スコープドッグ

登録日:2011/08/18 Thu 13:27:35
更新日:2025/05/02 Fri 21:21:30NEW!
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AT RSカスタム むせる アーマードトルーパー キリコ サベージ スコタコ スコープドッグ スコープドッグⅡ ストロングバックス スペンディングウルフ ターボカスタム ドッグ・ザ・ダーク バウンティドッグ バトリング バリエーション多数 バーグラリードッグ パープルベアー フォックススペシャル ブラッディドッグ ブルーティッシュドッグ ベルゼルガ・イミテイト マーシィドッグ メルキア ライアットドッグ ライト・スコープドッグ リアルロボット レッドショルダー 主人公機 主役機 動く棺桶 架空の兵器 汎用機 相変わらずの人命軽視 装甲騎兵ボトムズ 量産型の鑑 量産機 鉄の棺桶


──そこは俺にとって、懐かしい匂いのするところだった。──


──手には冷たい鉄の肌触りしかなかったが、慣れ親しんだ温もりが蘇ってきていた。──


──俺はおふくろの胸に抱かれたような気持ちになって、いつの間にか眠ってしまった。――



装甲騎兵ボトムズに登場するアーマードトルーパー(AT)の一機種。分類はミッド級。




◆スペック

型番:ATM-09-ST
全高:3.804m
重量:6.627t
装甲厚:6~14mm
最大出力:230馬力
最高走行速度:82.3km/h
巡航走行速度:41.0km/h
ポリマーリンゲル液総量:184ℓ+予備20ℓ
標準交換時間:218h
メインコンピューター:MCT(モル・カット)-128-C
マッスルシリンダー(MS):スレック方式1P-MJ-S2
ポリマーリンゲル液(PR):DT-MO 10.2HP/L2


◆概要

ギルガメス軍の制式AT。
機体色はギルガメス軍標準機は緑(一部象牙色)でメルキア軍精鋭部隊は紫。

50年も前に開発された相当な旧式機であるため性能的に特筆するところは無いのだが、高すぎる汎用性・拡張性・信頼性を誇る。
様々な武装・アタッチメントを取り付ける事が可能で、本体に多少の現地改造を施せばあらゆる戦場や作戦に投入する事が出来る。

ギルガメス軍には優れた工業製品として高く評価されており数千万台が生産されたと言われている。
性能そのものは流石に後発機には劣るが、あまりに本機が浸透し過ぎている事やその信頼性が他の追従を許さないレベルである事などから、ロールアウトから50年以上経ても世代交代されずに主力機の座を守り続けている。

この機体が開発されてしまったことこそが人類の不幸である(戦争が長引いた)とまで言われるほどの傑作機である。

ボトムズシリーズでは主人公のキリコ・キュービィーを始め多くの人物が愛用し、
OP映像でも大きく取り上げられる事からシリーズの顔であり、
「主役機」が存在しえないボトムズにおける事実上の「主役機」であるとも言われている。


◆武装・アタッチメント

◇アームパンチ

殆どのATに搭載されている白兵戦用装備。炸薬で腕を射出し打撃を与える。使用後に薬莢が腕から排出される。
元々パイルバンカーはこれの代替として設定されていた。
ちなみに、本作ではこれとパイルバンカーとアイアンクロー以外の格闘武器は殆ど登場しない。

◇GAT-22 ヘヴィマシンガン

アサルトライフルでATの標準火器。右側面に120発入り大型弾倉が付いておりバレル上にはグレネード発射機が存在する。
銃側面のスイッチを操作して単発と連射を切り替えることが可能(「バルカンセレクター」と呼ばれていた)。
液体火薬によるケースレス弾を使用しているとされるがこれは後付設定であり、作品によっては排夾が確認される場合もある。

◇GAT-22C ヘヴィマシンガン改

上記のショートバレルタイプで取り回しやすい。キリコは密林での戦闘でよく使っていた。

◇GAT-35 ロッグガン

エネルギー弾を発射する大型火器。威力は最大級だがチャージに時間がかかる上に取り回し辛い。主に対艦攻撃に用いられる。

◇GAT-49 ペンタトルーパー

様々な弾頭を発射可能な大口径ハンドガン
装弾数は6発のみだが軽量……と設定されているが本編内ではそれ以上の弾を撃っている描写もあり、ウド編の終盤ではサブマシンガンのように乱射しているため、話が進むに従って形骸化した設定と思われる。
弾丸の描写も1話では光弾のように描かれているが、それ以降はヘヴィマシンガンと殆ど変わらぬ描写になっている。ある種、ボトムズ屈指の謎兵器である。

◇HRAT-23 ハンドロケットランチャー

4連装ロケットランチャー。
スコープドッグよりもトータス系が持っているイメージが強い。

◇SAT-03 ソリッドシューター

バズーカ型火器。装弾数は8発。
後付設定でリニアガンとされるが、本編では明らかにロケット弾として描写されている。
秘密結社では大型弾倉を装備し装弾数を32発まで伸ばした改良型も開発されており、後に市井にも普及している。

◇SMAT-38 ショルダーミサイルガンポッド

手持ち式9連装ミサイルランチャー。

◇電磁式パイルバンカー

レッドショルダーのリーマン所長が使用していた指揮官機に装備されていた。
装甲騎兵ボトムズの代名詞とも言える武器だが、スコープドッグ系機体の近接武装はアームパンチとクロータイプが多く、
ベルゼルガ系の武器であるパイルバンカーを装備したスコープドッグは非常にレア

火炎放射器

レッドショルダー所属のスコープドッグが使用している映像が、戦艦X内のモニターで流れていた。登場していたのはこの時だけで、詳細な設定は不明。

これ以外にもレッドショルダーカスタムには肩や腰の固定装備、腕に装着したハンディ・ソリッドシューターなど多数存在する。

◇ATC-BR1-S ラウンドムーバー

スコープドッグが宇宙で活動するための、背部装備のミッションパック。
X字のスラスターを備え、12基のバーニアで姿勢制御する。
ただし機体の機密性が殆どないため、パイロットにとって宇宙では耐圧服が命綱である。

ミッションパックはこの他、ATP-BP1-STパラシュートザック、火器制御用パックなどが存在する。



◆バリエーション

大量生産されたため、バリエーションも多数存在する。

◇レッドショルダーカスタム

■型番:ATM-09-RSC
その名の通り、特殊部隊「レッドショルダー」仕様のスコープドッグ。
任務の都合上、大量の武器弾薬と、それを制御するためのコントロールボックスを装備している他、部隊名にもあるように赤く塗られた右肩が特徴。
「レッドショルダーカスタム」というのはあくまで俗称であり、制式機は「スコープドッグ・タクティカルカスタム」と称される。*1

TV版に登場したキリコ機は有り合わせのパーツでこれを再現したもので、作業を手伝っていたバニラがレッドショルダーにあやかって肩を赤く塗ったのだが、詳しくは知らなかったらしく間違えて左肩を明るめの赤色で塗っていた。
「レッドショルダーの赤はもっと暗い、血の色だ。それとマークは右肩だ」
それでもハッタリとしては有効で、対峙した治安警察を大いに震え上がらせていた。

◇ターボカスタム

■型番:ATM-09-STTC
レッドショルダーで考案・採用された高機動型の改造機で、戦闘能力は上がったが安定性は悪化しており、量産には至らなかった。
詳しくはレッドショルダーの項目参照。

OVA『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』では、これをベースにしたISS仕様のターボカスタムが登場する。詳細は個別項目参照。

◇ストロングバックス

■型番:ATM-09-STC
バトリング用のカスタム機。軍が放出したスコープドッグをバトリング用に改修したもので、ターレットレンズを保護するロールバーが特徴。
ブロウバトル(火器なしのバトリング/格闘戦)に使われる機体で、装甲厚が10~25mmと非常に頑強。本編では前面装甲を100mmに強化している者もいた。
特にブルーティッシュドッグのガトリングガンを至近距離から受けてびくともしなかったのが印象的。

派生機にリアルバトル用に改修された「ファイティングバックス」や『機甲猟兵メロウリンク』第2話に登場した「デリケートスローター」といったカスタム機も存在する。

後に設定が変更され軍用のカスタム機として存在している事になった。
その為、湿地帯用の「マーシィドッグSTC」や雪上戦用の「アバランチドッグSTC」という派生型も設定された。
テレビ放映の開始前後までは雑誌等ではなぜか「ストロングバッカス」と表記されていた。

◇パープルベアー

■型番:ATM-09-SSC
こちらもバトリング用に改修されたカスタム機で、同様にブロウバトルに使われる。
ストロングバックスとは逆に装甲を薄くして運動性を向上させている回避重視の機体。
頭部のステレオスコープは格闘戦においてリアルな映像をパイロットに伝達することが可能となっている。
スパロボでは何故かパープルベアーだけハブられている。
ちなみにパープルベアーとストロングバックスという呼称はリングネームに由来し、実は正式名称ではない。
本来は「ゲイジングベアー」という名で、偵察・着弾観測用の機体であったとされた。

ストロングバックスに比べて派生機は少ないが、『機甲猟兵メロウリンク』の第2話では、左手にアイアンクローを装備した「フェイタルギア」というバリエーション機が登場した。

◇ブルーティッシュドッグ

■型番:ATM-09-GC
パーフェクトソルジャー(PS)専用機
内部系統を中心に限界までチューンされており、通常のスコープドッグとは一線を画す性能を誇る。ミッションパックはPR液浄化装置を装備。
右腕はガトリングガンになっており、その側面にアイアンクローが付いている。
ブルーティッシュとは「凶暴・残忍」の意。
劇中ではプロト・ワン(フィアナ)が乗っていたが、同型機が複数存在する。
ちなみに同じくドッグの名を冠するPS専用機ストライクドッグがいるが、あちらは基本設計を参考にした新造機。

◇マーシィドッグ

■型番:ATM-09-WR
湿地戦仕様。クメン王国編でキリコが使用していた機体。
「マーシィ」は愛称であり、正式には「スコープドッグ水上戦装備」である。
エアタンクのミッションパックに繋がれたエアバージ(浮き袋)とハイドロジェットにより、下半身だけ水に浸した状態での水上航行が可能。
ただし水中潜航は想定しておらず防水処理も下半身のみ。水中での機密性もやはり耐圧服頼み。
ダイビングビートル採用以前はアッセンブルEX-10の主力機であった。キリコ機は乗り慣れたドッグ系への搭乗を希望したキリコの為にゴウトが用意したもの。

軍制式機とされる後述のスワンプドッグとは違い、こちらは現地改造機扱い。

◇スコープドッグⅡ(スペース・アサルト)

■型番:ATM-09-SA
宇宙空間での性能を向上させたタイプ。全身モスグリーンの単色塗装。宇宙戦用なのになんで緑?
見た目はカラーリング以外差は無いが、ポリマーリンゲル液や制御コンピュータを高性能なものに換装している。
これによって宇宙での戦闘能力が飛躍的に向上している。宇宙用だが地上でも問題なく運用可能。
ただし機動性の確保の為か液自体の総量は減らされており、短期決戦用の仕様になってしまった。
また脚部には磁力による艦体への吸着機構が追加されている。
キリコとフィアナが乗り込んだ戦艦Xに多数搭載されていたためか、「戦艦X仕様」と呼ばれることもある。

実は作中では「スコープドッグⅡ」という名は正式名称ではなく、放映当時のプラモデルや雑誌でも通常のATM-09STとして名前が記載されている。
その際の名称は「ATM-09ST スコープドッグ ラウンドムーバータイプ」。第1話の小惑星リド急襲作戦でキリコの部隊が乗っていた、ラウンドムーバー装備の機体のこと。
後年に「スコープドッグⅡ」という愛称を創作して、戦艦Xでワイズマンが用意した特注機体という扱いになった。

型番:ATM-09-ST→ATM-09-SA
全高:3.804m→4.208mm
重量:6.627t→6.764kg
メインコンピューター:MCT-128-C→GCM-2K
ポリマーリンゲル液(PR):DT-MO 10.2HP/L2→ゾルニグローム 12.9HP/L2
ポリマーリンゲル液総量:184ℓ+予備20ℓ→160ℓ+予備20ℓ
標準交換時間:218h→158h

◇ライト・スコープドッグ

■型番:ATM-09-LC
スコープドッグの装甲を極限まで削りグライディングホイールを追加した高機動カスタム機
また、両脚部にはグライディングホイールが追加装備されている。その巡航速度は52.3km/h、最高走行速度に至っては112.5km/hと非常に速い。
反面、ただでさえ低い防御力が無きに等しいものになり、左腕にいたっては動力パイプやマッスルシリンダーがむき出しの状態で、わずかな被弾が命取りとなる。
装備もマシンガンとソリッドシューターの他にはアームパンチしかない。

ビッグバトル』にてエクルビスの運動性に対抗すべくキリコが搭乗。
キリコ機はエクルビスのパイロットでレッドショルダーを憎むラダァ・ニーヴァへの心理効果を狙ってか右肩が赤く染めてある。

機甲猟兵メロウリンク』にも標的の一人ヌメリコフの乗機として登場。
こちらは腕に布が巻かれターレットレンズが2基となっており、ガトリングガンを武器とする。

◇ベルゼルガ・イミテイト

■型番:ATM-09-HC
ベルゼルガを模した改造機。ビッグバトルでル・シャッコが使用。
単なる見た目の模倣ではなく、ヘビィ級ATのパーツを流用して各部に装甲が追加されている。
もちろん代名詞とも言えるパイルバンカー付きの大盾も左腕に装備している。
ただし重装化とパイルバンカー装着で重くなり過ぎたのか、火器はGAT-49minペンタトルーパーのみ。
運動性も低く、グライディングホイールを増加することでなんとか機動力を補っている。

◇スコープドッグ ドッグマン機

■型番:ATM-09-ST
『機甲猟兵メロウリンク』に登場。
惑星ミヨイテの辺境・ザキ基地に配備されていたもので、機体そのものはそこそこ重装備のスコープドッグというだけだが、フロントアーマーが左側だけ長く、左腕部に連装ミサイルランチャー「イーグル」という珍しい武装を装備しているのが特徴。
劇中ではザキ基地の司令にして主人公メロウリンクの復讐対象の一人ドッグマン大尉が部下から見放されて自らメロウと戦わねばならなくなった時にその場にあったスコープドッグに乗っただけで専用機かどうかは明言されておらず、「ドックマン機」というのは便宜上のもの。

◇フォックススペシャル

■型番:ATM-09-SAC FOX SPECIAL
機甲猟兵メロウリンク』に登場した機体。
メロウリンクの標的の一人「メルキアの銀狐」ことギャルビン・フォックスが駆るバトリング用カスタム機。
全身銀色に磨き上げられ右腕が大型化。右肩が突き出ている。また両腕にアームシールドと呼ばれる追加装甲が装備されている。
巨大で長い右腕が最大の武器であり、拳にはスパイクが付いている。軍からの横流しの疑いがある良質のマッスルシリンダーを用いている。
この腕で倒した相手をコクピットから引きずり出し、右腕で握り潰すという残忍で陰湿なパフォーマンスをする。

◇ライアットドッグ

■型番:ATM-09-STR
こちらも『機甲猟兵メロウリンク』に登場した機体で、ドッパー刑務所に配備されていた暴徒鎮圧用AT。
憲兵・軍警用のカスタム機で対人戦を想定しレンズ保護のバイザーや投光機、シールドを装備している。
青く塗られた機体の胸に金色のエンブレムが輝いている。

◇スコープドッグ ガナード機

■型番:ATM-09-ST
『機甲猟兵メロウリンク』に登場。
山賊集団バンデットのリーダーでメロウリンクの標的の一人ガナードの専用機。
真っ赤なボディをロールバーで補強、左肩のスモークディスチャージャーにはロケット弾を装填している。

◇カブリオレドッグ

■型番:不明
こちらも『機甲猟兵メロウリンク』に登場した機体で、山賊団バンデッドにより使用されていたAT。
頭部のないオープントップで二人乗りという特殊な機体。
頭のあった部分はフレームバーに直付けされた銃座がついている。

◇コサックドッグ

■型番:不明
バンデットが使用するATの一体。
名前が示すように頭部がコサック帽の如く長い*2のが特徴。
肩は威圧の為かイカついトゲが生えている。
武装はヘビィマシンガン改の他、左腕のアイアンクローと腰に背負った斧。

◇ゴールデンハーフスペシャル

■型番:不明
これもバンデットが所有するATの一つで、上半身と右腕はドッグ系だが下半身と左腕がトータス系というM級とH級をツギハギしたキワモノAT。
更にはターレットもレンズが1基のみと面構えも異様。
武装としてダイビングビートルのミッドマシンガンを持つ。

◇バウンティドッグ

■型番:ATM-09-RC(一般兵用)/ATM-09-BDC(指揮官用)
こちらも『機甲猟兵メロウリンク』に登場した山岳戦仕様。ゲーム『鋼鉄の軍勢』にも登場した。
登坂・高所移動用のワイヤーウインチを装備している他、ターンピックが増設されており不整地踏破能力が向上している。
指揮官機はターレットレンズが4基となっており、光学センサーが強化され暗視専用レンズの他、4連装ミサイルポッドを装備している。
武装は短銃身型ヘビィマシンガンの他、ケーブルつきの銛を打ち出すことができるザイルスパイトも利用する。

◇バーグラリードッグ

■型番:ATM-09-DD
赫奕たる異端』にてキリコが搭乗した、強襲用カスタム機。
愛称は「泥棒犬(夜盗)」の意。
各部に武装が追加され、左肩には折り畳み式長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」を装備。
脚部には不整地踏破用のソリ「トランプルリガー」が追加されている。
フィアナを取り戻すために聖地アレギウムを襲撃した際に使用し、わずか1機で聖地防衛部隊を壊滅させた。

孤影再び』にはキリコ機の他に細部の形状が異なるギルガメス軍・黒い稲妻旅団仕様の機体も登場している。
キリコ機はドロッパーズフォールディングガンが無い以外は『赫奕たる異端』と同仕様だが、黒い稲妻旅団仕様機は黒いボディと頭部アンテナが稲妻型である他にもトランプルリガーがキャタピラ式に改められている。

◇スワンプドッグ

■型番:不明
スピンオフ装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE』に登場した湿地帯仕様機体。
マーシィドッグと違いギルガメス軍正式採用機で、アービンがかつて搭乗したドッグタイプ。
脚部にかんじき型の悪路走破用装備「スワンピークラッグ」を装備しており、マーシィとは外観が大きく異なる。


◆小説版登場機

◇ホイールドッグ

■型番:ATM-09-SC
小説『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場。アグの街などの軍警が使用する、警備用のスコープドッグ。
ストロングバックス系のボディに青系統のカラーリングでバックパックにパトランプ、専用のアンカーシールドを装備。
棍棒にヘビィマシンガンを組み合わせたような武器を装備しており、電磁警棒として機能する。
本来のトリガーを引くとサイレンが鳴るなど、通常のドッグ系とはいささか操縦関連の取り扱いが異なる。

◇フレームドッグ

■型番:ATM-09-BC
小説『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場。
ボウシティーの軍警用ATで暴徒鎮圧に特化した改造を施しており、左腕に火炎放射器を装備している。
同作のダノバシティーの軍警では対人捕獲に特化したケルベラ(形式番号:ATM-09-DC)もいる。

◇ブラッドセッター

■型番:ATM-09-DTC
小説『戦場の哲学者』に登場。全身黄土色のカラーリングで赤い目が特徴的なスコープドッグ。
「ブラッドセッター」という名称は本機と搭乗者であるフィロー自身に付けられたコードネーム。正式名称は「ATM-09-DTC スコープドッグ改」。
ATM-09-STをベースとし、様々な環境下にて各種AT用装備の試験を行う為に機体の拡張性をさらに高めたカスタマイズが施されている。
追加装備による重量増加とバランス変化に対応する為、ATM-09-STの中でもフレームの剛性に優れる「タイプ72」がベースとなっている。

◇スコープドッグ 聯武国軍 治安部隊仕様

■型番:ATM-09-STC
『装甲騎兵ボトムズ チャイルド 神の子篇』に登場した
惑星グラッセウスにあるタブタブレイ・ニプニィー聯武国に配備されているスコープドッグの治安部隊仕様。
正面装甲には対人制圧任務用に防弾チョッキ状のブリットプルーフアーマーを備え、背部には機体制御と武器管制用のミッションパックを配置している。


◆ゲーム登場機

◇アバランチドッグ

■型番:ATM-09-SNC
PS用ゲーム『装甲騎兵ボトムズ 鋼鉄の軍勢』に登場した冷寒地仕様機。
マッスルシリンダーやポリマーリンゲル液の凍結を防ぐために、機体の間接部などを保温帯やヒーターで覆っている。
また、レンズ部には雪避けの為のカメラカバーも装備されており、脚部は接地面に雪上滑走用に大型のスノートリッパーが装着されている。

◇スラッシュドッグ

■型番:ATM-09-GSC
PS用ゲーム『装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ』に登場した、バトリング用に改良されたカスタム機。
名前の由来はは左肩シールドの巨大な格闘戦用武器「ジャイアントスラッシュクロー」から。
脚部に追加された「ジェットローラーダッシュ・プラスパック」により高い機動力を誇る。
頭部にも「コマンダーズヘッド」と呼ばれる次世代型ターレットレンズを装着し、センサーの精度向上が図られ38%以上もの精度を誇る。
使用火器は専用のGAT-47ヘビィマシンガン。総じて戦闘能力は高いがPR液の標準交換時間が46時間と非常に短い。

◇スコープドッグ(エイジ機)

■型番:不明
スマートフォン用ゲーム『スーパーロボット大戦DD』に登場する青い機体。
性能や基本武装は通常のスコープドッグと変わらないと思われるが、最大の特徴は『蒼き流星SPTレイズナー』とのクロスオーバー機体であること。
パイロットは『レイズナー』の主人公、アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ。宇宙でも活動できるようSPT(スーパー・パワード・トレーサー)のバックパックを装着しており、ミッションディスクの構築により、本来装備不能なSPTの武装「レーザードライフル」も使用可能となっている。

◇スコープドッグ(高火力装備)

■型番:不明
ゲーム『スーパーロボット大戦30』DLCエキスパンションパックに登場する機体。
スコープドッグを素体に左腕部にパイルバンカー一体型アイアンクロー、左腰部にガトリングガン、右腰部に2連装ミサイル、背部にフォールディングソリッドシューターと8連装ミサイルポッドを搭載した重武装機。手持ち武装はヘヴィマシンガンを装備している。
その見た目通り、機動性はターボカスタムに劣るものの火力では上回っておりコンセプトとしては上述のレッドショルダーカスタムに近い。
ちなみに、左肩とスカート部にギルガメス文字による「30」のマーキングが施されている。
寺田貴信氏曰く、他のゲームでスコープドッグのオリジナル装備が出ていたのを見てスパロボでもやってみたかった、とのこと。


◆直系外の派生機

ストライクドッグ

■型番:XATH-02-SA
秘密結社が運用データを基に開発したPS専用AT。
見た目や名前こそスコープドッグに似ているが、PSが操縦することを前提として新規設計された全く別の機体であり、サイズもヘビィ級になっている。
詳しくは項目参照。

ラビドリードッグ

■型番:XATH-02-DT
ストライクドッグの発展・量産型。詳しくは項目参照。

◇フィアズリードッグ

■型番:ATH-12-SNC
PS用ゲーム『装甲騎兵ボトムズ 鋼鉄の軍勢』に登場したラビドリードッグの雪上戦用タイプ。
アバランチドッグ同様、ヒーターと断熱幕(上腕と太もも)で凍結を防ぎ、スノートリッパーを装着している。
雪上での戦闘力は高いが扱える者が少なく少数生産に留まっている。

◇ガスティドッグ

■型番:ATH-11-SA
SFC用ゲーム『ザ・バトリングロード』に登場した後半の主人公機。
ギルガメス軍の試作ヘビィ級ATブラッドサッカーに似た形状をしているのが特徴。
名前の意味は「激しき犬」。その名に相応しく、両腕にダブルパイルバンカーを装備している。
ギルガメス軍の試作ヘビィ級ATでストライクドッグ同様、オプション装備無しで宇宙空間での行動が可能。
上述のPS用ゲーム『ライトニングスラッシュ』にも登場した。
ドッグの名を冠するがヘビィ級ATである事から系譜としてはストライクドッグの派生機と思われる。

◇ラピッドドッグ、ドッグ・ザ・ダーク、ブラッディドッグ

■型番:不明
『Case;IRVINE』に登場したバトリング用のカスタム機。厳密にはスコープドッグの派生機であるラピッドドッグの改造機。
前者はアービン・レスター、後者はペイガンがそれぞれ搭乗する。どちらもパイロットの信条や戦い方が見た目や装備に反映されている。

カスタム機の元であるラピッドドッグも型番は不明。
全体像はスコープドッグに準じるものの、首から下は細部の差異がかなり多く、肩関節が前方にスライドする機構を備えている。
ブラッディドッグは最終決戦時に別のATの残骸やパーツを組み合わせてとてつもない魔改造が施される。

◇ノーマルドッグ

■型番:ATM-09-AE
小説『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場。スコープドッグをベースにFX-ATの性能を付加した機体。
型番のAEとは「エアリィ・エリミネーター」の略らしい。限界走行速度138.0km/hを叩き出す高機動機。
ちなみにFXとは「コンピュータと人間をつなぐ(フル・シンクロ)ことで、搭乗者の望む動作を忠実に再現することを可能にする」というシステム。
だが型番こそ09シリーズだがマッスルシリンダーや制御系はATL-FX1の物を流用しており、頭部以外はほぼカラミティドッグに近い。
本来は試作機だったが複雑化したFX-ATの操縦系統に難を唱える声が多く、ベテランAT乗りの為に造られた。

◇カラミティドッグ

■型番:ATM-FX1
小説『青の騎士ベルゼルガ物語』に登場。ギルガメス軍の次期主力機であるミッド級FX-AT。
量産機でありながらストライクドッグに匹敵する性能を実現している。上記ノーマルドッグの本来の姿とも言える。

◇スペンディングウルフ

■型番:ATM-08ST
派生機ではなくスコープドッグの直接の原型となった機体。
性能的にはスコープドッグと差は無いが、特筆すべきは生命維持装置や自動消火装置と言ったパイロットの人命を保護する装備が搭載されている点。
これに裏打ちされた任務達成率と生還率の高さから「送り狼」として現場からは高い評価を得ていた。
しかし、その分コストがしたので軍上層部は性能はほぼ同じままコスト削減の為、人命保護用装備を悉くオミット、または簡略化したスコープドッグの採用を決定した。
なお、スコープドッグの「ドッグ(犬)」は「ウルフ(狼)」に劣るという皮肉であるとの説がある。

◇クルーウェルドッグ

■型番:ATM-04ST / AX-ATM-04
スコープドッグの直接の原型となった機体その2。
「プレ・スコープドッグ」や「クルーエルドッグ」とも呼ばれる。
おおよそのスコープドッグの機構は本機で完成しているが、アームパンチがロケット噴射式でマニュピレーターの強度不足によりメリケンサックを用いる。

型番がギルガメス軍初の制式ATイグザートキャトルと被っているが、これは書類上のミスによるもので本来のものは不明とのこと。

『ザ・ラストレッドショルダー』ではグレゴルーがめくった設計図の一枚として映る。

「スコープドッグの原型機」という立ち位置がスペンディングウルフと被っているが、これは設定された媒体の違いによるもの。*3

この為か、異説として「クルーウェルドッグはアデルハッビッツ社がスコープドッグを改造した技術研究用AT」というものもあり、AX-ATM-04の型番はそちらの設定に基づくもの。


◇詳細不明機

グローリィドッグ

■型番:ATM-AFX-01
ギルガメス軍の次期主力ATとして、頭部フレームはスコープドッグの物を流用し他を新規に設計したAT(『ENTERTAINMENT BIBLE.5 装甲騎兵ボトムズ ボトムズ大図鑑』より)

ブリザードドッグ

■型番:ATM-09B
ゲームブック『復讐の惑星シド』で登場した局地戦用のAT。

デザートドッグ

■型番:不明
スコープドッグを民生用部品を用いて現地改修した砂漠戦仕様機で、サンドトリッパー等の本格的な砂漠戦用装備はもたない。(1/35プラモデル同梱イラスト)


◆余談

  • デザインを担当した大河原邦男氏のお気に入りメカ(というよりもAT全般がお気に入りとのこと)らしく画集や個展では頻繁にデザイン画が掲載され、イラストを描き下ろす事も多い。

  • ファンからの通称はスコタコ。タコの由来は頭部がタコを連想させることから(ターボカスタムの略称という異説もあり)。模型雑誌でもオラタコ選手権などタコ扱いが半ば公式化している。名前は犬なのに……

  • ある鍛冶造形作家が1/1スケールの本機を製作した事があり、その機体は左腕にガトリングクローが装備されておりブルーティッシュカスタムと呼ばれている。

  • 2020年には東京都稲城長沼駅前に実物大スコープドッグのモニュメントが飾られており、2022年8月1日(月)〜10月31日(月)まで期間限定でレッドショルダーバージョンの仕様になっていた。



使い慣れたのがいい方は追記・修正お願いします。


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最終更新:2025年05月02日 21:21
添付ファイル

*1 メタ的にはTV本編の機体と区別する為と思われる。

*2 戦車のコマンダーズハッチを溶接したものらしい

*3 スペンディングウルフがゲーム「鋼鉄の軍勢」、クルーウェルドッグがデュアルマガジン発祥。

*4 ちなみにスコープドッグ自体には放水は行っていない。ATはポリマーリンゲル液が漏れ出したら爆発して粉々になる運命を知っていた……訳ではなく寒空に佇むスコープドッグへの消防団の方の優しさである。