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レブレサック

登録日:2011/10/29 Sat 21:06:37
更新日:2026/06/21 Sun 02:20:51
所要時間:約 7 分で読めます




レブレサックとは、『ドラゴンクエストⅦ』に登場する村の一つ。
ストーリーでは17番目に訪れる。


XⅦ.レブレサック
石板:
必要な石板数は4つで――
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聖風の谷 コスタール

プレイヤーの間ではドラクエ7どころかシリーズ最悪の村として名高い。
しかしながらそれはこの村で繰り広げられるエピソードが人のエゴと村社会の闇を描いたものとして非常に高い完成度で纏まっている為であり、好き嫌いを抜きに高く評価する声もまた多い。

以下ネタバレを含みます

■過去

正体不明の深い霧に囲まれて完全に疑心暗鬼に陥った村人達。
村人達に信頼されていた神父は諸悪の根源を倒すべく、少年ルカスの両親と力自慢の若者を連れて『魔物の岩山』へと向かう。
しかし神父らが帰ってくることは無く、代わりに教会に化け物が現れた。

「化け物は悪魔の手先に違いない、退治するしかない」と意気込むも、誰が実行するかが問題になり話は進まない。
そこで村人はたまたま立ち寄った旅人(=主人公)に「教会の化け物を倒してくれないか」と依頼する。

渋々依頼を引き受けた主人公らとそれに随伴する少年ルカスは教会に行くものの、違和感を覚える。
化け物からは敵意は感じられない。村人を襲うこともなく、ただ悲しそうな顔をしているだけなのだ。

化け物を倒す事に躊躇した主人公達。
その為に主人公達は村人から「実は化け物の仲間だったのではないか」と思い込まれ、魔物の岩山に幽閉される。
この時、リレミトを使わない限りは山頂に行くまで脱出が不可能になる。

■魔物の岩山にて

山頂には神父が居た……しかしそれは神父の姿をした化け物、ボトクであった。
ボトクは事の真相を語る。

「仲間達は次々に死んでゆき、それでも神父は諦めず立ち向かってきた。
だから私は言った。村を守りたいなら私と取引しないか? と。
私と姿を取り換えおぞましい化け物の姿になって生きるならば……
お前の生きている限りは村を襲わずにいてやろうと」

つまり、教会にいた化け物こそが本物の神父だったのである。
自分達の命を繋いでいた神父を殺そうとしていた……なんたる皮肉であろうか。

難なく*1ボトクを倒して村に向かう主人公達。そこで見たものは磔となり火あぶりを受けようとしている化け物の姿だった。
しかし間一髪でボトクの呪縛が解け、化け物は神父の姿に戻る。
この時になって真実を悟った村人達。磔は解かれ、神父は一命を取り留めた。

一晩明けてから神父に謝りに行こうとする村人達。
しかし明け方、一人教会を出ようとする神父の姿があった。

「もし私がこのまま村に留まるならば……
村の人々はいつまでも私の姿を見るたび苦しむでしょう
彼らに罪は無い。全ては魔物の仕業だというのに村人は苦しむでしょう」

と言い、神父は村人達に気付かれぬように村を去ってしまう


なお、神父様はプロビナ地方に旅だった模様(明示はされておらずプロビナの神父も記憶を失っているが、女神像等の詳細部分が一致する為)。
プロビナでは主人公達を守る為に魔物の前に出て命を落とした。人徳あり過ぎるよこの神父。
唯一真相を知るプレイヤー達は複雑な気持ちに襲われた。

身を挺して皆を守ってくれた神父を追い出してしまった後悔の念。
過去の過ちを繰り返さぬように村人は石碑を立てて、神父様と主人公達の記述を後世に残そうとした。

その身を魔物の姿に変えて村を守った神父様を
我々は殺そうとした。
神父様を魔物の手先と疑い村中の皆で殺そうとしたのだ。
神父様こそが我々を守ってくれたというのに。
我々の過ちは旅人達のおかげで防がれたが、罪は消えることは無い。
我々はいつまでもこの過ちを忘れてはならない。
そして、旅人と神父様への感謝の心も……。


これで事件は解決。
もっとも、神父を攻撃してたくせに「あたしゃ最初からアイツが神父だと分かっていたよ。でも他の住民が怖くて言い出せなかった」なんて供述をしやがる住民も居るが。なんて面の皮が厚い……。*2
主人公達は過去のレブレサックを抜け、「さ、今はどうなってるかな〜」と現在のレブレサックを見に行くのだが……。


■現在

町の中心に佇む石碑、その内容を確認する主人公達。

その身を魔物の姿に変えて村を守った神父様を
我々は心から愛していた。
ところがある日やってきた魔物の化身が、神父様を殺そうとした。
我々は力を合わせ、神父様を守った。
我々は神父様への感謝を忘れることは無いだろう。

あれ?

そう、見ての通り内容がすり替えられているのだ。
「神父を救った旅人=主人公達」を「やってきた魔物」と悪役扱い。
村人はまるっきり善玉になっている。
あと後ろめたさからか急いで改変したらしく、知らなくても違和感を覚えそうなぐらい文章の繋がりもおかしい。

……しかも唯一真実を知る*3少年リフは嘘つき呼ばわりされていじめられる始末。
主人公らはリフと協力して、埋められた本物の石碑を発見。村長に真実を突き付けるのだが……、


「こんなもの あってはならないんですよ……。」


と言い、あろうことか石碑を破壊する。
そして村長も村人も、何事も無かったように生活を続けていくのであった。

……以上が最悪と言われる所以。

■村長や村人は間違っているのか?

もっとも、村長の行動は村を守っていく立場の人間として一概に間違っているとは言い難い。
そもそも最初に歴史を捻じ曲げたのは村長本人ではなく、過去レブレサックと現代レブレサックの間のどこかの時代に行われたことである。
また、レブレサックには、王国の庇護がある様子もなく、クレージュエンゴウリートルードのようなめぼしい産業や観光地もない。
そんな村にとって、村民たちがかつて捻じ曲げて残した歴史は、村にとっては大切な求心力であった可能性もある。

真実の歴史を伝えた結果として村が求心力を失い、消滅という末路を辿っていくなら、歴史を葬った方がいい・・・。

という考えを村長はしたのかもしれない。
村長宅の本棚には、「よい村長となるには」というような書籍が多く、村長がよき村長となるために努力していることは間違いない。
村長が徹底的に嫌われているのは、村長が特に葛藤する様子もなくぶち壊した(…と言われているが、実際には「何故今更こんなものが…!」と困惑はしている。ゲーム上のテンポという都合もある)のと、過去の惨劇を見てきたプレイヤーだからこそ抱く気持ちなのかもしれない。

ましてや、現代の村人たちは歴史の改竄がされていることなど何も知らない、いわば善意の第三者である。
そんな人たちが「今まで信じていた伝承は間違いであり、それも村人たちが神父様を殺そうとしていた」などという真逆な内容を「真実」と突きつけられたところで「それが真実だったのか!」と受け入れることなど出来るわけがない。
この点に関しては、仲間キャラでは唯一メルビンが嘆きつつも理解を示している。

そもそもの話として「村の負の歴史をいつまでも戒めのために残していくべきなのか」という問題もある。
確かに神父様の悲劇は「当時の村人たち」にとってはいつまでも忘れてはいけないことであり、伝えていくべきことだったかもしれない。
だが、それが何世代も経ち、当時のことを覚えていない村人からすれば「何故こんな昔のことをいつまでも残しているのだ」となること自体はおかしくない。
もっとも、だからといって村の求心力のために都合のいい美談に仕立て上げ、捏造することを是とするのかは別問題。
現代の村長と村人たちはこの歪みの煽りを完全に受けている立場なのである。

他方で、真実を知った少年達が大人達に真実を伝えても、彼らの親を含めた大人達が揃って彼らを嘘つきと決めつけ、理不尽な罰まで与えた事実、
そして後に神に化けていたオルゴ・デミーラが姿を表した時、村長を含めた村人達(一部の例外は除く)がよそ者を魔王の手下扱いして追い出そうとしていた事実が、
プレイヤーの怒りと失望に拍車をかけていると言える*4
この中でも「真実」を知っているはずの村長が主犯だということが余計にプレイヤーの負の感情を刺激している。
仲間キャラも怒りを通り越して呆れており、本来人間が大好きなガボですら「もういいよ主人公、行こうぜ」と見切りをつけたとしか思えないことを呟いている。
一方でマリベルは村人の態度や神父様に助けを求める他力本願さに怒りを露わにするが、同時に「だからこそ私たちがやらなきゃいけない」と魔王打倒を改めて決意している。

幸いな事にリフをいじめていた村の少年達には真実が伝わり、彼らは反省しリフへの酷い態度を改めている。
そのおかげで彼らは神に化けていたオルゴ・デミーラが姿を表した時も怯えるだけの大人達とは違い、明確な勇気と強い意思を持っていた。
他の村人も、「俺たちはかつて神父様を守ったんだぞ!!今回も俺たちは頑張るんだ!!」くらいの姿勢を見せていれば、イベントへの評価も変わったのかもしれないが……。

「真実を知った子供達」という、未来に小さな希望を残す形でこの村のエピソードは終了する。
しかし子供達全員が真実を知っているわけではなく、あの場にいなかった女の子は今も間違った伝承を信じているという、まだまだ根深い部分も残されている。
子供達だけじゃなく、宿屋の女将も主人公達を信じて亭主に黙って泊めてくれるいい人なのも忘れずに。


■プレイヤーからの評価

この村に関する評価としては、「滅んだ方がまだマシな最悪な村」と怒りを露わにする人もいれば、「怒る気持ちは理解できるが、村人たちの行動も理解できる」と諦観の念と共に語る人、あるいは「プレイヤーという第三者の視点から見ているからこそ理不尽に思うが、自分が村人の立場なら歴史の隠蔽と改竄に賛同するだろう」と冷静に見る人もいる。
ルーメンと言いここと言い、DQ7はプレイヤーが持つ陰の部分をダイレクトに浮き彫りにさせ逆説的に問うシナリオ構成が上手い。

ちなみにこの胸糞エピソードはPS版ではスルー可能で、石版を取ったらちゃんと揃っていればここを飛ばしてコスタールに行ける。リフは嘘つき呼ばわりのままだが……。
ただし3DS版では必須エピソードになっているのでPS版既プレイヤーは注意。
ストーリー進行上マリベルを連れてくることは不可能。超がつくほど毒舌で、かつ思ったことをすぐに言い、そして称賛が足りないと不満を漏らす彼女がこの村に来てたらガチギレしそうだが。


■『Reimagined』では

本筋に関わらないサブシナリオに回され、訪問タイミングは最速でマーディラス復活後、聖風の谷よりも前と一つ前倒しに。
系統ごと削除されたモンスターとして、霧にまみれる道で戦う中ボスがフォレストガード2匹(リメイク3匹)からアローインプ3匹に、霧を作り出す魔物がブタあくまからおおきづちに変更されている。
あまりにも弱過ぎたボスのボトクも、戦法が変わったことや事前にセーブポイント+回復の女神像が追加されたためか、時期相応に強化されている。
また、マリベルの離脱がなくなったため、この村に対する彼女の反応が見られるようになった。
真実を闇に葬られた時の、『Reimagined』でマイルド化した彼女のセリフの中ではかなり貴重なストレート暴言は必見。
シナリオ通して見るとマリベルよりもガボの方が怒っているのだが、そのガボが必死にマリベルを宥めにかかるレベルである。

…というのは他のシナリオでもある変更点だが、なにより一番の変更点は歴史の改竄を阻止出来るようになったこと。
石版を回収した後に、どちらの時代の村長に見せるか、という分岐が発生し、現代の方に見せれば従来通りの展開に。

この分岐に対する仲間たちの意見はきっぱり分かれており、アイラは「過去の村長に見せるべき」、メルビンは「この状況で話を聞いてくれるかはわからないが、過去に持っていく前に現代の方に話を通すのが筋」とはっきり言うが、マリベルは「どっちでもいいからガツンと言いたい」ガボは「どうするかは主人公に委ねる」と中立の立場を貫いている。

過去の方に見せれば「皆さんの時代までにこのような愚かしい事が起こるのであれば、今のうちに村人の意識を正さなくてはならない」ということで、石碑ではなく「伝説の旅人(主人公)の像」を建て、キチンとした真実を伝えていくことになる。
石像には「どんな時でも人を信じ、愛していこう。神父さまや旅人たちのように」という、村の負の歴史から目を背けることのない内容となっている。
正しい歴史を文字や絵に残すことを禁止し、代々口伝で村の悲劇は言い伝えられている。やはりこれは「石碑が捏造されてしまった」という事実を知ったことによる対処だろう。
ちなみに主人公以外の仲間に関しても伝えられているが、ガボと狼が混同されて「しゃべる犬」になっているぐらいで、伝言ゲームの割にかなり正確に伝わっている。マリベルは不満に思ってはいるが。

この結果、リフはサザムたちと仲良く神父さまや旅人ごっこで遊ぶようになり、村長も子供たちの遊びに付き合ってあげるほど変化している。

……しかしながら、これで丸く収まりはしない。寧ろだからこそのドラクエ7と言える
このルートだと魔王復活後に「他所から来た人だろうと助け合う」派と「余所者とそれを助けようとする村人は敵視する」派に分かれてしまう
過去の悲劇を明確に伝えた結果、再び魔物が現れてしまったことで悲劇の再来に恐怖する村人が出てきたのだ
流石に意見の対立止まりではあり、それ以上の諍いは起きていないのが幸いではあるが…。

しかしこの中でも子供たちは大人がそうやって争うことに疑問を浮かべながらも村のパトロールを行い、村長は扇動することなくこの現状に心を痛めている。
そして移住者の中にも、村の現状に嘆きながらも「本当はみんな優しい人たちだってわかっている。私はこの村が好きなんですよ」と語る人もいる。
こちらのルートでも全てが丸く収まったりはしないものの、「人を信じ、愛する事の難しさ」という綺麗事では片付けられない現実と、その中に存在する「それでも人は誰かを信じて愛する事ができる」という人間の可能性を感じられるエピソードに仕上がっている。

ちなみに歴史を改変しても結局村を去った神父様の墓が存在していたりする。まあ、ここではプロビナはないから、和解して戻ったなり、遺体だけでも見つけ出して村に埋葬したと解釈できる。

■余談

  • かのヌルスケの墓があるのもこの村。
    墓を2回調べるとちいさなメダルが5枚手に入る。ありがたく受け取っておこう。リイマジンドのちいさなメダルリストでヤケクソみたいに「レブレサック(現代)」が5個並んでいるのはある意味必見。

  • 復活後は砂漠の城地方と繋がるが、過去においても霧が晴れた後は砂漠の城へとアクセスできる。
    どうやらそれほど時間は経っていないらしく救い主様を温かく迎え入れてくれるが、残念ながらイベントは何もない。
    しかしレブレサックからすると、せっかく命からがら霧の向こうに行けたとしても砂漠という別の試練が待っていたと思うと救いがない…。
    なおリイマジンドでは船の発着場があるのみで砂漠の城地方に行く事は出来なくなった。

  • 民衆の指導者的立場にある人間が、先祖の罪を知らされるという例は、後にDQ9のセントシュタイン国王とフィオーネ姫という例が出てきた。
    詳細はこちらを参照すれば分かるが、彼らの場合、保身のための隠蔽に走った村長とは対照的に、国王は先祖の罪を一生かけても償うと誓い、フィオーネ姫は先祖の罪で滅ぼされた国の復興を誓い、彼女に古文書を預けられた歴史学者イロホンは「世の中には知らねば幸せだったという事もあるが、知らなければ前へと進めぬ事もある」として、歴史を後世まで伝えると決めている。

  • ボトクは小説版だと魔王の腹心としてレギュラー化している。
    原作で出番のあった部分がなくなったのに出番がむしろ増えているというのはなかなか珍しい。



真実をねじ曲げない追記・修正をお願いします。

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最終更新:2026年06月21日 02:20

*1 ボトクはボスとしてははっきり言ってかなり弱い。知能派の魔物だったのだろう。直前のヘルクラウダーが強すぎるともいうのだが

*2 なお、この村には同じ姿のおばさんが何人かおり、アリバイがないのは井戸の前のおばさんと宿屋のおばさんのみ。こういったのは怪物姿の神父様に対して一際声高に「あんなの殺してしまえばいい」と発言していた井戸の前のおばさんと思われる。よくもまぁぬけぬけと。

*3 本当の歴史を忘れ去った村の中で、リフの家にだけは代々真実が受け継がれていた。ちなみにリフの父親も過去に同じようにいじめられたため、真実を語ることをやめてしまった。

*4 ただし後者は「防犯」という面を考えれば、言い伝え抜きでも間違いとは言いきれないかも知れない。とは言え主人公達はまだしも、主人公達が来る前から村に移り住んでいた人をも、よそ者だからと魔王の手下扱いしたのはいただけないが