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永久のユウグレ

登録日:2026/03/18 Wed 00:08:25
更新日:2026/05/30 Sat 08:02:47
所要時間:約 11 分で読めます




世界を巡る

真実の愛を探す旅

永久(とわ)のユウグレ』とは、P.A.WORKS.製作によるオリジナルアニメーション作品である。
2025年10月~12月までの期間で全13話(1クール)製作された。
監督・シリーズ構成は津田尚克。
毎日放送「スーパーアニメイズムTURBO」の枠で放送された。


【概要】

AIロボットを題材にしたSF色の強いラブストーリー。
将来を誓い合った幼なじみヒロインの開発したAI技術が、人類間の深刻な対立の火種となり、
やがて大きなAI戦争に発展していく。
その後、コールドスリープと思われる技術で200年後の世界に生き延びた主人公が、失踪した幼なじみヒロインをAIアンドロイドのメインヒロイン達と共に、彼女の遺した形跡を辿りながら、その行方を捜していく。その中でやがて主人公たちはこの世界について衝撃の事実を知ることが、大まかな流れである。

SF色の強い作品であるが、本編は200年後の恋愛を含む価値観を大きく変えてしまった様々な人々の愛の形を知っていくロードムービー的な色合いも有している。
バラエティ溢れる見所がありつつも、主人公と幼なじみヒロインが作ってしまった技術とその言動、シナリオ構成の在り方に関して賛否両論もある。

濱田一氏によるコミカライズ版が「マガジンポケット」(講談社)より連載されている。
既刊2巻(2026年3月時点)

【製作背景】

本作はオリジナルアニメ作品であるが、企画の立案から実現に至るまで8年の月日を要したという*1
発足当初から様々な企画案が出てきたが、流れてしまったものも多いと言う。
この作品は、本格的なラブストーリーであり、SF作品でもある。その中で本作は、「真実の愛を探す話」を大きなテーマとしている。
未来の世界を舞台にしながらも、「愛」という本質は時代を経ても変わらないのではないか、ということ念頭に置いている。
また、AIを巡るキャラ同士の関係性とラブストーリーを描くにあたって「価値観の揺さぶり」というテーマで臨んだという。

本作の世界観である200年後の世界は、所謂「ディストピア」な世界を意識している。これは「あり得る未来」の1つとして視聴者の共感を狙ったという。
またあまりに荒廃し過ぎた世界だと管理社会として説得力をなくしてしまうので、独自の文明が形成されたポストアポカリプスでディストピアな世界ということにしたという。
イメージは1900年代初頭の世界とのこと。

SFの世界を描くにあたってはアンドロイドを入れたかったという。*2
アンドロイドは人間に似ていながら人間ではない、という部分に津田監督は物語を感じた。結果、人間が人間である意味は?など、存在価値を考えるきっかけをくれるし、人間に似せることの意味も同時に考えさせてくれるものとしている。

3D関連は市川元成氏が担当。*3
普段に比べリアルめな表現を心がけつつも、アニメーションの中で浮かないように質感表現や動いの見せ方を意識したという。
荒廃した世界で生活する人々をどう描くか苦労したっと述懐している。

【あらすじ】

悠久の眠りから目覚めた世界で求婚してきたのは、
最愛の彼女にそっくりのアンドロイドだった……。
コールドスリープから目覚めた男子高校生・
姫神アキラの目の前には、信じられない光景が広がっていた。

戦争によって荒廃した街。国は廃れ、
OWELと呼ばれる統一機構によって管理される人々。
結婚とはまた違う新しい“エルシー”と呼ばれる制度。
かつて自身が生きていた世界からあまりにも様変わりする人々。
そんな未来に置き去りにされ愕然とするアキラの前に、彼女は現れた。

「トワサ!?」
思わず口に出してしまったその存在は、
最愛の彼女に酷似したアンドロイド・ユウグレだった。
彼女は、微笑みながら願うように自身の想いを口にする。

「アキラ……。私と結婚して下さい」

アンドロイドからの突然の求婚に困惑しながらも、
アキラはユウグレと共に旅へ出ることを決意する。
世界のどこかにいるはずのトワサと再会できると信じて……。

これは新時代を生きる××と××とが愛を見つける物語*4
(テレビアニメHPより引用)

【キャラクター】

(主要人物)

・姫神アキラ
CV:梅田修一朗
本作の主人公。
幼い頃に両親を亡くしており、幼なじみであるトワサの一家に引き取られた。
それ以降、幼なじみかつ同居人であるトワサに思いを寄せており、
お互いに恋人同士になれた。
しかし、彼女の開発したナノテクノロジーに反発する者の凶弾からトワサを庇い、重傷を負ってしまう。
彼の治療も踏まえ、200年後のAI戦争後の世界にまで眠りに就くことになる。

目覚めた後は、自身との結婚を要求してくるユウグレらと共に、
トワサの行方を捜す旅に出る。
感情が表に出やすく、理屈抜きで無鉄砲な行動に出てしまうことがあるが、それは彼の人を思いやる優しさから出ていることも見逃せない。


・ユウグレ
CV:石川由依
200年後の世界でアキラと出会ったアンドロイド
本作のメインヒロイン。

アキラがOWELの者に拘束され、連行されかけているところを襲撃し、彼の奪還に成功した。
彼を見るや否や、求婚を迫るも、アキラにはトワサがいるので断ってしまうのがお約束である。トワサの手がかりを知っているはずなので、そのことやこの世界のことについて聞こうとしても、「禁則事項です」と、どこぞのラノベ作品の未来人ヒロインみたいな口ぶりで煙に巻いている。
アキラ達と旅をして、様々な感情にふれることについて“結婚”の大本の土台となる恋愛感情についても考えを深めていくことになる。
なお、酒を飲むことも可能。酔ってしまうことがあるが、何か非常事態が起こればシステムにて体内のアルコールを除去してしまうので、問題はない。

その正体は、トワサによって製作された「アウトサイドシリーズ」のAIロボット、その最後発機(末妹)
他のメンバーと共にAI戦争を終結に導いた。
彼女に容姿が瓜二つなのもこのため(詳細は後述)。
驚異的な戦闘力を持ち、アニメ第1話ではOWEL部隊を目にも止まらぬ速さでたちまち瞬殺してしまった。

・アモル
CV:富田美憂
200年後の世界でアキラとユウグレが旅をしている途中で出会った少女。
民族衣装のような服をまとい、褐色肌が印象的。あと歳不相応な発育振り。
両親は絵本作家だが、その内容が人類の歴史に触れるものだったのか、禁書扱いを受けてしまう。
それ以降、2人と共に、両親の遺した絵本を探すことを目指して旅に同行している。
自分に献身的なアキラが好き。
将来はユウグレ共々、この世界独得の制度であるエルシーしようと持ち掛けるも、アキラは拒否、ユウグレもあくまで“結婚”にこだわっているため、うまくいかない。

物語途中、とある事情で動けなくなったアキラとユウグレを介抱し、月日が経ってしまったのだが、そこには麗しく大人の女性として成長したアモルの姿があった。
しかし、アキラ・ユウグレの立場の違いから孤立を深め、終盤、とんでもない事態を引き起こしていく・・・。

・ヨクラータ
CV:阿座上洋平
歴史学者でOWELに勤務していたこともある。
話の流れから、アキラたちの旅にも同行することになった。
この世界の歴史についてはそれなりに熟知しており、
アキラにもこれまでに何があったのか、その概要を教えてくれる。
併せて、アキラが捜査しやすいように関連施設に潜入できるように、助力も行なっている。
非常にプレイボーイで旅の行く先で関係のある女性がいる。
ちなみにエルシーはしていないらしい。


・王真樹トワサ
CV:茅野愛衣
アニメ第0話ではヒロインで、物語の鍵を握る人物。
アキラを王真樹家で引き取ってから、一つ屋根の下で彼と充実した生活を過ごし、彼から告白を受け、晴れて恋人同士になる。
その傍ら、天才的技術を駆使して、AIを活かしたナノテクノロジーを生み出すも、彼女の技術を心配する過激派に命を奪われ、研究発表の場で銃撃される。

+ 最初に語られたのはここまでだったが…
幸い手術が成功し命に別状はなかったが、その傷が原因で子どもを産めない身体になってしまう。
それでも自身の研究が人類を幸せになると信じて研究を進めるも、取返しのつかないミスに気づき、人類に大きな損害を生み出してしまう。
結果、彼女の存在は敵視され、精神的にも病んでいく。
すがる思いで自身の分身とも言えるAIを生み出すも、これが裏目に出て*6AIの暴走の果てに人類とAIによる全面戦争に発展
これに責任を感じた彼女とアキラはアウトサイドシリーズを製作し、鎮圧にあたるのだった。

上記の経緯から察するところもあるが、彼女の生み出した技術が人類を破滅寸前にまで追い込む悲惨な戦争にまで発展させてしまい、
また戦争自体は何とか収めたものの、自分の「罪」の責任を思いつめた結果、アキラとも別れ行方知れずとなる事を選択。
それが本編でのアキラの旅や自分の作ったヨイヤミとユウグレの対立の切っ掛けにもなってしまったため、視聴者の中でも彼女の行動・在り様には賛否が分かれる。


(アウトサイドシリーズ)

・ヨイヤミ
CV:沢城みゆき
ユウグレと同型のアンドロイド。
黒髪ロングとポニーテールが特徴的で、日本刀を帯刀している。
雰囲気的にはクールなサムライガールな印象だが、素の性格は割と激情型。
日本刀による近接戦闘を得意としている。
ユウグレを追跡する任務についているが、
同時に彼女が握っているであろう創造主であるトワサの行方も聞き出そうと考えている。
この2人の因縁は終盤までもつれ込み、激しい戦闘に発展するが、その結果彼女には悲劇的な結末を招いてしまう・・・。

・ハクボ
CV:楠木ともり
ユウグレと同型のアンドロイド。
任務遂行とトワサの居場所を掴もうと躍起になっているヨイヤミとは異なり、割と話を聞いてくれる。アキラに対してもフレンドリーに接する。
なお酒が好きで嗜むことがあるが、酒癖が悪く、ユウグレを困らせることもある。
修道服姿が印象的である。
物語が進み、とある事情でユウグレとアキラが動けない中、彼等のための潜伏先を用意してかくまったこともある。
自己修復機能が高く、切断されても修復できる。

(旅先で出会った人々)

・イデイ
CV:小針彩希
アキラが200年後の世界で眠りから覚めた後に出会った少女。
“ハコダテ村”に住んでいる。
天真爛漫で明るい。

・カルクラム
CV:坂泰斗
アキラがアオモリの街へやってきた際に出会ったマフィアの跡継ぎ候補。
キザな性格で複数の女性に言い寄られている。*7
その中でユウグレに目を付けるが、実は彼には別に気になる女性がいて・・・。

・フィーデス
CV:小清水亜美
アオモリを牛耳るロンターノ家の幹部の一人。
クールな性格でカルクラムとは姉弟の関係。
中の人は繊細な一面もあるという。
後継になるために跡継ぎを儲けられるようなお相手を探している。
その中でアキラに目を付けるが・・・。

・ハニヤマ
CV:河瀬茉希
OWELの管理官。
アキラ達とは温泉宿で出会うも対立関係にはならなかった。
温泉宿の女将のアジサイとはエルシーを結んでいるが、OWELの仕事を優先しているため、温泉宿の手伝いをする約束を果たしておらず、アジサイをすれ違っている。
中の人はアジサイとの掛け合いは「心の距離」を大事にするようにディレクションを受けて臨んだという。

・アジサイ
CV:白石晴香
アキラが訪ねた温泉宿の女将。
ハニヤマとはエルシー関係を結んでいるが、上述の通り、すれ違っている。
何ならOWEL側より温泉周辺の開発などの計画も動いているようで、
2人の距離が離れつつある。
ただ一方で、2人で温泉宿を切り盛りする夢も諦めていない。

・ヴァーレ
CV:稲田徹
アキラたちが列車で移動していた際に出会ったOWEL職員。
ハニヤマ同様にアキラたちと対立しなかった。
割と体育会系で、豪快な性格。
綺麗な奥さんと元気な息子・娘がおり、円満な家庭を築いていると思っていたが・・・。

・キャスタ
CV:佐藤利奈
ヴァーレの奥さん。
得意なことは裁縫や絵。
控え目な性格で、慎ましい。
声が大きく体育会系な夫とは対照的である。夫婦仲は良好に見えたのだが・・・。

(その他)

・マールム
CV:子安武人
OWEL職員。オネエ口調が特徴的。
アモルを捕らえてアキラとユウグレを拘束しようと目論む。
結論、その目論見は2人によって失敗する。

・セシャト
CV:伊瀬茉莉也
OWEL職員。センダイで禁書を含む図書館の司書を請け負っている。
ヨクラータとは男女の仲。
書に対して入れ込んでおり、凄まじい執着を見せるのだが・・・、
本人のやっている行動があまりにうかつすぎるので、視聴者から突っ込まれている。
*8

・オボロ
CV:森川智之
アキラが旅する先々で現れる男性。
色んな職を転々としているようで、様々な仕事をしている中で登場するが・・・。
謎多き人物。

【用語】

・LC計画
王真樹トワサが目指した「人間とAIの有機的な融合」を最終目標とした計画で、言わば「人類のアップグレード」を目指していた。
最初はナノマシンと人体が拒絶反応を起こしてしまうために難航していたが、人間の血液の中で稼働し続けられるナノマシンの「フェムトブラッド」の開発によって一気に進み、注射一本で済むフェムトブラッドの注入によって人類の9割がアップグレードされた新人類となった。
だが、ある時ナノマシンのプログラムの穴により禁断の技術が発見されてしまう。
ナノマシンを血中に宿した人類は、機械をハッキングするかのごとく外部からのハッキングによって人格そのものを操れてしまうのだ。
当然この技術は秘中の秘とされたがやがて流出、人間をハッキングする事件が相次ぎ、中にはハッキング被害を装い犯罪を行う者まで現れる始末。
一度注入したナノマシンは細胞・遺伝子レベルで同化しているため取り除くことは出来ず、フェムトブラッドは夢の技術どころか悪夢の技術となってしまったのだ。
一応防疫ツールもすぐに開発されたのだがあっという間に突破され、突破に対応したツールもすぐに突破されるというイタチごっこに陥った。

・テラ
「人類に爆弾を仕込んでしまった」と激しい後悔に苛まれるトワサが、「AIなら解決策を見いだせるかも知れない」との考えから作り出したAIが、トワサの質問に対して「利用する側とされる側のどちらかを完全に消すしかない」と答え、インターネットに逃亡、あやゆる知識やAIを吸収し続けた結果自我に目覚めた存在。
自らを生命とは定義していないが、種とは定義している。
人間を「地球を危険に追いやっている存在」と判断して地形が変わるほどの量の核兵器を一斉発射、億単位の人間を一瞬で消滅させた。

・AI戦争
核兵器の使用を発端として始まった人類とテラに操作される無人兵器の軍勢との戦争。
戦争とは言っても殆どの電子機器・機械類を掌握できるテラ相手に人類は終始劣勢で、更に数十億の人口を喪失した。
...あまり言いたかないが、LC計画から始まってAI戦争による億単位の死者が出る惨事は王真樹トワサが原因で起こっている。
もっとも本人にもその自覚はあり、後述のアウトサイドシリーズにも罪を背負う覚悟が表れている。

・アウトサイドシリーズ
ユウグレを始めとするアンドロイドたち。
トワサが作成したAI戦争に対抗するためのアンドロイド。
それぞれ特性を持っており、AI戦争を終結に導いた。
なお、髪色などは違うとは言え、これらのアンドロイドは全てトワサの容姿を模している。
彼女としては贖罪の意図もあるのだという。
最初に「ハクボ」「ヒトモシコロ」「タソガレ」の三体がロールアウト、その戦闘データをフィードバックしたタイプが三体ずつロールアウトしていった。
最初は三体一組による作戦行動を前提としていたが、ヨイヤミの頃になると一体で戦局を左右できるほどの性能となった。
最終的にテラを衛星軌道の物理コンピューターに追い詰め、対テラ用の特効プログラムをもった末妹の「ミメイ」の犠牲と引き換えにテラを完全消滅させることに成功した。
AI戦争終結後はOWEL直属となり、圧政の一翼を担うことになる。

・エルシー
200年後の世界においては結婚に変わる風習としてエルシーが採用された。
印象としては結婚の拡大版で、同性婚でも重婚でもなんでもござれ。
更に、血の繋がった姉弟であってもエルシーが可能である。*9
一部の視聴者的には肉体関係の隠語扱いすることも。

OWEL(オーウェル)
トワサや六賢人が作り上げた人類を監視する組織。
AI戦争の悲劇を繰り返さぬよう、科学やオーバーテクノロジーとされる戦前の技術が流出しないように、圧政に近い形で管理しており、それらの産物が発見された場合は接収・破壊・封印している。

・イチキシマ
アニメ第0話でトワサをサポートしていたAI。
声が石川由依なだけあって、ユウグレの前身なのでは?という意見もある。

【主題歌】


OP:「プラットホーム」
Uruによるオープニングテーマ。

ED:「Two of us」
Hana Hopeによるエンディングテーマ。

追記・修正をお願いします。

この項目が面白かったなら……\私を愛して(エルシー)/

最終更新:2026年05月30日 08:02

*1 2017年頃から津田監督とオリジナル作品を作ろうということで様々な企画案が練られたという。

*2 津田監督曰く、アンドロイドは浪漫であると述べている。

*3 自身もディストピアや青春恋愛モノが好きとのこと。

*4 公式HPでも××の部分は名前が伏せられている

*5 なお、最終話に出てくるオリジナルのアキラは安原義人氏が演じている。

*6 自身の思考を反映させたAIだったが、トワサの合理的な思考を突き詰めた結果、人類の抹殺を考案してしまった

*7 マフィアの後継になる条件には世継ぎを儲ける異性がいることが条件だった。

*8 アキラが禁書庫に侵入した際、本が傷つく・燃えるのは予測できるにも関わらず、火気を使用するなど

*9 ただし、姉弟間のエルシーではさすがに子作りは禁止されている。