サウンドウェーブ(G1)

登録日:2011/03/17(日) 01:08:35
更新日:2025/04/13 Sun 09:43:47
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サウンドウェーブ頭良イ。ビルドロン皆、馬鹿バカリ!


サウンドウェーブはトランスフォーマーシリーズの初代アニメ、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」の登場キャラクターである。
日本での愛称は直訳して「音波」。
声の担当は日本版トランスフォーマーの重要要素、ナレーションの政宗一成。
ロボット然とした淡々とした口調と、ボコーダーのエフェクトが他キャラクターより強くかけられ差別化されている。声まねした人もいるのでは。

悪の勢力デストロン軍団の情報参謀であり、戦闘から宇宙船の設計、サイバトロンの「ザル」警備をかい潜り偵察する等の万能ぶりを見せる。
文官・裏方担当にありがちなイメージで格闘戦が弱いという事もなく、むしろサイバトロン数人と同時に殴り合っても勝っている描写が多い。
ただ玩具設定のテックスペックで速度が驚きの「2」となっているためか、劇中では足が遅かったり、終いには木の根っこに躓いて転んだりすることも…。

本作のみならず以降のシリーズでもよく使われるデストロンのエンブレムマークは彼の顔がモデルである。
最も似てるのは頭飾りくらいでゴーグルアイの音波に対しツインアイになっていたり顎の部分がだいぶ尖ったりしてるが。

カセットロンと呼ばれる部下達を胸に仕舞っている。
「臆病でドジな誰かと違って、お前はよく働くわい」とメガトロンに褒められる程優秀なコンドルが有名。

サウンドウェーブ自体も忠実かつ優秀であるため、メガトロンがガルバトロンに変わった後も珍しく信頼されている。
同じ忠臣でありながらひどい扱いを受けてるサイクロナスは泣いていい。

意外にもメガトロンに対してタメ口で接することが多いが、これはどちらかというとカタコトな台詞を喋るキャラとして設定されているためである(ただし「メガトロン様」と様付けではある)。
このため焦った時には命令形になることも。

上述のとおりメガトロンからすれば優秀な部下ではあるが、性格はどちらかと言えば陰険な方。そして時に感情的になる時は一目でわかるくらい口が悪くなる一面を見せることもある。これがまたシュール。*1

スタースクリームの裏切りや仲間の命令無視を見つけると直ぐに報告するチクリ屋。
例えば「ゴールデンラグーンの泉」でスタスク達が捕虜相手に遊んでいたときには「メガトロン様ニ言イツケル」と言って、その後本当にチクった。
とはいえ特段仲が険悪なわけではなく、共に作戦を実行したりスタスクが彼を頼ったりすることもある。
「ゴールデンラグーンの秘密」の時も捕虜をいじめてたのはスタスクだけではない(新旧含めた他のジェットロンなど)。おそらく彼らもチクリの対象に入っていたと思われる。

一方ビルドロンとは仲が悪く、互いに「馬鹿」「ゴマすりのクズ野郎」と罵り合っている。

諜報員としての「目立たなさ」を重視しているのか、変形モチーフも他のメンバーのような兵器や乗り物ではなく、セイバートロン星では街灯に、地球ではカセットレコーダーに変形する。
カセットレコーダーモードでは人間が片手で持てる程度の大きさなのに、ロボットモードでは一気に巨大化するのだが、そこは気にしないように。『初代』ではよくある事である。

ナイトバードにすら潜入される程のザル警備を棚に上げたサイバトロンが対抗して戦線投入したブロードキャストとは互いにライバル視しており、『ブロードキャスト対サウンドウェーブ』の回においての、やり取りは有名。なんともシュールで地味な音楽対決を繰り広げた。


【劇中での活躍】

◆初代

第1話からいるが、サイバトロンと違ってデストロン側の数が少ないせいか、リストラ対象にはならず、しまいにはライバルキャラのブロードキャストが現れた。
全編通してデストロンの(貴重な)知的キャラとして活躍。


ザ・ムービー

開幕早々、コンドルを使ってサイバトロンの地球行きシャトルの情報を掴む有能ぶりを見せる。
その後サイバトロンシティでの戦いでは、コンボイと素手(笑)で戦い負けてボロボロのメガトロンをお姫様抱っこで運び撤退する。
…が、スタースクリームが宇宙に捨てる時は見捨てていた。
更にその後アストロトレインの中で行われたニューリーダー(笑)決定戦に参戦するも負けた模様。
一連の行動は、メガトロン個人の命よりあくまで軍団の存続を優先したからなのか、あるいは単に自分もニューリーダーになりたい野心があったからなのか……。
必然的に決定戦に参加できない上に体内で暴れられたアストロトレイン涙目である。

ただ、サウンドウェーブのほうを擁護しておくと、コンボイとの決戦時のメガトロンは自分でステゴロと言った癖にすぐ武器使用の前言撤回・騙し討ち・挙句の果てに人質の卑怯スリーコンボ。
そのくせにコンボイにワンパンK.O.という無様な姿。
しかもメガトロンは負けた事を頑なに認めず、「素手で捻り潰してやったわ!」と堂々とウソをつく有様。*2
これでは流石の忠臣も失望して当たり前だろう……。

後にメガトロンがガルバトロンとして転生した際には、すんなり元鞘に収まっている。


2010

サイクロナスやスカージ等の新キャラクターに取って代わられ、出番が減ったが優秀なのは相変わらず。
信頼されている為かガルバトロンは彼に対してはメガトロン時代の落ち着きを見せており、つかみかかる等、少しの暴力はしたが、サイクロナスたちのような暴力をふるっていなかった。

「音楽惑星への挑戦」ではブロードキャストと再び交戦。ハーモニーパワーを悪用したため、最終的に一方的に殴られ、ハーモニーパワーを削除されてしまった。


ザ☆ヘッドマスターズ

声優は政宗氏だが、エフェクトをかける機材が違うので大分印象が異なる。
何と第2話にて南極におけるブロードキャストとの戦いで相討ちになり死亡……と思いきや、コンドルによって回収された身体の一部からマスター星の技術力でサウンドブラスターとなって蘇る……と言っても、色がになっただk(ry

玩具ではカセットロンが胸に2体入るようになったが、アニメでは元から4枚くらい一気に出していたので、微妙。

この両者の対決は「ブロードキャスト対サウンドウェーブ」でのシュールな対決とは異なり、射撃から殴り合いに突入し、お互いの胸をパンチで貫く右腕がちぎれ飛び最後に爆散する……などかなりハードで血生臭い対決となっている。

ガルバトロンが南極で行方不明になった後はスコルポノック/メガザラックに鞍替えしていた。グランドガルバトロン計画の件を聞いて流石に愛想を尽かしたのだろう…。

◆トランスフォーマー(PS2)

メガトロン、スタースクリームと共にデストロン側のメインキャラとして活躍。
冒頭から早速登場し、惑星ゼルで行方不明になったメガトロンや仲間達を捜索するべくスタースクリームと共にゼルへ向かう。
「メガトロンが居ない=俺がリーダーだ!」といつも通り調子こくスタスクに呆れたりしつつ、ゼルの資源やサイバトロンの動きを調査してメガトロンに伝えるなど最初から最後まで実質ナンバー2としての存在感を発揮している。
また中盤から合流してきた2010組に対しては、自分に妙に親し気に接してくるガルバトロンに戸惑ったり、サイクロナスに言われた「俺からすれば貴様もメガトロンも旧式のポンコツだ」という陰口を録音して全員の前で再生したりする一幕も。
(当然メガトロンはキレ、ガルバトロンもサイクロナスを庇ったりはしなかった)
なお、デストロンで知的な言動が出来そうなキャラが彼(と今回はほぼモブだがレーザーウェーブ)ぐらいしか居ないという都合上、アニメからは想像も付かないくらい多弁に喋る。


【カセットロン】

サウンドウェーブの部下にして戦闘員。ボディは小さいがパワーや機動力は他のトランスフォーマーに負けない。
サウンドウェーブのことを心から慕っており、サウンドウェーブが悪口を言われれば胸から飛び出して擁護を、サウンドブラスターとして蘇った時は心から喜び一斉に胸に飛び込んできた。
その後も篤い主従関係を見せる。
ちなみに動物型は「2010」まで言葉を発するシーンはなく鳴き声のみだが、「ザ☆ヘッドマスターズ」以降改造されたのかしゃべれるようになっている。

◆コンドル
最強のデストロン戦士
治療中のコンボイを攻撃して爆発させたり偵察任務をこなしたりとかなり優秀。

どれくらいかと言えばあのメガトロン様がコンドルがやられた時に「あのコンドルがか!?」とうろたえた程。
またナレーターにも別枠でナレーションされたり、他の戦士たちが別行動する中敵を一人で足止めしていたりとやはり優秀である。
しかし射撃手ストリークに狙い撃たれたりと射撃の得意な敵は苦手なようだ。


◆バズソー
コンドル様2Pカラー。空気。
色を塗り間違えられる事も多いので余計に影が薄くなる。
ちなみにテックスペックは合計51で、合計49のコンドルよりもやや高い。


◆ジャガー
黒豹型のカセットロンで偵察したりスパークプラグ、スパイク親子攻撃担当だが、充電ケーブルを耳につけられ車のバッテリーから電撃を喰らったり割とスパイクに負けていたりする。
本物ピューマと戦った際もミサイルを使わなかったら確実に負けていた。
後の『ビーストウォーズメタルス』に登場したメタルスジャガーは、このジャガーが有機金属を含んだトランスフォーマー(プレダコンズ)にリフォーマットされた姿である。
詳しくは項目参照。


◆フレンジー
喋ることができる人型カセットロン。ハンマーアームで地割れを起こしたりする。口が悪い。

ダイノボットに地割れ対決で敗れて以降ダイノボットがトラウマになったようだ。
どれほどかと言えば、モイスト君…じゃなく「ホイスト、ハリウッドに行く」でスタジオにあるハリボテの恐竜ロボを見て勘違いする程である。
他のカセットロンと比べても単独のデストロン兵士として活躍するシーンも多く、メガトロンと行動を共にしたり独自の任務を持っていることもあり、スタントロン誕生に一役買っている。

「ザ・ムービー」にてメガトロンの融合カノン砲をえっほえっほと運ぶ姿が可愛いと専らの評判。


◆ランブル
フレンジーの色違い。若干空気。
海外だと名前がフレンジーと逆になる。
口が悪いのはフレンジーと同じ。
ちなみにテックスペックは合計44で、合計47のフレンジーよりもやや低い。

この二人はアストロトレイン内ニューリーダー争奪戦でデバスター相手に奮闘。
なんとハンマーアームで揺らしてデバスターの合体を解除させた。
言うまでもなく、一番迷惑したのはアストロトレインだが......


◆ラットバット
スクランブルシティ発動編から登場。コウモリに変形するカセットロン。
やっぱりザル警備のサイバトロン基地に潜入する等の偵察任務が中心である。

ちなみにアメコミ作品であるメガトロン・オリジンでは、元々は人型かつセイバートロン星の上院議員で、なんとサウンドウェーブの上司だった。
メガトロン*3の監視を命じていたが、サウンドウェーブはメガトロン側に寝返ってしまい、無理矢理カセットロンにされた…という経緯を持っている。


◆スラッグフェスト、オーバーキル
2010の「原始の呼び声」に1カットのみ登場。
スラッグフェストはステゴサウルス型(ただし角がある)、オーバーキルはティラノサウルス型(やはり角があり、こちらはケラトサウルスに見える)。

漫画では『ザ☆ヘッドマスターズ』最終話に登場。
サイバトロンが宇宙へ去ったデストロンを追って地球を去る日が近付き、別れを惜しんでいたクロームドームとウィーリーとスパイク一家を襲撃したサウンドブラスター*4に召喚され、スパイク一家を人質に取る。
ウィーリーはサウンドブラスターの不意打ちで蹴り倒されており、残されたクロームドームは手出しができない。
だがダニエルがスラッグフェストに馬乗りになって目を塞いだ事で、振りほどこうともがくスラッグフェストがオーバーキルにぶつかって、2体とも伸びてしまう。
人質を失ったサウンドブラスターはクロームドームのハリケーン投げで投げ飛ばされ、カセットロン達も後を追って退散した。


「二人のコンボイ」では、コロニウムクリスタルを探査するために、「スカウトロボ」という意思を持たないと思われる車両型のカセットロンが登場したが、クリスタルに触れたためにその有害なエネルギーの影響で破壊された。玩具は出ていない。


【玩具】

ニューミクロマンシリーズのカセットウォークマンから変形する「カセットロボ」の流用。

中身を実際に使える(音質はイマイチだが)MP3プレーヤーを積んだリメイクタイプが発売されたことも。

当時品のサウンドウェーブには、国内版にはランブル、海外版にはバズソーが付属する。
ちなみに国内版バズソーはサンストリーカー、スキッズと共にVSZ対決セットで発売した他、後に発売されたサウンドブラスターに付属した。

カセットロンはジャガーが『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』でリメイクされたが何故かサイバトロンのハウンドに付いてくる。
このシリーズではサウンドウェーブ自体はリメイクされていない。

フレンジーとランブルもユナイテッドでリメイクされるが、今回は海外準拠な為名前が逆になっている。
小型のスカウトクラス2つセットで大型のボイジャークラス相当の値段。
ボッタくりとは言ってはいけない。
何故か「トランスフォーマーアドベンチャー」の商品として再販された。

コンドル様やラットバットは復刻されたカセット大作戦セットを買うといいだろう。

2013年にマスターピースでサウンドウェーブ、2014年にはサウンドブラスターが発売された。
サウンドウェーブにはコンドル、サウンドブラスターにはラットバットがデフォルトで付属する。
その他のカセットロンはランブル&ジャガー、フレンジー&バズソーの組み合わせで発売された。

2019年の「トランスフォーマーシージ」ではサイバトロン星の姿として宇宙船のようなデザインでリメイク。
カセットロンもジャガーとコンドル*5、ランブルとラットバットがそれぞれセットで発売。勿論内部に収納してイジェクト遊びも可能。

2020年には満を持してのフレンジーと、ラットバットの色替えであるウイングシングが発売された。セットでは上記の2体に加えて『超神マスターフォース』に登場するダブルクラウダーのサイバトロンマスターフォースにあたるノック、デストロンマスターフォースにあたるスカーも入っている。

2021年の「ネットフリックスシリーズ」ではシージ版のリデコでカセットレコーダーに変形するサウンドウェーブが満を持して発売。
ジャガーとコンドルもお馴染みの地球仕様にリデコされて付属する。

また2022年(海外では2021年)には「キングダム」にて小さめのコアクラス版がタカラトミーモール限定で発売。こちらもカセットレコーダーに変形する。カセットモード(非変形)のコンドルも付属し、格納できる。
翌年には「レガシーエボリューション」のラインナップでサウンドブラスターにリカラー。こちらはコンドルがバズソーになっている。また、コアクラスの販売方針が変わったためか、サウンドウェーブは国内では限定販売なのにこちらは一般販売、と知名度と販売経路が逆転している*6

2024年には「ドラマチックキャプチャーシリーズ」からネメシスブリッジセットとしてメガトロン、レーザーウェーブと同時に発売。ネトフリ版のリデコでコンドルが付属する。

2025年には「レガシーユナイテッド」としてセットで登場。またまたネトフリ版のリデコだがバズソーとジャガー、SS86版のフレンジーが付属するためサウンドウェーブとカセットロンを揃えたい場合にお勧め。ただし価格が13,200円とお高め。

【台詞一覧】


「コンドル、イジェークト」

「オイ、ジャガー!?」

「口ダケノ、イカレサウンドガ!」
「ハハハハハハ!」
「ウオオッ!エエイ、クソォ!」
「オボエテロ!」
『ブロードキャスト対サウンドウェーブ』にてブロードキャストと対面した際「へっ…この日が来るのをどんなに待ちかねたか…!このサウンドシステムの面汚しめが!」と言われて。宿命のライバル同士の対決故か共ものすごいテンションが高い。
一時は胸や頭から発する音波攻撃で優勢になるが両腕に大型スピーカーを装備したブロードキャストに敗北してしまった。

「サウンドウェーブ頭良イ。ビルドロン皆、馬鹿バカリ」
『ザ・ムービー』より。ビルドロンには「ゴマすりのクズ野郎」と返された。

「ブレインスキャン、開始」
『謎の巨大隕石』より。非常にしょぼいブレインスキャンのSEは必聴モノ。

「ソイツヲコッチニヨコセ、チビ人間!」

「メガトロン様ガ、オ怒リニナッテモ、知ランゾ!」

「アレゾ天上ノ音楽。高潔ニシテ純粋、コレマデ聞イタ中デ最高ノハーモニーダ」
2010の作画崩壊回として有名な『音楽惑星への挑戦』で音楽惑星に来た際の台詞。

「警報!警報!助ケテクレ〜!」



アニヲタ、イジェークト……追記、修正開始セヨ


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最終更新:2025年04月13日 09:43

*1 『令嬢より愛を込めて』では、デストロン相手でも怯まず悪態をついてきたアストリア嬢に対し「ダマレ」「ウルサイ」とあまりに語彙のない叱責を行っている。

*2 この光景には流石のユニクロンも呆れ果て、『誇張するでない!』とツッこんでいる

*3 当時はメガトロナス。

*4 情報集めのためにまだ地球に残っていた

*5 海外名のラヴィッジとレーザービーク名義。

*6 この逆転現象は他にも発生している。オプティマスプライム(限定)とネメシスプライム(一般)、スタースクリーム(限定)とサンダークラッカー(一般)など。