Z-ONE(遊戯王5D's)

登録日:2010/12/04(土) 11:50:29
更新日:2019/12/22 Sun 12:57:00
所要時間:約 10 分で読めます




※この項目は遊戯王5D'sの重大なネタバレを含みます。


「どんな気持ちですか?自分自身の神と戦うのは…」



Z-ONE(ゾーン)
声:石川英郎

鉄仮面を被った未来人。コードネームは「イリアステル滅四星 無限界帝Z-ONE」。ちなみに人名表記をするときは「ゾーン」とするのが普通。
初見では新手の機皇帝にしか見えないが、人間である。
ちなみに小野監督のTwitterによると遊星達の時代からだいたい200年ぐらい先の人間であるらしい。

ルチアーノプラシドホセ三皇帝の製作者であり、彼らからは「創造主」「我等が神」と呼ばれ崇められていた。
自身も「時の神」を自称する。

現代では、シェリーが両親の残したカード《Z-ONE》をセキュリティ本部で解析した際に、
自らが潜む異空間に飛ばされてきた遊星、シェリー、ブルーノと初接触し、彼らを現実世界に帰した。

その後プラシドVS遊星戦でクリアマインドの境地に達した遊星に、シューティング・スターの石版を与えた。
更にワープ装置「インフィニティ」から投げ出されたシェリーの元に「真実を知る者」としてシェリーの父であるルブラン博士の姿で現れ、
彼女に遊星がアーククレイドルで死亡し世界が破滅する未来とイリアステルが歴史改変をするに至った真実を見せた。


アポリアが敗北してもアーク・クレイドルが出現した事を未来が変化する兆しと捉え、大破したアポリアの修理を行っている。


また、アンチノミーの記憶を封印して「謎のD・ホイーラー」としてわざとイリアステルと敵対させる様に仕向け、
遊星達にアクセルシンクロを授ける事でアポリアのやり方とは別の方法でアーククレイドルの出現を促進しようとしていた。
アンチノミーは下っ端の起こした事故で「謎のD・ホイーラー」としての記憶も失ってしまうと言う散々な目に合うわけだが、とにかくシグナー達の成長を促すことには成功している。

しかし、シグナーの進化を見てなおもネオドミノシティを崩壊させようとする計画を翻そうとはせず、最後の最後までシグナーたちを対立することになる。

なお、TF6によれば、記憶を封印したアンチノミーであるブルーノの存在を仲間であるアポリアの分身であるプラシドが素で知らなかったり、
彼が遊星に与えたシューティング・スターの石板にホセが驚いたりするのは、彼らの記憶にロックをかけていたかららしい。


また、『劇場版 遊☆戯☆王~超融合!時空を越えた絆~』に登場したパラドックスもやはり彼の差し金であり、
デュエルモンスターズそのものを消滅させるというやり方でアポリア達とは別の方法で未来改変を試みていた事が、Z-ONE本人の口から語られている。


現在は神の居城「アーククレイドル」なる場所にいるようだが……?

















  • ネタバレ

それまでZ-ONEの正体については謎のままだったが、アンチノミーvs遊星のデュエル中に一気に真実が明かされる。
アンチノミー曰く、彼らがいた未来ではモーメントが人の欲望やシンクロ召喚に反応し暴走に陥ってしまうのではないかとの議論が起きており、
だからこそアンチノミー≒ジョニーはシンクロの本来の使い道の先導者になろうとしていた。
だが時すでに遅し、モーメントが暴走を始め機皇帝が人類に対して攻撃を始めてしまった。


崩壊をはじめた未来世界に絶望し、機皇帝に殺されそうになったジョニー。
すると突如伝説のDホイール「遊星号」が現れ謎キャノン砲で機皇帝を一撃で粉砕した。

Dホイールから降りてきた不動遊星とうり二つの人物……それがZ-ONEだった。
絶望を迎えた世界にあっても希望を捨てずに戦っているZ-ONEを見て、ジョニーは「アンチノミー」を名乗って彼の仲間になることを決めたのだった。

そして崩壊した未来世界においてアンチノミーパラドックスアポリアとともに、世界を導くための秘密結社イリアステルを結成。
未来への希望を模索すべく研究に没頭する。

しかし、荒廃したネオドミノシティで時間だけが過ぎてゆく中パラドックス、アンチノミー……そしてアポリアも遂に逝去する。

志半ばでZ-ONE以外の三人が逝ってしまい遂には最後の人類となる。

故に彼の名はZ-ONE。Zとは最後のアルファベットであり、ONEは一。つまりは人類最後の一人を意味する。

そして仲間たちの遺言を元にそれぞれの若き姿を模したアンドロイドを作成し、
現代に送り込み歴史を改変することで彼は破滅の光の中に完結してしまった過去を無かった事にして、未来の悲劇を防ごうとしたのだ。

なおアポリアに出会った時には右半身に義手・義足を着けていたが、研究が進むに連れアンモナイトの殻の様な機械に搭乗するようになった。
このアンモナイトは「モーメント・コア・フライホイール」、つまりアーククレイドルのコアそのもので、Z-ONE自身の生命維持装置でもある。
ホイールだけにライディング…もといフライングデュエルも可能。

現在のZ-ONEは肉体的には既に死んでいると言っても良く、全身の機械化と生命維持装置によってどうにか生き永らえている。
ややくぐもったような声も声帯がとっくに壊死して機械で代用しているためである。また、両手足も同じように崩れてしまっているが、それでも彼の瞳には強い意志と覚悟を感じさせる光が未だ灯し続いている。

なお生命維持装置の正体は「モウヤンのカレー」などの遊戯王ocgの回復カードが詰め込まれた箱らしい。
シモッチやバーンカード発動したらどうなるんだろう。

いずれにせよ、アーククレイドルの巨大なエネルギーを受けているとはいえその身体はとうに限界を超えており、本人も自分の生命が長くないことを悟っている。
計画を完遂したらアーククレイドルと運命を共にする予定だった。

アンチノミー戦後、アーククレイドル深部の瓦礫の中にて遊星たちを待ち構えていたZ-ONEは、シンクロが世界を崩壊させるに至ると遊星たちに再度話し、全ての決着をつけるためにデュエルに臨もうとする。

しかしシグナーたちとのデュエルで希望を得たアポリアが現れ、Z-ONEも本当は多大な犠牲が出る方法ではなく遊星たちの進化によって未来が変わることを望んでいたのではないかと言われる。
だがこれに対しても希望など幻想にすぎないと切り捨てフライホイールに巨大な腕部を接続し、Z-ONEvsアポリアでデュエルを行うことになる。


このアンモナイト型装置が遊星号と似たような形をしていることや、
これまででも仮面の下の目とマーカーらしきものが映る場面があった事、瓦礫の中に佇むシーンが一期OPで瓦礫の上に座る遊星の姿と重なること、
何より「自らの心の闇」という歴代主人公共通のテーマがある事からZ-ONE=破滅した世界の不動遊星という予想が強まっていたが……。


彼が使用するデッキは、強力な効果を持つ文字通りの「大型モンスター」(石板サイズのカード)で占められた【時械神】。

手札から使えるトラップ《女帝の冠》《女教皇の錫杖》《愚者の裁定》で身を守りながら、
リリース軽減効果を持つサポートカードで時械神を並べ、アタック時効果によるバウンス&バーンを中心とする戦術を用いる。

アポリアに「君のエースモンスター」と呼ばれた時械神メタイオンは、
戦闘を行うと相手モンスターを全てバウンスし、さらにその数×300ポイントのダメージを与え、加えて戦闘、魔法、トラップでは破壊されず、戦闘ダメージも受けないという、どこぞの鬼畜モグラもビックリなユベルの上位効果を持つ。

ただしスタンバイフェイズにはデッキに戻る

と同時にこんなのが10体いることが明かされたのだった。

ちなみにメタイオンは原作効果に加え、サイドラ条件によるリリース軽減効果を内蔵してOCG化されている。
それに加えタッグフォースでは全ての時械神がOCG化されており、対策しなければほぼ詰む。2018にすべて襲来したが。
まさにラスボスの貫録である。

時械神達の由来はセフィロトの樹の各部を守護する天使。
罠の名前はアルカナの名を冠している。

使用カード()は元ネタ
◆効果モンスター
※時械神メタイオン(メタトロン)
※時械神ラツィオン(ラツィエル)
※時械神ザフィオン(ザフキエル)
※時械神サディオン(ザドキエル)
※時械神カミオン(カマエル)
※時械神ミチオン(ミカエル)
※時械神ハイロン(ハニエル)
※時械神ラフィオン(ラファエル)
※時械神ガブリオン(ガブリエル)
※時械神サンダイオン(サンダルフォン)
※究極時械神セフィロン(セフィロトの樹)
※時械天使
※時械巫女

◆罠カード
※虚無械アイン(アインとは無であり、0と表記される)
※無限械アイン・ソフ(アイン・ソフとは無限であり、00と表記される)
※無限光アイン・ソフ・オウル(000と表記される。オーズではない)
※愚者の裁定(コンマイアルカナの愚者)
※魔術師の至言(アルカナの魔術師)
※女教皇の錫杖(アルカナの女教皇)
※女帝の冠(アルカナの女帝)


そしてアポリアを倒したZ-ONEは、ネオドミノシティ上空での遊星との最終決戦時、仲間との絆の象徴であるブラックフェザー・ドラゴンレッド・デーモンズ・ドラゴン、さらにブラック・ローズ・ドラゴンを並べた遊星の猛攻を受け、アーククレイドルの壁に激突する。

その時の衝撃で割れていく鉄仮面。
その下に表れたのは皺だらけの皮膚、

そして、遊星と全く同じマーカーだった。

数々の困難を乗り越え英雄とまで言われるようになった不動遊星…その顔がそこにはあった。







だが、彼は不動遊星本人では無かった

本来の彼は、遥か未来の世界に存在した名もなき科学者であった。
人類の破滅に進む原因がモーメントの暴走―人の心にある事を突き止めたが、
もはや世界の崩壊は始まってしまい自分一人ではどうする事も出来ない状況に陥っていた。
そんな時に彼はかつて世界を救った伝説の英雄「不動遊星」を思い出した。

そこで、自らを伝説の英雄・遊星そのものに変貌させ、正しい心の在り方「クリアマインド」を伝えて未来の人々を破滅から救えるのではないかと思い、

遊星に関するあらゆるデータを集め、そのデータから幻の遊星の人格を構築し、自らに移植。
更に外見も麻酔無しで遊星そのものに整形した。よくあの髪型再現できたな

なお、声までは変わっていなかったがこれがメタ的な事情によるものか、落雷で改造がそこまで間に合わなかったのかは不明。
ただ石川氏の演じる回想シーンの遊星は未来世界の人々がついていくのも納得するレベルで宮下氏の演技そのものである。役者のすごさが分かるシーンなので必聴。

こうしてZ-ONEは遊星そのものとなり、未来世界で少しずつ正しき心を人々に伝え始めるようになり、いつしか人々は機皇帝から攻撃されなくなった。
現代に蘇った昔の偉人にあっさりついていくのはおかしくね? と思うかもしれないが、
未来世界の人々も遊星本人ではないことは承知で、絶望にあっても諦めないZ-ONEの行為その物が信頼を勝ち得たと解釈すべきだろう。

が、結局全ての人を救う事はできずモーメントは暴走しマイナス回転を始め、リアル天変地異が繰り返されることとなる。
こうしてほぼ全ての生命が命を失い、自身も重傷を負った。
その時の人々の断末魔「助けてくれえええええ遊星えええええ!!」は、リアルの地震が起きるたびに遊戯王スレで書き込まれる定例文と化した。



―――そして、誰も救えなかったという絶望から彼はモーメントごとネオ・ドミノシティを歴史から抹消しようと結論づけたのである―――。



以下最後のネタバレ







全ての時械神を操り圧倒的な力を見せ付けた彼だったが、絶望を前にしても遊星は挫けなかった。
遊星は「モーメントが歴史から消えても、人の心が欲望や誘惑に囚われるならば何も変わらない!」とZ-ONEを完全に否定。モーメントが、シンクロ召喚があったから滅びたのではなく、それを暴走させた人の負の心が世界を滅ぼしたのであり、それを変えなければ何を消し去っても意味はない、と。

そして最大の試練を前にしてさらなる進化、真の境地にたどり着いたのである。

その新たなる境地「オーバー・トップクリアマインド」……それにより召喚された「シューティング・クェーサー・ドラゴン」はZ-ONEが存在した時代、彼が辿った歴史のデータには存在しなかった力であり、彼の敗北の原因となった。
(その結果、本来の歴史における遊星のデルタアクセルモンスター「コズミック・ブレイザー・ドラゴン」は密かに犠牲になったと思ったら、未来のOCGで日の目を見た





貴方には新たな未来が託された。貴方は生きなければならない!



遊星の進化を目の当たりにし、未来に再び希望を見出だした彼は、
アーククレイドルを止める為に犠牲になろうとした遊星の前に飛び出し、彼を後方に投げ返すと、自ら旧モーメントへ突撃。






アポリア…アンチノミー…パラドックス…




すぐに私も行きます……






これで……やっと……




先に逝った仲間たちを思いながら、長すぎた戦いの日々に幕を下ろしたのだった………。





彼の正体が明かされた当初、「遊星の偽者」ならまだしも「究極のコスプレ」「コスプレ野郎」「産地偽装蟹」「カニカマ」「遊星(笑)」「遊星ジジイバージョン」等と言って恒例のネタキャラ扱い嘲る視聴者もいた。

だが、その驚異の実力と、自らの存在を捨ててでも未来を守る信念、これまでのラスボスらしからぬ仲間との絆、そして今までのラスボスとは違い「世界を守るため童実野シティを消す」という悪意ではなく正義の心と言える思い。「遊星に未来を託し去る」というかっこいい最期のため、Z-ONEは『遊星の偽者』の一言で片付けられない存在となった。

遊星が自己犠牲の塊であるように、Z-ONEも最期は自分を犠牲にしてネオドミノシティを救っている。
「不動遊星」としての始まり方が違うだけでZ-ONEもまた「不動遊星」だったのだ。

とりもなおさずこの事実は、シェリーが見せられた「アーククレイドルで遊星が死ぬ」という未来が正しかったことを意味していた。
Z-ONEという形で世界を救おうとあがき続けた「不動遊星」が、もう一人の自分に未来を託して死んだという事実によって。




遊星「お前の与えてくれた警告は、今を生きる人々の胸に深く刻まれた。
俺達がそれを忘れない限り、きっと未来は変えられる!」

Z-ONE達が未来を救おうとしなければ、遊星がオーバートップクリアマインドに至ることはなく、未来に新たな可能性は生まれなかった。
当初に想定した形と違ったとは言え、彼らは確かに未来を救ったのだ。



以下余談等


散々Z-ONE=未来世界の遊星ではないか? と思わせぶりな伏線が張られている件は、製作サイドが「彼の正体を不動遊星そのものにするかどうかギリギリまで迷った」ためらしい。
ネタにされがちな148話の「未来のあなた自身なのです」という発言も148話の脚本を書いている時点ではまだ、Z-ONE=未来世界の遊星本人という可能性があった名残である。


なおTF6ではシグナーを倒し、アーククレイドル落下を成功させるシナリオもある。

北米版ではシリーズが途中で打ち切られたため、
(何故か)アルカディアムーブメントの介入によって過去の改変は失敗し、一人寂しく憤死
というラストのカッコ良さがまるで嘘みたいにやっつけ感溢れる終わり方になっている。Z-ONE涙目。前髪おじさんの勇気が未来を救うと信じて…
そんな状況でゾーンの背景など語られるわけもなく、ただのヴィラン扱いである。
そして人々はシンクロとモーメントが暴走した果てを知らぬまま、破滅の未来へ……。





フィール版にはイリアステルやモーメントの設定がないため未登場だが、
最終話で儀式を完遂した遊星に対し、究極神が願いを叶える権利を与えた際、その一例として提示した中に「未来王となった遊星」という形でその姿が描かれていた。

彦久保氏によれば「究極神に遊星が願った内容によっては、フィール版遊星がアニメ版で登場した三人の遊星の誰かだったかも知れない」
という構想の元にフィール版の設定を組み上げたらしく、氏の中ではZ-ONEも「不動遊星の在り得たかもしれない姿」とされているようだ。

もしあの遊星がこの道を選んだのであれば、Z-ONEはまさに正真正銘の「不動遊星」だったのだろうか。

また、モーメント・コア・フライホイールも、色違いの機種が5000年前の回想シーンに登場。
当時のレクス・ゴドウィンと、究極神の人柱とされたイシュ・キック・ゴドウィンが搭乗していた。



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