インチキ効果もいい加減にしろ!

登録日:2025/05/06 Tue 14:21:00
更新日:2025/05/08 Thu 08:59:02NEW!
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レベル9のモンスターをコスト無しで召喚だと!?

インチキ効果もいい加減にしろ!



「インチキ効果もいい加減にしろ!」とは『遊戯王5D's』におけるクロウ・ホーガンの台詞である。

たまに「インチキ効果も大概にしろ!」等と間違えられることがあるが、本項で扱う台詞は「いい加減にしろ!」が正しい。


【経緯】

第52話のクロウVSボマーのデュエルにて、ボマーが使用したダークチューナーモンスター《DTデス・サブマリン》に対して上記の台詞を言い放った。
クロウが「インチキ」呼ばわりした《DTデス・サブマリン》の効果は以下の通りである。

レベル9/闇属性/機械族/攻撃力0/守備力300
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。
「DTデス・サブマリン」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。

《DTデス・サブマリン》はレベル9のモンスターで、通常召喚するには2体のモンスターをリリースしなければならないのだが、「自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地から特殊召喚できる」という《ライトハンド・シャーク》と同じ効果を持っていた。
この効果を発動すべく、ボマーは《ジャイアント・ボマー・エアレイド》の効果発動のコストとしてこのカードを予め墓地に送っておいたのだ。

パワーカードに対して結構な暴言を吐いているが、クロウは他のデュエルやメディアミックスでも「インチキかよ……セコイ手使いやがって」や「やることがきたねぇぜ」など対戦相手の戦術やカード効果をインチキ呼ばわりすることが多いため、公式ではこういうキャラと認識されているようだ。
そもそもカード効果以前に、敗者は確実に命を落とす闇のデュエルそのものがインチキ染みているがそこはクロウも了承している。

言うまでもなく、現実ではルールとマナーを守ってデュエルしている対戦相手をインチキ呼ばわりしようものなら、リアルファイトに発展しかねないので注意しよう。
なお、言われた側のボマーは「これこそが黄泉の力の成せる技だ!」と意に介さず、《ダークシー・レスキュー》を通常召喚し、《ダーク・フラット・トップ》をダークシンクロ召喚した。



追記・修正お願いします。



















【本題】

ここまでなら単なる1つの台詞に過ぎなかっただろう。
そこでクロウの使用する【BF】のカードを見てみよう。

BF-黒槍のブラスト
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800
(1):自分フィールドに「BF-黒槍のブラスト」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

BF-疾風のゲイル
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400
(1):自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。

BF-月影のカルート
効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000
(1):自分の「BF」モンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1400アップする。

BF-アーマード・ウィング
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500
「BF」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
(2):このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動できる。
そのモンスターに楔カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
(3):相手フィールドの楔カウンターを全て取り除いて発動できる。
楔カウンターが置かれていた全てのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで0にする。


これらのテキストを読んだ人はこう思っただろう。

こっちのほうがインチキ効果じゃね?

場に他の「BF」モンスターがいるだけで、特に制約も何も無く手札から特殊召喚できるブラスト、それに加えて相手モンスターの攻守を永続的に半減させるゲイル、テーマ内限定の《オネスト》にしては何かやたら上昇値が高いカルート、極め付けは戦闘では破壊されずダメージも受けない上に、楔カウンターを取り除いて相手モンスターの攻守を0にするアーマード・ウィング……アニメ産のカードとしては明らかに頭一つ抜けた強さだった。他はともかくアーマード・ウィングは当時のOCG環境での評価は低いけど*1
さらにOCGでは《黒い旋風》というインチキサーチカードも引っ提げて環境デッキにのし上がった挙げ句、世界大会で優勝してしまった。

というか、ボマーとのデュエルを振り返ってみると、《DTデス・サブマリン》が特殊召喚される前のクロウのターンでは、ヴァーユの効果で墓地からシンクロ召喚を行っている。どう考えてもこっちの方がよっぽどインチキである。
そもそもボマーの【リアクター】は召喚条件が難しい《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を切り札とするロマン寄りのデッキであり、そんな人の使用カードを当時の環境デッキの使い手がインチキ呼ばわりしたこともネタ度に拍車をかけている。エラッタ前の《ダーク・ダイブ・ボンバー》だけは文句無しのぶっ壊れカードだったが*2
さらに、第85話では対戦相手のレオがアーマード・ウィングの性能に対して「攻撃力2500もあって戦闘破壊できないモンスターを出されてどうしろっつーんすか!!」と泣き言を言う始末。
どうやらアニメの方でも高い性能のカードという認識である模様。
これには視聴者も同情したとかしなかったとか。

もっともwiki内で何度も言及されているように、現在のOCGはここで挙がっているカードとは比べ物にならないほどのインチキ効果のオンパレードになって久しいのもあり、このへんの「どっちがインチキかわからないシーンで似たような発言が出た」についてもBFに限らないっちゃそうでもある。

【類似する台詞】

  • なるほどな……セコいカード使いやがって
クロウが初登場した第30話でのセキュリティとのデュエルにて。
相手のスピードカウンターを増加させない効果を持つモンスター《ゲート・ブロッカー》に対する発言である。
だがその直後、BFモンスターを次々と並べて手札から罠カードデルタ・クロウ‐アンチ・リバース》を発動し、セキュリティの伏せカードを全て破壊。
そのまま勢いに乗って後攻1ターンキルを達成してしまった。

  • やることがきたねぇぜ!
第63話のレクス・ゴドウィンとのデュエルにおいて、ゴドウィンが使用した罠カード《栄誉の贄》(アニメ効果)に対する発言。
このカードはモンスターの直接攻撃を防ぐと共に、トークンを2体特殊召喚し、デッキから「地縛神」1体を手札に加えるというもの。
今見ると「そこまで貶すほどの性能か……?」となるのは、OCGがインフレした結果なのだろうか。
ただし、このカードでサーチした《地縛神 Wiraqocha Rasca》は色んな意味で汚いと言われても仕方ない性能である*3
なお、超官は「当たり前ではないか、我は全てをこの体に刻み持つ究極の神なのだから!」と開き直っていた。

  • なんだと!? インチキ効果も大概にしろ!
ARC-V』に登場したクロウの類似発言。
第81話の黒咲隼とのデュエルにて、特殊召喚された相手モンスターの攻撃力分自身の攻撃を上げるライズ・ファルコンに対して言い放った。
メインフェイズにて使用された、『「RR」モンスターが3体以上いるだけで2枚ドローできる』という効果を持つ通常魔法《RR-サンクチュアリ-》の方がインチキな気がしないでもない

冒頭で触れたように、「~も大概にしろ」は5D's当時からユーザー間での誤認識・誤表記としてよく見られたものであったのだが、これをもって公式の台詞となってしまった。
ARC-Vのクロウ他ゲストキャラは全体的に原作とは微妙に異なるキャラとして描かれているため、微妙に違う言い回しなのはミスではなく意図的だろうが、わざと定番誤表記に被せたのかは定かではない。


  • インチキ!インチキだわ!
クロウではなく大庭ナオミがピンチの際に発する言葉。
彼女の使うデッキも【ライトロード】という当時の強力デッキだったことからネタにされがち。


【公式からの扱い】

タッグフォースシリーズでも相変わらず人のカードをインチキ呼ばわりしているが、とうとうアキに「人のこと……言えるの?」と言われてしまった。
さらに、2022年7月の公式Twitterでは「#インチキ効果もいい加減にしろ」を付けてインチキ効果だと思うカードをツイートするという公式が病気なキャンペーンが開催されてしまった。
このキャンペーン発表と同日に発売された「DARKWING BLAST」ではビーステッドクシャトリラというインチキテーマが収録されている。
ちなみに、抽選で当たる景品はプリズマティックシークレットレアの《真紅眼の黒竜》。
インチキ景品もいい加減にしろ!


【余談】

なお、「インチキ」とは「相手の目をごまかして不正を行う」「偽物である」ような意味を持つ単語。
そのため、《DTデス・サブマリン》は、厳密にはまったくインチキでも何でもない。
(カードのテキストを書き換えたり、リストバンドにカードを仕込むのが本当のインチキ)
むしろ、迂闊に使用すると「相手が不正を行っている」と糾弾する意味になってしまうこともあるため、ネタとして使う場合でも場面には気を付けよう。


追記・修正はインチキカードに勝ってからお願いします。

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最終更新:2025年05月08日 08:59

*1 ブリューナクに簡単に処理されるし、ゲイルやカルートを使ってる時点で戦闘負けが起きる事自体が少なくBFの戦法にも噛み合っていない。実戦ではもっぱらヴァーユから特殊召喚する候補として利用された

*2 射出回数に上限が無く、「大型モンスターと共に総攻撃を決めた後に全モンスターを射出」「広義の特殊召喚を駆使してLPを削りきる」などワンターンキル要員として優秀だった。現在はメインフェイズ1指定かつ、「このカード名の効果はターンに1回」。

*3 アニメ版地縛神共通の効果に加え相手のライフを1にする固有効果を持つ。更に効果発動時に相手のD・ホイールをクラッシュさせデュエル継続不能にするというある意味最強の能力を有している。ゲーム上の効果で無いのが仇となったのか遊星には主人公補正で耐えられてしまった