ナイチンゲール

名前の由来は某クリミアの天使ではなく「サヨナキドリ」という鳥
「アクシズ、行け! 忌まわしい記憶と共に!」

  • 型式番号:MSN-04II
  • 頭頂高:22.5m
  • 全項高:27.8m
  • 本体重量:48.2 t
  • 全備重量:105.7 t
  • ジェネレーター出力:6,760 kw
  • 装甲材質:ガンダリウム合金
  • 特殊装備:ファンネル、隠し腕
  • 武装:バルカン砲、拡散メガ粒子砲、ビーム・サーベル、大型メガ・ビーム・ライフル、ビーム・トマホーク、シールド(ミサイル)
(ガンダムwikiより引用)

『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツ。
シャア・アズナブル専用の赤い高性能機で、小説『ベルトーチカ・チルドレン』でサザビーの代わりに登場する。
(なお、別のノベライズ作品『ハイ・ストリーマー』では映画同様サザビーに搭乗)。
メカデザインは『逆襲のシャア』において諸般の事情で降板した永野護氏に代わって出渕裕氏が担当したもので、
永野氏が当初本機をデザインした際は後に「ナハトガル」と命名された事から、名前の由来はサヨナキドリ(ナハトガルは独語表記)であり、
決して史実のかの有名な看護婦の偉人でもなければそれが元ネタの『Fate/Grand Order』にも登場するバーサーカー婦長でもない。

当時はいわば小説版サザビーという存在であったが、現在ではサザビーの強化発展型という扱いになっている。
ファンネルの搭載数を6機から10機に増やし、α・アジールが搭載していたものに変更。
サザビーが携行していたビームショットライフルはメガ・ビームライフルに変更されている。
フロントスカートには隠し腕及びビームサーベルを内蔵し、その巨躯に似合わず接近戦も得意。
出力も倍近くに増大し、追加された大量のプロペラントタンクにより稼働時間も延長。
スカートアーマーをはじめ全身にバーニアが配され、高い機動性・運動性を誇る。
シールドはサザビーと同型だが、機体サイズに合わせて大型化している。
戦闘能力を追い求めた結果、そのフォルムは人体を大きく逸脱したものとなってしまった。
AMBACを捨てジ・Oに酷似した路線に舵を切っているあたり、グリプス戦役最終盤でハマーンとシロッコにボコられたのが余程悔しかったのだろうか?
ライバル機のHi-νガンダムとは対極的な進化を遂げた結果とも言える。

原作小説での武装は上記の通りメガ・ビームライフル、ビームサーベル、ファンネル、シールド、隠し腕くらいだったのだが、
プラモデル「RE/100」ではビームトマホーク、バルカン、シールド裏のミサイルが装備されており、
漫画版『ベルトーチカ・チルドレン』では胸部にメガ粒子砲が装備されている。
登場するゲームによってはこれらの武装も使用できる場合がある。

作中ではアムロ・レイの駆るリ・ガズィやHi-νガンダムと交戦しており、その末路もサザビーと同様。
ただし映画版とは異なり明確に「Hi-νガンダムより高性能」と設定されており、作中でも終始ナイチンゲールが優勢に戦闘を繰り広げた。
その特異なシルエットから格闘戦には不向きそうに見えるが、作中ではHi-νガンダムと互角以上に殴り合い、更には蹴りまで披露している。

その巨大さはサザビー以上であり、特に横幅がかなり大きくなっており、MSとMAの中間といったデザインの機体である。
このような大きさであるため、移動はホバー及びバーニアの噴射により動くようになっている。
CCA-MSVによれば、後年書かれた漫画『機動戦士ガンダム ANAHEIM RECORD』ではHi-νガンダムの開発の際のプレゼンを見たメラニーがその性能を危惧し、
旧ジオン軍エンジニア陣に開発するよう命じている。
また、トランスフォーム機能を追加しスラスター部を後方に向けるようにすることで高速移動を可能にしている。
正面から見た際、左右に飛び出したバーニアバインダーが巨大な肩アーマーと錯覚されやすい。

+ ゲーム作品での扱い
『SDガンダムGジェネレーション』シリーズや『スーパーロボット大戦』シリーズにはサザビーと共に度々登場。
原作でのシャアはアクシズ落としの5年前にアムロやブライトと共闘していた事もあり、
敵として現れる作品と味方として現れる作品の双方が存在する。
ただし、サザビーに比べるとあまりお呼びがかからない傾向にあり、
酷い時にはライバルのHi-νガンダムが参戦しているのにナイチンゲールは未参戦という作品もある。

+ 『スーパーロボット大戦』シリーズ
『第2次スーパーロボット大戦α』で初参戦を果たす(ライバルは前作の『α外伝』で参戦)。
同作では条件を満たす事によって登場する、隠しボスである。
全ての能力がサザビーを超えており、特に運動性は140と本作に登場するユニット中最高値である。
HPも160000もあり、ほぼ無尽蔵に撃てる攻撃力の高い全体攻撃「ファンネル」の存在が脅威である。
ただし弱点もあり、シャアのCPUはアムロのいる小隊を狙うため、アムロの小隊をしっかりと強化し、運動性を高めておけば怖くはないだろう。
『第3次スーパーロボット大戦α』では没機体となっている。サザビーは手に入るのでそちらで我慢しよう。

『スーパーロボット大戦D』では、最初からシャアが使えるため、純粋にサザビーの強化機体として味方側で使用可能。
ファンネルの威力は使える機体の中では最強クラスである。
ただし、ファンネル以外はメガ・ビームライフルとビームサーベルしか使えないので、
武装が豊富なサザビーやHi-νガンダムよりも小回りは効かなくなっており、結果的にファンネル一辺倒な印象も否めない。

『スーパーロボット大戦X』では、Hi-νガンダムと共に隠し機体として久々に登場。
武装面ではP武器はビーム・トマホークしかないが、ファンネルの威力が他のファンネル搭載機と比べても二回りは高く、
カスタムボーナスを取得してしまえば最終的にΖガンダムやΖΖガンダムの最強武器とほぼ同等の威力になり、
かつ燃費はそれらより遥かに良いと非常に強力。また地味にデフォルトでの最大射程が8と長い。
更に着弾指定型のマップ兵器版も所持しており高い殲滅力を誇る。
ちなみに最強武器であるファンネルの必要ニュータイプレベルが何故かやけに低く、
ニュータイプレベルが伸びにくいサブキャラ使いにとっては、救世主のような機体となっている。

『スーパーロボット大戦T』でも続投。敵側としては何もフラグを建てずとも登場するが、味方にするにはフラグを建てる必要がある。
同作では異星人の技術を流用して開発したという、『スパロボ』ならではの設定となっている。

『スーパーロボット大戦30』ではライバルは続投したものの、ナイチンゲールは参戦しなかった。こっちのは別に久々にしなくたって……
擁護すると、今作はサザビーも参加しておらず、シャアは終始クワトロとして戦うのでナイチンゲールはおろか、サザビーも使わないという事なのだろう。
え?今まで散々クワトロ名義でサザビー使ってたやろって?今回アクシズ落とし後に『ガンダムUC』では何も行動せずに、
『ガンダムNT』になってクワトロと名乗って顔出してきた
というどの面下げてきやがったと言わざるを得ない状況なので…

戦闘デモ
『第2次α』版
『X』版

+ 『Gジェネレーション』シリーズ
どの作品でも基本的にサザビーから開発できる。
性能的には高性能で作品によってはファンネルの威力が突出しているのだが、武器がメガ・ビームライフルとビームサーベルとファンネルの3つしかない。
『スパロボ』と同じ状況な辺り、当時の資料の少なさが見て取れるような
そのため攻撃手段に乏しく、一部作品ではメガ・ビームライフルでI・フィールドを貫けないどころか、
耐ビーム・コーティングでダメージを軽減される有様。
格闘武器もごくごく平凡なビームサーベルで接近戦では特に強みは無く、
かといって遠距離戦でファンネル主体にすればテンション維持に難儀し、超強気までの時間がかかる……etc.
更にサイズの概念が追加された『魂』からはサイズ=2Lを与えられたが、そのサイズが仇となり編成枠を圧迫してしまう
(このゲームでは小型機にメリットはあるが大型機にはデメリットしか無く、基本的に強い大型機へのハンデになっている。
 サイコガンダムやクィン・マンサなど明らかにでかい機体はまだ納得もできるが、
 ナイチンゲールのような「ぎりぎり当落線上」「解釈の余地が分かれる」といった機体は貧乏くじを引かされた気分になるので敬遠されがち)。
……といった具合に何かと扱いに困るMSであり、
多くのプレイヤーから「サザビーの方が使い易い」「シナンジュまでの繋ぎ」との評価を貰うようになってしまった。
『ジェネシス』からは武装が大幅強化され、サザビーよりも使い心地で上回る性能になった。

+ 『ガンダムVS.』シリーズ
『マキシブースト』で参戦。
モビルアーマーに匹敵する巨体からファンからも参戦は絶望視されていたものの、
サイズを縮める&一部のバインダーの当たり判定を消すという荒業でなんとか参戦に漕ぎ着けた。
コストはゲーム最大の3000。

動きながら撃てて硬直を上書きできる散弾を撃つチャージショットなどサザビーと共通する部分も多いものの、
武装はより射撃向きに特化、なおかつこの機体特有のものが多い。

代表的なのがサブ射撃の「ファンネル」と左右レバー入れ特殊射撃の「腹部メガ粒子砲」。
サブ射撃のファンネルは入力すると相手を包囲するように位置取るのだが、この時点では射撃を行わず、
この状態でメイン射撃(メガビームライフル)を入力するとそれに連動してビームで攻撃する。
つまり射撃のタイミングを自力で調整することができ、射出してファンネルを見せるだけで相手の動きを大きく制限できる。

特殊射撃の「腹部メガ粒子砲」は腹部からビームの散弾を撃つのだが、
この散弾は一切銃口補正がかからず、機体が向いている方向に飛ぶという特徴がある。
なので、下手に使うとあらぬ方向に弾が飛んでしまう。
一方で旋回などを駆使して射角を調整することで、照準に左右されず狙った方向を攻撃できるため、
相手の移動方向を読んで散弾を「置いておく」など、他の武器にはできない当て方が可能。

このように射撃武器は独特、かつ充実している半面、近距離戦はサザビーに比べると苦手。
迎撃に向く武装がなく、格闘も3000としては弱めで、いったん接近を許すと下位コスト相手にも苦戦しがち。
一応、「回転して周囲を薙ぎ払い、ヒットすると強制ダウンを奪うBD格闘」など自衛に使える格闘もあるが、
それもブーストダッシュを経由しないと出せないため、迎撃には使いにくい。
このため、そもそも相手を近づけない立ち回りが肝要となる。

参戦当初は巨体(見た目詐欺だが)の回避を得るためにかなりの高速機体となっており、
それを活かした位置取り・軸合わせ・奇襲は最速の足回りで環境を支配したストライクフリーダムすらも逃げ切れないほど圧倒的。
全国大会までのストフリノルン三ショタ環境は何だったのかとなるほどのインフレが始まった。
ナイチンゲールが別作品の機体レベルで突出している中、それに対抗すべくわずか1週間後にダブルオークアンタフルセイバーが参戦。
異常な性能を持つ本機に対等に戦える性能で来てしまったため、最早他の機体は存在意味が無くなり、
機体ランキングも「ナイチンゲール=フルセイバー>>>超えられない壁>>>他全機体」となってしまい、
当時の環境はナイチンゲールの略称「チンゲ」とフルセイバーの「フル」に因んで「フルチン環境」と言われていた。
あまりにも突出しすぎているため、低コストと組むなどのコスト合わせを無視して最高コスト同士で組むのが最適解であり、
対戦台もこの2機しかほぼいなかった事から「ゲーセンに行ってもチンチンフルフルフルチンしかいない」などと、
本作を知らない人がいたらぎょっとするような会話が日常的にされていた。*1
バーストアタック(EXバースト中にのみ使える超必殺技)は、ファンネルとライフルから照射ビームを放つ「粛清の光」。

続く『EXVSマキシブーストon』では速かった足回りが落とされて万能機水準になり、
要所要所でしっかり避けないと引っ掛かる事が増えたため、自衛力が低下。
基本的には特殊射撃が機能する中~近距離を維持して相手を射撃で圧倒したいのだが、
距離調節を誤ると近距離戦に持ち込まれたり、基本的に足の止まる射撃を中々撒けず攻め手がかなり厳しく、
遠距離で戦おうにもも、サブのファンネルはリロード方式の見直しにより、ラックに帰ってきてからリロード開始になったため回転率が大幅に低下。
腹部拡散メガ粒子砲も赤ロックの半分ほどで消滅するので機能しなくなり、かつての栄光は見る影も無い程に弱体化してしまった。
しかし本シリーズは2on2であり、自分が劇的に弱くなろうとも必ずしも環境から姿を消すわけでは無い。
と言うのも、本作稼働開始時に参戦したGセルフが、環境を完全に支配する器用万能機として大暴れしていたのだが、
前線で超高性能な立ち回りをするGセルフに先に行動を取らせる射撃を豊富に持ち、
任意タイミングで遠距離だろうと着地狩りをできるナイチンゲールはぴったりとハマり、前作と全く違う立ち位置で環境を支配した。
……が、当然と言うべきか下方修正を食らい、機動力は更に低下。
サブは張り付き時間を下げられ、着地をする直前に相手に付くように計算して撃たないとすぐ自動発射されてしまう仕様に。
それでもなおGセルフの性能が圧倒的であったため、それにぶら下がる形で環境に居続けた結果更なる下方修正が入り、遂には環境から姿を消す事に……。
同様にGセルフも大幅に下方修正が入り、コスト3000を上回る超高性能は鳴りを潜め、普通の2500万能機となった。
Gセルフがそうなってしまうと、その援護ありきだったナイチンゲールはただただ低性能な3000でしかなく、
自分では何もできない「情けないMS」に成り下がってしまい、ガチ戦どころかエンジョイ対戦でもその姿を見る事は無くなってしまった。
流石にその惨状から2度目の下方修正は取り消されたものの、環境上位の機体が軒並み足の悪くなった本機を刈り取るのに向いている機体ばかりであり、
加えて遠距離での着地を取る能力を削られたため、リボーンズやストライクノワールの立ち回りを咎める事が出来ず、
最終的な機体ランクも三弱に次ぐ弱機体という散々な結果で終わった。

+ 『ガンダムオンライン』
『機動戦士ガンダム』の世界観をベースにした、
オンライン接続による多人数同時対戦が可能なサード・パーソン・シューティングゲームではコスト400の機体として登場。
専用モジュールであるサイコフレーム(共振)は被弾により特殊ゲージがたまっていき、開放すると以下の能力が得られる。
  • 武器の性能が変化する(威力、ダウンポイント、連射速度などが上がる)
  • 最高速度が上昇
  • ダッシュ・ジャンプ時のブースト消費量が軽減
  • 怯み、よろけ無効
  • 発動時、一瞬の間の後にアーマー値が上がり全回復する
  • 本拠点へのダメージが大幅に減少する
  • 緊急帰投、運搬不可になる
このおかげで、火力はお墨付きであり、旧環境ではトップ機体となっていた。

2019年6月19日のアップデートを経て、有効射程に敵を捉えることができれば高い性能を発揮するが、
機体が大きすぎるため射程外から抑え込まれると何も出来ない機体になった。


MUGENにおけるナイチンゲール

数々のガンダム機体を手掛けたSTG氏が『スパロボX』以降のグラフィックで製作している。
イントロには『スパロボX』での機体カットインが使われているのをはじめ、『第2次α』で使用した隠し腕や、
前述の『ガンダムオンライン』で使えたサイコフレームの共振、ファンネルの仕様が『VS』シリーズ、
パイロットカットインは『Gジェネジェネシス』と、
ゲーム作品で登場したナイチンゲールのあらゆる要素が詰め込まれており、STG氏の愛が窺える。
狂ランク全般に対応したAIもデフォルトで搭載済み。


「しかしアルテイシア、この結果は地球に住んでいるアルテイシアにはよかったのだな…」

出場大会



*1
あんまりすぎる字面だが、決して卑猥な意味合いではなく詳細は以下の通りである。
  • ナイチンゲール同士のコンビ→チンゲ&チンゲ→チンチン
  • フルセイバー同士のコンビ→フルセ&フルセ→フルフル
  • フルセイバーとナイチンゲールのコンビ→フルセ&チンゲ→フルチン


最終更新:2024年10月14日 14:06