電磁戦隊メガレンジャー

登録日:2009/07/09 Thu 21:14:41
更新日:2025/03/26 Wed 09:52:02
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MEGARANGER!!


『電磁戦隊メガレンジャー』とは、1997年2月14日から1998年2月15日までテレビ朝日系にて放送されたスーパー戦隊シリーズ第21作目。


目次


【概要】

本作は『高速戦隊ターボレンジャー』に続いて2組目の高校生戦士であり、溌溂とした学生メンバーによる学園ドラマが展開される。パソコンの普及などの世相に合わせてか、インターネットや電子機器が主なモチーフとなっている。
パワーレンジャーシリーズとの連動を見越して、当時アメリカのドラマで流行していた宇宙要素も導入され、学園ドラマだけでなくSF的な展開も多く盛り込まれた。
また、作中での「メガレンジャー」はゲームセンターで稼働する格闘ゲーム、という設定は90年代の格ゲーブームの影響を感じさせる。

特撮技術の発展も大きな見どころで、グルングルン動く大胆な3DCGなどが意欲的に使われている。
これ以前の作品でも少しずつ使われていたCG合成は、本作をもって戦隊シリーズに定着したという意見が強い。

プロデューサーは高寺成紀が前作『激走戦隊カーレンジャー』から続投。

メインライターは『電脳警察サイバーコップ』や『ドラゴンクエスト ダイの大冒険(旧アニメ版)』などの多数の子供向け作品を手掛けた武上純希がシリーズ初参加。
東映特撮には『有言実行三姉妹シュシュトリアン』に参加経験があり、その流れで本作に参加する運びとなった。
サブライターには前作から唯一の続投となる荒川稔久、元タツノコプロ社員という異色の経歴を持つ柳川茂、そして当時新進気鋭だった小林靖子の3名が登板。
特に小林氏は初参加ながらもメガシルバー関連などの重要エピソードや、後述する終盤の衝撃的な展開など多くの本数を手掛けた。*1

劇伴は『夢戦士ウイングマン(アニメ版)』『闘将!!拉麺男』『ママレード・ボーイ』など、東映アニメ作品での参加経験も多い奥慶一が担当。
シリーズには『超新星フラッシュマン』の主題歌編曲で関わりはあったものの、特撮作品の劇伴を手掛けたのは本作が唯一となる。

「47戦隊47都道府県」では鹿児島県を担当。
種子島のロケット打ち上げ施設などがある事が理由か。


【作風】

変身前の状態では殆ど戦闘シーンがなく、名乗り上げや決めポーズをたまにしか行なわない*2
止めの必殺技はメンバーの武器をすべて合体させたもの(いわゆる合体バズーカ)ではなく、レッドのドリルスナイパー*3とそれ以外の4人のマルチアタックライフル*4による同時攻撃となっている。

また、怪人が倒されないまま自らの意思で巨大化し、そのままロボ戦に移行する珍しいパターンも見られた。このように戦隊シリーズ全体から見れば異色とも取れるような要素が多い。
だが、3クール目を過ぎたあたりの、特に悪のライバル戦隊である邪電戦隊ネジレンジャーが登場してからは生身での戦闘シーンや名乗りポーズが恒例化。従来の戦隊シリーズに沿った作風となった。

変身バンクや勝利演出など細かいところの描写がコロコロ変わって安定しないのも本作の特徴で、CMに入る時のアイキャッチのBGMも放送枠以降に伴って変更されている。

また、第21話から第30話までは夏季限定となる盆踊り調のエンディングテーマが使用される。さらに中盤以降、オープニング・エンディングともに主題歌の歌詞が2番に変わり、OPでは映像も一新されるなど新しい試みも多くなされた。
「CM入り/明けのアイキャッチに5人全員分の差分があり、その回のメインメンバーが変身する戦士が担当する」のも始祖という意味ではメガレンジャーのイメージが強いだろう。
前作同様、本作でも明確なナレーターはキャスティングされておらず、次回予告サブタイトルの読み上げは主に主演の5人が担当している。

基本的には高校生ならではの軽いノリで話が進展するものの、時には真面目で教訓的な内容も見られる。メンバーが高校生ということで、淡い恋愛模様が繰り広げられたり、年長者から大切なことを学ぶという話もある。各話のシナリオはバリエーション豊かなものが揃っており、90年代戦隊の中でも屈指のドラマ派として今なお根強い人気を誇る。

その一方で終盤で周囲に正体がバレた挙句、守るべき民間人から非難を受けるという過酷な展開は放送当時物議を醸した*5

こういった展開は『メタルヒーローシリーズ』など他の東映特撮作品では何度か出てきた描写ではあるものの、スーパー戦隊シリーズにおいては本作以降は27年後の『爆上戦隊ブンブンジャー』まで長らくなかった。
それだけ批判的な意見が多かったとも推察されるが、終盤の3話を一気に費やして描いたこともあって見ごたえのある内容になっている(一方、3話で描き切るには流石に無理がある内容だったとして、そこを否定的に捉える意見もやはり少なくはない)。

放送時間の変更


放送時間が変わるよ!
次からは毎週日曜日、朝7時30分!


放送時間帯は、当初は毎週金曜17:30-17:55であったが、第8話以降から毎週日曜7:30-8:00、即ち今でいうニチアサキッズタイムへと移動となった。
これは、『ステーションEYE』が放送されていた平日18時台のニュース枠を17時台からの2時間枠に拡大した『スーパーJチャンネル』の新設*6や、朝日放送や第4試合に登場する高校のある地域の局で放送していた、夏の高校野球の中継放送に伴う休止の回避などといった理由によるもの。

科学戦隊ダイナマン』の第8話までと同様に放送時間が30分に戻ることとなり、次回予告も15秒から30秒に再び拡大された。これにより、時差ネットだった岩手新潟石川山口鹿児島の各県のテレビ朝日系列局では晴れて同時ネットとなった。
ただし、静岡朝日テレビでは戦隊枠に『ビーロボカブタック』を放映しており*7、金曜夕方での放映が継続されたため、同時ネットから時差ネットに降格した。
その上日曜朝8時の枠も時差ネットだったため、静岡でのニチアサ特撮枠はどちらも2009年までの12年間遅れネットを余儀なくされた。
放送時間が延びてからは、次回予告でメガレンジャーの面々がよろしく「次回はこれだ!」と前振りし、「絶対観てくれよな!」と締める演出が取り入れられている。

その結果、前々作『超力戦隊オーレンジャー』及び前作『激走戦隊カーレンジャー』で低下していた視聴率は回復したが、総売上は74億円、内玩具売上が48億円と前作より低下している(ただし、これにも多少不運が絡んでいる。具体的にはメガボイジャーの項目も参照)。

これ以降20年半に渡って朝7時30分で放送された戦隊シリーズだが、『宇宙戦隊キュウレンジャー』の第32話より放送時間が2時間繰り下げられ現在に至る。


【あらすじ】

街のゲームセンターでは、「メガレンジャー」なる対戦格闘ゲームがブームとなっていた。
地元で一番のメガレンジャーの名プレイヤーであった高校生・伊達健太は、ある日突然、その腕前を見込まれて、I-NET(アイネット)なる施設へ召集される。
その一方で、4人の高校生、遠藤耕一郎・並樹瞬・城ヶ崎千里・今村みくも、一般人は立ち入り禁止とされているI-NETへの見学&取材を試みるべく、玄関で警備員と押し問答を繰り広げていた。

するとそこに、異次元からの侵略者であるネジレジアが襲撃してきた。
実は、メガレンジャーとは単なるゲームではなく、I-NETが開発した戦士育成シミュレーターでもあり、ネジレジアと戦う素質のある人間を探すためのプロジェクトだったのだ。
I-NETの責任者・久保田博士は健太たちに事情を説明し、一介の高校生である彼らを巻き込むわけにはいかないと懸命に庇おうとするが、この緊急事態に際し、黙ってはいられなかった健太&耕一郎ら4人はメガレンジャーに変身して戦うことを決意。

こうして、ゲームの達人+コンピューターを愛するデジタル研究会(通称:デジ研)の4人の部員からなる秘密の戦士・メガレンジャーが誕生した……!


【登場人物】

★電磁戦隊メガレンジャー

メガレッド/伊達健太
演:大柴邦彦(現・大柴隼人)

主人公にして愛すべきバカ。後年の戦隊シリーズで定番になる、いわゆる“おバカなレッド”の先駆者の一人。
お気楽なお調子者で勉強の成績も悪い。中学の頃には停学になって同級生の女の子にノートを写させてもらったこともある。

だが、友情には厚く強い正義感を持つ行動派。我先にと突っ走っていく無鉄砲な性格で、リーダーというよりは切り込み隊長となっている。
普段は能天気だが時には真面目な雰囲気で真剣に説得しようとしたり、自分が理解できないことに対しても、そこに至る感情には共感しようとする姿勢も持ち合わせている。

焼肉が大好きで、メガレンジャーとして戦う条件に焼き肉を提示するほど。加入して以降も戦士として戦う正当な報酬としてことあるごとに久保田博士に要求していた。さらに好きが高じて焼肉屋でアルバイトを始めたことも。

ムードメーカーであるが、その一方でトラブルメーカーになることも多い。ゲームセンターで子供たちにメガレッドが人気と知るやファンサービスとして変身しようとした時はさすがに久保田博士から止められた。また、美人にも弱い。

武器はドリルセイバー。能力はパソコン
突出した能力はないが(設定でいえばあらゆる能力をインストールできる)、攻守共に安定した万能タイプ。

ゲーセンでは敵なしの実力を持ち、これがメガレンジャー加入のきっかけとなった。ギャラクシーメガの操縦の際にも格闘ゲームのスタイルを取り入れることがある。守りが薄いところを執拗に攻撃するなど、意識してか否かは不明だが理に叶った戦い方を見せる場面も。
この理由から実はちゃんと選抜試験に合格したうえでメンバーに選ばれたのは健太が唯一ではある(もともとI-NETに在籍していた裕作ですらほぼ無許可だったことが久保田博士や本人から語られている)。

勉強は苦手なものの、事件を調査する時にはささいなきっかけで不審な点に気づくなど、地頭自体は悪くない。学業に関心がないのは、明確な夢や目標を見つけられていないためなのだろう。第23話で謎の卵を発見した際は、他のメンバーに聞くよりも先に自ら図書館に足を運んで熱心に調べていた。

一方、パソコンは大の苦手で当人曰く「キーボードを見るとじんましんが出る」とのこと。だが、デジ研の仲間として迎えられ次第に彼らと友情を育んでいく。
ストイックな瞬とは当初反りが合わなかったが、彼の夢を知ると体を張ってでもそれを守るべく奮闘。そんな健太の姿に瞬も心を動かされていく。

テストの成績では最下位になるほど勉強が苦手だったが、卒業後はよほど努力したのか、浪人生活を経て諸星学園高校の先生になった。実家ェ……
メンバーで唯一戦隊内恋愛の描写がなく、ゲストキャラとそういう雰囲気になることがあった回ですらその回のうちに失恋してばかりのことがしばしばネタにされる(もちろん、女性メンバーの千里やみくとは、友人としてなら至って良好な関係を築いているのだが…)。
一方、第13話では教育実習で訪れたゲストキャラの早乙女先生との交流が生まれ、「大人の愛」について語られる場面もあった。

演じた大柴氏は『ゴーカイジャー』にゲスト出演後、芸能界を引退し、地元静岡県で何と焼肉屋を開店し、店長を務めている

メガブラック/遠藤耕一郎
演:江原淳史

文武両道の優等生で(だが絵は下手)。生真面目だが融通が利かない性格の持ち主。女心には疎く、健太と同じく美人には弱い。

元々ハイスペックなこともあってか、失敗を引きずって本気で号泣するなど落ち込んでしまうところがある。第12話で登場した担任の大岩先生は彼とは真逆の奔放な人物だが、長い人生には失敗もあるという彼の考え方に触れ、心の成長に繋がることもあった。

頭が固い所があり、校則の内容にこだわって瞬から「朴念仁かお前は!」と言われた後、その意味が分からない健太とみくにわざわざその意味を説明するのは彼の性格を象徴する一幕である。

少々抜けていることもあり、戦いに巻き込まれて気絶した女の子を送っていくよう頼まれた時には「家の場所を知らない」と答えて千里から「病院よ」と突っ込まれた。
千里に好意を寄せているようだが、千里本人は意識していない。

4話を境にして、自ら率先してメガレンジャーを取り仕切るようになっていき、実はメガレンジャーのリーダー=彼だったりする(劇中でも第24話などで明言されている)。
高すぎるリーダー意識が災いし、どんどん自治厨仕切りたがり屋になっていくという悪癖がある。過酷な日課表を作成して他のメンバーを辟易とさせるなど、それがトラブルの種になったことも。しかし、それらはコミカルに描かれているためかあまり嫌味な印象は受けないようになっている。

終盤にもなってくると、もはや健太やみくをを頭ごなしに叱責するのが恒例行事と化している有り様であった。

なお、幼い弟にサッカーを教えてあげる回があるが、実は演じた江原氏は元サッカー経験者、しかも全国高校サッカー選手権で得点王にまで登り詰めた実力者だったりする。
武器はメガロッド。能力は人工衛星。全ての人工衛星から情報を取り込む事ができ、遠くにある場所を把握したり、仲間を探索する。キャラに合わないがパワータイプであり、エアプレーンスピンでモグラネジレを投げ飛ばした事もある。


メガブルー/並樹瞬
演:松風雅也

無駄なものを嫌うクールな合理主義者。他のメンバーにツッコミを入れる場面も多い。皮肉屋だが根は優しく、彼もまた信頼する仲間に対しての友情には厚い。

成績優秀で学年トップである。メンバー5人の中では最もコンピューターに精通しており、CGアートが得意。その実力は出展までする程で、アーティストとしての成功を夢見ている。
健太とは当初犬猿の仲だったが、彼の夢を追う気持ちを知って以降は和解。次第に、仲間内からそのチームワークを絶対的に信頼されるほどの仲となる。イケメンであり、みくを含め女子によくモテるが、本人はいたってクールであり、恋愛にはあまり興味がない。

優れたフルート奏者だった母親を幼い頃に亡くした過去を持つ。ある回では母の面影を感じさせる少女と出会い、強く惹かれる。普段は冷静な彼だが、やはり高校生らしく内面に未熟な部分は残っており、この時ばかりは理屈に囚われず自らの感情に任せて奔走する姿が見られた。

そのハイスペックさゆえ自信家だが、一方でそのプライドの高さを弱点として自嘲するような場面もあった。

武器はメガトマホーク。能力はテレビ。映像を駆使して幻を作り出して翻弄する。
本作初のフルでの名乗りシーンは彼がセンターだったり、ネジブルーを攪乱するための作戦としてメンバー全員メガブルーになったり、変身した後の決めポーズで一瞬バランスを崩してコケそうになっている回があるなど、要所要所で美味しい見せ場を与えられている。彼だけ唯一バトルライザーを使ったことがない。

演じた松風氏は本作以後も順調にキャリアを重ね、おはスタではおはスタ番長として出演。さらに青二プロ所属の声優としても大成。戦隊シリーズでも志葉家の十七代目当主怨みの戦騎など異なる役で再び出演しているほか、素顔タレントとして先述した大柴さんのお店に同窓会…失礼、食レポに行ったことも。


メガイエロー/城ヶ崎千里
演:田中恵理(現・たなかえり)

メガレンジャーのサブリーダー。気さくで優しいお姉さん的存在。
個性的なメンバーの仲をうまく取り持つこともあった。

学問の成績はメンバー中最高(耕一郎と僅差を争っている)、パソコンの知識や技能も平均レベル以上と、何気に高いレベルでバランスの取れた才女だったりする。

写真撮影が趣味で銀賞を取ったこともある腕前。夢は報道カメラマンで、語学の勉強に熱心に取り組んでいる。

どちらかと言うと耕一郎より健太と一緒にいる機会が多い。第23話でも傷心の健太を慰めていた。
非常に歌が上手く、彼女がステージに立てば学園祭のステージは大盛り上がり間違いなしと期待をかけられるほどの実力を持っている。
だが、1年の時は盲腸で緊急入院、2年の時は当日熱を出し、3年の時はカナリアネジラーに声を取り換えられ大塚明夫そのもの*8みたいな声になってしまうなど、本番当日に限って悉くアクシデントに見舞われている。

名古屋には非常に矍鑠でパワフルな祖母が住んでおり、第28話ではゲストキャラとして登場。この時も「メガレンジャーの正体は千里とその同級生たち」という秘密を知られてしまったが…?
彼女が言及する「中日の今中ちゃん*9」は後の戦隊でも同じ脚本家さんの手でネタにされた*10

武器はメガスリング。能力はデジカメ。異空間や見えない敵をサーチすることができる。
シボレナの些細な発言から攻略法を推測するなど、洞察力にも優れる。

また、何気にブレードアームなる単独での固有必殺技を持っているという珍しい特徴を持つ戦隊ヒロイン。


メガピンク/今村みく
演:東山麻美

子供っぽくてドジだが、明るく優しい少女。パンチラ要員。
ツインテ・てへペロ・ダブルピースという何気に時代を先取りした属性の持ち主。

楽しいことが好きで愛嬌のある人物ではあるが、お世辞にも正義の戦士として向いているような性格ではない。序盤の頃は授業をサボって保健室で寝ていたり、自信なさげにしているような場面もあった。

だが、秘密の写真をダシに引っ込み思案な同級生とデートすることになった時にはリードしてあげることがあり、芯はしっかりしている。自分を推してくれているいじめられっ子の少年のために奮戦するなど、次第に精神的に成長していく。

健太と同じく勉強は苦手だが、彼女もまた戦闘では敵の弱点を推測するなど咄嗟の機転が利く。メガレンジャーとしての戦いを通じて少しずつ自信を持てるようになっていった。

かなりおっちょこちょいで、彼女が両手を挙げるようなポーズを取ると大抵ロクなことにならない(そばにいた仲間2人に無自覚にダブルパンチを喰らわせる、千里の顔にソフトクリームをぶつける等)。

が、自身もそんな性分をかなり気にしており、とあるエピソードで頭脳明晰でスポーツ万能の“スーパーみく”に覚醒した時には、次第に体が蝕まれていく副作用があると分かっていながら敢えてその状態を維持しようとしていた。

おバカっぷりでは健太といい勝負だが、本人は瞬のことが好き。
千里と行動する機会が多いが、ゲストキャラからの告白を好きな人がいるからと断ったり、戦いで精神的に傷ついた瞬を心配してもらい泣きするなど、しっかりフラグを立てていた。

武器はメガキャプチャー。能力は携帯電話。音波などの数値を瞬時に計算する。
健太の焼肉好きばかりが注目される本作であるが、何気に彼女の食欲、特に甘いもの(スイーツ)好きも常軌を逸したレベル。秋になるや否や、食欲の秋と称して2人前~3人前はあるであろう食事を1人で平らげてしまった。その後、ブタネジレのダイエットクレープを食べた結果、底なしの食欲を持つ大食い人間になってしまった。

何故かメンバーで唯一、家族や親戚といった肉親にまつわるエピソードが全く描かれなかった。

百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』ではドリーム戦隊の一人に抜擢。
ガオホワイト/大河冴に、先述の「スーパーみく」のエピソードから学んだ教訓と花の戦士の心得を教えた。本人曰く、七変化(コスプレ)は女戦士の嗜みとのこと。
この頃になると、本作の頃が嘘のように大人びた雰囲気へと変わっていた。

以上5人の苗字の頭文字を合わせると「DENJI」(電磁)となる。ただし千里役を演じた田中氏によると企画段階では別の名前が各人に設定されており、例えば城ヶ崎千里は「たきざわりか」*11という名前だったという。



物語中盤の第24話から登場する追加メンバー。飄々としており掴みどころのない人物。当初はメンバーに正体を明かさず、戦いのアドバイスを贈るものの不審がられていた。

時に子供っぽくおどけた言動が見られるが、戦いとなれば一転して真剣な態度となりギャップが際立つ。研究者でもあることからコンピューターの知識は半端なものではなく、さらに日頃から体を鍛えており身体能力も抜群。

また、プロ並みに料理が得意で時にはネジレジアの怪人の舌をも満足させて隙を作ったりもした。かと思えば実はカナヅチ*12という意外な一面も。
バイクを颯爽と駆り、目立つことやカッコつけることが大好き。初登場回ではユガンデとバッファローネジレに対して堂々と目の前で変身。さらには上手く決まって感極まっていた。

実はI-NETの研究員であり、全くの独断でメガシルバーとしての活動を始めた。そのため、上司である久保田博士は「何を考えてるんだ……あいつは!!」と驚愕とともに憤るような様子さえ見せた。その後もたびたび戦いのためにプロジェクトを抜け出す彼に頭を悩ませている*13

25歳という若さでスペースメガプロジェクトのチーフを任されるほどの天才であるが、その半ばでメガシルバーとなって戦うようになったため、当初耕一郎は彼の態度を快く思っていなかった。普段はいい加減なように見える彼だが、絶体絶命の状況でも事件に巻き込まれた母親と赤子への気配りができるなど、大人としての余裕と柔軟さを持った人物である。そんな一面を知ってからは耕一郎も信頼を寄せるようになり、話のラストでは苗字はなく名前で呼ぶ間柄となった。以後、メガレンジャーの頼れる兄貴分として活躍するようになっていく。

メガシルバーのスーツは他のスーツのプロトタイプで時間制限がある。初登場回でネジレ獣にとどめを刺した後爆発をバックに変身が解ける姿は鮮烈な印象を与えた。当初は不完全なためハイパワーの代わりに2分30秒で自動的に変身が解けてしまう仕様だったが、後に再調整を施し、時間制限を克服した*14
武器は剣としても銃としても使えるシルバーブレイザー。能力はICチップ。様々なデータを収集し、自らの力にする。

変身するのが普通の人間&既存のメンバー5人に最初から好意的な態度で接する、という追加戦士は当時としては異例であった。また、その“シルバー”という担当色も戦隊シリーズ初となる画期的な試みであり、後続の追加戦士のキャラ付けに大きな影響を残した。

★I-NET関係者

久保田衛吉
演:斉藤暁

I-NETの科学者。健太や省吾からは「久保田のおっさん」と呼ばれるが、さほど気にしていないようで受け入れている。多くの視聴者も彼を「久保田のおっさん」と呼んでいることだろう。
温厚な人物だが、ネジレジアの非道を目にした時などに声を張り上げることもある。

研究者として戦いに不慣れな健太達をサポートしたり、新たな戦力の開発に励んでいる。成り行きでメガレンジャーになった健太たちだが、彼らの若さゆえの可能性を心から信じている人格者。

また上司という立場上、独断で動くことが多い裕作をしばしば咎めるが、彼の性格については理解しており非常時には手を貸す場面もある。

この手の司令官ポジションのキャラにありがちな態度だけ大きな嫌な上司ではなく、以下のようにむしろ上司としては厳しさと優しさを使い分けられ、融通も効いて頼もしく有能な人物。
  • ギレールの策略で誤って子供に怪我をさせてしまった健太に対して、似たような境遇の知り合いのボクサーの姿を見せて励まし、再び立ち上がらせる。
  • 裕作が勝手にメガシルバーとなって戦いを始めた当初は、本来の任務であるプロジェクトに戻すべく変身を一時封印する。その後、メガレンジャーが窮地に陥った際は今回だけという条件付きで再び変身できるように対応し、助けに向かわせる。
  • ファンサービスと称してチヤホヤしてもらうため、ゲーセンの少年たちの目の前で変身しようとした健太に対して「戦闘以外で軽々しく変身するな」と叱る。
  • 一方で、メガピンクに会ったことを信じて貰えず嘘つき呼ばわりされいじめられている少年を助けるためメガピンクの姿で接触したみくには見て見ぬふりをする*15
  • 裕作が独自にメガウインガーを製作していたのをあえて黙認し、必要とあらば責任は自分がとるといって出撃させる。
  • メガレンジャーの正体が敵に知られないようスーツが透視されないようあらかじめ加工を施し、これが功を奏す。
  • 街の人々に健太達が責められた際は自ら人々の前に飛び込み、責任は自分にあると発言する。

他にも年の瀬に新たなネジレ反応を発見し通信するも、年末気分を味わっていた健太たちに対して(差し迫った状況ではなかったことから)ねぎらいの言葉のみを伝えるなど、細かな気配りもできる。
このように苦労が絶えないであろう立場でありながら給料はあんまり高くないらしい。
おっさん呼ばわりされても怒らない一方で、「ケチ」という一言に「私はケチではない!」と言い返すなど、怒りのツボがいまいち分からない人物でもある。



邪電王国ネジレジア

「ネジレ次元」と呼ばれる捻じれた異次元に潜む悪の王国。
詳細は該当項目を参照。


【メガレンジャーの戦力】

  • サイバースライダー
飛行機とモーターボートを合体させたような形状の飛行メカ。サーフボードのような体勢で操縦する。
Vシネマ『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』での描写を見る限り、相応の危険は伴うが変身していない状態でも扱うことは可能であるらしい。

  • デジタンク
第6話から登場。
レスキュー用の特殊機動装甲車で、六輪走行でビルの階段も登ることが可能。
左側に障害物を取り除くためのデジハンド、屋根に人間を探知するためのマルチビームサイザーを搭載。マルチビームサイザーからは光線を発射することも可能。
時には久保田博士が乗り込んでメガレンジャーを援護する場面もあった。
また、ネジレンジャーがメガレンジャーの正体を探ろうとしていた時に意外な使われ方をしたことも。

メガレンジャーの1号ロボにして司令部。
ロボットと基地の要素を併せ持つという点は非常に斬新である。詳しくはリンク先参照。

  • デルタメガ
メガレンジャーの2号ロボである自立操縦型ロボット
ギャラクシーメガと超電磁合体することでスーパーギャラクシーメガにパワーアップさせる。
詳しくはギャラクシーメガの項目を参照。

裕作をチーフとした「スペースメガプロジェクト」により開発された、メガレンジャーの3号ロボ。
5機のボイジャーマシンが銀河合体することで完成する。詳しくはリンク先参照。

  • メガウインガー
メガシルバーが勝手に開発したメガシルバー専用ロボであり、メガレンジャーの4号ロボ。
詳しくはメガシルバーの項目を参照。




【派生作品】

前作『カーレンジャー』とクロスオーバーしたVシネマ。
あの激走戦隊カーレンジャーとのコラボではあるが、荒川氏が脚本を手掛けたこともあってか前作と比べてそこまでアクは強くなく、等身大のヒーローの先輩としてのポジションに収まっている。

【客演】

海賊戦隊ゴーカイジャー

第39話「どうして? 俺たち高校生」で上述の通り健太が諸星学園高校の教師として登場。
ドン・ドッゴイヤー伊狩鎧以外に学校に通った者がいなかった*16海賊達に青春の素晴らしさを教えた。
デジ研やI-NETも健在だが、部室の張り紙には「部室での焼き肉禁止!」「焼き肉のタレをこぼさない!」と書いてある……ナイスミドルになっても相変わらず健太は健太だった。

ちなみに女子生徒が憧れの先輩に弁当を持ってきて青春してるシーンで「リア充爆発しろ」と思った視聴者がいたかもしれないが、本当に学園全体(更には愛妻弁当にも)に爆弾が仕掛けられてた。
バスコ空気読みすぎである。

最終的に爆弾は解除(圧縮冷凍)され、キャプテン・マーベラス達6人の海賊にはメガレンジャーの大いなる力と共に卒業証書が与えられた。


【海外版】

北米では『パワーレンジャー・イン・スペース』としてリメイクされた。
原作は上記の通り高校生戦隊だが、パワーレンジャーシリーズでは初代から学生戦隊が続き飽きられつつあったので、逆に学生要素が排され、宇宙要素を前面に押し出す形となった。
ストーリーも『パワーレンジャー・ターボ』後半あたりから打ち出された連ドラ路線をさらに強化し、縦軸のシナリオを重視したシリアスな作風が特徴。
ネジレンジャーも「サイコレンジャー」の名で登場して人気を博し、次作『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』でギャラクシーレンジャー(星獣戦隊ギンガマン)とスペースレンジャーの2大チームと戦ったり、彼らが主役のコミック『ザ・サイコパス』がリリースされるなど優遇されている。

また、原作終盤のヒーロー迫害展開に対して、初代のコメディリリーフだったバルクとスカルが勇気を奮い立たせたことにより、
「ヒーローを守るため、そして平和のために1人1人の人間が立ち上がり戦おうとする」といったカウンターパンチな展開もあり、良い意味でアメリカ人の嗜好が反映されている*17


【余談】

メガレンジャー5人が通った高校は「諸星学園高校」(ロケ地は平成国際大学)である。
企画段階では「夢が丘高校」であり、第1話の耕一郎のとあるセリフに名残がある。アフレコでは「諸星学園」と言っているが、明らかに江原氏の口の動きは諸星学園ではない。

機動戦艦ナデシコ」にもサブライターとして参加した荒川氏の脚本回では、セルフパロディ的な要素が見られる。
第7話で登場した押しが強い性格のゲストキャラの名前が「三島由里花」と同作ヒロインのミスマル・ユリカを彷彿されるものだったり、第11話で千里が偶然知り合った少女の名前がルリであり、髪型もツインテールであるなど。

主題歌を歌った風雅なおと氏は後にVOCALOID「KAITO」のCVとなり、ネットの波をくぐるとちらほら彼の歌声が聞こえるようになったのは別の話。



追記・修正は時間なんて気にしないで最高の気分でお願いします。



20.激走戦隊カーレンジャー←21.電磁戦隊メガレンジャー→22.星獣戦隊ギンガマン

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  • 戦隊レッド 異世界で冒険者になる
最終更新:2025年03月26日 09:52

*1 当時はOLとして働きながら脚本家も兼業していたが、本作で本数が増えたことを機に元々の勤務先を退社して正式に専業の脚本家に転向した。

*2 いわゆる「個別名乗り」まで含めてフルで披露したのは第27話で、なんと2号ロボやスーパー合体の披露より遅い。しかもこの回、ブルーが主役回であったため、初の名乗り上げでブルーがセンターを務めるという異色ぶりであった。

*3 個別武器のドリルセイバーと共通武器のメガスナイパーを組み合わせたもの

*4 ブラックのメガロッド、ブルーのメガトマホーク、イエローのメガスリング、ピンクのメガキャプチャーとメガスナイパーを組み合わせたもの

*5 ちなみに、同じ高校生戦隊の『ターボレンジャー』は周囲に正体を隠すということはしておらず、事実上の初回である第2話で敵前で堂々と変身している。

*6 この時、キャスターに起用されたのが石田純一氏と田代まさし氏だが、後に黒歴史になるのはまた別の話。

*7 本来の日曜朝8時に自社制作番組『エンジョイDIY』を放送していた

*8 当時は素顔シーンでも後からアフレコだったためこういったことが容易に可能だった。現在の「素顔シーンは普通に出演キャストが喋ってる『音声』と一緒に撮る」になったのは『炎神戦隊ゴーオンジャー』『侍戦隊シンケンジャー』あたりから。「だから(デカレンジャーの)TVシリーズはYEARSFTERシリーズにない「セリフを入れるための合図になる動き」を入れてるシーンが多いんですよ(載寧さん・林さん)」「俺達のときには先輩たちの時にいなかった「音声さん」が現場にいたんだぜ!(古原さん)」

*9 「ミスター・スローカーブ」今中慎二、当時の絶対的エース

*10 えみポンの本名が「今中笑里」。元々荒川先生は小ネタに中日ドラゴンズネタを挟むのが多い

*11 漢字表記不明のためひらがなで明記

*12 第25話で「せっかく泳げるようになったんだからさ」と語っていたが、浮き輪をつけていたので本当に泳げるようになったのかは怪しい。これは金井氏が重甲ビーファイターで演じた片霧大作にカナヅチを克服するエピソードがあることが由来のネタと思われる。

*13 裕作の行動が事件を解決するきっかけになることも多く、しっかり活躍はしている。また久保田博士も後述するようにどちらかと言えば「裕作を止めるほうが困難」「悪い奴ではなく、正義感やメガレンジャー関係者としての考え・価値観は真っ当なものではある」、果ては「本当に使う前に事後報告してくれただけマシ」として仕方ないと見なしているニュアンスのことが多い

*14 よく「時間制限克服と引き換えに出力が落ちた」と言われるが、劇中ではそのような描写や言及はない。一度調整中のスーツで出撃し、パワー不足で苦戦する場面があったため、これが曲解されたものと思われる

*15 怒られた張本人である健太からは当然抗議されるが、目的に私欲は絡まずあくまで正体を隠したままで接触したみくとでは状況が異なるためか、すっとぼけた上で通信を切っている。なお、後の19話で健太がギレールの策略で怪我をさせてしまった少年にこの時のみくの様に正体を隠したままメガレッドの姿で謝罪した際も、同様にお咎めなしだった。

*16 そもそもアウトロー出身や元々ザンギャックの勢力圏出身のメンバーが多く、致し方ない面はある。王族の生まれのアイムですらこの時点でそういう年齢になる前に故郷を追われてしまったことを伺わせる発言は結構あった

*17 ただ、本家『メガレンジャー』が最終的には大団円で幕を閉じたのに対し、パワレン版は「宇宙の各地が悪の勢力によって蹂躙される中、善の指導者ゾードンが自らの命を犠牲にしてギリギリで勝利をつかみ取る」という、どちらかと言えばビターエンド寄りのほろ苦い結末を迎えている。