魔術書と道具(クトゥルー神話)

登録日:2011/08/02(火) 07:44:24
更新日:2024/03/27 Wed 23:40:22
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この項目では、クトゥルフ神話に登場する魔術書と道具について解説する。


もしあなたが、古書店や古い物置で見慣れぬ異質な品を見つけたら、注意したほうがいい――


【魔術書】

死霊秘法とも訳される、クトゥルフ神話の代表的魔導書。
詳しくは上記項目にて。


  • 水神クタアト
原本はラテン語で書かれている。
一四世紀に訳された英語版もあり、世界に三~五冊はあると言われている魔術書。
ルルイエ異本と同じく人間の皮で装丁されているが、こちらは雨が近づくと汗をかく。


  • エイボンの書
ハイパーボリアの真理の探求者エイボンが記した魔術書。
エイボンは精神だけで他の天体へ行くことができ、多くの知識を得た。しかし彼を妬む者達から異端として追われ、132歳のときに土星に逃れた。
エイボンが書き残した知識は弟子に引き継がれ、『エイボンの書』として完成する。
ウボ=サスラヨグ=ソトースについての言及や、ルリム・シャイコースの襲来について書かれている。
何冊かの写本が存在する。


  • ナコト写本
人類が発生する前の視点で書かれた部分すらある、古い書物。
原典はおよそ五千万年前にまでさかのぼるらしい。
イスの大いなる種族やツァトゥグァなどに言及している。
英訳版が存在。


  • 無名祭祀書
狂人の夢のようなうわごとが記され、魔術に通じる者でなければその真意を読み取ることはできない。
続編らしきものを書いていた著者はありえない状況で変死。この書を復元した友人も、内容を一読した後すべてを燃やし、喉を掻き切って命を絶った。
そんなもんどうして書こうとしたんだ。
初版のドイツ語版が六部、二種類の英訳版が出回っている。


  • 屍食教典儀
食人、死姦、黒魔術等背徳的なことについて書かれてある。
発行禁止を受け、残っている数は少ない(ミスカトニック大学などに数冊保管されている)。
真偽は定かではないが、黒ミサを行っていたイギリスの「地獄の火クラブ」の創設者がこの本を所持していたという噂がある。


  • エルトダウン・シャーズ
大小様々な二十三枚の粘土版を、牧師が現代語に訳したもの。
三億年前に書かれたのではないかと推察されており、ナコト写本の原本ではないかとも言われている。


  • セラエノ断章
地球の時間で二十年間行方不明になっていたが(その間、プレデアス星団にあるセラエノの大図書館で研究していた)、まったく歳をとらずに帰ってきたラバン・シュリュズベリイ博士がまとめた本。
後に復活したクトゥルフの封印のために役立った。


  • 黄衣の王
美しくも恐ろしい言葉で語られる、狂気と破滅にひきずりこむ詩劇のような物語。
『黄衣の王』の中で黄衣の王は「黄衣の印」を持つ人間のもとに現れ、魂を食らう。「黄衣の印」を手にした者はそれに魅入られ、捨てることができない。
ちなみに「黄衣の印」は歪んだ三つ巴が金で象嵌された縞瑪瑙のメダルだそうだ。
第二部は絶対に読んでいけないとされ、パリでは出版後に上演禁止となった。

「黄の印を見つけたか?」


  • ルルイエ異本
ルルイエに纏わる古文書。原本は粘土板。
クトゥルフやその眷属についての知識と、召喚の秘法が記されている。
現在は人間の皮で装丁された中国語版がマサチューセッツ州のミスカトニック大学に所蔵されている。


  • 妖蛆の秘密
処刑された魔術師ルートヴィヒ・プリンが書き残したラテン語の書。
中東方面の異端信仰や魔術の方法について記した。
ドイツ語訳版が存在。
ちなみに初出はロバート・ブロックの短編『星から訪れたもの』であるが、御大モデルのキャラをぶち殺している件の作品とはこれである。


  • グラーキの黙示録
グラーキ信者達が代々書き連ねていった魔導書。
ラムジー・キャンベル作品の代表的なアイテムと言える。
その奔放で尋常ならざる内容については「湖畔の住人」においてある程度仄めかされている。


  • カルナマゴスの誓約
キンメリアの賢者カルナマゴスによって著された書物
「塵を踏み歩くもの」クァチル=ウタウスについて唯一書き残しているという。
うまく行けば契約を結ぶこともできるが基本的には読むと時が加速して塵になってしまう。
「エクスクロピオス・クァチル・ウタウス」
現在はギリシャ語の写本が二冊あるのみ。


【道具】

  • 銀の鍵
アラベスク文様と象形文字が刻まれた、長さ二メートル近い巨大な
ランドルフ・カーターの所持する強力なアーティファクト。ヒューベルボリアで作られた。
ウルム・アト・タウィルなる存在に認められ世界の真理に触れるためにはこの道具が必要。
単体でも強力な力を持ち、過去へ遡らせたり異世界への扉を開いたりする。
例のクトゥルフに対する賛歌を唱えれば、鍵にさらなる力を付与する事が出来るとか。
沙耶の召喚にも必要。


  • アルハザードのランプ
ランプに火をつけると、異界の光景が浮かび上がる。
とある作家が失踪した祖父の遺品として受け継いだ。
しかし、彼も四十六歳のとき、祖父と同じく謎の失踪を遂げる。


  • ダゴンの宝冠
楕円型の、人がつけるには歪な宝冠。魔神ダゴンのレリーフが彫ってある。
材質は金と金に近い謎の金属。
持ち帰ると繁栄と破滅をもたらすよ!


  • 輝くトラペゾヘドロン
ニャルラトホテプ化身「闇をさまようもの」を召喚する4インチほどの宝石。
ただし「闇をさまようもの」はニャルラトホテプにとってかりそめの姿にすぎないので、闇の中でしか活動できない。
現在は星の智慧派教会が所蔵している。


  • ヨス=トラゴンの仮面
ドイツの魔術師が隠し持っていたとされる仮面。
ナチス副総統がこの仮面を装着した際にヨス=トラゴンさんの非ユークリッド幾何学的なお姿を拝見したという。


  • 古の印(エルダー・サイン)
日本では古き印や旧神の印とも訳される。
恐らく今のところこのアイテムを最も自作に登場させているダーレスは、旧支配者の眷属にはかなり有効だが旧支配者自体には大して効果のない怯ませ・封印用のアイテムとして扱っていた。
ラヴクラフトも「銀の鍵の門を越えて」におけるウムル=アト=タウィルの説明で、

「<古の印>侮る邪悪のもの(カスが効かねえんだよ!)」と概ねダーレスに近い扱いをしている。

キャンベルの作品にもそれっぽい魔除けアイテムが登場している。


  • 黄金の蜂蜜酒
バイアクヘーを使役するのに必要とされる飲み物。
飲むと幻視ができるようになる。
要するにドラッグじゃね?とか言ってはいけない。


  • 円筒
ミ=ゴが人間の脳髄を保管するのに使う、彼らの技術の結晶とも言うべき代物。
厳密にはマジックアイテムの類ではなく、超科学によるオーバーテクノロジーか。
用途は嫌いな人間の脳みそをこの中に封じ込めたり、逆に好意的な相手に対する新たな肉体として提供したり。
二次創作でミ=ゴが絡む時には大体彼らの象徴的なアイテムとして使用される。




追記修正は古い物置きの整理をしてからお願いします。

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最終更新:2024年03月27日 23:40