SCP-3806-JP

登録日:2025/05/06 Tue 22:17:04
更新日:2025/05/08 Thu 11:34:24NEW!
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SCP-3806-JPは20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体である。


SCP-3806-JPとは、怪異創作コミュニティサイト『SCP Foundation』に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は「ウチの真桑なんか違くない?」。
オブジェクトクラスはなんと「Apollyon」。
真桑友梨佳氏の死体を扱う連作ハブコウプス・コウパスシリーズの一つである。

コウプス・コウパスシリーズって何?

コウプス・コウパスシリーズについてざっくり説明すると『20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体』を起点に作品を創作するシリーズである。
メンヘラ異能力者な真桑友梨佳だったり死亡保険金請求書製造マシーンな真桑友梨佳だったり様々な真桑友梨佳氏の死体オブジェクトがあり、別々の世界にそれぞれ存在している


概要

SCP-3806-JPは███████製の角形電池である。


画面の前のSCP財団アニヲタ支部諸兄はきっとこう思っているだろう。
「これコウプス・コウパスシリーズのオブジェクトなんだよな?ページ最初の説明はなんだったんだ?」
しかしもう一度言おう。SCP-3806-JPは███████製の角形電池である。それ以上でもそれ以下でもない。
その異常性は自らを説明する文章の冒頭に「この物体は20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体である」という説明が必ず入れられること。これは音声や文章などの記録媒体を問わず発現し、また出現した文言を削除してもすぐに再出現する。タイプ的には「私」に近いだろうがしばらくすると自分のことをトースターだと思わせてくる「私」と違いコッチの乾電池はそれ以外に影響は出ない。

これだけならせいぜいAnomalousアイテム分類が妥当だろうが振り分けられているのはSafeどころかApollyon
それには後述の事情が関係している。


SCP-3806-JPを取り巻く諸事情

ある時、並行世界のSCP財団が大勢参加している多財団連盟という組織が提供した情報により真桑友梨佳氏の自殺という現象は宇宙を存続させるために必要不可欠な事象でありソレを達成できない世界は崩壊の一途を辿ることになるということが判明した。
要するに

多財団連盟<話は聞かせてもらった!真桑友梨佳氏が自殺してない世界は必ず滅亡する
ΩΩΩ<な、なんだってー!?

というわけだ。
ここで画面の前のアニヲタ支部職員に問いたい。

乾電池の自殺って何?


多財団連盟曰くSCP-3806-JPの存在する世界はまだ『真桑友梨佳氏の自殺』が完了されてないらしい。つまりSCP-3806-JPの存在する世界の財団は「乾電池を自殺させよ」というどこかのトンチ坊主が言い渡されたような無理難題をクリアしない限り世界の滅亡を指をくわえて見ていることしか出来ないのだ。
これがSCP-3806-JPがApollyonに指定されている理由である。宇宙のシステムにより運命づけられた未来の終焉という点ではSCP-1690-JP、通称「犭貪あるいはウロボロス」に近いかもしれないし個人の存在が世界の終焉を決定づけるという点ではSCP-3856、通称「世界の破壊者、ロイド研究員」に近いかもしれない。


乾電池を自殺させよ

ということでここからは財団の奮闘振りを見ていこう。

提案その1:身代わり作戦

まずは別の真桑友梨佳を用立てて自殺させる作戦。Dクラス職員の一人を真桑友梨佳と改名した後に、特殊なミームに暴露させて自殺させようとしたが多財団連盟から「それは実験したけど意味なかったぞ」と言われてしまった。

提案その2:輸入作戦

ならばと次はお隣の世界から真桑友梨佳氏を貰ってきてコッチの世界で自殺してもらおうという作戦。しかし多財団連盟は真桑友梨佳氏関連のオブジェクトの世界間輸送を禁止していた。まあ世界の崩壊に直結するオブジェクト群なんだから扱いが慎重になるのま当然といえば当然だ。なおこの方法が完遂出来たところでその世界の真桑友梨佳氏が自殺しなければ世界崩壊は免れないという情報も多財団連盟より通達されている。

提案その3:リセマラ作戦

SCP-3806-JPに指定されている例の乾電池を破壊することで、世界に一つしかない「真桑友梨佳氏」の枠を強制的に空けて自殺できる真桑友梨佳氏を再スポーンさせる作戦。しかしSCP財団は破壊したオブジェクトもDecommissionedという特殊クラスを当てて管理するため、結局『真桑友梨佳氏の死体を由来とするオブジェクト』が存在する事実は変わらない。そのため仮に乾電池を破壊しても真桑友梨佳氏の再スポーンは絶望的である。

提案その4:リセマラ作戦・リベンジ

先ほどの作戦はSCP-3806-JPという情報が存在し続けるため意味が無いとされた。ならば根本からSCP-3806-JPを消失させれば良いのではという観点から提案されたのがこの作戦でSCP-3309の使用を前提としている。
SCP-3309、通称「薄れ、消え去る時、私達は何処へ行く」。ざっくり説明すると『怪異創作コミュニティサイトである現実の『SCP Foundation』で発生する低評価削除に連動して作中財団世界のオブジェクトも消失する』という現象。財団はコレを「画面の向こうの悪趣味なホラー作家共が思わず低評価押したくなるほどダメダメに報告書を書けば面倒なオブジェクトを根本から消せんじゃん!」と受け取っており、メタネタを取り扱うSCP作品ではこの作品がそうであるように度々オブジェクトを消し去るためにSCP-3309が登場する。
結果から言ってしまうとこの作戦は立案されたモノの中で唯一「却下」ではなく「保留」となっている。なぜ「実行」ではなく「保留」なのかと言うと、
  • SCP-3806-JPの消失に伴って「真桑友梨佳氏」の情報や認識まで消えてしまう、つまり「真桑友梨佳氏を自殺させねば世界が滅ぶ」という大前提まで消えてしまう可能性があり、それでは根本的な「世界滅亡の回避」が達成できないこと
  • なにより次の真桑友梨佳氏の自然発生が完全に運頼みなのでニュー・真桑友梨佳氏が誕生する前に世界が滅びてしまう可能性もあるため手放しに容認できないこと
などが考慮されているからである。




周囲に一切の被害を出さないが、同時に世界崩壊の運命を強固に維持し続けるSCP-3806-JP。ある意味『最悪最凶の真桑友梨佳』と言っても良いかもしれない。

たった一つの乾電池に世界の終わりを定められる財団の明日はどっちだ。


余談

コチラの作品は『空想科学部門』の作品である。空想科学部門とは「上位世界の理論を持ち込んで下位世界を論ずる作品群」のことで我々執筆者・読者側の理論を取り込んだメタネタ作品が非常に多い。

SCP-3806-JP自体も普段コウプス・コウパスシリーズでは触れられない
『なぜ真桑友梨佳氏の自殺死体オブジェクトが大量に現れるのか』
『なぜ真桑友梨佳氏の自殺死体オブジェクトが大量にあるのにお互いのことについて触れられないのか』
というメタ的な疑問に
『真桑友梨佳氏の自殺は世界に運命づけられた事象でありソレが無ければ世界は崩壊するから』
『真桑友梨佳氏はそれぞれの世界に1つしかないため関わりようがない』
若干強引ながらもメタ的な解答を作る異色作であり、
「乾電池なせいで自殺が発生せずそのせいで世界が滅びかける」という重大なようでどこか滑稽な要素も、自殺死体を取り扱うゆえに陰鬱、陰惨になりがちなコウプス・コウパスシリーズの中では異例であるためSCP-3806-JPは二重に異色な異端児中の異端児作品である。

なお本文中では電池の製造元は伏せ字になっているが、画像では思いっきり「TOSHIBA」の文字が確認できる
作者曰く、
1.何製かどうかは関係ないので字面上で隠せるなら出したくはない。
2.この画像からTOSHIBAの文字を綺麗に消せる技術を自分がもっていない。
3.全体的にちょけた内容なので、ちょっとしたボケとして残してもいいかもと思ってしまった。
……との事。おい最後。



追記・修正はアナタの世界の真桑友梨佳氏が自殺してからお願いします。


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最終更新:2025年05月08日 11:34