登録日:2024/01/21 Sun 14:48:54
更新日:2025/04/12 Sat 15:06:33
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ちょうちょ ちょうちょ 菜の葉にとまれ
菜の葉に飽いたら 桜にとまれ
チョウ(蝶)とは、昆虫綱チョウ目(鱗翅目、ガ目とも)のうち、Rhopalocera属 に分類される生物の総称である。
「蝶々」「ちょうちょ」「てふてふ」等とも呼ばれる。
【概要】
主に春から秋の半ばごろにかけて見られる、いわば昆虫界の姫君というべき美しき存在。
基本的に芋虫とも言われる幼虫から蛹に変態し、そこから成虫へ変化したのが我々がよく見るチョウである。
一口にチョウと言ってもたくさんいるのだが、基本的に生物学的には「アゲハチョウ上科」「セセリチョウ上科」「シャクガモドキ上科」の3上科がそれに該当する。
それ以外がいわゆる『
ガ(蛾)』なのだが、そこら辺の線引きはやや複雑かつあいまいなので、わからない人は
チコちゃんにハガキでも送って聞いてみよう。
よく英名が「パピヨン」だの「モルフォ」だの言われているが、正しくは“butterfly”である。
ただ、ギリシャ語で「蝶」は
“πεταλούδα”であるが…(
“μορφιά”が「美しさ」を意味し、転じて「蝶」も指すようになった)。
フランス語では上述のように
“papillon”と呼ぶ他、スペイン語では
“mariposa”、イタリア語では
“farfalla”、
ドイツ語では
“Schmetterling”など。
国ごとの呼び名も様々で、キャラクター名や楽曲のタイトルなどに使われたり
、ドイツ語特有の厳つい語感がネタにされたりもする。
“mariposa”には、スラングでは「同性愛者の男」の意味合いがあったりもする…。
【主な特徴】
基本的に生息地は極地や6000mの高地や山、
砂漠を除いて、世界中の
森林地帯や草原、高山など、ほぼ全ての陸上環境に分布している。
広い分布域を持つものもいれば、その地域の環境に特異的に適応したものもおり、現在では17,600種ほどが知られている。
日本ではそのうち250種類以上が確認されている。
餌は幼虫時には様々な種類の葉っぱ、成虫時には「口吻」と呼ばれる口がストローのように変化した物を使って花の蜜を吸う。
この時、成虫の体に花粉が付いてしまうが、それによって受粉の手伝いをすることになるという「共生関係」になっている。
ただし、食性については、シジミチョウの仲間には例外も多い。
また、幼虫は様々な植物の葉を食べるので、農家にとっては厄介者扱いされていることが多い。
【人間との関わり】
特徴での記載の通り、分布が広い。そのため、砂漠や常冬・極地など虫が住めない環境で暮らしているのでもないかぎり「蝶なんて見たことがない」という人は滅多にいないだろう。
少なくとも日本ならまずどこででも見かけることが出来る、人間にも身近で一般的な昆虫である。
花畑や原っぱに蝶がヒラヒラと飛んでいる様子は誰しもの頭に浮かぶ牧歌的な一風景のはずである(なんらかの理由で蝶が嫌いなどでない限り)。
飼育
危険な生物ではないので、飼育することが可能。
幼虫については、与える食べ物にさえ気をつければ、飼育は割と簡単な部類である。学校の授業で育てた経験がある人もいるかもしれない。
ただし、成虫については、十分な広さのケースでなければぶつかったり翅が傷ついたりしてすぐに死んでしまうケースが多いため、成虫の飼育難易度は高い。餌やりなども慣れないと難しい。
標本
コガネムシ科・クワガタムシ科に並び、標本にされることが多い昆虫でもある。
特に蝶の場合は見た目の美しさから、学術的な価値だけでなくコレクションとして取り扱われることも珍しくない。
状態が良いものは万単位で取引されることがある上、稀少な種の良質な標本は家一軒建つほどの値段でオークションにかけられたり、などということもある。
【主な種類】
上記に述べた通り、「アゲハチョウ上科」「セセリチョウ上科」「シャクガモドキ上科」が存在するが、色々と分けられているので、ここでは基本的な種類を紹介していく。
●ナミアゲハ科
主に大型のチョウが多い、いわゆるアゲハチョウがメインのグループ。だいたい春の半ばや夏に見かけることが多い。
幼虫は臭角という強い匂いを出すツノを体内に持っているのも特徴で、ポケモンで言えばキャタピーの赤い角っぽいあれがそれである。あと可愛い。
ミカンが基本的に好物。
●シロチョウ科
主にモンシロチョウのような小さい蝶が入る中型のグループ。
羽色は白か黄がベースが多く、モンシロチョウやモンキチョウが代表格。
●シジミチョウ科
「シジミがトゥルルルルルって鳴いてんだよ!!!」
主にベニシジミといった小型の蝶が多い。
なんと大概の昆虫にとっては恐るべきハンターであるアリとの共生に成功しているグループで、幼虫は特殊な分泌物をアリに提供する代わりに自らを巣まで運んで育ててもらうというちゃっかりした関係を結んでいる。
『
ドラえもん』でも描写されているので、詳しい人は調べてみよう。
実はシジミチョウの幼虫が分泌している液体には中毒物質が入っている。
加えてシジミチョウの幼虫自身もアリのような匂いを出して身を守っている。そう、共生ではなく寄生なのだ。
その代償としてシジミチョウは羽化の際にアリに殺される危険があり、命懸けで巣から脱出しなくてはならない。
決して甘いだけの話ではないのだ。
●タテハチョウ科
主に
オオカバマダラや、わが日本の国蝶オオムラサキが所属しているグループ。
前脚が小さいため4本脚に見えるのが大きな特徴。成虫の翅は亜科によって様々な形があり、
黄・
赤・
青・
黒・
褐色など鮮やかな模様が入る。
また、表と裏でカラーリングや模様の違う者も多く存在しており、このうちコノハチョウは表を枯れ葉のようなカラーリングにすることで、鳥などの捕食者の眼を逃れている。
●セセリチョウ科
チョウとガの中間のような姿をしたグループのチョウ。
主にミヤマセセリなどが該当しているが、悲しい事に絶滅危惧種が多いのが現状である。
●シャクガモドキ科
南米産のチョウで、一種類しかいない。
見た目がどう見てもガなのだが、遺伝子的にはチョウとのこと。
【蝶をモチーフにした、あるいは何らかの関わりがあるものごと】
- 神話
- プシュケー(ギリシャ神話)
- 女神となったプシュケーが絵画に描かれるときには、蝶の翅を背中に生やした姿で描かれることがある。
- 楽曲
- ちょうちょう(童謡)
- Butter-fly(和田光司)
- アゲハ蝶(ポルノグラフィティ)
- Butterfly(倖田來未)
- Butterfly(木村カエラ)
- ageha(w-inds.)
- Butterfly(SMiLe.dk)
- パピヨン ~papillon~(島谷ひとみ)
- チョウの来た道(堀江美都子)
- チョー(E)!(飯島譲治、木田達実)
【蝶に関するアラカルト】
●世界においてチョウは様々な出来事の象徴とされており、
- 日本では死者の魂が現世に甦った『復活』の象徴や、死の象徴
- 中国では「長寿」の象徴としてネコと共に縁起の良い物のシンボル。また同国の少数民族であるミャオ族の神話では人間の祖先とされている。
- 国によっては物事が始まる予兆や変化の兆しと例えられることも多い
など、いろんな事象のシンボルになっている。
●ショートパスタの一種に「ファルファッレ」というのがある。前述の通りイタリア語で蝶を意味する語から来ており、実際その形をしている。
●チョウに関することわざに、
- 夢と現実の世界との区別がつかなくなることや、人生が夢のように儚い事の例えを表す「胡蝶の夢」
- 親やきょうだいが、娘(妹)をかわいがり大事にすることという意味の「蝶よ花よ」がある。
●カオス理論において、「チョウのはばたきという、ほんの些細なきっかけが原因で様々な事件や出来事が連鎖的に起こる、もしくは大きな事象が発生する」ことを、「南米のチョウの羽ばたきで起きた風は北米のハリケーンを生み出す」という例えに因み『
バタフライ・エフェクト』と呼ぶ。
実際にそれを元にした
映画もある。
「追記・修正、蝶☆サイコー!!!」
「みんな、この調子でドンドンアゲてこ♪」
この項目が面白かったなら……\ヴァァアアアアア!!!/
- 意外にも今まで立ってなかったのか・・・立てた人、蝶・サイコー! -- 名無しさん (2024-01-21 15:12:09)
- このwikiの生物項目妙にマニアックだし金魚に寄生する方かと思って開いたがそもそも蝶の項目がなかったんか -- 名無しさん (2024-01-21 15:20:12)
- 意外にも仮面ライダーのモチーフには最近までなってなかった。カブトにいてもおかしくなかったのに -- 名無しさん (2024-01-21 15:46:47)
- 散れっ!!散れえええっ!! -- 名無しさん (2024-01-21 15:50:52)
- 蛹→羽化から生まれ変わりの象徴もよく見るね -- 名無しさん (2024-01-21 16:37:23)
- 常世之神もアゲハチョウモチーフだっけか -- 名無しさん (2024-01-21 17:38:43)
- ゲームやアニメの演出によく使われる。後「チョウ」だと分かりにくいから蝶か蝶々にして欲しかった -- 名無しさん (2024-01-21 19:21:37)
- 映画「すずめの戸締まり」で蝶が出てくるシーンが何度かあるが、物語上重大な意味がある。主人公のすずめの周りにはよく「2匹」のモンシロチョウが飛んでいるが、それが意味するものは…!! -- 名無しさん (2024-01-21 20:02:45)
- 下妻市の公式キャラ『シモンちゃん』(三代目) オオムラサキモチーフの擬人化キャラだが、見栄えを重視してか羽を派手にしたら男の娘疑惑まで生えてしまったという悲劇(?)を持つ -- 名無しさん (2024-01-21 20:19:12)
- この虫をモチーフにしたキャラって大体ヒロインだったりするけどそのライバルは蛾になるイメージがある -- 名無しさん (2024-01-21 20:29:20)
- ロックマンにいなかったっけって思ったけどX2のは蛾だった -- 名無しさん (2024-01-21 22:52:23)
- 楽曲に倖田來未のを追加してほしい -- 名無しさん (2024-01-21 23:16:31)
- ↑10 一応、ディエンドのモチーフが(バーコードと)アオスジアゲハとも言われてるが、明確なソースあったっけなぁ… -- 名無しさん (2024-01-22 01:33:08)
- マリオシリーズのハナチャンは蝶だろうか蛾だろうか。 -- 名無しさん (2024-01-22 07:57:03)
- 古今東西において神秘的な象徴で墓場に見かけたときは不思議な気持ちになってしまう。仮面ライダー555ではオルフェノクのことを意味すると思われる。 -- 名無しさん (2024-01-22 08:04:47)
- 蝶は縄張り争いとしてお互いを追いかけまわす行動をとる種が多いが、これには「卍巴飛翔」とかいう無駄にかっこいい名前が付けられてる -- 名無しさん (2024-01-22 14:04:35)
- 項目名の提案なのですが、「蝶」または「蝶/チョウ」でいかがでしょうか?「蝶」という創作物に由来するものでもないですし -- 名無しさん (2024-01-22 14:43:50)
- 日本最強(凶)と言われる昆虫は蝶であるオオムラサキ1対1ならスズメバチも蹴散らす。ロックマンならゼロ4に熱愛の蝶姫 ソル・ティターニャンがいる -- 名無しさん (2024-01-22 15:40:36)
- 自分の通ってた高校にはこの虫を死ぬほど嫌ってた先生がいたな。可愛いのに… -- 名無しさん (2024-01-22 15:43:07)
- フィクションだと毒鱗粉で攻撃するのが多いけど、実在するの? -- 名無しさん (2024-01-22 17:55:23)
- 毒蛾は広義の蝶だからそれでいいなら実在する。なお毒があるのは鱗粉ではなく、毛虫時代に生えてた毒針毛を成虫になっても体につけてるって感じで、撒いて攻撃するんじゃなく触るとかぶれるとかそんなんだね -- 名無しさん (2024-01-22 18:11:30)
- ちょうどキン肉マンで蝶モデルの超人同士の戦いが始まった。 -- 名無しさん (2024-01-22 19:58:20)
- ↑6生物学的にはカタカナ表記だからそこを尊重してチョウ/蝶に一票。 -- 名無しさん (2024-01-23 01:47:39)
- 行数的にはすでに生物としてのチョウの説明より文化としての蝶の方が多いね -- 名無しさん (2024-01-23 05:56:14)
- てふてふ -- 名無しさん (2024-01-23 13:54:00)
- 蛾のモスラに対してバトラはこっちがモチーフだったと思う。 -- 名無しさん (2024-01-23 19:10:02)
- 実はキングギドラの翼の形状も蝶がモチーフだったりする。 -- 名無しさん (2024-02-01 17:18:19)
- 蘭花(ぴちぴちピッチ) -- 名無しさん (2024-06-26 19:49:09)
- ぜっこう蝶、ゼッコウ蝶、サイコウ蝶、アゲアゲハ(妖怪ウォッチ) -- 名無しさん (2024-06-26 19:52:19)
- カレン(それいけ!アンパンマン) -- 名無しさん (2024-12-01 15:01:33)
- チョー(E)!(なんでもQ) -- 名無しさん (2024-12-01 15:05:49)
- チョウの来た道(なんでもQ) -- 名無しさん (2024-12-01 19:31:32)
- 花と蝶のセレナーデ(ぴちぴちピッチ) -- 名無しさん (2025-02-16 08:44:36)
- 輜重輸卒が兵隊ならば蝶や蜻蛉も鳥のうち 焼いた魚が泳ぎだし 絵に描く達磨にゃ手足出て 電信柱に花が咲く なんて歌も -- 名無しさん (2025-04-12 15:06:33)
最終更新:2025年04月12日 15:06