じたサム・レイクはマックス・ペイン/アレックス・ケイシーのフェイスモデルとしても知られているが、ミラが登場する『MAX PAYNE 2』ではマックスのフェイスモデルが変更されている。
その代わりなのか同作にてサムは作中作のキャラクターとして頻繁に出演している。
『アドレス・アンノウン』では前述の通りジョンとジョン・ミラとして出演し、『ロード&レディ』ではバレンタインとその兄ジャック、彼らの母親「ママ」の三役を演じていた。


追記、修正はミラを発見してからお願いします。
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最終更新:2025年07月11日 09:55