アイザック=ネテロ

登録日:2010/04/11 Sun 03:49:13
更新日:2025/04/10 Thu 21:02:36
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感謝するぜ

お前と出会えた  これまでの全てに!!!



HUNTER×HUNTERの登場人物。

CV:外波山文明(旧)/永井一郎→銀河万丈(新)

●目次

【人物】

ハンター協会及び審査会会長にして「心源流」の師範。世間では最強の武人と言われている。
掴み所の無い性格で、見た目は普通の老人。
周囲からは「会長」と呼ばれている。
メンチを見ていい尻をしていると心の声で呟き、遺影にはエロ本が飾られている程、助平な爺さん。

見るからにジジイなのでかなりの老齢だと思われるが、具体的な年齢は不明。
本人は20年前から約百歳と自称している。
本人以外でネテロの年齢に言及したのはゼノ=ゾルディックで、「ワシが生まれた頃からジジイだった」とのこと。
ゼノ自身は12歳の孫(キルア)がいるので、念能力者は常人より若さを保てるというのを考慮せず少なく見積もっても、作中時点でおよそ60歳はあるはず。
そんなゼノが生まれた当時に60歳程度だったとするなら、本人の自称とも合致するため、おおよそ120歳ぐらいだと思われる。

半世紀ほど前は世界最強の念能力者だったが、近年は全盛期の半分程度の力量とのこと。

【劇中での活躍】

過去

かつて暗黒大陸にジグ=ゾルディックやリンネ=オードブルと共に足を踏み入れたこともあるが、自分達がアリンコに見える程のあまりのスケールの桁違いもあって、本人は「儂等でさえ扉を開けただけで敷居もまたがずに踵を返したお化け屋敷」と後に語った。


60年以上前に武人としての限界を感じ、悩みに悩んだ末に『武道への感謝』に辿り着く。
ネテロは、自分なりに武道への恩を返そうと考え、46歳の時に「感謝の正拳突き10000回」を始める。
これは正拳突きを機械的に繰り返しているのではなく、『気を整える→拝む→祈る→構える→突き』の順で行われている。
最初は1回突くのに5~6秒、10000回突くのに18時間かかっていたこの行為だが、2年後に突き終えても日が暮れていないことに気付く。

齢50を超えてようやく自らに眠っていた才能が開花。
ついには正拳突き1万回が1時間を切る。

"代わりに祈る時間が増えた"。


山を降りる頃には音を置き去りにする程の拳突を可能にし、とある道場主の老人に感動の涙を流させ弟子にしてほしいと頼まれるほどとなった。


また、その時期については不明であるが、テラデインにより、「前会長(ネテロ)が過去に所属し八面六臂を成した伝説のハンター集団」として「清凛隊」の存在が明かされた。その活動内容およびネテロによる功績は一切不明である。



第287期ハンター試験

2次試験にて漫画本編に初登場。
この時点では「審査委員会の最高責任者」つまり試験についてのトップという肩書きだった。
実際はハンター協会そのものの会長であり、立場上兼務していてもおかしくはなかったが。

試験官メンチの試験内容を修正する為、試験会場へ出張した。
飛行船ではゴン、キルアにハンターライセンスをかけてボールゲームを提案する遊び好きな一面もある。
ただし勝たせる気は全く無く、左手と右足のみしか使わなかったにもかかわらず、2人相手にボールに触れさせすらしなかった。
そのときキルアの蹴りをスネに思いっきり食らったが、むしろキルアの方が痛がるほどの頑丈さを披露。
片手片足である事は宣言した条件などではなく、ネテロ自身が勝手にやっていた手加減ではあるが、キルアにそのことを指摘されてからはゴンにリベンジされ続けてもう片方の手を使う所までは追い込まれている。

なおキルアはこの時「これ以上続けていたら殺してでもボールを奪いたくなっちゃうから」と言ってゴンより先に切り上げているが、
実力差からしてこの時のキルアがネテロを殺せる可能性は万に一つもない。
キルアはここまでの試験でも相手の力量を正確に見抜く目を見せているのだが、そんなキルアにすら実力の底を読ませないほどにかけ離れた実力者であることが描かれている。

最終試験では、試験内容を決める為に受験生一人一人に面接を行った。
その際、殺気立ったヒソカから挑発されるものの華麗にスルーし彼の毒気を抜くなど、年長者としての貫禄を見せた。


NGL・キメラアント

「追っておいで。ハンターとして生きるなら」

カイトを殺され、それを知らず無事を祈るキルアとゴンに、(キメラアント)討伐隊の参加資格である「割り符」を託す。
その後、巣を守っているピトーを遠くから見て曰く、「あいつワシより強くねー?」とのこと。
本人曰く自分の最盛期は半世紀前らしい。
最強だったのはその頃とも称しているため、現在においては彼より強い念能力者も居ておかしくない(念能力者としてはネテロが世界で五指に入ると言っていたらしいジンなど)。
その後は敵の戦力を削ぐのとネテロの勘を取り戻す運動を兼ねて、ノヴの念空間に拉致したキメラアントの兵隊を潰していたが、それでもオーラを見比べたコルトに「護衛軍にすら勝てない」という意見を受けたこともあり、強者への挑戦に楽しそうな表情を浮かべながら念を練る為に山籠りをする。

そして極限の精神統一と再修練を経て遂にキメラアント討伐に本格参戦する。


受け攻めいくつか予想しとったが…そりゃ悪手だろ。蟻んコ

ゼノの出した念龍に乗り上空から宮殿を奇襲。ピトーに気付かれるものの問題なく対処し、ピトーを彼方へ吹っ飛ばした。
そしてゼノと共に王の間へ侵入。
その後ゼノと別れ、王と共に兵器実験場へ移動することに成功する。
王に色々けしかけてみるが、王に戦いを拒否されるので「自分に負けを認めさせたら、名を教える」ことを条件にようやく戦闘開始。

冨樫先生、年単位はさすがにきついです。

また、王と戦う前の会話にて王が人を喰らう『蟻』と人に歩み寄ろうとする『人』の間で揺れている事を見抜くが、
王に対して余計な感情が沸く前にさっさと殺ろうとする等ハンター協会会長としての姿勢は崩さなかった。



「ここは、墓場」

(お前のな!)


念能力「百式観音」を使用し、その速攻性能から序盤はネテロが猛攻を仕掛ける。
しかし王が堅すぎる故に持久戦となり、やがて軍儀で読みを鍛えた王にネテロの攻撃の呼吸は見抜かれていく。
ついには王に先を読まれ、勢いを崩され右足を失う。
そののち、更に左手を失うが、王が勝ちを宣言し油断したところで最終奥義「零の手」を発動する。


腕がなけりゃ祈れねえとでも?


しかし死力を尽くした最終奥義も王に通らず、負けを認め、王へメルエムという名を告げた。
が、最後に人類の悪意を象徴するかのような狂気の笑顔をメルエムへ向ける(この表情は鳥肌ものであり、トラウマになった読者もいる)。
そして心臓が止まると作動するように仕込んだ核クラスの威力を持つ爆弾貧者の薔薇(ミニチュアローズ)を作動させ自爆。
勝てば良し、殺されてもまた良しの二段構えだった。
至近距離で爆発を受けた王は瀕死の重傷を負ったが…。

王の蘇生を試みる護衛軍の献身よって王はその強さを増して復活。
結果としても倒すことができなかったのだが、これはネテロ自身が武人として望んだ戦いでもあった。













その後、「貧者の薔薇」には、遅効性で大量の連鎖被毒者を生み出せる致死性の猛毒がある事が明かされた。
つまり、勝てば良し、殺されてもまた良し、爆発の一撃で殺し切れずとも尚良しという三段構えの策であった。
しかも古い兵器試験場を戦場とすることで「独裁国家がトチ狂って兵器実験を行った」と見せかけることも出来、ハンター協会への被害を食い止めることも計算づく。

ものすごい徹底ぶりだが、蟻討伐に関してハンター協会は権力者たちから全て(途中で起きる問題の責任も含めて)を丸投げされていたので、ネテロは何が何でも王を倒し、そして協会を守らなければならなかったので当然(というには余りにも残酷だが)の対策だったのかもしれない。




念能力

オーラの運用技術に関しては人智を越えており、その精神性は植物の域との事。
余りに静かなオーラの流れはゼノ曰く「そこから奴の動きを見切るのは絶対不可能」。
…といった話がどうでも良くなるくらいの能力をもつ文字通りの超人的念能力者。

さすがに加齢による衰えがあり、全盛期からは弱体化している。
本人曰く「世界最強の念能力者だったのは半世紀前まで」
現在では全盛期の半分ぐらいの実力との事だがそれでも念能力者としては文句無しに劇中最高峰の実力者である。直接対峙した場合、勝てる方法が存在しないレベル。


百式観音(ひゃくしきかんのん)

ネテロが精神統一による「祈り」を捧げることにより、千手観音に似た黄金の巨大観音像を顕現させる能力。
観音の外見は黄金でできた無数の手を備えたモノで、目から常に血涙を流しているようなデザイン。
ネテロの「武への感謝」「祈り」を象徴した、ネテロ最強の念能力。

能力は「ネテロが取った合掌後の『型』に対応した打撃を観音像が繰り出すだけ」という非常にシンプルなもの。
なお、これも正しくは「型」ではなく「祈り」によるものなので*1、ネテロの強靭な精神と相まって腕を失っても心の中で祈りを捧げれば変わりなく発動可能。
攻撃内容も自由自在というわけでなく、あらかじめプログラムされた「型」の動きに従ってしか動作することができない。劇中判明した技名は奥の手を除くと4種。そのため、メルエムは「傀儡の拳」とたとえた。
だが、「百式観音」の無数の手から繰り出される技の「型」と、技同士を組み合わせた連続攻撃のバリエーションは、メルエムをして「無限に等しい」と評される。

尚、両の掌を合わせ攻撃への起点となるネテロの祈り(合掌)の所作。
流麗で丁寧な合掌にも拘らずそれが作中最強の実力と身体性能を誇るメルエムの可動速度を遥かに上回り、極限に圧縮された体感時間の中でようやく確認できるという異次元の領域に達しており、知覚すら不可能なレベル。

具体的な合掌・攻撃の速度は作中一切語られていないが、
合掌→型の動き→能力発動→観音の攻撃完了
について、発動から攻撃まで0.1秒を切るピトーの「黒子無想(テレプシコーラ)」より後出しでも凌ぐことは確定している。

メルエムとの対戦時の終局では、「時間にして1分に満たなかったが、『これが生涯最後』その覚悟で放ったネテロの「百式」は互いの力量・精神の高揚と相まって千を超える拳のやりとりとなって両者の間に無数の火花を生んだ」といわれるまでの拳の交わし合いをメルエムとした。

普通に考えれば「プログラムされた攻撃を出すだけ」「発動には祈りが必要」といった攻略の糸口になりそうな部分は、余りの速さと威力に完全に覆い隠されてしまっており最早弱点は存在しないと言って良い。
知覚すら困難な速さで飛んでくる即死攻撃沢山のパターンで繰り出すことが出来、全て一切の間をおかず連続発動可能。組み合わせ次第で幾らでも複雑に出来る。こんなものに一体どうやって勝てというのか。

因みにメルエムの百式観音攻略プランは…

1.今まで見たパターンでは迎撃の難しい角度から突っ込む。
2.初見のパターンが出たらそれを覚えて1に戻る。
3.1,2を繰り返して初見のパターンを可能な限り減らす。
4.攻防を重ねながらネテロも気づかないレベルの微妙な傾向を探る。
5、その傾向からネテロが次に選ぶパターンを予測する
6.次のパターンがわかっていれば突破可能なのでそこで決める。
7.外れたらやり直し。成功するまで繰り返す。

というもの。言うまでも無いが彼以外には不可能である。
百式観音をほぼノーダメージに抑えられるほど基礎スペックを圧倒した上で、天才的な頭脳を余すところなく活用し、かつ特別な経験(コムギとの軍儀)を経てようやく攻略できると書けばその凄さがわかろうというもの。
この一連の流れを「無数にそそり立つ針の穴から正解を導き出し 精確に糸の矢を貫き通し その先の的を射抜くが如く その作業は難事」と彼は頭の中で語った。「~如く」の内容が余りにも無茶苦茶だが、実際はこれでもやや控えめな表現なのだから困る。

メルエムはこの圧倒的なチート能力とその使い手を褒めに褒めちぎり、結局最後まで殺害する意思は見せなかった。
後の記憶関連のエピソードから見ても流石にコムギと完全な同列とまではいかなかったようだが相当に特別視しており、彼女とは異なり完全に自分の土俵である「闘争」においても舌を巻くパフォーマンスを披露したネテロにガンガン譲歩。
百式観音で最終的に引き出した条件は「人類の特区内での永住権」「餌に使う場合は厳正な審査を約束」である。



宮殿突入時のピトー戦では衝撃のみ、メルエムとの戦闘では巨大な観音を常に顕現していたように描写されているが、これは「百式観音」の正体を完全に明かす前というメタ的な都合なだけで、ピトー戦でも観音自体は出現していたと思われる。

そのためピトー視点の多い描写の最中ということもあり、ピトーはネテロの所作は見えても「百式観音」の方は初見ということもあってネテロの一連の所作が異常に速すぎたため衝撃しか認識出来なかったことを表しているのだろう*2


見ていたメルエム曰く「わずかの油断すらも許されない戦闘中では致命的に等しい無駄な行為」であるが、「その無駄な行為が余に勝る武器として成立している」と言う矛盾に感動を覚えるとともに、これを成すまでに積み重ねられたネテロの狂気にも等しい果てしなき修練の結晶を見る。

だが、いかんせん相手が悪く、時間こそかかったものの、上記の観音の欠点を見抜いた王に見切られてしまった。
もっともこれは、コムギとの軍儀によって鍛えられた洞察力があるからこそであり、皮肉にもコムギという少女が「百式観音」が敗れる原因になったとも言える。
実際、メルエムはコムギがいなかったら読み抜いて完膚無きまでに制圧するのは無理だっただろうと語っている。
しかし見切ったとは言えど、ミスを誘発する攻め方を続けなければいけなかったこととお互いが全力を尽くしたことが重なり、最後の攻防は1分未満の間に1000回以上の攻防を繰り広げた。

ただし、王は名前をネテロから聞き出すためにネテロへの致命傷を負わせるような攻撃は避けていた。
あくまでネテロを殺さない形で百式観音を突破する「正攻法」を狙っており、コムギと出会う前の王が、手段を選ばずネテロを殺す気で戦った場合、ネテロが奥の手を使わず勝てたかどうかは不明。


ちなみにネテロが得意とする念能力の系統は強化系
観音を具現化させることから具現化系、「型」に合わせて観音が攻撃するよう操作していることから操作系といった考察はされていたが、実際は全くの別物であった。
これをカストロの「ダブル」を引き合いに出して「メモリの無駄遣い」と疑問視する声もたまにあるが、
  • 「百式観音」の動きは呼び出し時に応じた一定の「型」通りにしか動かず、操作は至極単純であり、また、攻撃後は自然に解除される。
  • ネタバレされると最大の武器であるフェイントが意味をなさなくなる「ダブル」と違って、タネが割れても格上に通用するチート具合。
  • 観音の姿や超常的な強さはネテロ自身の「祈りと感謝」の修練の末にたどり着いた強さ*3から成り立っていると思われるため、制約なども恐らくない安定した力である。
などなど色々別物。



  • (いち)乃掌(のて)
一つの手によるチョップ。

  • (さん)乃掌(のて)
二つの手で両サイドから挟むように対象を叩き潰す。

  • 九十九(つくも)乃掌(のて)
全ての手による張り手の猛ラッシュ。
現状わかっている技の中では最も攻撃時間が長く、地盤を砕き巨大な大穴を開ける威力がある。

  • (ゼロ)乃掌(のて)
「百式観音」の奥の手。
相手を背後から「慈愛の掌衣」とたとえられる手の動きで包み込んで動けなくしてから、全オーラを念弾に変えて口から放出し、「無慈悲の咆哮」と称される一撃を相手に叩き込む。
アニメでは観音の全ての腕を相手の拘束に用いている。

使用後のネテロは反動として画★太郎☆チックな絵になり極限まで衰弱するため、文字通りの最終手段。
威力は高いと思われるが、技を受けてる奴がチート過ぎてよく分からない。
一応喰らったメルエムは身体の至る所に傷を負っていた上、「まさに個の極地」「素晴らしい一撃」など最大級の賛辞を口にしていた。


祈りとは


心の所作


心が正しく形を成せば想いとなり


想いこそが実を結ぶのだ


一日一万回 感謝の追記・修正‼︎


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最終更新:2025年04月10日 21:02

*1 制約ではない

*2 実際どういう攻撃を受けたのかはよく分かっていない様子だった

*3 祈りの所作が音速を超越している