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Trap-TV

登録日:2025/12/17 Wed 00:44:30
更新日:2026/07/28 Tue 23:24:40
所要時間:約 12 分で読めます







𝙏𝙧𝙞𝙘𝙠
それはドラマの中の登場人物が行う
犯行を隠すための手段。

𝙏𝙧𝙖𝙥
それはドラマの作者が
あなたに向けて仕組む罠。


この番組には、分からないことなど何一つない。
あなたが観ていない、聴いていないだけなのだ。






𝟏𝟗𝟓𝟔
 
 
 
𝙏𝙧𝙖𝙥-𝙏𝙑
 
 
 
 







Trap-TV(トラップ テレビ)』とは、1993年の4月8日から9月23日までフジテレビ系深夜で放送されたミステリー・サスペンス・ドラマ番組である。
と同時に、謎解きやパズル、メタフィクションにおけるある種の極北と言っても良い、カルト的な人気を誇る番組でもある。

概要 ~Overview~


一般的な動画で撮影されたドラマではなく、何枚もの写真(静止画)と俳優・声優による台詞の朗読によって展開する紙芝居独特な形式のミステリードラマである。
全23話。ただしそのうちの5話は「HowTo Trap-TV」という総集編であり、補足も兼ねた解説編でもある。

罠 ~Trap~

この番組最大の特徴は叙述トリックそのものがメインテーマとなっていることにある。
叙述トリックとは記述や演出、物語の構成により鑑賞者のミスリードを誘う事で物語の真相を覆い隠してしまうというもの。

物語の語り手が仕掛ける叙述トリックを番組では『Trap(トラップ)』と呼び、毎回必ず何かしらのTrapが仕掛けられている前提で物語が進行する。
重要な事実を隠したまま進行する為に物語は一見不条理であり得ない結末を迎えるが、それまでのシーンの描写を丁寧に検証すると、そこに至るまでの伏線は全て張られていることが分かる構成になっているのである。

謎 ~Puzzle~

さらに、物語の中には放送中に明らかにされない謎が1つだけ残される。
この謎の答えはドラマを構成する写真の中に隠された『Puzzle(パズル)』を解かなければならない。
なおパズルに関しては数独やクロスワードなどの雑誌を出版している事でもおなじみ、パズル制作の老舗「ニコリ」が制作しているガチのもの

また、物語の内容とは無関係にドラマ内へのモチーフが隠されており、これを探すことも視聴者に提示された謎解きの一つとなっている。

番組放送当時では毎週これらのパズルの解答を視聴者に対するプレゼントクイズとして募集しており、

  1. 蝶を探す初級パズル
  2. クロスワードなどの定型パズルを解く中級パズル
  3. 2.から更に発展し、画面からパズルらしきものを探し物語に残された謎を解明するメインパズル

この3点について、Questionの回答とそれを導き出したパズルの方法を明記した上で次週放送までにハガキで送ってきた人先着数名にTrap-TVメンバーズカードをプレゼントしていた。
このプレゼントは当初先着5名だったが、最終回では先着100名に激増していた。真相にたどり着けた者が少なすぎてカードが余っていたのだろうか…

番組形式 ~Format~

このように番組は視聴者自身が謎解きと推理をする事が前提となって作られており、初見で番組の内容を完全把握することは不可能である。
そのため番組冒頭ではこの番組を今すぐ録画せよという異例の指示まで行われ、その言葉通り実際に録画して見直し、時には一時停止をして画面を隅から隅まで観察しなければ事件の真相に辿り着くことはできない。
日本で放送されたミステリードラマの中でも恐らくトップクラスとも言える難解さを誇るこの内容から、存在を知る一部マニアの中では伝説として語り継がれる事の多い、カルトの極致とも言える番組である。


同局で放送された「放送禁止」やテレビ東京のモキュメンタリーシリーズなどのある種源流とも言える番組であるが、
ホラーであるために最終的には考察の域を出ず真相がぼかされるこれらに対して、この番組には明確な解が存在する。

しかし答えが存在するという事は裏返せばネタバレに弱いという事でもある。
現代であれば不届き者がインターネットを使って早々にネタバレを拡散してしまうような事態も考えられる。
それを加味すると、まだネットが普及し切っていない時代だからこそできた番組であるといえる……かもしれない。


主なエピソード


  • #1 殺意の日記 ~Diary of Murderous Intent~
記念すべき第1回。
ある男が兄弟である別の男の殺害を目論み、その成就までの記録として付けた『殺意の日記』を読み上げる形で物語は進行する。
日記の主は毎夜かかってくる電話にノイローゼ気味になっており、それを利用して相手を衰弱させようと企むが……

ちなみに兄弟の片方は後に特命係の亀に八つ当たりする警察官を演じる人が配役されていたり。

  • #6 山荘殺人事件 ~Murder in the mountain villa~
吹奏楽の合宿でとある山荘に泊まり込みに来た音楽サークル一行。
しかしその最中、ある者は毒殺され、またある者は撲殺され……一人また一人と殺されていく。果たして犯人は一体?

ペンションだったり孤島だったりでミステリーものにありがちなクローズド・サークルもの。
その結末の意外性、そしてそれを踏まえた上で見ると明らかになる多数の伏線はTrap-TVの入門にふさわしいシナリオとなっている。

  • #10 容疑者 ~Suspicion~
タクシー運転手と外科医。お互い直接関係のない2人の男はあるゴロツキから脅迫を受けていた。
しかし金の無心に苦しんだ末、6月10日の7時というタイミングで奇しくも2人はゴロツキを殺害する事を決意する。果たしてゴロツキを殺害した犯人はどちらなのか?

結末と殺される人物があらかじめ提示されているという珍しい回。ドラマの途中で死亡推定時刻と死因まで明らかになる。
だが作中で提示されたTrapに気付かなければ、明確な根拠を元に犯人を確定させることはできない。

  • #13,14 中小路家の惨劇 シリーズ
大富豪である中小路信一郎の財産は、親族に対して等分で相続されるという生前分与が取り決めされていた。
だがその取り決めを発表するために一族が屋敷に集結したその日、惨劇が発生してしまう……

Trap-TV唯一の前後編に分けられた長編シナリオ。
米軍基地の取材映像から始まり、富豪一族の内輪で凄惨な連続殺人が……という有名なミステリー映画を彷彿とさせる大作となっている。

  • #21 告白の系譜 ~Quadrophenia~
セラピストの女性である梢は、多重人格者となってしまった従妹の瞳に心理診療を行っている。
しかしその瞳が宿してしまった、梢の祖母の友人だという老婆の人格から、命を狙われているという不吉な予言を受ける。
その後、梢は幼い頃自分を虐待していた母親から、自分に会いたがっているという狂気に満ちたメッセージを受け取ってしまい……!

いわゆるサイコ・スリラーものであり通常の推理物とは少々趣が異なる。
狂気と現実の境界線があいまいな中で自らも追いつめられていく主人公。果たして真実はどこに存在するのか?






追記・修正は項目のTrapを解いてからお願いします。

※この項目に掲載及びアップロードされている画像は、すべて初版作成者により自作されたものです。
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壁に飾られた 絵画 を見ようとして、
その絵に近寄ってはいけない。

絵に描かれている作者の秘密は、
その額縁、掛けられた壁、部屋全体に隠されている

そう、こんな風に――





項目の『Trap』である偽メニューを見破ったあなたに向け、もう少し番組の詳細な説明を記載する。
作品にとっての重要なネタバレ要素を含む場合があるので注意する事。

番組オープニング ~Opening~


通常回では中世ヨーロッパ時代の古城を映した映像を流しながら、以下のナレーション及びテロップが流れるという物。
なおナレーションの原稿とテロップで表示される文字が全く違っている上、ナレーションの方は#5で内容は同じながら英語のものに差し替えられた。

【ナレーション】

中世の頃から、ヨーロッパの貴族たちは謎解き遊びに興じ始めたという……
蝶を探せ……
知識だけを求めるクイズでは味わえない
自らの頭脳の柔軟性を求める所が好まれた所以(ゆえん)である。
蝶を探せ……
ドラマに隠された罠、写真に隠された謎、
番組が仕掛けた罠で、あなたの頭脳は今、覚醒し始める。


【テロップ】

Trap[træp]=罠。
Trap-TVには、二つのストーリーが存在する。

Real time
推理ドラマに仕組まれたTrapを解くストーリー

After the on air
推理ドラマと、密接に関係しているTrapを
写真の中から探して解くストーリー

Trap-TVとは、ふたつのストーリーに支えられた
パズルソフトにもなりえるテレビイベントなのである


また、総集編であるHowTo Trap-TVではまた別の説明ナレーションとなっている。
本項目の冒頭にも掲載されている文章はこちらからの引用。

Trick
それはドラマの中の登場人物が行う、犯行を隠すための手段。

Trap
それはドラマの作者が、あなたに向けて仕組む罠。
物語の真実は、作者とあなただけの2人が共有する謎になる。
そこには、必ず語り手が隠す秘密がある。
聞き手を自由に操ることのできる何か――それがTrapである。
Trickを推理してもTrapは解けない。物語全体を推理して初めてTrapは解ける。

壁に飾られた絵画を見ようとして、その絵に近寄ってはいけない。
絵に描かれている作者の秘密は、その額縁、掛けられた壁、今いる部屋全体に隠されている。

この番組には、分からないことなど何1つない。
あなたが観ていない、聴いていないだけなのだ。



ナビゲーター ~Navigator~


番組はいつも、どこかのオープンテラスで2人の紳士が紅茶を嗜みながら謎解き遊びに興じる、という形で物語を始める。

彼らは番組のナビゲーターという形になっており、番組唯一のレギュラー出演者にして実質的な進行役といえる。
世にも奇妙な物語」のタモリみたいなポジションと思ってもらえると分かりやすいかも。

  • 吹越(ふきこし)(みつる)

「物語は、この写真に映る人物から始まる…」

黒いジャケットを身に纏った怪しげな青年紳士。
世の中のあらゆるゲームに飽きたというが、そんな中で写真と物語を使って聞き手を騙す「Trapゲーム」を考案。彼の語るゲームに視聴者も挑戦する形で物語は進行する。

物語の進行役というだけあり、ドラマ中のナレーションも彼が担当。
しかし無機質で落ち着いた口調に警戒を怠ってはならない。彼こそが聞き手を騙す仕掛け手に他ならないのだから。


  • 吉田(よしだ)(あさひ)

「なるほど…そういうことでしたか」

ベージュやグレーのジャケットを羽織った紳士。
興味を抱いて吹越に接触したことでTrapゲームを持ちかけられ、彼の語るドラマの結末に衝撃を受ける。
そして語り手の下に通い詰めるようになるほど、Trapゲームにのめり込んでいくことに。

立ち位置としては視聴者視点といった形で、毎回のように語り手の吹越に騙されてしまう。
しかし2回だけTrapの出題者になった事がある。特に2回目の出題に関しては複数の回にまたがった、とても大掛かりな物。

  • ナレーション CV:大森章督
総集編回「HowTo Trap-TV」でのみ出演。
各話の振り返りにおいてTrapの解説、およびパズルの解説ナレーションを担当。


謎解きの傾向 ~Top Secret~


ここではTrapやPuzzleの傾向について紹介する。
番組内ではこれらについて「Top Secret」として扱われており、最終回手前のHowTo Trap-TV ChapterⅤでその内容が明かされた。

以下を読むと番組構造の複雑さだけでなく、そもそも仕掛けられたTrapやパズルが本当に名探偵でもなければ分からないレベルで難易度が高いことも、番組の難解さに繋がっているのがわかるだろう。

  • 人物誤認のTrap
双子のすり替えなど人物を誤認させるトリックはミステリーでも頻出であるが、Trap-TVでは語り手によって意図的にある人物を別の人物に見せかける手法が用いられることがある。
中には2人の人物をシーンの繋ぎ合わせによって1人の人物に誤認させる、ある人物の存在を物語中から全く消し去ってしまう、逆に存在しない人物があたかも実在するように見せかける、といった大掛かりな例も存在した。

しかしあくまでこれは謎解きゲームであるが故に、それを察知するための手がかりもちゃんと存在する。
例えば2人の人物のすり替えトリックであれば、飲み物を飲んだりメモを取ったりするシーンでの利き手の差異や、話すときの口調が微妙に異なっている等といった、わずかな証拠が必ず提示されている。

  • 時間操作のTrap
物語として語られているものが時系列順にあった出来事ではなく、バラバラの時系列を辻褄の合うように繋ぎ合わせることで本来の出来事とは別の読み方ができてしまうようなTrap。

例えばAさんがBさんの家に空き巣に入ったが、その最中に忘れ物を取りにBさんが帰宅してきて鉢合わせてしまう……という筋書きがあったとする。この場合正しい時系列は
  1. Bさんが家から急いで出てくる
  2. Aさんが家に入る(侵入)
  3. Aさんが家で物を探している(物色)
  4. (急いでいたので忘れ物をしたことに気付いた)Bさんが家に入ってきてAさんと鉢合わせる
ということになるのだが、これを時系列を入れ替え都合の悪い所を省略すると……
  1. (3.) Aさんが家で物を探している
  2. (4.) Bさんが家に入ってきてAさんと鉢合わせる
  3. (1.) Bさんが家から急いで出てくる
というように、あたかもBさんがAさんの家に強盗へ入って逃げ出したように誤解をさせる形にできるのである。

もちろん時間軸をずらす事によるアリバイの捏造など、ミステリーにありがちな形で仕掛けられる事も多いが、上記のように順序と結果を逆転して提示する事で物語の構図を大幅に変えてしまうような、実に大胆なTrapとして仕掛けられる事も多い。

  • 蝶探しのパズル
毎回視聴者向けに出題されている蝶探しの答えは、カップやテーブルクロス、手紙の封筒に貼られた切手といった小物に印刷されたものをはじめとして、
指輪、イヤリングといった登場人物の衣服が蝶型になっているパターン、壁の模様や絵画の中に描かれているパターンなど幅広い範囲に隠されている。

なお蝶が存在しなかった変化球回もあり、この時は番組OPで「蝶はない」という声が紛れて聴こえるようになっている。

初級パズルのため基本的には注意して探せばわかる難易度なのだが、視聴者からの正解が1人しかいなかった回も存在。
HowTo回で答えを振り返った際にはナレーションより「奮起していただきたい」との檄が飛んだ。

  • 定型パズルと残された謎
製作元のニコリにとってお家芸とも言えるクロスワード(スケルトン)、魔法陣(数独)、覆面算といった定番のパズル(定型パズル)が毎回1つドラマの中に隠されており、これを探して解くのが事件に残された謎の真相を知るための第1ステップとなっている。

そして定型パズルの答えとして導き出された言葉や数値を、さらにドラマ内へ隠された文字列や数列、暗号解読表になっている配列と組み合わせることによって別のものへと変換していき、最終的に残された謎の答えとして解釈できるものになればゴール、という仕組み。

このような仕組みになっているので、ドラマ内にはパズルらしき模様や文字列、組み合わせなどが多数配置されており、初見ではどのパズルから手を付けて良いのか分からず混乱しがちな構造となっている。
しかしパズルとしてノーヒント状態で解けるのはその内の1つだけで、そこを視点として解き始めることによって他の複数のパズルへと連鎖していくのである。

  • オープニング・エンディングに隠された暗号
Trap-TVのメインはもちろん吹越が語る推理ドラマなのだが、実はそれ以外のオープニング・エンディングにも暗号が仕掛けられている。

オープニングに表示される放送回英題には、その回のTrapの核心やパズルを解く際のキーワードになりうる文言が隠されていたりする。

またエンディングの方は後期のテーマとして流されたタイアップ曲「私はあなたを終われない」に、とあるTrapが仕掛けられている。
ちなみにそのエンディングテーマ曲を歌う山崎亜弥子も「#16 虚像の殺人 ~Five little Indians~」に出演している。

そしてオープニングのタイトルロゴ画面、その背景に映された英文書の左上に大きく示される「1956」。
単に古い文章の年号を表したかのようなこの4桁の数値は、1+9+5+6= #21の日本語タイトル「告白の系譜」を指す。
この単語こそがこの番組のメインテーマであり、Trap-TV最大の(Trap)を暗示しているのだが、その謎が明らかとなるのは最終話の#23である。






「なるほど、そういう事でしたか」
「番組の事が分かったのかい」
「では、私はこの項目を追記・修正すればよいのですね」
「それは……このTrapを解いてからにしてもらおうかな」


※この項目に掲載及びアップロードされている画像は、すべて初版作成者により自作されたものです。
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最終更新: 2026年07月28日 23:24:40


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



Question.
インターネット上における謎解きゲームの "ルーツ"(源流)とは何か?

見えない蝶を探せ

最終更新:2026年07月28日 23:24