勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う

登録日:2022/04/22 Fri 19:53:54
更新日:2024/04/15 Mon 16:14:55
所要時間:約 12 分で読めます





レイン、君はクビだ



◆目次


◆概要


「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」とは、小説家になろうにて2018年より発表されたWeb小説である
作者は深山鈴氏。
2019年5月にKラノベブックスにて書籍化、さらにマンガUP!にて漫画化。書籍のイラスト担当はホトソウカ氏、漫画版の作画は茂村モト氏。
2024年現在も小説家になろうにおいて最新話が執筆され続けている。

本編だけでも900話を超える超大長編ではあるが、書籍版は8巻(Web版の305話相当まで収録されている)までしか出版されておらず、その8巻が出版されてから2年弱も9巻以降の出版についての音沙汰がない状態が続いている。

作品を知らない人でも、漫画アプリの広告で「何言っているんだ…できるわけないだろうそんなこと」の元ネタと言えば、心当たりがある人が居るだろう。
「役立たずだと思って追放した主人公が、使い方が悪かっただけで実は超有能でした」という「追放もの」系の作品である。

書籍化がなされた作品ではあるが、小説家になろう内での書籍化に伴う閲覧制限は受けておらず、2022年現在も全話無料で読む事が可能である。

2021年の時点で、シリーズ累計150万部を突破し、2024年時点で200万部を突破とその数字をさらに伸ばしている。

2022年6月にTVアニメ化が決定し、同年10月から放送され、同年12月に第一期(仮)の最終回を迎えた。


◆あらすじ


勇者パーティから追放されてしまった、ビーストテイマーのレイン。
第二の人生を生きようと冒険者として生きようとした矢先、行き倒れの少女を拾う。

なんと彼女はSランク冒険者に匹敵する最強種「猫霊族」の少女であり、またレインもそんな彼女と契約が出来る例外中の例外のビーストテイマーであったのだ!


◆登場人物


◇レイン一行(仮)

後述のレイン・シュラウドがリーダーを務めるグループ。
ちなみに、作中ではグループ名に相当するものが決まっていないため、仮のものとする。
一介のビーストテイマーの枠には収まらない実力と誠実な人柄を兼ね備えたレインとカナデ達最強種の活躍により、アリオス率いる勇者パーティー以上の名声と評判を得て行くことになる。
なお、勇者パーティを追放されてからは彼らと距離を取ろうとするのだが、レイン一行には明確な旅の目的がないというメタ的な事情もあって絡まれまくる。
というか、作品通して勇者たちが関与していない出来事の方が圧倒的に少ないくらいである。

  • レイン
声:千葉翔也

本作の主人公であり、ビーストテイマーの青年。
勇者パーティでは動物を使役して周囲の探索や荷物運びといったサポート役に徹しており、戦闘では前衛に立ってのタンク役も引き受けていたが、勇者パーティでは「動物を使役する事しか取り柄のない」「役立たず」「お荷物」「期待はずれ」と散々な罵倒をされた挙句、クビになってしまった。

しかし、「複数の動物を使役出来る」「使役(テイム)の内容は細かく指定できる」
「遥か格上の存在である最強種すら使役(テイム)することができ、その力を自身に宿すことが出来る」
と、追放された後になって仲間達はおろか彼自身も理解していなかった一般的なビーストテイマーにはない独自の強さがどんどん浮き彫りになっていき、猫霊族のカナデとの契約後は、彼女に背を押されるがままどんどん成長していくことになる。

性格は底抜けのお人好しであるが、物語当初は勇者パーティでそんざいに扱われた経験もあってか自己評価がとても低かった。
善人がすぎるのか、初期にはカナデと2人旅で野宿をしていたにもかかわらず、ちゃんとした宿を取れた際も一部屋しか手配できなかった時にはカナデだけ泊まらせて自分は野宿しようとするなど変なところで貞操観念が高い。話し合いの末に同じ部屋に泊まることは承諾したものの、同衾だけは頑として拒否した。
しかし、カナデに背中を押され成長していくうちに、「自己評価の低さ」は「仲間想い」へと変わり、それが時として自分のツールであるビーストテイマーやカナデ(とタニア)を侮辱した勇者アリオスを殴り飛ばす、強大な相手に立ち向かうなどの行動を取るようになる。

戦闘能力は勇者パーティ時代は完全に装備頼りで自衛がせいぜいという有様だったが、自身のビーストテイマーの能力を理解してからはどんどん伸びしろを見せていくようになる。

なぜか本編開始の時点で特定の相棒となる動物を持たず現地で動物をテイムし、その都度逃がすというビーストテイマーとしては異端のスタイルを貫く(カナデ達最強種は別)。
クビにされて冒険者を志した時はビーストテイマーなのに身一つ短剣一本で資格試験に臨んで案の定窮地に陥るなど、やや考え無しな面がある。

+ ビーストテイマーについて
  • ビーストテイマーは単独では戦闘能力を全く持たない後衛職であるが、レインは装備頼りとはいえ一応戦える。
勇者パーティ時代はそのお人よしからタンク役を引き受けていたが、そもそもビーストテイマーを前線で戦わせること自体が本来なら死刑宣告と変わらない
安物の武器でもゴブリン(Fランク魔物)程度なら楽に倒せるし、初級魔法もいくつか身につけている。
また、物語冒頭でカナデとの契約から力を借りることで、実戦に足りる近接戦闘能力を身に付けた。

  • ビーストテイマーが使役できるのは一度に1体の動物までだが、レインは複数体を同時に使役することが出来る
他のビーストテイマーだと脳が焼き切れてしまうらしいが、レインは一切のリスクなしに複数体をテイムすることが出来る。
広告でお馴染み「何言っているんだ…できるわけないだろうそんなこと」は、この点を指摘した一般ビーストテイマーの台詞である。

  • 「最強種」と呼ばれる卓越した能力を持つ種族と契約・テイムできる
  • 「最強種」を使役することで自身にもその力が反映されて強化される
更に最強種を複数テイムすることで得た特性を組み合わせ、規格外の能力を獲得できるポテンシャルを誇る。
その結果、一芸特化で戦闘要員としては平凡以下の追放ものとして別作品ののレインと違い、序盤以降はビーストテイマー+近接で戦える+強力な魔法が使える+仲間を支援できるというオンリーワンのアビリティを持つ上になんでもできる万能キャラと化している。

その他、
  • 他のビーストテイマーが使役している動物の支配権を奪い取れる
  • テイム中の動物に意識を移し変えて直接操れる
といった、他のビーストテイマーにはできない芸当がレインには可能になっている。

さらには、ビーストテイマーとは文字通り獣を使役するものであって、昆虫などの別の種の生物は対象外。
昆虫をテイムするのは「インセクトテイマー」という別の職のスキルとなるが、
レインのそれはインセクトテイマーのスキルも兼ねており、動物と昆虫を同時にテイムして並行して使い分ける事さえできる。
物語の進行に伴いテイム能力そのものも段々強力になっているようで、精霊、元人間の幽霊も対象に入っている。
というか、今のところ効きに差はあれど「人間」を除くあらゆる生物に効果を発揮している*1

これらの特殊な素養は、過去に魔物の襲撃によって失った彼の故郷が、実は勇者の血を継ぐ家系であったという背景があるためである。

当然ながら上記した技能のほとんどは一般ビーストテイマーにはできない。
勇者パーティはレインをクビにした後に索敵や荷物持ち役として別のビーストテイマーを何度か雇っているが、
「レインは当たり前のようにやっていたこと」をいずれも「そんなことできる訳が無い」と拒否・ドン引きされることを繰り返し、
今後の旅に絶対に必要な神器*2が存在する迷いの森の攻略が頓挫したところで、今までレインがいたパーティが特別だったのだと(勇者たちにとっては不本意なことに)思い知る事となる。
しかしながらこちらからクビを言い渡した手前、傲慢な性格がレインに頭を下げる事を許容できず、
その結果「仕事を依頼してやる」という全力上から目線でレインに接触するが、当然ながら相手にされなかった。

なお「最強種を使役するビーストテイマーは、自身にもその力が反映されて強化される」という性質は、
カナデと契約したレインがその腕力を発揮する前からカナデは知っていたようなので、レインに限った性質ではない模様。
とは言え、そもそも最強種を使役できるレベルのビーストテイマーが殆どいないので、一般ビーストテイマーには関係ないのは変わらないが。


  • カナデ
声:和氣あず未

最強種であり絶滅危惧種である猫霊族(ねこれいぞく)のネコミミ少女。
猫らしく「にゃぁ」「にゃ」と言葉につけることがある。
自分を捕まようとし、打算目的で擦り寄ってきた人間達の姿を目の当たりにして人間不信に陥りかけた際、お人よしのレインが見返り無しで自分を助けようとしたことに加え、自分をひとりの女の子として普通に接してくれた事で完全に惚れる。
明るく人懐っこい性格をしており、レインに対して異性として意識することはあっても、身体を預けることに対しては何の抵抗も抱かない。
"猫"霊族ではあるが、人見知りせずご主人様(レイン)に従順で、仲間内での格付け*3を重要視するあたり、性格的には猫よりも犬に近い。カナデが変わり者なのか一族全体がそんな感じなのかは不明。

猫霊族は物理特化の種族であるため、純粋な殴り合いで勝てる者はほとんどいない(ただし最強種同士の対決においてはこの限りではない)。動体視力に優れていて、身体能力も高く、攻撃を当てることすら難しい。
当てることができたとしても、頑丈な体にダメージが通ることは少ない。
その力は勇者パーティの戦士を遊び半分で圧倒し、何日も飲まず食わずで死にかけていた状態でさえ、最後の力を振り絞ればDランク魔物を一撃で踏み殺して地面にヒビまで入れてしまうほど*4
反面、魔法は一切使えず魔法・状態異常への耐性が極めて低いのが弱点。素の体力が豊富なため上級魔法一発でダウンするほどヤワではないが、初級魔法でダメージを負い、毒や麻痺といった状態異常にも簡単にかかってしまう。
物理一辺倒な性質からか複雑な思考は苦手としており、体術も本能頼りの稚拙な我流を圧倒的なパワーとスピードで補うゴリ押しスタイル。
特に幽霊は物理攻撃が効かないため(心理的な意味を含めて)大の苦手。

テイマーにはこの力が反映され、冒険者としては低いレインの身体能力がCランク魔物に匹敵するキングリザードを素手で殴り倒せるレベルまで高まる。

+ 最強種について
猫霊族を含めこの世界に10種存在する、Sランク冒険者に匹敵する力を持つ種族のこと。
1種を除き人間とほとんど同じ容姿と知性を持ち、親子・家族といった人間と同じ形態のコミュニティに属しているなど、圧倒的な力以外の違いは探す方が難しい。
1種を除き立ち位置は人類寄りだが、彼らは山奥の集落や結界など人里離れた場所に種族ごとに寄り集まって暮らしており、過干渉を避けたスタンスを取る。

Sランク冒険者なる存在がさっぱり登場しないため匹敵すると説明されてもイマイチわかりにくいが、少なくとも勇者パーティー全員より最強種1体(それも種族最強でもない駆け出しの小娘)の方が余裕で強い。えぇ…
そのため「弱い方の最強種」もいれば、「最強の最強種」という頭痛が痛いみたいな肩書を持った奴もいる。素直に「希少種」で良かったんじゃないかと思わなくもない。

実質的な"最強"であるかはともかく最強種が人間の手に負えないほど強いのはまず間違いないが、魔法・状態異常耐性の低い猫霊族や素の身体能力が人間の子供並の精霊族など、能力的に格下にある人間でもつけ入る隙がないわけではない。


  • タニア

カナデと同じく最強種である竜族の少女。
カナデとは打って変わってかなり強気の性格であり、気に入らないものはなんでも焼き払おうとする喧嘩気質。
故郷の習わしに従って腕試しとして人間の里に出てきており、交通の要所である橋に陣取っては通りかかる冒険者に勝負を挑んでいた。
腕利きを集めるために自らを討伐対象にしたクエストをギルドに提出したりもしたが、そのクエストを見てやってきたレイン&カナデに敗北。レインと契約することになる。

自身の過失でオークからの奇襲を受け、それを庇ったレインに対してすぐさま謝罪したりと、プライドこそ高いが非を認める潔さも持っている。

ドラゴンらしく高い身体能力を持ち、純粋な格闘戦ではカナデとレインの2人がかりでも有効打を与えられないほどだが、竜族の本領は最強種全体で2番目に位置する高い魔力。
代名詞となる「ドラゴンブレス」、勇者パーティの魔法使いでも腰を抜かしてビビる上級を超えた超級魔法である数多の隕石を天から落とす「アルティメットエンド」の他、対象の魔法構造を解析し適した魔力波をぶつけることで相殺する「マテリアルキャンセラー」、魔力の流れを辿り魔法の正体を探る「マテリアルサーチ」*5など攻撃魔法だけでなく補助魔法にも長ける。
直情的ではあるが、魔法においては生来の魔力とセンス任せではなく、やろうと思えば不可思議な現象を前にしてもきちんと論理立てて分析し、その仕組みを言語化できる確かな力量を持った「魔法使い」。
身体能力と魔法の両方が高水準にあり、更に飛行能力まで有する器用万能オールラウンダー。万能型の竜族に格闘戦で優位取れない物理特化型の猫霊族……
タニアに限った話ではないが、最強種は生まれながらに強大な力を持つため、実戦経験や知識の不足、格下種族への驕りと油断を持つことが数少ない隙となる。

テイマーにはこの魔力が反映され、レインの場合元々使っていたごく基本的な初級魔法がアリオスの勇者専用魔法と相殺するほどの威力になる。


  • ソラ&ルナ

最強種である精霊族の双子
2人で迷いの森内部の里に繋がる道を遮断する結界を管理していたが、魔王軍の配下であるシャドウナイトにルナが人質に取られてしまう。

「ルナを解放して欲しければ結界を解除しろ」という要求に対し、精霊族の長は拒否してしまったため、妹を見捨てることに苦悩するソラだったが、そこで出会ったレイン達にルナを救助され、カナデの提案で2人ともにレインと契約することとなる。

精霊族は最強種全体で最も高い魔力を持ち、人間の記憶を読み取ったり、何十人もの人間を一瞬で眠らせて無力化したりと高度で強力な魔法を簡単に使いこなせる。
魔力に長けた種族という意味ではタニアと同じだが、魔力量と出力に優れる魔法攻撃タイプのタニアに対し、こちらは魔法攻撃だけでなく高度な搦め手も得意とするタイプ。
その応用幅は神族の専売特許である空間系能力すら劣化版とはいえ使用できるほど。
一方で魔法だけに特化している分魔法を無効化するシャドウナイトのような魔物は天敵で、ステータスで上回っていても打つ手がない。
また素の身体能力は極めて低く、特に体力は人間の子供並み。ただの山道を歩くだけでバテて息を切らすレベル。

ソラと契約したテイマーには高度な魔法制御技術が、ルナとの契約で強力な状態異常耐性が付与されるようで、
レインはタニアとの契約で得た膨大な魔力を完全制御できるようになり、魔法の多重詠唱など応用を効かせられるようになった。
同時に防御も回避も無意味な、対象に即死を付与する超級魔法「デスサイズ」をまともに食らってもレジストできる耐性を得た。
魔力最高の肩書を持つ精霊族と契約しても、手に入るのは魔力そのものや新しい魔法の習得ではなく魔法の制御技術か異常耐性なのが若干罠。要注意*6
なお、その耐性にも例外はある

+ その例外とは…?
ソラが作った料理のこと。
どういう訳かソラは余計なアレンジをしたがる悪癖があり、その結果ジャイアンシチュームドオンカレーに匹敵するレベルの必殺兵器が出来上がってしまう
どれくらいかというと、強力な状態異常耐性が付与されているレインが体調不良に陥るレベル。
当然ながらソラが料理を作ろうとする度にルナを始めとする最強種達に止められるのはお約束。ルナに至っては普段のお調子者のような口調すらかなぐり捨ててまで阻止しようとするが、当のソラには「認識を誤っている」と思われてしまい、まともに取り合ってもらえない。
但し、ルナはこのことを逆手に取り、ソラの料理を自分達と敵対する勢力から情報を得るための拷問に利用したこともある。


  • ニーナ
声:高野麻里佳

最強種である神族の少女。
元々はとある村に祀られ静かに眠っていたが、神族の噂を聞きつけやって来たエドガーに村人たちを人質にされてホライズンの街へと強引に連れ去られ、躾と言う名目で理不尽な虐待を受け続けていた。
そんな過去もあって人間不信気味で人間と関わることを怖がっているが、他人を守るためなら自分の身が傷つくことも厭わない優しい心の持ち主。

神族は神そのものではなく、遥か昔、神々に力を授かり、その名を一部譲り受けた種族である。
言うなれば神の眷属と言える存在であるため、人前に姿を見せることはないものの信仰対象として人間に祀られることが多い。また、詳細は不明だが猫霊族と近い関係にある。
神族は他の最強種と比べ身体能力や魔力といった力は劣るが、空間転移、物質を無から創造する、亜空間にアイテムを収納といった空間を介した特殊能力を有している。物質創造だけ能力の系統違くない?

契約したテイマーはこの能力の一部が使用できるようになり、レインの場合は「物質創造」の力を身に着けた。
ちなみにニーナを演じた高野麻里佳氏はアニメ版のEDテーマ『LOVE&MOON』のボーカルを担当している。


  • ティナ・ホーリ
声:M・A・O

元メイドの幽霊で、家主のいなくなった屋敷に棲みついている。
そしてその屋敷に人が棲みつかないようにポルターガイストで数々の怪奇現象を起こして『曰く付き物件』にすることで誰も買い手が付かないように仕向けていた。
エドガー編(仮)が終わって、一段落してニーナが仲間に加わったことにより『6人の大所帯になってきたので宿屋を拠点にするには手狭になってきた』
と言う事で住居を探していたレイン一行に冒険者ギルド受付嬢のナタリーがその屋敷を紹介したのが理由となって、レイン一行と鉢合わせてしまう。
当然、ティナは今まで通り怖がらせて追い払おうとするが、失敗するどころか『屋敷を巻き添えにする形で成仏させられるかもしれない』という状況に立たされてしまうが、
レインの提案した「俺達を迷惑や危害を加えたりせず、屋敷に住まわせてくれるならそういったことはしない」という交渉を呑む形で、見逃してもらう。

異世界ものでは珍しく関西弁のような口調で喋り、メイドなのもあって家事全般を得意とする。
地縛霊のような特性を持つため、屋敷から離れて活動する事ができない欠点を持つが、
幽体であるため物理攻撃に対しては無敵同然で、魔法攻撃に対してもアストラルサイド(精神界)に逃げ込む術を持っており
攻撃を受ける前にそちらに逃げ込むことで、あらゆる攻撃から身を守る防御策にもなる(屋敷を破壊する程の被害度外視の高威力な攻撃魔法や光属性の攻撃に関してはその限りではない)。

アニメ版の公式サイトでは紹介されていないがレイン一行が拠点となる屋敷を手に入れる所までストーリーが展開されたため、最終回にてギリギリ滑り込む形で登場することができた。
何ならコミカライズ版が途中で連載が休止してアニメ版に追い越された関係で、アニメ版では登場済みなのにコミカライズ版では現時点で未登場という妙なことになってしまっている。






◇勇者パーティー

その名の通り、勇者であるアリオスがリーダーを務めるパーティー。
魔王討伐を最終目的としており、それぞれの戦闘能力こそ優れているが人格(特にモラルに関する面)に致命的な欠陥のある人物ばかりで、レインを追放して以降は、自業自得で評判を落としていくことになる(ちなみにアニメ版ではレインが所属している時点で町民達からの評判がとても悪い描写がされていた)。
ちなみに、現時点でアニメ版の公式サイトではキャラクター紹介のページで誰一人紹介されておらず、一方でサブキャラ枠である女騎士『ステラ・エンプレイス』はレイン達と同格の扱いで紹介されるという憂き目にあっている。
だがしかし、アリオスが作品内で果たす役割は序盤で倒されるかませ犬に留まらない。
アニメ版は1クール13話で原作小説のおよそ80話まで消化したが、アリオスの悪事が露呈し勇者の資格を剥奪されるのは264話になる(カット無しだと丸々3クール必要)。
しかしそこで舞台から退場してしまうわけでなく、700話を過ぎてなお存命しており、敵役として活躍中という有り様*7である。

ある意味では他で替えが効かない重要キャラと言えるだろう。


  • アリオス・オーランド

声:島﨑信長

レインとかつてパーティを組んでいたが、ビーストテイマーに対する理解の無さから追い出してしまった勇者。冒頭の台詞も彼が発したもの。
非常に尊大かつ傲岸不遜な性格であるが、これは幼き頃より「勇者」として持ち上げられ続けたことが原因である。

旅の道中短くない時間を一緒のパーティーで過ごしたにもかかわらず、山奥育ちのカナデすら知っている「レインと一般ビーストテイマーの能力差」を全く理解していない、低すぎるを通り越して奇妙な見識の持ち主。
追放してしまったレインが有能だと認めるのが嫌なあまり、
超絶上から目線で(魔王討伐に不可欠な宝具の一つ『真実の盾』を入手するため)迷いの森攻略の助力を要請する、一人の冒険者に過ぎない彼を陥れるため「だけ」に騒動を起こす、など物語が進むにつれてどんどん小物化してしまい、
仲間との絆を重んじるレインとは対照的に、勇者パーティの仲間たちとの絆にどんどん綻びを入れていくことになる。
とはいえアリオス本人も気の合う仲間に対する情はあり、最終的に自分に残ったのは仲間との絆だけ…という結論に至りかけるが…。
ぶっちゃけ、主人公を追放することでどんどん落ちぶれていく彼の転落人生もこの作品の読みどころのひとつである。

……と言うとこの手の「追放もの」作品によくある、主人公達との噛ませと対比のための分かりやすい敵役に思えるかもしれないが、
彼の場合はこの辺りの外道っぷりが尋常ではない域に達している
物語を追うにつれ彼の傲慢さはレインに敗北した経験等からの屈辱から激しい憎悪に達しており、
自尊心と保身のために勇者の使命はどこへやらレインの破滅を目論むようになってしまった。
しかもその為なら完全に手段は選ばず、冤罪を着せるため無関係の人物を殺害する
人類への復讐を企てる危険な存在を解放してあろうことか彼女と共謀する、数々の悪事を国王から糾弾されてもしらを切る、
魔族の内通者であるモニカにその復讐心を利用されて唆される……など次々と洒落にならない事態に手を染めていく。
ここまで来ると単なる体の良いかませ役ですらないレベルの「悪党」である。
+ 何なら
何ならレインに関係無く昔からこうだったまであり、後に明らかになった事実として、
レインが勇者パーティーに加入する前の時期に、とある街から賊の討伐依頼を受諾しておきながら、討伐するどころかその賊から金品を掠め取って憎悪を街へ誘導、全力で襲うように仕向けて街を壊滅させた後、自分達が賊を討伐する。
……という絶句モノのマッチポンプまで犯していた*8

最終的には目論見も頓挫し、その罪を糾弾されてなお見苦しく言い逃れようとした事で国王の怒りを買い、
ついに勇者の資格を剥奪された挙げ句に仲間共々反逆者として投獄されてしまった。
それでもなお全く反省の色を見せず、更に重ねた悪事によって死刑を宣告されるまで「勇者なのだから極刑は受けない」と高をくくる始末である。

なおこの時にモニカが現れ脱獄を手引し、さらに彼の転落人生は続いていく。
おまけにアッガスがアリオスのこれまでの身勝手な行動に辟易、仲間を売るという裏切り行為に出た事で、
追手を一掃したのちにとうとう仲間殺しにまで手を染めてしまった
折しもアリオスが「自分にあるのは仲間だけだ」と認識しかけた直後のその事件は、彼を更に追い詰める事となる。

人格は全く褒められたものではないが戦闘能力は高く、最強種には及ばずとも人間レベルでは強者と言って間違いない。
剣を用いた近接戦は高度とはいえ猫霊族との契約で身体能力が上がったレインなら(その観察眼でアリオスの動きの癖を把握したアドバンテージも込みで)互角、雷撃魔法「ギガボルト」は竜族との契約で大幅に威力の上がった「ファイアーボール」と相殺するほどである。
これでも勇者としては甚だ未完成であり、本人の心がけと修練次第で果てしない伸びしろがある。

+ 勇者について
遥か昔、人間を支配していた魔王を倒し世界に平和をもたらした後の初代勇者と、その血に連なる子孫たちを指す言葉。
言い伝えでは初代勇者は魔王を倒す力を得るために神々と契約し、その血を取り込んで神々の力を取り込んだことで魔王を討ち果たす事ができたと伝わっている。

勇者の血統と常人を分かつのは単純な力や魔法ではなく、成長限界の有無である。
この世界の人間は誰もが成長の限界を定められているが、彼らだけは「限界突破」という力を有しており、上限なく自身の力を増幅させ続けることが可能。「勇者だけが魔王を倒せる」とされているのはこの力が要因。
レインは「自分がアリオスに勝てたのは彼がまだ勇者として未完成だったから」と話しているが、正確には限界突破の恩恵を受けられるほど成長していないと言った方が正しく、むしろ完成しない(成長の限界が存在しない)ことこそ勇者の持つ潜在的な脅威と言える。

栄誉ある出自ゆえ勇者とそのパーティは世間から英雄視されるが、勇者という「役職」を任命するのはあくまで国王であり、素行が民衆の求める勇者像から著しくかけ離れていた場合、その資格を剝奪される恐れがある

アリオスは当代の勇者だが、彼の家系だけが勇者の血を継いでいるというわけでもないので、仮に彼が道中で死んだとして勇者が絶えてしまうことはない。
レインの故郷のように、国が確認できていない勇者の血筋が存在することも充分有り得る。


  • アッガス・ノルド

声:濱野大輝

勇者パーティーの一員である戦士で勇者パーティーの中では最年長。
ハゲ頭スキンヘッドと大男のような体格が特徴。
戦士らしく頭以外の全身に鎧をまとっており、大剣を武器として前衛の物理アタッカーとタンク役を担う。
アリオスがレインに迷いの森攻略の助力要請を持ち掛けた際にアリオスがいらぬ暴言を吐いたことをきっかけにカナデと戦うが、全く歯が立たずに敗北してしまった。

アリオスを含めた他の3人と同じく、レイン彼を追放する際には「何もできない子供についてこられても迷惑だ」と見下して嫌っていたが、頑なにレインが勇者パーティーに所属していた頃の戦闘以外の宿の手配や野営時の見張りや食事当番、朝にメンバーを起こす係、斥候や探索、情報収集等の戦闘に関すること以外のあらゆる全てという雑務関連を一人だけでこなすことで大きく貢献したいたことをアリオス達三人が頑なに認めない中、『サポート役としてなら役に立つ』と建設的・合理的な判断を下して「は」いる。

しかし、アリオス達に加担してレインを追放してしまった事に関しては反省や後悔、罪悪感といった気持ちは微塵も持ち合わせていなかったようで
タニアから勇者パーティーに助力する代わりとして『レインの追放時に彼にした冷酷な仕打ちの件で謝罪する』という条件を突き付けられた際には
逆上するアリオスに続いて「俺達は間違ったことはしていない!」と反論している。

その後、そこから発展した勇者パーティーとレイン一行の決闘で全敗した後は条件を呑んで全員で謝罪し、レインの協力で魔王討伐に不可欠な装備品宝具の一種『真実の盾』を入手した後も、自分の独断でレインに『報酬や待遇の改善も約束するし、今度はちゃんとした仲間として迎え入れる(Web版、書籍版では『レインの追放時に彼から取り上げた装備も全て返却する』という条件を上乗せしている)』
という条件で勇者パーティーに復帰する勧誘を行うが、「また一緒に旅をしようじゃないか。過去のことは水に流して(アニメ版では「いつまでも昔の事に拘るなよ、レイン」という台詞に変更)」という結局反省していない事がうかがえる大失言をしたことで、ミジンコの目玉程度にはあったかもしれない『レインの勇者パーティー復帰』の可能性を自分から潰してしまう。
このハゲー!! (復帰してほしいならかける言葉が)ちーがーうだーろーっ! 違うだろーォッ!!

  • リーン

声:種﨑敦美

勇者パーティーの一員である女魔法使いで、それもあって魔法使いらしい尖った帽子を被った紫色のウェービーロングヘアの少女。
アリオスの如く見た目こそ美形だが性根が腐っており、特に口の悪さに関しては勇者パーティー随一であり、レインのことを『ゴミ虫』や『役立たず』等と見下して嫌悪している。

『1000の魔法を操る』を自称し、『歩く戦略兵器』とも呼ばれる凄腕の魔術師であるが、それらは前衛に守ってもらって物理攻撃をすぐには受けない程度に安全が確保されているという前提での話であり、それが保証されていなければ最強種のタニアどころか格下の盗賊団に対してすら何もできない皮肉にもレインに浴びせた役立たずを自分自身が体現するの如く無力と化す。 

また、本編序盤ではアリオス、アッガスと別行動を取った際は小遣い稼ぎで商人護衛の依頼にミナと共に挑むも、護衛役に戦士や格闘家等と言った前衛職ではなくあろうことか自分が見下していたレインと同じビーストテイマーを雇うという大愚行をしでかし、盗賊団に不意打ちを受けるやいなや護衛対象である商人を見捨てて自分達で逃げるという失態まで犯してしまう。また、自分達が雇った一般ビーストテイマーから『ビーストテイマーは一度に一匹(一頭)の動物しか使役できない』『複数の動物を同時に使役しようとすると神経が焼き切れるため不可能』といったことを告げられても、『自分達が追放したレインはビーストテイマーとしてイレギュラーだった』という結論には到達できず、それどころか『このレインにすら劣るビーストテイマーは自分の無能を棚に上げて嘘をついてまで責任逃れをしている』と曲解した挙句、件のビーストテイマーを攻撃魔法で脅して責任を押し付けるという最悪の手段に打って出る等、自分本位でワガママ極まりない性分を備えている。

また、ニコニコ動画でアニメ版が公式配信された際には中の人繋がりと勇者パーティーの一員であることにかけて『きたないダイ』というダイにとっては風評被害の何物でもない蔑称で呼ばれたこともある。

ちなみに、勇者パーティーのメンバーはWeb版・書籍版内のストーリーが進むにつれて苗字込みでのフルネームが判明していったが、リーンだけはどういうワケが現在も苗字込みでのフルネームが不明という憂き目に遭っている。


  • ミナ・ルサージュ

声:古賀葵

勇者一行の仲間で職業は神官。
『死者蘇生すら可能な治癒術を使えるヒーラー』との事らしいが、作中ではそれらが活かされた描写が全く無く、ほとんどやられ役と化してしまっている。ヒーラーとしては死に設定に膝まで浸かっているに等しいが、リーンほどではないが光属性の攻撃魔法を使いこなし、鑑定魔法といった補助系も扱える。
アリオスがレインに迷いの森攻略の協力要請を持ち掛けるも、アリオスの失言が原因で決裂してレイン一行と勇者パーティーの抗争に発展した際にリーンと2人がかりでタニアと戦うが、魔法自体を無力化されてしまい、全く歯が立たずに敗北してしまった。
アニメ版ではどういうワケかそのタニアとの魔法合戦ではアイシクルランスウインドカッターファイヤーボールといったそれって賢者じゃないかな?と言われんばかりの様々な攻撃魔法を使っていた。全部マテリアルキャンセラーで無効化されたけどな。

攻撃面での戦闘能力自体はリーンの下位互換といった感じだが、それ以外での頭の方は狡猾とも取れる合理性な案を出せる節があり、レイン追放後に『迷いの森攻略にはレインの助力が不可欠だが、そのレインは行方知れず』といった状況に立たされれば『(迷いの森に近いホライズンにある)冒険者ギルドで聞き込みをする』といった案を出し、レインがアリオスの迷いの森攻略の助力要請を一蹴して断った際には、「(要約して)私達勇者パーティーの魔王討伐の旅が難航すれば、罪もない人たちが魔物や魔族に平和や命を脅かされるのが続くのですよ、それでもいいのですか?」といったレインの良心や人情につけこむ形で、助力せざるを得なくさせるといった場面を見せている。




アリオスの目論見がことごとく失敗し転落していくにつれ徐々に彼に見切りを付け、彼の悪事を責める。
但し3人ともそれは改心したが故ではなく、転落人生に巻き込まれた責任をアリオス1人に擦り付けようとしたため。
要するに「アリオスが悪いだけで自分は悪くない」と、勇者として悪事を牽引しているアリオスを利用して自己正当化しているだけである。

才能を両親の出世のダシに使われていた事、そのために天才と持て囃された事で歪み切っているリーン*9
感情を軽視し盲目的に神を信じるが余り、窮地に陥っても祈るばかりで自分で考えることを放棄しているミナ*10
一見すれば思考の隙は少なく、客観的かつ冷静に物事を俯瞰しているようにも見えるものの、大概傲慢である事に変わりはないアッガスなど、3人の性格それぞれに難がある。
また、アッガスの冷静さもおおむね損得勘定*11と打算的な性格*12ゆえのもので、パーティが破滅し処刑を宣告された際にアリオスへの不満が爆発。
脱獄した際に自己保身のため、減刑と引き換えにアリオス一行を売るという裏切り行為を働いてさえいる。

このようにアリオスが極まって邪悪なだけで、彼ら3人も大概に歪んだ性格の持ち主である。
しかもアッガスの裏切り行為は、アリオスですらその時はそんな事を企ててはいなかった辺り、ある意味アリオスより悪質とも取れる。


  • モニカ
王宮親衛隊所属の女騎士であり、アリオスの監視のために国王がつけた監視役。
本人はまじめで気さくな性格で、アリオスを全面的に支持していると漏らした挙句、レインを排除しようとまで述べたのでアリオスからは信頼されてしまう。
勇者の血を引いたれっきとした人間であるのだが、その正体は魔族のスパイ。
アリオスに味方するふりをしながらレインの手助けをし、彼の転落人生を加速させ「魂を汚す」ことを目的としている。
最終的に勇者の資格を失ったアリオスに対し「人間と魔族の和解」というなろう小説の王道勇者らしいことを提案するのだが、本作における魔族はそんな生易しいものではなく…



◇ホライズンの住人

  • ナタリー・フロウ

声:高田憂希

レインが拠点とする街ホライズンにある冒険者ギルドにて受付業務を担当している女性。
レインとは本編プロローグにてレインが冒険者になるための試験受付を担当した時からの付き合いで、新人ながらも次々と依頼をこなしたり等で実績を次々と上げている彼に信頼を寄せるようになる。
当然、受付嬢という立場から戦闘能力は皆無に等しいのだが、アニメ版ではレインに絡んできたゴロツキ冒険者を(レインが彼に挑まれた腕相撲で圧勝し、その際の激痛で動けなかったのもあるが)机で叩きのめすというパワフルな一面や、レインが住居を探していた際にギルドの補助金制度を紹介したあと、腹黒い顔でギルド側の本音(優秀な冒険者を囲い込んでおきたい)を漏らしたり、物件紹介の際には上述のティナが棲んでいる『曰く付き物件』をレイン達が調査する流れになったあと、「退路を確保する」名目で自分は調査に参加しないなど、ユニークな一面を見せている。

カナデ達最強種(とティナ)を除外した『レインの味方・協力者』という括りでなら間違いなく筆頭枠だが、どういうわけかアニメ版の公式サイトではアリオス達勇者パーティーと同じく全く紹介されていない


  • ガンツ・ストロフ

声:辻親八

ホライズンにて店を構える鍛冶師である地人族(『ドワーフ』に相当する)の男。
希少かつ上質な鉱石である『ミスリル』を用いて武具を作れるのだが、力量もわきまえず金に物を言わせて強い武器を求め、用済みとなればポイ捨てするという悪質な客に嫌気がさしており、今では『見た目は上質ながらも片手間で作った武器』を見破ることができた客にしかミスリル製の武器を売らないことにしている。
だが見た目だけの粗悪品を売ったことが原因で、それを買った冒険者に報復として先祖代々受け継いできたミスリルの採れる鉱山を荒らされてしまう。半分自業自得じゃないか

レイン達に助けてもらってからは考えを改め、以降は客にも武器にも全力で向き合うようになった。
彼もナタリーと同じく『レインの味方・協力者』枠なのだが、アニメ版の公式サイトでは一切紹介されていない


  • ステラ・エンプレイス

声:高橋李依

ホライズンに常駐する騎士団の副支部長を務める女騎士。
道理に合わない事や卑劣を忌み嫌い、自分の信じる正義を貫く強い意志を持った騎士の鑑であり、
自分の所属する騎士団の殆どが上司のジレーをはじめとして悪徳領主のバカ息子であるエドガーの走狗と化していることに嫌気がさしており、偶然ホライズンの騎士団支部にエドガーの悪事を告訴しにきたレインを目撃し、目的が一致していたためレイン達と共闘することになる。

役回りとしては所謂一時加入味方キャラの1人でしかないのだが、ステラはナタリーやガンツ(そしてアリオス率いる悪徳勇者パーティー)とは異なり、アニメ版の公式サイトでキチンと……それも主人公のレインやヒロイン枠のカナデ達と同格の扱いで紹介されており、更には公式グッズのラインナップにも含まれるという極めて優遇された破格の扱いを受けている。


◇レインと敵対した者達

  • 漆黒の牙

100人を超えるメンバーで構成された盗賊団。
獲物も自分達に逆らう者も皆殺しにする残虐非道な集団で、様々な悪事に手を染めていることから
冒険者ギルドでは彼らの討伐に関する依頼及びそれに伴う賞金もかけられている。

しかし、契約によって猫霊族のパワーとスピードを得たレインとその猫霊族であるカナデの敵ではなく、
とっておきの虎の子である魔物「キングリザード」ですら歯が立たず、戦隊ものの怪人感覚でたった1話で壊滅してしまった。



  • エドガー・フロムウェア

声:高塚智人

レイン達が拠点としている街『ホライズン』の領主の一人息子。
アリオスと同じく金髪の美形ではあるがそれを台無しにするほどに心が醜く、『領主の息子』という自分の地位に胡坐をかいて『自分は何をやっても許される存在だ』と己惚れるその様は、異世界モノでは掃いて捨てるほどいる定番悪役のバカ息子そのもの。
この手のポジションの例に漏れず、エドガー自身は敵と戦うどころか自衛すらできない程に戦闘能力が皆無であり、『自分の手下である兵士を戦わせる』『兵士に領民達を人質に取らせる』といった手段を使えなければ何もできない腰抜けである。

本編開始前の頃から気に入った領民の女性達を攫っては虐待や陵辱の限りを尽くしていたらしく、それによって泣き寝入りしたりホライズンの街から逃げざるを得なくなった女性やその家族たちも数多くおり、村で祀られていたニーナを『手下の兵士達に村人達を人質に取らせて脅迫する』という卑劣な手段を行使して奴隷にしており、躾と言う名目で些細な理由や八つ当たりで虐待の限りを何度も尽くしていた。
しかし、ニーナに対しては暴力は振るっても性欲をぶつけることはなかったという。
これはこの世界の常識として人と変わらない美しい容姿と高い知性を持つ最強種であっても区分は魔物であり、人間として扱う方がおかしいという価値観があるため。
ペットを痛めつける飼い主はいても腰振る奴はまずいないってことである(変態性の方向でもエドガーは凡庸と言える)。

作中では、レインと一緒に街を散策するソラとルナを見初めて(兵士達が)無関係の領民達を人質に取ってまで手籠めにしようとするもソラとの契約の恩恵によって魔法の精密なコントロール能力を得たレインによって失敗に終わり、アリオスと同じくレインに憎悪の感情を持つようになる。そして、レインがステラと結託して自分の犯した今までの悪事を白日の下に晒そうとしていることを知ると、賄賂で走狗にした騎士団をけしかけるもそれも失敗に終わり、 『善意の協力者』を名乗る謎の人物*13から手に入れた妖しい指輪を使ってレインの抹殺を企てるも、それまたレインがルナとの契約によって得た力によりご破算となってしまう。
何もかも自分の思い通りにならず、自分が卑劣な手段を行使して手に入れたニーナをも奪還されたことから、負の感情で心が染まっていき、前述の指輪に封じ込められていた魔族に身体を乗っ取られてしまう。

そこからの末路はWeb・書籍版・コミカライズ版とアニメ版では異なっている。
前者では、その魔族がレインによって撃破されたことで元に戻り、治癒院(病院のようなもの)へと運ばれ一命を取り止めるも、後遺症により自分は一生不自由な身体になってしまった事自分の父である領主が犯罪者として投獄され、自分のアイデンティティであった《領主の息子》という地位が喪われてしまったことを自分の治癒を担当した治癒術師から告げられる。
更にそれに追い打ちをかけるように今までに自分が危害を加えてきた女性達の恋人や夫、兄等と言った関係者たちから報復を受け、その際に自分がナイフで(コミカライズ版では頬に怒りの鉄拳を受けたことにより)怪我をしたことによりプライドをかなぐり捨てて必死の命乞いをし、それが功を奏して死ぬことは免れたものの《自らが格下と見下していた領民たちに頭を下げてまで命乞いをするという醜態を晒してしまった事》と《自分は命以外は何もかも失ってしまったという現実》を自覚して精神崩壊を引き起こして、会話どころか食事すら困難である心神喪失状態に陥って廃人と化した。

後者では、前述の魔族に身体を乗っ取られた(厳密には《魔族に身体を無理矢理吸収された》)のが作中最後の出番で、レインが魔族を倒した際に、魔族の依代となっていた自分も死亡したことを連想させる描写があったが、原作者曰く「『エドガーが死んだのか生存したかの答え』については秘密」とのことらしい。


◆余談


小説家になろうにおいて、本作をはじめとした「追放もの」系作品は、昨今では「悪役令嬢転生もの」「スローライフもの」と並んで高い人気を誇るジャンルであり、本作はその草分け的な存在でもある。
他の追放モノ作品として有名どころでは、
などがある。




追記、修正は、自身を追放した人間たちを見返してやるぞという意気込みと共に…

「あんたが追記・修正も出来ないチキンだって事は理解したわ。でも…。」
「どうして項目荒らしへの対処を疎かにしたのですか?」
「お、疎かになんかしてない!!」
「していたではないですか。事実、荒らし共が今も項目を荒らしまくっている事に気が付きませんでした。」
「あんた、アニヲタなんでしょう?だったら荒らし共への対処をする事が仕事じゃない。」
「や、やっていたさ!!ちゃんと相談所に報告をしていた!!だけど俺の権限じゃ荒らし共を規制するまでは無理だ!!」
「はぁ!?冥殿は荒らし共を10匹でも20匹でも規制していたわよ!?アンタも何でそうしなかったのよ!?」

「何言っているんだ…できるわけないだろうそんなこと」


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最終更新:2024年04月15日 16:14

*1 作中試したことがないだけで人間をテイムできる可能性も否定できない

*2 勇者専用の装備品のことで、これを全て揃えなければ魔王は倒せないとされている

*3 レイン→私→その他

*4 逆に言えば生命力そのものは飛び抜けて高いわけでもない

*5 そこから魔法の正体を看破するのはタニア自身の高い見識

*6 双子であるため手に入る能力も等分されている可能性や、実は魔力も上がっているけどタニアと契約した時に比べると気づけていない可能性はある。

*7 800話の時点で勇者パーティー最後の一人であるアリオスが落命することで全滅となった

*8 この凶行の理由は、軍資金調達の他に、証拠隠滅と名声拡大も兼ねていたとレインからは目されている

*9 一応アリオスやミナとは仲が良く、完全に人間の情がないわけではない

*10 但し彼女は仲間が次々破滅して行く中で生き残り、アリオスの怒りや威圧に臆してその意見を正当化しようと思いこんでいる節があり僅かながら同情の余地はある。またレインの事に関しても「基準が厳しいのではないか」と進言したり、あくまで「魔王討伐」を目的としているなど他のメンバーと比較してまだ常識的である。

*11 迷いの森攻略後、別れ際にレインを再びパーティに迎え入れようとした際も、戦力大幅増強になるからとレインとアリオス間のわだかまりが残る状態のまま、しかも「今までのことは水に流して」と完全に上から目線で打診している。

*12 再勧誘を拒否するレインを引き止める言葉からは魔王討伐による平和ではなく、「討伐で得られる名声」を求めている事がうかがえる。

*13 ヒントは『エドガーと同じくレインを憎む者』そしてこの記事に記述されているのでお察しの通り。