登録日:2025/04/03 Thu 07:20:38
更新日:2025/07/22 Tue 16:35:14
所要時間:約 41 分で読めますよ
プロフィール
CV |
前田佳織里 |
誕生日 |
4/3 |
身長 |
157cm |
3サイズ |
B80/W58/H83 |
血液型 |
A型 |
星座 |
牡羊座 |
イメージカラー |
ライトブルー |
シンボルマーク |
大小二つの水滴。ハイライトには桜の花弁 |
趣味 |
観劇 |
肩書き |
後輩→演技派 |
編入前の学校 |
青藍高校 |
所属ユニット |
A・ZU・NA |
イメージカラーの「ライトブルー」は
渡辺曜と同じ色名だが、ブレードを見比べるとしずくの方が淡い色合いになっている。
概要
初登場は、アプリゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』のオリジナルキャラクター群「転入生」。
記念すべき部員No.0001のカードとしてスクフェス最初期から存在していた転入生で、その出自上Aqoursの誕生よりも前から存在していたキャラクターである。
それから時は過ぎ、ラブライブ!PDP……後の虹ヶ咲に繋がるプロジェクトが始動すると、「転入生」からこのプロジェクトに参加するメンバーを決めるファン投票にて2位に選出されたしずくは、同じく投票を勝ち抜いたエマ・彼方と共に新主役グループメンバーの1人へと昇格。
それに伴い設定がリファインされ生まれ変わったのが、『虹ヶ咲』のしずくである。
人物像
国際交流学科に通う1年生で、演劇部とスクールアイドル同好会を掛け持ちしている。
ダークブラウンのロングヘアーに赤いリボンで後ろをまとめている。瞳の色はライトブルー。
制服は上着のボタンは全て留め、夏服は紺のノースリーブジャケットをホワイトのブラウスの上に着る。
真面目で落ち着いた性格のしっかり者で、1年生を取りまとめたりツッコミ役としての役回りが多い。
舞台女優を夢見る演劇少女。
彼女にとって舞台で役を演じることはその人物の人生を生きることであり、演じた役の数だけ自分の知らない人生を生きることができる……という思いが彼女の原動力になっている。
元々は演劇部にのみ通っていたが演劇部部長の勧めもあってスクールアイドルとしての活動を舞台に活かせたらと考え同好会に入部することを決めた。
物語開始以前から同好会に所属していた5人のうちの1人だったが、諸々の理由で物語開始時点では演劇部に専念していた。
基本的に文武両道の優等生で、勉学においては特に語学力に優れている模様。
現代文・古文はもちろんのこと国際交流学科だけあって外国語にも力を入れており、ゆくゆくはそれぞれの国で書かれた「原書」を読めるようになりたいと語っている。翻訳ではなく、オリジナルの言語で読むことではじめて分かることがあると考えているためだ。
もちろん語学力だけでなく、様々な国の文化や価値観も知って、そうして得たものを芝居に活かしたいと将来への展望を語っており、それが国際交流学科を選んだ理由とのこと。
運動面についてもトップクラスとまではいかないもののダンス等が苦手な様子は見られず、基本的にだいたいのことはこなせる模様。
ただし球技だけは苦手……というより、ボールを扱うと
なぜか必ず顔面に直撃するという呪いめいた現象に見舞われる。
しかもこの呪いは「ボール」に限定されないようで、『毎日劇場』にて果林とエアホッケーで遊んでいたら
今度は円盤が顔面に直撃した。
うう……もしかして私、球技が苦手なんじゃなくて、まるいものそのものに縁がないんでしょうか……えーん!
???「……ガタッ」???「ちぃちゃん、ステイ。一旦座ろ?」
同好会の中でも特に努力家なメンバーで、自らに足りていないものを正面から見据え、その克服をしようと動くことが多い。
成長に必要だと感じたらどんなことにも挑戦する高い行動力も持ち合わせており、自ら同好会を離れて一人特訓に出ることも度々ある。
一方で困った時・悩んだ時は誰かを頼るより一人で考え込むタイプでもあるために、周囲が気づくまで一人で抱え込んでドツボに嵌ってしまうこともしばしば。
良くも悪くも親友の
かすみと対照的な人物と言え、共通点である「努力家」についてもかすみが
やりたいこと・今できることに全力で注ぎ込むタイプならしずくは
自分のためになると思えば苦手なことにも積極的にチャレンジするタイプで、やはり異なる方向性を持っている。
普段は冷静な性格で聞き手に回ることが多いが、演劇に関しては誰よりも熱い情熱を持っており、語りだすと止まらない。
同好会の仲間に限らず「スクスタ」では他校のスクールアイドル達についても演劇に活かせる個性を見ているようで、役作りの参考にしたりアドバイスを求めたり時には直接出演させてみたりと舞台が関わる時のしずくは普段の姿からは考えられないようなアグレッシブさを見せる。
その周囲を巻き込みながら自分の世界に引き込んでいく姿はせつ菜の『大好き』モードと通ずるものがあり、ついつい語りすぎてハッと我に返るところまで瓜二つ。
家は鎌倉にあり、実は毎朝5時起きでお台場の虹ヶ咲まで通っている。
それでいてかなり遅くまで活動することもある同好会と、これまたハードだと考えられる演劇部を掛け持ちしつつ成績も維持できているのだから凄い。
実家で飼っている愛犬オフィーリアは大切な家族で、本人曰く「妹のような存在」。
メインの舞台であるお台場と実家のある鎌倉が遠いせいか本編中に登場する機会は少ないものの会話の節々で様子が語られており、愛犬家としての一面がたびたび見られる。
『にじよん あにめーしょん』ではオフィーリアをお台場までお散歩に連れていったことも。……えっ大型犬を!?
「転入生」時代の設定
μ'sの奮闘が功を奏し、青藍高校から音ノ木坂にやってきた転入生。
青藍(せいらん)というだけあってか制服は濃紺のセーラー服。
登場当初は後頭部をほぼ覆い尽くすほど巨大なリボンが目印だったが、カードイラストを重ねる毎に徐々に小型化していき、最終的にスクスタ登場に当たってリデザインされた際には当初の半分ほどに落ち着いた。
性格・言動についてはスクスタ以降のものと概ね同様。ただし特に「てん☆ふぇす」内では敬語の使い分けがやや曖昧で、かなり砕けた物言いもしている。
同じ青藍高校出身の転入生達との掛け合いが多いものの「いつも一緒」というレベルで絡みの多い相手はいない代わりに上級生からも一目置かれているようで、演技が絡むと真っ先にしずくの名前が上がるなど本人のいない場で言及されることも多い。
「てん☆ふぇす」ではツッコミ・オチ担当の役回りが多く、PDP始動〜スクスタ開始前にあたる「すごい てん☆ふぇす」では当時天然キャラの面が強かったエマや今以上にボケが強烈だった彼方とトリオを組んで活動していたこともありツッコミ役に磨きがかかっている。……
が、そんなしずくも割と天然で、ペットボトルを開けてすぐフタを捨ててしまい後々困るなんて一コマも。
マイペースな上級生2人に対し1人だけ真面目な性格、ということもあって2人を引っ張る役回りも多いのだが、時折
妙なスイッチが入ってスパルタ化することがあり、彼方のお布団を
こっそり「倒れるだけで腹筋」仕様にするなんて割とえげつない真似に出たことも。
ちなみに辛いものは比較的平気な方らしく、エマ・彼方が口を痺れさせる激辛坦々麺を
爆速でかっこんで華麗に退店していった。
(か、かっこいい……)
活躍
スクスタ
せつ菜が主導していたかつての同好会には違和感を抱いてはいたものの、その正体を上手く言語化できず、せつ菜を支えることの出来ない自分に未熟さを感じていた。
そのため、本編開始前の時点では武者修行のような形で演劇部に専念し成長してから同好会に戻って来ようと考えていたのだが、自分のいない間に同好会が存続の危機に陥っていたことをかすみから聞かされ、「私が勝手をしていたせいだよね…」とその状況に責任を感じ急遽復帰する。
悩めるしずくのイノセント
ランジュが設立したスクールアイドル部。
部長であるランジュの非の打ち所のないパフォーマンスとミアの作曲が織り成すステージは、同好会とは歴然たるクオリティの差であった。
だが、完成度では劣るはずの同好会のライブが「部」のライブの最中であっても脳裏をよぎる瞬間があった。その違和感の正体を知りたいと思ったしずくは、実際に「部」の中でそれを確かめることを決意。しかし、それによって特に同好会それ自体を大切に思うかすみと対立してしまい、喧嘩別れとなってしまう。
ランジュが用意した「部」の環境は、同好会ではおよそ実現できないであろうものだった。トレーニング施設などの設備面はもちろん、ステージに関わる裏方スタッフもその一人一人がランジュ直々にスカウトしてきた一流のプロ。
そしてリーダーのランジュ自身がその高い実力を持って尚尽きることのない向上心により率先してトレーニングに励んでいる姿から、先んじて入部していた愛や果林達も触発されて向上心に満ちていた。
スクールアイドル活動をする上で、これほどまでに整った環境はそうないだろう。
ここにいれば、自分は今よりもっと成長できる。そう考えたしずくは、彼女らの中に混ざって猛特訓を積むことを決意する。
果たして、特訓の成果がランジュやミアに認められたしずくは、ソロパートを任せて貰えるようになる。
やはり部の環境でスキルアップした彼女のパフォーマンスは、「あなた」の目にもその上達ぶりが見て取れた。だが……
そんな「あなた」が抱く言いようのない違和感を、同じように隣で見ていたかすみが代弁する。
かすみん、先輩の言いたいことなんとなくわかりますよ
確かにすごかったです。ビックリするくらい歌もダンスも上手になってました。でも……
本当のしず子のライブは、もっともっと……
と、そこにしずくがやって来る。2人が自分のステージを見に来てくれていたことに気づいたのだ。
部での厳しい練習もあって自信がついたのだろう。しずくはやりきった表情で、パフォーマンスの感想を訊ねる。
「あなた」がその上達ぶりを褒めると、「自分でも、完成度が高いパフォーマンスができたと思います!」とやはり満足げだ。
だが。
そうかな?
かすみんには、しず子の声あんまり届かなかったよ
そう言って、かすみはそっぽを向く。
意外な反応にしずくは「え?どういう意味?」と聞き返すが、「なんか、うまく言えないけど……いつものしず子じゃなかったんだもん……」と、答えるかすみも考えをうまくまとめられていない。
ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ。
私は部ですごく頑張ったの。
何度ももうダメ、って思ったけど食らいついたの
それなのに、そんなあやふやな言葉でごまかさないで!
かすみんはしず子みたいにいろんな言葉知らないけど、
しず子よりわかってることがあるもん!
次のゲリラライブ、観に来て!
しず子がわかってないこと、かすみんが教えてあげるから!
かすみの要領を得ない言葉に苛立ったしずくは、あんな風に言えるのは部の様子を見ていないからだ、自分の進む道は間違ってないはずだと自らに言い聞かせ、次のステージに向けて練習に励む。
その時、ミアがやってきた。しずくは早速、今回のライブについて意見を求めるが……
ああ、あの曲。アレ、次からは使わないから忘れて
え?どうしてですか?
もっといい曲を作るから、アレはいらない
そんな……
バズらない曲はいらないという考えを持つミアは、作った曲そのものには全く愛着を持っておらず、しずくがどれだけ曲に思い入れを持とうが「もっといい曲」が生まれれば躊躇なく使い捨てにさえする。
「あなた」なら絶対にしない曲の扱いに、しずくは少なからぬショックを受ける。
だが、やはり部の持つ環境は同好会では実現しえないもの。ここで頑張れば、得られるものはきっと大きいはず。そう信じて、しずくは練習を続ける。
そうして、かすみがしずくに来るよう言いつけた同好会のライブの日がやってきた。
会場にやって来ていたしずくは、かすみの言葉はどうせ負け惜しみだと思いながらも、内心では同好会と部との間で気持ちが揺れ動いていた。
そんな中、かすみのステージが始まる。
(あ、今、音が外れた)
(ダンスだって、きっと今は私のほうが上手いよ……)
部の厳しい練習でしごかれているしずくには、余計にそのクオリティの差は目立って見えた。
それなのに。
さあ、次の曲いきますよ〜!
かすみんの魔法、ちゃーんと効いてますか〜!
かすみは、ライブを観に来てくれるファン一人ひとりを見て、その一人ひとりに声を投げかける。
その姿が、しずくの胸を締め付ける。
部のやり方が、間違ってるとは思わない……
私だって、うまくなったんだよ……
できるようになったこと、たくさんあるの……
それなのに……どうしてこんな気持ちになるの……?
しずくは、その胸を強く抑えつけた。
うん……かすみさん、かわいい。一番かわいいよ
かすみさんにはわかってて、私にはわからないこと……あるんだ……
応援なんてするもんか、とすら思っていたしずくだったが、気づけばすっかり声を枯らしてしまうほどにそのライブに魅入ってしまっていた。
それはまさに「魔法」だった。観客一人ひとりを見て、それぞれに「今のかすみん、かわいいでしょ」「もっとかわいいって言っていいんだよ」と「心の声」を歌声に乗せる。ファンみんなをまっすぐ見てくれるから、かすみのステージはより身近に感じられ、ますます彼女に魅了されるのだ。
かすみさんの……同好会のライブってすごい……
でも、どうしてなんだろう……?
ついこの間まで、私もあの中にいたはずなのに……
どうして私にはできないんだろう……
その後、部室に戻ったしずくはミアから新たな楽曲のデモを、ランジュからもその楽曲用の演出プランを渡される。そのどちらも非の打ち所のない、素晴らしいものだった。
しかも、その曲はしずくのためのものだという。遂に念願だったソロ曲を歌わせて貰える。ランジュや部に参加しているプロ達からそれだけの期待を寄せられる存在になれたのだ。
(なのに、どうして……どうしてかすみさんのライブを見たときのような感動がないの?
どうして心に響かないの?)
聞けば、その曲はしずくの特性に最もマッチするものだったから、しずくの得意分野を活かせる曲だったから、「結果的に」しずくの曲になったのだという。
何度見直しても、曲もテーマやストーリーも素晴らしい。プロがプロとして、最高の仕事をしてくれたもの。なにも間違っていない。
なのに……かすみの見せたあのステージが、頭から離れない。
昨晩から幾度も繰り返している疑問。
それを解き明かそうと、しずくは「あなた」に、同好会の曲はどう作っているのか改めて訊ねることにした。
「あなた」は、曲を作る時は同好会のみんなのことを思い浮かべながら作っていると答える。
同好会のメンバーそれぞれの魅力……例えば歩夢なら頑張り屋さんなところ。かすみは「なりたいもの」に向かってまっすぐに頑張るところ。しずくなら、自分の理想に一途なところ。
そんな「あなた」がメンバーそれぞれに感じている魅力は、きっとそれぞれのファンも同じように感じてくれているはず。だから、曲にはそれを歌うみんなの「魅力」をぎゅーっと詰めて作るのだという。
それを聞いて、しずくには思い当たる出来事があった。
曲作りについて相談したはずなのに、気づけばインタビューかと思うくらいしずくのやりたいことや思ってることを聞き出された。
その中で、一つだけ「絶対にブレない気持ち」を見つけたこと。
先輩は、本当に私のことを思って曲を作ってくれました……
そのことが嬉しかった。それでわかった。
同好会のライブは、「与えるだけ」ではない。「みんなと一緒に楽しむ」のだ。
同好会でしずくが作ってもらった曲にも、そんなしずくの、しずくを応援してくれる「あなた」やファンの人々の、みんなの想いが詰まっている。
とても大切なことを、いつの間にか忘れてしまっていた。
その後、「部」のライブに出演したしずくは与えられた曲を存分に表現し、そのステージはランジュはもちろんミアからも高評価だった。
しずくは、部に入ったからこそこれだけの成長ができたのだと2人に感謝を告げる。そして───
ランジュさん、次のパフォーマンスが楽しみと言ってくれましたね?
では、これから見てもらえないでしょうか?
私の全部を詰め込んだ歌を歌います!
そう言って、しずくは同好会のライブに飛び入り参加する。
みなさん、こんにちは。桜坂しずくです
私は演劇が大好きで、表現が大好きで、
まるでお芝居を見ているような、
そんなステージを作りたいと思っていました
私自身が物語のヒロインになって、
みんなに最高の物語を届けたい。
そう思いながら、ずっとやってきました
でも私、わかったんです。
私はただ、物語のヒロインになりたかったわけじゃないって……
私は……『あなたのヒロイン』になりたいんです
聴いてください、私の想いを。
そして、聴かせてください、あなたの心を──
『あなたの理想のヒロイン』
……歌い終えた後、しずくはかすみに謝罪する。
かすみさんの言ってること、正しかった。
私、自分がわかってないってこともわからなかったんだ……
そうだよね、しず子は全然わかってなかった
……今日、かすみんはしず子の「声」、聞こえたけど?
え?
だから!聞こえたって言ってるの!
かすみんが大好きなしず子のライブだった!
か、かすみさん……っ!
やっぱりまた仲良しになりたい!私のこと許してほしい!
それからの2人は、すっかりいつも通りだった。
しずくが部に行ってしまってからずっと2人を心配していた璃奈も、ほっと胸を撫で下ろす。
同好会に、「いつものしずく」が戻ってきた瞬間であった。
テレビアニメ
第1期
アニメでは8話で彼女にスポットが当たっている。
藤黄学園との合同演劇祭で披露するはずだった、虹ヶ咲演劇部が披露する題目の主役を降ろされたしずく。
そんな彼女を心配したかすみと璃奈が彼女に遊びに連れ出したりなどするが、彼女は大丈夫そうな自分を演技してしまう。
そしてその後、その不安げな姿を心配したかすみが探しに来るが、そんな彼女を前にしてもなおしずくは本音を隠そうとしてしまう。
……ごめんね、心配かけて。でも、私は本当に大丈夫!
オーディションだって──
じーーーー……。
……目、ちょっと腫れてるよ?
しず子が頑固キャラだってことはよーくわかったよ。でも……
そんな顔で必死に隠そうとしないでよ!私としず子の仲でしょ!?
そう問い詰めたかすみに、ようやくしずくは自分の苦悩を語る。
子供のころから、周囲とは違うことから避けられることを恐れた彼女は、自分を隠して周囲と同じ「いい子の自分」を演じるようになった。だが、そのうちに彼女は自分を出すことを恐れるようになってしまったのだ。
スクールアイドルや役者として自分を曝け出す必要があるなら、自分はそのどちらにもなることは出来ない。自分を曝け出して嫌われるのが怖い。
そう言って泣くしずくに、
かすみのグーパン(に見せかけたデコピン)とともに一喝が入る。
嫌われるかもしれないからなんだ!
かすみんだって、こーんなにかわいいのに、褒めてくれない人がたくさんいるんだよ!
しず子も出してみなよ!
意外と頑固なところも、意地っぱりなところも、本当は自信がないところも全部!
もしかしたら、しず子のこと好きじゃない人もいるかもしれないけど…!
私は!桜坂しずくのこと大好きだからっ!!
その喝破(この時、普段の一人称が『かすみん』であるかすみが、『私』と言っていることからも、かすみが本当にしずくのことを心配していることがわかる)で吹っ切れたしずくは、自分を曝け出す勇気を持てるようになり、再び演劇祭の主役になることが出来たのだった。
そうして幕を開けたしずくの舞台は大好評。
取材に来ていた新聞部のインタビューに、しずくは晴れ渡った笑顔でこう答えたのだった。
第2期
まるで夢のように……
思い描けばどんな自分にもなれる。
さあ、一緒に!
第1話で第2回SIFの開催告知PVを侑や璃奈と共に制作、オープンキャンパスで流すことに。
しかし制作陣の3人が総じて徹底的にこだわるタイプであったため、既に出来上がった映像を時間の許すギリギリまで煮詰めようとしていたことが遠因にもなって、悲劇が起こることに……。
その後ランジュが巻き起こした新たな風に呼応するかのように、QU4RTZ・DiverDivaと同好会内でユニット活動が活性化するようになると、しずくもユニットの構想を考えるようになり、
その構想について侑に相談を持ちかける。
彼女が考えていたのは、歩夢とせつ菜による『美女と野獣』をテーマにしたデュオユニットだった。
……が、その後ランジュが侑に向けて放った「今のあなたは同好会に自分の夢を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても、何も生み出してないわ」という言葉が、一人で勝手に妄想して盛り上がっていた自分にもそっくりそのまま当てはまっていると思いしずくは意気消沈。
ユニットのアイデアを畳もうとするが、話を聞いたせつ菜と歩夢の2人が、構想段階のアイデアノートを基に即興劇を演じてみることを提案。
2人ともセリフや話の流れを詳細に覚えているわけではなかったが、かえってそれがいい方向に働き物語は誰も予想のできない方向へと広がっていく。
その様子に居ても立ってもいられなくなり、気づけばしずくも「王子を野獣の姿に変えた魔女」として舞台に上がり、物語に加わっていた。
魔女さんも歌いましょう!
えっ?私も…ですか?
私たちがここにいるのは、そもそもあなたの魔法がきっかけなんだもの!
それはまるで、しずくという「魔女」がユニットのアイデアという「魔法」をかけてくれたことが、ここに3人を引き合わせた今この場所のように。
…ふふっ、お2人とも自由すぎます!
でも、その自由さが大事なんだと教えてもらいました
今日ここから、私たち3人のステージが始まります!
人間関係
年上には「名前+先輩」、同い年以下の相手は「名前+さん」。ただし彼方やエマなど特に親しい相手は年上でもさん付けで呼ぶ。年上やあまり親しくない相手には敬語、同い年以下の親しい相手にはタメ口。
後輩キャラということもあって勘違いされがちだが、
誰に対しても敬語というわけではない。
同学年〜2年生までの前では「しっかり者」としての面が強く出る一方、3年生の前では甘えん坊な一面が出がちになる。
だが特に彼方に対してはお世話を焼くことの方が多く、総じて「しっかり者だけど年相応な面もある、どこか妹のような後輩」といったところ。
観察眼に優れており、自分よりも周囲に目が行く場面が多い。
特に同好会の仲間たちについてはそれぞれの特徴や長所をよく捉えており、しずくによるモノマネはどれも「似てる」と評判。
各々の取りうる行動をかなり正確に予測してみせる場面も多く、周囲の行動を見越して動ける人物である。
その一方で自分のことに関しては疎い……というより捉えきれていないところがあり、「自分らしさ」がわからず思い悩むことも多い。
アニメ版で追加された「演技の道に入ったきっかけ」も含め、しずくの物語は自身の内面についての葛藤が多くを占めている。
デフォルトネームが無いため作中では「先輩」とだけ呼んでいる。
ハッキリしたコンセプトをステージに求めるしずくのスタイルもあって、作曲についてはもちろんステージ作りや果ては活動方針まで様々な相談をしており、「あなた」のアドバイスであれば何でも実行してみる程に信頼を寄せている相手。
スクールアイドルとしてだけでなく役者としての相談にも乗ってもらっており、役作りの参考になればとデートの口実にして「あなた」を連れ出し振り回すことも。
演技で「あなた」をからかって楽しむこともあるが、時々演技なのか、はたまた本気で恋しているのか掴みきれない言動も……。
とはいえ元々悩みの多い人物ゆえしずくの相談はどれも真剣なものであり、「あなた」もそんな彼女には真摯に応じている。
周囲を気遣って行動できるしずくの特徴は長所であると同時に「控えめで自己を優先できない」という短所にもなりえることを「あなた」は見抜いており、「もう少しわがままになったほうがいいくらいだよ」ともアドバイスしている。
やっぱり?侑先輩ならわかってくれると思ってました!
侑の項目にもある通り、1期ではほとんど交流がなかったが2期以降で触れ合うシーンが増えている。
侑が悩んでいた時には真っ先に隣に腰掛け頬をつついて励ましたこともある。
演劇部での舞台作りの経験をステージにも活かせるため裏方仕事を引き受けることも多いしずく。必然的に裏方がメインの侑と一緒に作業することも多く、特に映像制作や照明演出などについては侑から絶大な信頼を得ている様子。
一方でステージ全体のことについては侑の経験も大きいため、特にステージに求めるコンセプトがハッキリしているしずくはアイデアをより煮詰めていくため侑にアドバイスを求めることも多いようだ。
「自分以上に周囲のことをよく見ている人物」という点で侑としずくはよく似ており、また好きな物事に対する情熱の向き方もそっくりなため、しずくも彼女となら感性を共有できると信頼している模様。
歩夢は演劇にはあまり詳しくないものの、舞台について楽しそうに話すしずくのことも笑顔で聞いてくれるとのこと。
そんな優しく寄り添ってくれる歩夢の姿はしずくからも「身近なお姉さん」として映るようで、「歩夢さんといると、なんだか落ち着いて好きなんだ」と他の1年生達に語っている。
またその清楚なヒロイン然としたあり方から実は「身近で尊敬している人」として真っ先に名前を挙げてもいる。
……しかし、一緒に遊ぶ機会はあまりなかったようで、『校内シャッフルフェスティバル』後夜祭で公開されたスペシャルドラマでは璃奈・栞子の2人が「歩夢と遊ぶ中で彼女の意外な一面を知った」という話題になった際には、自分だけ歩夢との接点が少ないと思い気にしていた。
アニメ2期では同好会の中でも彼女とせつ菜に並々ならぬスター性を感じていたとのことで、SIFの前夜祭を演劇部で手掛けることが決まった際に思い付いたのが2人による新ユニットであった。
物語開始以前から一緒に活動してきた大親友で、かすみにとって最大の理解者とも言える存在。
しずくの物語は自らの悩みや葛藤と同時にかすみとの関係性もそれと同等以上に重要なテーマに据えられていると言え、ゆえにメインのシナリオでしずくにスポットが当たる回では必ずといっていいほどかすみも話に深く関わってくる。
スクスタでは再加入の時にかすみが真剣な面持ちで同好会を離れた理由を問いただしたり、離れたことを思い出して泣いたりとかなり心配していたところからもかすみから深く信頼されていた事がうかがえる。
同好会メンバーの中でも特に同期として長く一緒に頑張ってきたため、お互い口にせずとも本音を理解しそれぞれを思って行動することも多い。
「人物像」の通りなにかと対照的な2人ゆえ意見が合わず衝突することもしばしばあるが、それもすっかり慣れた様子で、ケンカを始めたかと思えば次の瞬間には元の仲良しに戻っている…なんて光景もいつもの事である。
かすみの持っている、逆境の只中にあっても信じた道を貫き通す決して折れない不屈の心は自身にはないものだとしずくは感じているようで、その眩しい姿を隣で見てきたゆえに自分でも気づかない内に劣等感を抱いてしまうこともあり、スクスタにてかすみに反対されると分かっていて尚「部」へ行く決断をした理由もこれが大きい。
その後もかすみには負けられないという強い思いを度々語っており、虹ヶ咲のメインテーマである「仲間だけどライバル、ライバルだけど仲間」を象徴するコンビのひと組である。
勉強も運動も器用にこなし、対人スキルも高く様々な部活に顔を出しては助っ人に入る……となにかとハイスペックな愛の姿はやはり眩しく映る様子。ダジャレのセンスはまあ……うん
愛は人を笑わせるのが好きだが人に笑わされるのも勿論好き……というか愛自身が相当なゲラで大体なんでも笑うため、『にじよん』の水着回では彼方のダジャレ連発に笑いすぎてむせた姿に「ダジャレで溺れてる…」と苦笑いしていた。
虹ヶ咲メンバーの中でも特に「お姉さん」としての印象が強い人物ゆえ、しずくも彼女に相談を持ちかけることがある。
特にファッションについての話題は読者モデルでもある果林を頼るのが確実だと考えているようで、トレードマークでもあるリボンについて相談に乗ってもらったことも。
彼女自慢のモデル体型やクールな立ち居振る舞いは演劇でも大きな武器になると感じているようで、役作りの参考にとインタビューを仕掛けたこともあるほか実際に彼女を出演させてみたこともある。
当の果林も未体験の物事には積極的にチャレンジする性格であるため、「私が演劇に出るとはね…」とは言いつつも満更でもない様子だった。
一方で彼女の堂々とした振る舞いはそのスタイルや身体作りで裏付けられた自信といったものが根底にあるとも感じており、果林に「なりきる」ことは自分には難しいとも語っている……が、実際にモノマネを見た「あなた」は完璧だと評している。
なお、果林お得意のセクシー弄りには一切動じない。
それどころか、天然ムーブで返り討ちにしてしまうことも。攻めたがるけど攻められると弱いよね果林さん
それじゃあ私のヒミツとか
ちょっとイケナイ事まで教えちゃおうかしら?
あ いえ そういうのは大丈夫です
もっと日常の所作とか……
そ…そう…よね……
行くよオフィ…行きますよ彼方さん
……今 すごい言い間違えしなかった?
同じスクフェス出身という繋がりゆえか、特に付き合いの多い相手。
超マイペースな彼方のお世話をしたり冷静なツッコミを入れたりといった役回りが多い。
すっかり慣れた様子で彼方の面倒を見ている姿はまるで彼方の妹がもう1人増えたかのようで、『てん☆ふぇす』時代に遥が担っていた役割を一部担っているとも捉えられる。
……だが、そんな彼方もしずくに引っ張られる傍らこっそり身だしなみを直してあげたり、たまに甘えてくれるしずくを思いっきり可愛がってあげたりと、やはり「お姉さん」である。
普段しっかりしてる子が甘えてくれるのって嬉しいよねー
……エマ…何で私を見て言うのかしら…?
彼方の「すやぴ」に関しては他のメンバーよりも慣れているのだが、お調子者かつフリーダムな一面には度々慌てさせられることも。
そんな一方で彼方も『てん☆ふぇす』の頃よりも姉らしい描写が増えており、彼女に甘えさせてもらうことも度々ある。こうした点も含め、まさに「世話の焼ける姉を持ったしっかり者の妹」としてのしずくらしさがよく出る相手である。
そんな彼方もしずくと遥とを重ねて見ている節があるようで、同学年同士仲良く遊んでいる様子をオフィーリアと「似た者同士なのかもね」と微笑ましく見守っていた。
……かと思えば自分の夢の世界に連れ込んだ挙句遥の姿にして遊ぶなんて一幕も。
一方のしずくものんびり屋な彼方の姿はオフィーリアと重なって見えるようで、遥と「気が合うのかも」と語っているほか、上記の通りすごい言い間違えをしでかしたことも。
「好きなものが絡むと我を忘れて熱くなる」という一面では非常によく似ている相手で、スイッチの入ったしずくはせつ菜をもたじろがせることすらある程。
スイッチが入り暴走列車と化したせつ菜の勢いを自然に受け流して止める場面すらあり、そんな2人の様子はもはやどっちが先輩なのかわからないことすらあるほど。
……しかしそんなしずくですら彼女を止められない場面も多々あり、ユニット活動の場合は歩夢に助けを求めることもしばしばある。が……その歩夢も純粋すぎてせつ菜の話を真に受けてしまうことがあり……。
といった形で、彼方も言っている通り2人の方向性は似ているようで微妙に違う。
かたや演劇、かたやアニメやラノベ等のサブカルとお互いの趣味はやや離れてはいるが近い要素もあるため、お互いにオススメの本などを紹介しあう仲でもある模様。
また、特撮も好きなせつ菜とはヒーローショーもよく観るようで、しずくもヒーローショーも「舞台」のひとつとして興味を持っており一緒に観劇することもあるようだ。
せつ菜も中川菜々というもう1人の自分を「演じ分けて」いる人間であり、特にアニメ版のしずくとはその点でも共通している。
そんな彼女の「演じ分け」を偶然目にする事になったA・ZU・NA回では、他の面々とともに「お〜……」と感心していた。
歩夢達が加入する前から一緒に活動してきた先輩でもあり、当時から彼女は最も身近かつ大きな目標といえる存在だった。
物語開始前のしずくはせつ菜の隣に並び立つことを当面の目標にしていたようで、その「目標」に大きな距離を感じ武者修行に出ていた……というのが、スクスタのしずくが同好会を離れていた理由の大きな所である。
今もその思いは変わらず持ち続けており、同好会がソロ活動中心に転向したこともあって並び立つだけでなく「超える」ことも他のメンバーと同様に新たな目標に加わっている。
こちらも転入生繋がりで初期から絡みの多い相手。とはいえ、彼方ともども出身校バラバラなのもあって交流が増えたのは「すごい てん☆ふぇす」以降ではあるが。
「転入生」時代はカルチャーギャップと天然ボケで暴走するエマにツッコミを入れたりスイスでのエマの思い出話を興味深く聞いたりその凄まじいおっp……スタイルを羨んだりと色々とフリーダムな日常が描かれていた。
スクスタ以降は天然ぶりはやや大人しくなったためしずくがエマを引っ張っていく描写こそ減ったものの、おっとりマイペースな性格は相変わらず。
一方で大家族の長女であるエマのお姉さんらしさや包容力が虹ヶ咲では強調されているため、転入生時代とは打って変わってその包容力に思いっきり甘える場面が増えている。
しずくちゃんもあぁいうところまだまだ子供だねぇ
彼方さんは人の事言えないのでは?
ごもっともー
山育ちゆえ実は体力がある方で、日頃演劇部も兼部して鍛えているしずくのスポ根気質な一面にもついていける模様。……ただし普段は彼方と同様にのんびりしていることが多いのだが。
また大自然の中で培ったのか元々歌唱力が高いことが「すごい てん☆ふぇす」時点で明かされており、彼方と共に(……この人すごいのでは?)と内心圧倒されたことも。
感情表現の苦手な璃奈にとっては、様々な役に表情を乗せて演じ分けることのできるしずくは憧れの対象。
そのためしずくの演技から感情表現を学ぼうと彼女にアドバイスを求めることも。
そんな一方で、周囲と違う自分に自信が持てず、自ら作り出した「演技」という名の殻に閉じこもってしまっていたアニメ版でのしずくの姿は、璃奈の境遇と重なるものがあった。
それゆえ、「私にも、ちょっとわかるんだ。自分のことが嫌な気持ち」とその心境に共感を示し、そんな自分を救い出してくれた存在=愛のような存在が、しずくにもいることをかすみに諭し、その背中を押している。
幼い子を前にするとつい可愛がってあげたくなってしまって…
うんうん その気持ちわかるよ
……あの… なんでかすみん達の頭を撫でながら言うの…?
特に生徒会としての彼女が見せる「言うべきことはハッキリ言いつつも、あくまで相手のためを思って行動する」という一面がしずくにとっては一番に浮かぶ栞子の印象のようで、『エイエ戦サー』制作の際にはそうした面から役作りの参考にさせて貰っている。
栞子が余暇の時間を使って行っている児童館のボランティアに演劇部と一緒に協力することもあるようで、その演技力もさながら子供と1年生ズのあやし方が上手い所も頼りにされている様子。
1年生4人で行動する際には、しずくと栞子の2人が特に落ち着いていて責任感のある性格のためグループのまとめ役を務めることが多い。
……が、2人とも上級生といる時は年相応に甘えたがるという共通点もあり、案外似た者同士である。
特にスクスタにて多く交流が描かれた相手。
演劇部で声を鍛えているしずくが部に体験入部してきたことはミアも強い興味を持ったようで、自ら挨拶に向かった際には素直ではないながらも悪くない評価をしていた。
その後しずくが特訓の成果を出してきたこともあってしずくに曲を作ることを決めた際にはその作曲風景や曲作りの思想などを明かすなど、大きな信頼を寄せていることがうかがえる。
しずくもミアの作る曲の数々には圧倒されており、彼女の曲で歌えることには大きなやりがいを感じていた。
しかし、曲そのものではなく「成果」のみを追求するミアのスタイルは、しずくに違和感を抱かせることになってしまい……。
「部」での2人はすれ違いの結果に終わってしまったもののミア個人のことは決して悪くは思っておらず、彼女がスランプの末失踪してしまった際には璃奈と共に真っ先に協力を決め、かすみを説得している。
一方のミアも部での出来事は既に割り切っているのか特に気にしている様子はなく、同好会では良好な関係を築けている。
お互い勉強について相談する場面も見られ、ミアはしずくに英語を、しずくはミアに古典を教えている様子。いつかミアと英語で語りあえるようになりたい、というのがしずくの当面の目標のようで、ミアもその日を心待ちにしているようだ。
その実力や立ち居振る舞いはもちろん、特にスクスタでは「努力の天才」でもある彼女の一面を傍で見る機会もあって強い憧れを抱いていた。
特にしずくが部に入ることを決めた際には(元々それが目的であったのもあって)大喜びで歓迎しており、その後も彼女なりに気にかけている様子がうかがえる。
……ゆえに、結局彼女を手放す羽目になってしまったことにはかなりの困惑と悔しさを見せていた。
アニメ版では侑に向けての忠告であった「あなたは同好会に自分の夢を重ね合わせてるだけよ」という指摘がしずくにもそのまま当てはまってしまい、流れ弾の格好で図星を突かれてしまうことになるが、それが新たな気づきにも繋がってゆくことになる……。
同好会に加入して以降は「目指すべき目標」としての姿に加え「色々すごいけどどこか抜けてる、そんな友達」として接する機会も増えた。
『にじよん』では果林が演劇に出して貰ったことを知ったランジュが「ならランジュだって」と『ロミオとジュリエット』をやってみせるが……
うーん……ランジュさんは誰を演じてもランジュさんになっちゃうかも…
はい ランジュに演技の適正はありません
しずくの掛け持ち先であり、もう1人の頼れる先輩。
アニメ版でも同じかは不明だがスクスタにてしずくにスクールアイドル同好会を勧めたのは彼女であり、しずくを将来有望な後輩と見ていることが言動の節々からうかがえる。
また演劇部の協力のもとしずくが活動している場面がたびたび登場することから、その部長でもある彼女も直接間接問わずしずくの活動に大きく関わっていることがうかがえる。
しずくには大きな期待を寄せているがゆえに決して甘やかしたりはせず、度々しずくにより大きく成長してもらうため試練を課す存在でもある。
アニメ1期で当初しずくを降板させたのもその一環と言え、彼女がコンプレックスを乗り越える様子を見届けた後は本番で「黒しずく」を演じつつ、しずくが「本当の自分」を演じ切った姿を満足げに見届けていた。
ソロ楽曲
全体の傾向
しずくのソロ楽曲はすべて演劇やミュージカルのワンシーンを思わせる物語性の強い曲である。
特にしっとりとしたバラード・ミディアムバラードを得意とし、聴く者の心に訴えかけるエモーショナルな歌声が最大の武器。
また演劇部員でもある側面を踏まえた要素も必ず盛り込まれており、自らを役者になぞらえた歌詞が多く見られるほかに『やがてひとつの物語』以降の楽曲にはほぼ必ず語りのパートが用意されている。
しずく自身が時に立ち止まり悩みながら成長していくスクールアイドルであるため、ステージには内に抱えた苦悩や舞台に向ける想いが強く反映されている。
桜坂しずくという1人の少女の「物語」を表現する、というテーマが彼女の楽曲に一貫して見られる根幹と言えよう。
ソロ楽曲一覧
▶あなたの理想のヒロイン
作詞・作曲:月見草
1stアルバム『
TOKIMEKI Runners』収録。
しずくの原点と言える曲で、スクスタのストーリーパート内でも「原点回帰」を象徴するシーンとしてこの楽曲を歌う場面がある。
「演劇部で練習を積んでいる後輩が、偶然出逢った先輩と恋に落ちる」という筋書きに自らを重ね合わせて歌うラブソング。
楽曲の語り手である「演劇部の後輩」の心境という形で自らの見据える理想を綴っており、「あなた」と出逢ったことでより大きな成長を予感している彼女の心境が読み取れる。
アウトロでの「先輩への想いはまだ口には出せない」という物語の主人公を反映するかのように、無音で想いを告げるシーンは必見。
衣装は水色をベースとした薄手のドレスで、しずくらしい清楚さを感じさせるもの。
リアルでは後述の通り『オードリー』で使用するコートを上に重ね着できるようになっており、コートを脱いでリボンを付け替えることで早着替えが可能になっている。
▶オードリー
作詞・作曲:月見草
2ndアルバム『Love U my Friends』収録。
これまで「理想のスクールアイドル」を"演じる"ことを目指してきたしずく。しかし、活動を重ねていくうち、その考えに違和感が生まれ始める。
"演じる自分"ではなく"素の自分"を出そうとして、普段と違うやり方故にしずくには「ぎこちない」ものと写ってしまった今回のステージ。しかしその盛り上がりは今までにないものだった。
その光景に、自分がそれまで目指してきた「私らしさ」がわからなくなってしまったのだ。
そうして、あるべき自分の姿を探求した末──しずくの出した結論は、自分ではない他の誰かになりきって、その人生を体験することこそが大好きで、自分にはそれが必要なことなのだ、というもの。
そして、それまでの自分のステージに足りていなかったのは自分が演じたい理想のスクールアイドルの"設定"だと考えたしずくは、新たな楽曲に向けて"キャラクターの構想"を練り固めてゆく。
曲名の「オードリー」は、しずくも敬愛する言わずと知れた大女優、オードリー・ヘプバーンを指している。
演者としての歩みを重ねるうちに自分自身を見失ってしまったしずくの心境をかの大女優に重ね、答えは出せずとも前に進み続けることで「新しい私」が生まれる、と新たな決意を力強く歌い上げる。
他の『LUmF』収録ソロ曲と同様「専用衣装」と言えるほどしっかりしたものは用意されていないが、1stライブにて『あなたの理想のヒロイン』衣装の上にえんじ色のコートを重ね着し、傘を差して本楽曲を披露して以降はこのコートを着用して歌うのがお約束となっている。
アニメ版のファーストライブでもやはり「『あなたの理想の〜』+コート」姿で披露。
さらにサプライズとしてA・ZU・NAメンバー全員でそれぞれ色違いのコートを着用、3人でパフォーマンスするシーンも描かれた。
▶やがてひとつの物語
作詞・作曲:月見草
3rdアルバム『Just Believe!!!』収録。
「あなた」の提案でファンクラブを作ることにしたしずく。しかし、その内容についてアイデアが纏まらず思い悩む。
そこで「あなた」のアドバイスにより「しずくが一番やってみたいこと」……すなわち「演じること」をテーマに据えることを決め、しずくの考案した物語をファンクラブイベントで朗読劇と音楽を組み合わせたパフォーマンスにして披露する事に。
そうして、しずくが描いたのは── 「この世界は演劇そのもの。人生そのものが、ひとりひとりが主役を演じている物語」という発想に基づき、2つの物語が1つに交わる……すなわち「出逢い」を描く、壮大な「始まりの物語」。
それまで自分自身に向いていたしずくの目が今回初めて「人々」に向けられており、彼女の成長を感じられる一曲。
前2曲の内容に対して前向きなアンサーを送る集大成的な一曲でもあり、自分らしさについて悩み続けてきたしずくが「答え」に辿り着いたことが、もう迷うことのない彼女の姿をもって表現されている。
近世〜近代ヨーロッパを想起させるクラシックなドレス調、という衣装のコンセプトは『あなたの理想のヒロイン』に通じるものがあるが、誂えが全体的に豪奢になったほかピクチャー・ハットが追加されている。『あなたの理想の〜』を物語序盤の田舎娘とするならば、こちらはさながらクライマックスを迎え憧れの大女優へ大成した姿である。田舎娘というには流石に華やかすぎるけど……
▶エイエ戦サー
作詞:鈴木まなか
作曲:鈴木まなか・宮澤樹生
4thアルバム『L!L!L!(Love the Life we Live)』収録。
校内フィルムフェスティバルに作品を出展する演劇部の作品で、見事主役の座を射止めたしずく。
演劇部部長がスクールアイドルとしての活動も評価して配役を決めたとのことで、大役を任されたしずくは責任感と共にやる気に満ちており、イメージソングの制作を「あなた」に依頼することに。
舞台は幕末、人ならざる怪異から町を守るため流れ者が集まり結成された浪士隊の物語。
しずく扮する先輩隊士は隊の纏め役を務めているが、厳しさのあまり周囲の隊士達から恐れられ孤立してしまっていた。しかし、その厳しさは死と隣り合わせの使命を負って戦う隊の皆を守りたいが故のもので……。
運命に翻弄されながらも確固たる決意を持って脅威に立ち向かう、優しくも厳しい主人公の有り様を描いた一曲。
しずくにとっては今まで経験のなかったタイプの役ということもあり、特に栞子の厳格に接しながらも相手を思いやる姿勢を役作りの参考にしたとのこと。
……と、ここまで聞けばシリアス系の曲調を連想しそうになるが、その実戦いに出る己を鼓舞するような、勇壮ながらもアップテンポで賑やかな一曲に仕上がっている。
上記のサビ前半部の歌詞にも現れている通り「エイサー!」「ホイサー!」「ソレソレ!」といった掛け声が多数曲中に散りばめられており、しずくのソロ曲では希少なコールで盛り上がれる一曲である。
とはいえ上述したシリアスな要素も確かに歌詞中に落とし込まれており、物語の主人公である先輩隊士の覚悟や仲間の隊士達を守りたいという願いがサビ前の語り部分などからうかがえる。
▶Solitude Rain
作詞:Ayaka Miyake
作曲:鈴木エレカ・JOE
テレビアニメ挿入歌シングル第3弾『Butterfly/Solitude Rain/VIVID WORLD』収録。
第8話『しずく、モノクローム』挿入歌。
作中では、同エピソードを通して描かれた、しずくが主演を務める舞台『荒野の雨』のクライマックスで披露された楽曲という位置付けになっている。
物語の主役として求められた「自分をさらけ出す」演技に応えることができず、一時期は演劇部部長の判断で降板にされてしまったしずく。しかし、自らに抱える苦悩を乗り越え彼女は再び舞台を勝ち取った。その経緯も、『荒野の雨』の物語に組み込まれている。
物語は、歌手への夢を持ちながらも自らをさらけ出すことに恐れ自信を持てずにいる「白いしずく」と、心の中でそんな彼女に現実を突き付ける、表に出せない本音「黒いしずく」との対話で成り立っている。
「白いしずく」は、当初「黒いしずく」を自分の心にある闇だと拒絶していた。しかし、そんな「黒いしずく」もまた自分と同じ夢を持っていることを知り、彼女もまた自分自身なのだとその存在を受け入れる。
そうして、ひとつになった「本当のしずく」が現れる時──
雷鳴が胸に鳴り響いて──閉じ込めていた感情が、溢れ出していく……
──もう、見失ったりしない。私だけの想いを!
▶Rise Up High!
作詞:Ayaka Miyake
作曲・編曲:ケンモチヒデフミ
劇場版挿入歌ミニアルバム『どこにいても君は君』収録。
『完結編 第1章』挿入歌。
2月に開幕したスクールアイドルGPXに参加するため、沖縄へと乗り込んだ同好会一行。
その中でもいち早く得票数を稼ぐべく真っ先に動いたしずくによる、祭典の「開幕」を告げる一曲である。
沖縄を象徴する景色と言える「海」のロケーションに相応しい、青一面の景色へと誘うような開放感あふれる一曲。ノリは完全に夏うたなのだが……時期的には真冬である事は一旦忘れよう。
シナリオ上においても映画のOPのような立ち位置となっており、まさしく「先手必勝」たらんと一番槍を務めたしずくの心意気を感じさせる。
作曲陣としては何よりも「水曜日のカンパネラ」メンバーとしてお馴染みのケンモチヒデフミ氏の参加が大きなトピック。
氏は『電音部』などを筆頭に二次元コンテンツへの楽曲提供も積極的に行っているが、ラブライブ!シリーズには映画公開直前の2024年5月にわいわいわい2ndシングル表題曲『peace piece pizza』で初めて提供したばかり。
そんな氏による新曲を開幕一番に叩き込むあたりには、「新たな風を呼び込む」という気概をメタ的な側面からも感じられよう。
余談
転入生設定
ささ、いよいよ 虹ヶ咲学園のスクールアイドルとして活動が始まります!
転校続きで大変だけど、頑張ろう!
そうですね 将来への不安はさておき頑張りましょう!
……(無鉄砲だなこの子ら)ヤベエ
上述の通り、しずく・エマ・彼方はスクフェスの「転入生」から始まったキャラクターである。
そのためか、スクスタのキャラクター紹介ではこの3人は共通で「虹ヶ咲学園には転校してきたばかり」という一文が入っている。
すなわち少なくともスクスタまでは転入生設定は生きているということになる。
……ただ、そうなると3年生のエマ・彼方はともかく、1年生のしずくはやや奇妙な状況が発生してしまう。
この3人は全員が旧同好会のメンバーであるため、「あなた」が同好会を訪れる初夏(おそらく5月半ば~6月)までには同好会に入部してしばらくの時間が(「部室に通わなくなった」と認識される程度には)経過していなければならない。
これらを鑑みると、しずくは転校元の高校(青藍?)に入学して数週間〜1ヶ月以内に虹ヶ咲学園に転校していることになるのだ。……いくらなんでも高校選び間違えてないだろうか。
転入生設定そのものが本編で全く触れられない裏設定と化しているのもあって、しずくや家族が何を思ってそれほどの超ハイスピード転校を決めたのかは謎のままである。
もっとも、この設定自体が「スクフェス出身のキャラクターであることを示すためのもの」以上の意味はあまりないと考えられるため、込み入ったツッコミは野暮というものか。
あっ、先輩!……私の項目、追記・修正してくれるんですか?
わあ、嬉しいです!
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最終更新:2025年07月22日 16:35