ベルゼルガ(装甲騎兵ボトムズ)

登録日:2011/07/08 (金) 09:46:56
更新日:2024/02/10 Sat 07:51:50
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装甲騎兵ボトムズ』に登場するクエント製ヘビィ級アーマードトルーパーの総称。

本編で登場した機体には、クエント人傭兵のル・シャッコがクメン編で搭乗したベルゼルガ(形式番号ATH-Q64)、クエント編終盤でフィアナが搭乗した旧式機のベルゼルガDT(形式番号ATH-Q58)がある。

クエント人は成人男性の身長が2mを超える人種で、その外観と普段の原始的生活からは想像しにくいほどの手先の器用さと機械操作技術により、いざ戦いに出ると並の兵士達を遙かに上回る力を発揮する。

クエント人傭兵は、自分達の星で創り上げたカスタムメイドのATを所有している。
クエント人傭兵は各地の戦場でこの「ベルゼルガ」と名付けられたATを駆って活躍し、その地位を高めていった。

詳細


一連のベルゼルガはギルガメス製ATをベースに製作されたとされているが、ベースになった機体が何か、全てのベルゼルガに共通したベース機が存在するかは明かされていない。
ただし、『青の騎士ベルゼルガ物語』ではビートルがベースとされている。

劇中に登場した機体はスコープドッグのようなターレットタイプのカメラは持たず、バイザーは固定式になっている。
そのため、パイロットは左視界をカメラからの映像を見ながら、右視界をデータ解析する「分割思考」を余儀なくされるが、コレが出来ないとクエント系ATは扱えないらしい。

さらには貴重なクエント素子を使用した専用の高感度センサー、センサーと連動した専用ライフルを装備している。
このライフルはベルゼルガが使用することによって有効射程を最大にするスナイパーモードや、多数の敵を識別し一連の動作で攻撃を行う自動照準モードなどが使用可能になる。


だが、ベルゼルガ系ATの最大の特徴は、やはりコレに集約されよう。
ベルゼルガの名を持つ機体が必ず装備している武器、



である。
シャッコ機およびDTの場合は左腕に装備した盾に圧縮空気で展開するものが搭載されている。
その威力・貫通力は高く、直撃すれば大抵のATは装甲が耐えられず、機体サイズの関係から中のパイロットごと貫かれることが多い。さらに本編未登場だが、炸薬圧縮装填式のパイルバンカーを装備したベルゼルガも存在し、限度は有るが「溜め」で威力を引き上げることも可能らしい。
ベルゼルガの左ストレートは死を意味するのだ。

もともとはアームパンチの代替品と設定されていたものだが、外伝作品でパイルバンカーが活躍の場を広げ、同時にムックなどでもアームパンチとは別格の必殺武器としてのイメージが形作られ、現在では公式でもアームパンチとは異なった有用性を持つ装備として扱っている。


このように全てが特別なATではあるが、全機が最高の熟練工によるハンドメイドであるために生産性は低い。
…というか、TV版のラストでクエントが吹っ飛んでしまった。


中世ヨーロッパの甲冑のようなフォルムに簡素ながらも装飾を施され、周囲の機体とは違う専用武器を持つその姿は、ベルゼルガ登場前のウド編で描かれた「大量生産の消耗品」というATのイメージとは対極に位置するものと言える。

当然ながらウド編のイメージを引きずって反発した視聴者がいなかったわけではないが、現実でも「大量生産される安物」と「ハンドメイド・オーダーメイド・カスタマイズによる特別品」が同時に存在している以上、別におかしなことでもなく、むしろアニメ故のロマン・ケレン味として大半のファンに受け入れられている(というか、ベルゼルガのような希少性が高いATは、ウド編の時点でブルーティッシュドッグという前例ができてしまっている)。


そんなこんなでベルゼルガはボトムズシリーズの人気機体の一つになっており、『青の騎士 ベルゼルガ物語』というベルゼルガを主人公機に据えた作品も存在する。

また、多用されたわけではないもののベルゼルガの武器・パイルバンカーはロマン武器の一つとして数々の創作物に普及し、発祥の地であるボトムズシリーズでも、リーマン用スコープドッグや陸戦型ファッティー、はたまた『機甲猟兵メロウリンク』の主人公の武器など、その出番を増やすことになった。


【立体化】

ベルゼルガ自体の立体化は多々あるものの、ここではル・シャッコが搭乗したベルゼルガに限定して触れておく。

まずは放送当時に販売されていた1/35のプラモデルがある……が、正直な話出来が良いとは言えない。
1/60ではATコレクションとして半完成品の玩具があった。

時代が移ってタカラが1/48でアクティックギアシリーズからベストプロポーションともいえるベルゼルガが販売された。
手のひらサイズながらも降着機構に搭乗ハッチの可動を再現するなど非常に良い出来である。

【バリエーション】


◇ベルゼルガWP

水陸両用仕様機。
湿地帯走行装置のスワンピークラッグを脚部に装備している。
クメン編でシャッコが搭乗していたベルゼルガがコレ。

◇ベルゼルガDT

砂漠戦仕様機。
脚部には砂漠走破装置のサンドトリッパーが装備されている。WPより性能は低いが、装甲はこちらの方が厚い。
なおクエント編でフィアナが搭乗した機体は放置されてスクラップになっていた機体をゴウトが修復・整備したもの。
そのため拾ったのが旧式機であっただけで全てのベルゼルガDTが旧式機なのではない。

◇ベルゼルガ・プレトリオ

『幻影篇』に登場。
ベルゼルガの基本モデルで、銃器、ローラーダッシュ、高性能センサーが装備されていない。代わりに手持ち式パイルバンカー「ジョルトパイク」を武器にする。

◇ベルゼルガ・ブルーナイト

青の騎士ベルゼルガ物語』の主役機。
クエント人傭兵シャ・バックがバトリング仕様に改造した機体で、シャ・バックの死後、主人公ケイン・マクドガルに受け継がれた。
アームパンチが搭載されており、パイルバンカーもアームパンチのカートリッジを用いて射出する方式に改修されている。
スーパーチャージャーも装備されていて、発動時は瞬間的にだが機体出力を60%向上させる事ができる。

◇ベルゼルガ・イミテイト

『ビッグバトル』に登場。
何らかのATをベースにベルゼルガっぽくにせた機体。ベルゼルガの特徴たるパイルバンカーは当然完備している。
作中でシャッコが搭乗していた機体はスコープドッグがベースになっている。

【ゲームでの活躍】


◇青の騎士ベルゼルガ物語PS版

ベルゼルガWPが4機の初期機体の1つ。
主人公の機体以外は全てクエント人選手の機体であり、シャ・バックのBTSは成績が悪い時のみ現れる隠しイベントに登場する。
なお、バトリングワールドにはケインのベルゼルガは一度も登場せず、BTSUはハッサム・ログというクエント人の機体として登場し、勝つと機体を入手できる。

◇装甲騎兵ボトムズライトニングスラッシュ

主人公と同じチームに所属するクエント人選手、ガロワの愛機。
タッグ時の必殺技、カバーリングアタックは当然パイルバンカーである。

装甲騎兵ボトムズ(PS2)

WP、DT、BTS、BTSUが登場。
最大の特徴はMDのクエントセンサーで、これはマップ中の宝の位置を表示することができる。
BTSUのMDにはマッスルシリンダー反応増幅装置をモチーフとしたスーパーチャージャーが存在し、発動中は必殺技が使い放題となる。

第2次スーパーロボット大戦Z

『再世篇』にて登場。
武装の射程は総じて短めだが、パイルバンカーは使いやすい。
シャッコの能力もあって大暴れできる。

作中ではパイルバンカー繋がりでダイ・ガードパイロットの赤城が……。

第3次スーパーロボット大戦Z

ベルゼルガDTがシャッコの搭乗機として登場。
DTの設定を反映しているのか『再世篇』のベルゼルガより性能が低下しているものの、タッグ時のアシスト役としては頼りになるだろう。




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最終更新:2024年02月10日 07:51