イグアン(ゾイド)

登録日:2012/03/14 Wed 12:38:08
更新日:2024/03/18 Mon 22:34:19
所要時間:約 3 分で読めます





イグアンとは、TOMY(現・タカラトミー)の制作した「ゾイド」シリーズに登場する金属生命体・ゾイドの一種。
作中勢力の一つ「ゼネバス帝国」により開発され、「ガイロス帝国」にても運用された。


【開発経緯】

本機の開発は、滅亡したゼネバス帝国に始まる。

旧中央大陸戦争時代、ヘリック共和国は200tクラスの超大型ゾイドゴジュラスの小型量産型である、汎用歩兵アロサウルスゾイドゴドスを開発。
肉食恐竜型特有のすさまじいパワーと機動力、攻撃性を発揮したゴドスは、ヘリック共和国軍の主力かつ最強の小型ゾイドとして猛威をふるった。

そのゴドスの強さは、これまでゼネバス帝国の主力ゾイドだった「マーダ」などを一気に圧倒してしまう。
当然、ゼネバス帝国軍はゴドスの対策に取り掛からなければならなくなった。

どこかの誰かが「戦いは数だ」と言っていたが、それはまさしく正解で、
いかに大型機のレッドホーンが優れたゾイドだったとしても、戦線の主力は大量生産された小型機、それも汎用歩兵型ゾイドだ。
小型機ほど大量生産できないレッドホーンが、区々たる戦場で勝ち星をあげても、他の戦場ではゴドスの群に圧殺された帝国ゾイドの残骸が転がっているのだ。
火力、パワー、装甲に優れたあの小型ゴジュラスに、当時帝国軍の汎用歩兵型ゾイドであったマーダ等では到底太刀打ちできない。
ならば作るしかない。小型ゴジュラスを打ち破る、新たな小型汎用歩兵型ゾイドを。



イグアン IGUAN

EMZ-22(旧)
EZ-017(新)
旧:EMZ-22 ゼネバス帝国
新:EZ-017 ガイロス帝国
イグアノドン型
全長:10.4m
全高:8.2m
全幅:3.5m
重量:23.6t
最高速度:200km/h

武装(旧)
4連グレートランチャー
小口径加速ビーム砲×2
連装対空砲
小口径電磁砲×2
機銃(コックピット下)×2

武装(新)
4連装インパクトガン
クラッシャーバイス
小口径対空レーザー機銃×2
小口径荷電粒子ビーム砲×2
2連装対ゾイドレーザー機銃
フレキシブルスラスターバインダー


【機体概要】

イグアンとは、旧ゼネバス帝国が対ゴドス用に開発した、小型汎用歩兵ゾイドである。
イグアノドン型に見えないって言った奴はクラッシャーバイスで頭かち割る。
昔の恐竜図鑑ではイグアノドンはゴジラ型のスタイルだったのだ。
というかイグアノドンは恐竜史の中でも、復元図が恐ろしく変わり続けてきた種である。

その基本設計はゴドスのものをパク…もとい参考にしており、姉妹機ともいえる帝国版ゴドスである。
攻撃力に関しては、爪部に4連砲が搭載されており、ゴドスに勝る。
防御力に関しては、全身が装甲に覆われたボディであり、またコックピットもキャノピーではなく完全装甲式なため、ゴドスに勝る。
機動力に関しては、マグネッサーシステムを使用した背部の展開式スラスターバインダーにより、勝る。
これにより、イグアンはゴドスをあらゆる面で上回り、最強の小型ゾイドの座を勝ち取ったのだ!


…そしてこれは、「当時ゴドスは最強の小型ゾイドであり、ゴドスに対抗できるのはゴドスだけである。」ということを、敵である帝国軍自身が証明してまうという、皮肉な結果でもあった…


また、実際のところイグアンはゴドスに対してそう優位であったわけでもない。
攻撃力にしても、主兵装というべき手の四連砲はどう見ても射程・装弾数ともに心もとなさげ*1で、ゴドスのビーム兵器に対して実弾というのもマイナスポイント。
しかもゴドスはアップグレードで荷電粒子砲を標準装備しており、火力アップの難しいイグアンにとっては依然脅威だった。
一応イグアンも荷電粒子砲を積んではいる。いるのだが、なぜか尻尾の中ほどにあり、どう見ても主力武器として期待されていない*2

それにゾイドは装備だけでなく闘争心や凶暴性も戦いに影響するが、肉食恐竜型ベースのゴドスと草食恐竜型がベースのイグアンでは、特に攻撃面では格差があっただろう。
PSのゲーム「メカ生体の遺伝子」シリーズでは、軽快な動きで駆け回るゴドスに対して、ゆっくりノソノソ歩くイグアンとして明確に差別化されている。

ゼネバス帝国でもイグアンの性能には満足しなかったらしく、より強力でアイアンコングとの共通点も多いハンマーロックの開発と主力化を急いでいる。

とはいえ、ゼネバス帝国にとってはやっと獲得したまともな歩兵ゾイドであり、配備されたイグアンは様々な戦場で主力機として投入された。
惑星大異変後もガイロス帝国にてモルガとともに大量に運用され、西方大陸戦争初期における帝国軍圧勝の原動力になった。

その後、後継機であるレブラプターに随時機種転換が行われていたが、そのレブラプターが火器ゼロという体たらくなため、引き続き運用している部隊は多かった。
暗黒大陸決戦では、敵方のゴドスともども対陣している様子がある。
また、レブラプター用のパイルバンカーを装備することもできる。


  • アニメでの活躍

未☆登☆場


帝国の主力ゾイドはモルガ
たまに二足恐竜が出ると思えば、なんとガイロス帝国で正式採用されたゴドス。どうしてそうなった。
パイルバンカーさえリペイントの上ゴドスに使われている。
まあ共和国とてネオ・タートルシップではなくホエールキングを使ったりしているからおあいこか。

  • 旧バトルストーリーにて
ZAC2042年。第二次中央大陸戦争にて旧帝国領を奪還した、ゼネバス帝国軍は余勢を駆って共和国本土への逆侵攻を決定。
幾つかの侵攻ルートから国境線に流れるバーナム川を臨むアルメーヘンにかかる橋を制圧する事となり、主力部隊に先行して、イグアンに滑空用の翼を付けた空挺降下部隊を投入。
この空挺用イグアンは砂色に塗装されていたが、隊長機のみは鮮やかな深紅で、強化されたビーム砲も搭載していた。
プテラスの翼を取り付けたことでシルエットをプテラスに偽装した降下部隊は共和国軍の目を欺くことに成功し、警備隊を撃破して橋の占拠に成功。(なお、この時橋を守っていたのは奇襲ゾイドのスネークスだった。発見される前に攻撃することがコンセプトの奇襲ゾイドに警備をさせるとは、上層部は無能なのだろうか?)
川を渡って背後から奇襲を仕掛けようとしたバリゲーターの部隊もサイカーチスの航空支援によって撃沈される。
指揮官であるフロスト中佐の指揮の下、共和国側の防衛部隊や増援を相手取り、一昼夜に渡る激戦を演じる。
数機のイグアンで大量のゴドスを防ぎ切る大健闘を見せた。
だが寡兵かつ小型ゾイドで編成させた奇襲部隊故、消耗は激しく、粘るものの最終的には共和国増援部隊のカノントータスに屈し、フロスト中佐以下部隊は玉砕したが、共和国側が橋を爆破する工作に掛かってるその時に帝国側の主力部隊が到着し、これを一掃。
橋は帝国側の物となった。
本エピソード自体は地球の史実……WW2末期の西部戦線にて、連合軍側の勇み足にて敗北を喫した『マーケットガーデン』作戦及び、それを題材とした映画『遠すぎた橋』のオマージュである。
参加したイギリス軍空挺部隊指揮官の名前もフロスト中佐であるが、こちらの人物は数日に渡り苦闘を強いられて尚も抵抗するも戦況不利となり、最終的にはドイツ軍に投降している。
なお、この空挺イグアン、特に隊長フロスト中佐機を「カージナル」と呼ぶことがあるが、これは正式名称というよりフロスト隊のコードネームのようなもの。
バリゲーターが川を渡ろうとした際に「カージナルからチョッパー(肉切り包丁、今回はサイカーチス隊)へ」と通信を発しているのに由来。
ただ「カージナル」とは赤い鳥という意味と注釈が入っているので、唯一赤く塗装された空挺イグアンが「赤い鳥」なのも間違いとは言いがたい。
なお、この時カージナルを支援したサイカーチス隊の指揮官は、兄を殺したウルトラザウルスへの復讐を誓い、のちにデスザウラーを開発・活躍するトビー・ダンカン少尉。


  • リバースセンチュリーにて
2008〜2009年に展開された、ゴドス直系の後継機ドスゴドスが主役機のバトルストーリー。
ドスゴドスのライバル機というポジションは、ヴァルガとかいうダンゴムシに取られました、というかイグアンのイの字も出てこねぇ/(^o^)\

この世には、悲しみと怒りに奮えたイグアン乗り達によって帝国軍共通コックピットを頭部に移植された改造ドスゴドスが大量に存在するとかなんとか…。


  • HMMシリーズにて
HMMシリーズでのイグアンは、共和国軍からパクったプテラスの機体データを参考に設計されている。
なぜ飛行ゾイドのデータが使われているのかと言うと、パクったプテラスのデータをゴドスの後継機となる新型陸戦ゾイドのものと誤解していたためらしい。
そのためマグネッサーシステムによりゴドスを上回る機動力を持つに至ったが、今度は機体が軽くなりすぎてキックの威力がゴドスのそれより弱くなってしまい、爪を後付けすることで威力を底上げしている。


  • イグアンの系譜に当たるゾイド

いねぇ/(^o^)\
レブラプターは立ち位置こそ同じだが、純粋な系統とは言い難い…(完全二足歩行の小型肉食恐竜なため、どちらかと言うとマーダの後継機に近いかも?)

ちなみにゴドスは、
純粋な後継機にアロザウラーとドスゴドス。
ドスゴドスの発展型にティガゴドス。
ドスゴドスの実質的な後継機にガンスナイパー
ガンスナイパーの後継機にスナイプマスター。
ガンスナイパーのBLOX版と言えるウネンラギア。
ウネンラギアの後継機にエヴォフライヤー。

と、その系譜に当たるゾイドは多い。

元が「ゴドスのバリエーション」な上に、なまじゴドスより強いゆえに、中途半端な立場になってしまったのだろうか…


























実は、イグアンには直系の派生機とも言えるゾイドが1種だけ存在する。
何を隠そう、あのデスザウラーである。
この二機のシルエット…武装配置、使用用途は違うが背部の展開式ユニットなど…瓜二つである。
デスザウラーは、イグアンの設計理念をベースに開発された、「超巨大イグアン」と言えるだろう。
つまり、廉価版デスザウラーであるジェノザウラーや、ジェノブレイカーバーサークフューラーなどはすべて、イグアンの血を引き継いでいると言える。

…本家本元はゴドスの血、ひいてはゴジュラスやガリウスの血なんですけどね\(^o^)/



追記・修正はゴドスを倒してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ZOIDS
  • ゾイド
  • ゼネバス帝国
  • ガイロス帝国
  • 重装甲
  • イグアン
  • ゴドス
  • 金属生命体
  • 歩兵
  • 量産機
  • イグアノドン
  • イグアノドン ←?
  • 恐竜
  • 帝国版ゴドス
  • 微妙に不遇
  • 戦いは数だよ、兄貴!
  • カージナル

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 22:34

*1 「インパクトガン」という名前も、射程の短さを連想させる。

*2 おそらく、イグアンには荷電粒子砲を使うほどのパワーがないものと思われる。