お茶

登録日:2012/09/17(月) 20:24:17
更新日:2023/04/15 Sat 19:18:07
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初めの一杯はくちびるを潤す
二杯目は孤独をうちやぶり
三杯目は空いたはらわたにしみわたる
四杯目でかすかに汗ばみ
五杯目は人を浄化する
六杯目は不死の世界にいざなう
七杯目は…いや、もう飲めない

お茶とは乾燥した茶葉に湯や水を注いで煎じた飲料。
人間との関係は極めて古く2000年以上前の中国で発祥したといわれている。

今では中国のみならず様々な国や地域で飲まれている。
日本人にとっては緑茶が特に馴染み深いだろう。

茶葉の加工の仕方によって緑茶・紅茶・黒茶・青茶・白茶・黄茶の6種類に大きく分かれる。

また茶葉を使わないお茶も存在する。


○歴史
お茶の歴史は紀元前まで遡りその起源ははっきりとしていない。
だが歴史上お茶が現われたのは中国で農業と漢方の祖と呼ばれた神農が茶葉を食べていたという逸話が最初である。
その後、お茶は庶民の間にも広がっていき、その作法や歴史、産地等を記した世界最古であるお茶の専門書『茶経』が記された。

日本にお茶が伝わったのは平安初期。
遣唐使が茶樹の種を持ち帰って日吉神社に植えたという記録がある。
当時は高級品であり貴族等の極一部の人間しか飲むことは出来なかった。

我々がよく知っている急須でお茶を淹れる煎茶が日本で広まったのは江戸時代。
手間をかけないでお茶が飲める煎茶は急速に広まっていった。
そして茶葉を蒸して乾燥させる宇治製法が確立され味と香りが洗練された。


○茶葉の発酵
  • 緑茶
日本人にはお馴染みのお茶だが実は中国でもよく飲まれている。
茶葉を摘み取ってすぐに熱を入れることによって発酵を止めたもの。
日本では蒸して加熱するが中国では炒って加熱しており、これによって味の違いが出ている。
これを生地に練りこんで作る茶蕎麦というものもある。

茶葉をしっかりと発酵させたお茶でイギリスやロシアで好まれている。
深みのある味わいが特徴。

  • 黒茶
発酵を止めた後に水分が残ったままの茶葉を高温多湿という条件で放置することによって細菌発酵させたもの。
茶粥等に使われる。
プーアル茶がこれに該当する。

  • 黄茶
緑茶を布で覆って高温多湿の場所に放置することによって発酵させるお茶だが黒茶ほど発酵させないのが特徴。

  • 青茶
発酵を途中で止めたお茶。
烏龍茶等が代表的。

  • 白茶
茶葉を軽く日光に当てて少しだけ発酵させたもの。
繊細な味わいが楽しめる。
昔は皇帝が愛飲していたという高級なお茶。


○着香茶、フレーバーティー
茶葉に香りを加えた茶。

  • ジャスミン茶
フレーバーティーの東の連射王。
マツリカ(茉莉花)の花を使う。どーんと飲んでみよう!

  • アールグレイ
フレーバーティーの西のスナイパー。
ベルガモットの香りを茶葉に混ぜる。名前の由来はいまいち不明。グレイさんに由来するとかしないとか……。


○世界のお茶
  • 餅茶
茶葉をお餅のような形に加工したもの。
その中でも春先の新芽のみを集めて押し固めて作った龍鳳茶は最高級品として宮廷に献上されていた。

  • マサラチャイ
インドで飲まれているスパイス入りのミルクティー。
たっぷりのスパイスが発汗を促し、体を内側からすっきりさせてくれる。

  • バター茶
チベットで飲まれているお茶。
餅茶を煮た汁にバターと岩塩を加えたもので現地の人々にとっては貴重なビタミンCとカロリーの補給源である。
飲んだ人の話によると、味はスープに近いらしい。

  • ラペソー
ミャンマーの伝統的発酵食品である食べるお茶。
茶葉を果物等に混ぜて漬け込み、密封して1~2週間置いて発酵させたもの。
油、干し海老の粉、揚げた大蒜等を加えて食卓に出される。


○茶外茶
チャノキの葉以外を使うお茶。
わかりやすいので世界的に茶のひとつに分類している。

御存知、日本の夏では定番のお茶。
大麦の種子を煎じて作るお茶で冷やして飲まれることが多い。
身体を冷やす効果がある為暑い日には欠かせない。
同様に穀物を使うお茶に黒豆茶、玄米茶、とうもろこし茶などがあり、またそれ等の穀物類をブレンドした雑穀茶の類(有名なのは十六茶や爽健美茶とか)も有る。

  • 熊笹茶
クマザサの葉をお茶にしたもの。栄養価が高い。

  • ハーブティー
様々なハーブをお茶にすることで、香りを楽しみリラックスする。
紅茶と混ぜることもある。

  • マテ茶
中南米で飲まれている、マテの葉や小枝をお茶にしたもの。
栄養価が高く、飲むサラダとも呼ばれる。

  • ルイボス茶
南アフリカで栽培されているルイボスを使ったお茶。
紅茶によく似ているがカフェインを含まないため幼児や妊婦でも飲める。

  • たんぽぽ茶
たんぽぽの葉・茎・根をお茶にしたもの。紅茶に似た味わいだが焙煎するとコーヒーに似た味になる。
カフェインやタンニンが含まれておらず、ホルモンバランスを整えたり妊娠中毒症予防効果があるため近年妊婦や授乳婦におすすめ。

お茶でも飲んで…話でもしようや………


○お茶のお供
  • 和菓子
季節感のある繊細な味わいの和菓子と緑茶の組み合わせは心がほっと落ち着く。
しかし、あえて紅茶と一緒に頂いてみるのも面白いかもしれない。

  • 洋菓子
クリームやフルーツの甘美な甘みを紅茶の程良い苦みが引き締めてくれる。
けど緑茶との組み合わせも悪くはない。

桃包や胡麻団子等の甘いもの、春巻や粽等の塩味のもの等の軽い食事と共にお茶を頂く。
様々な点心を味わいながらお茶を飲むのは至福の一時。

ぽりぽりとした食感と塩気の強い漬け物は緑茶と相性抜群。
ついつい漬け物を食べすぎてしまうことも…。塩分が多いので注意。

  • かまぼこ
こちらも緑茶と相性が良い。
桃山時代には千利休が友人に茶菓子代わりに出されたことがある……がその友人の不手際でかえって利休は機嫌を損ねたとかなんとか。

  • 白米
炊き立てからレンジで温め直した冷ごはんまでお茶漬けにすればするすると胃に入る。
お茶漬けの素を使わずにただお茶をかけただけでもなかなか美味しい。


余談だが、お茶の生産量日本一の静岡県では給食に緑茶が出るくらい一般的な飲み物として愛されている。
生産地によって様々なブランドがあり、多くの専門店が存在する。
田舎の方では一面が茶畑だったりするのはよくあること。


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最終更新:2023年04月15日 19:18