ゴレムス

スクウェアエニックスのRPG『ドラゴンクエスト』シリーズに登場するモンスター。種族名は「ゴーレム」。
「ゴレムス」は、敵であるモンスターを仲間にする事が可能になった『ドラゴンクエストV』での1匹目の名前であり、
それ以降でのゴーレムのデフォルトネームでもある。
ちなみに『V』でのゴーレムの2匹目からの名前は「サンダー」「オリオン」「いしお(SFC)」「ホンマ(PS2)」「オヌマン(DS)」である。

+ 「ゴーレム」について
デビュー作品はスライムと同じ『I』。歴史のあるモンスターである。
ブロックを組み合わせて作った巨人のような姿をしている。

『I』では城塞都市メルキドを守護するモンスターとして登場した。
中ボス的扱いであり、攻撃力は登場する敵でラスボス竜王に次ぐ高さ。
普通にプレイしていた場合のレベルでは、まともに戦ってはまず勝てないほどの強さである。
ただし、重要アイテム「妖精の笛」を使うと眠ってしまうため、その間に攻撃すれば勝てる。
報酬は経験値5ポイントと9ゴールドなので、笛無しで戦うメリットは皆無。

ゲーム版『DQ1』だけでは特にこのゴーレムが何者であったのかという事には触れられておらず、
双葉社版ゲームブックでは単なるモンスター扱いで弱点は眉間(グラフィックの影になっている部分だろうか?)となっており、
エニックス版ゲームブックではメルキドではなくロトの印のある沼地に登場する単なるモンスター扱いである。
『知られざる伝説』において、偉大なる魔道士によってメルキドを守るために作られた守護者である事が描かれ、
以後その設定が定着し、後発作品でもそのように描写されている。

『知られざる伝説』によれば、元々はメルキドの守護者として街に侵入しようとする魔物を倒していたが、
鬼面道士がメダパニ(錯乱呪文)をかけたため、入る者と出る者を無差別に攻撃するようになった……とされている。
当初はメダパニをかけられても竜王軍を蹴散らしたため、メルキド兵達の士気も上がり、ゴーレムに続けと出陣した所、
今度はこちらに向かってきたため大慌てで街の中に戻って事なきを得たと共に、ゴーレムの状態が判明するという流れ。
しかしこれがきっかけとなって竜王軍はメルキド攻略を一旦断念するため、街を守るという使命を果たした事になる。
メダパニをかけられてなお街そのものの敵にならないあたり、忠誠心の高さが窺える。
だが街の守護者であるゴーレムを倒してしまったせいか、『DQ2』では既にメルキドは滅んでしまっている。
ただCDシアター版および小説版『DQ1』では、勇者はゴーレムを妖精の笛で眠らせて通り抜けただけで撃破しておらず、
それを受けてかエニックス版ゲームブック『DQ2』では、ローレシアの王子が「メルキドのゴーレムは再建されたろうか」と考えており、
こちらではどうやらメルキドは健在な模様。

また、『DQ1』では他に「ストーンマン」「ゴールドマン」という下位互換のモンスターが存在しているのだが、
ストーンマンは小説版『DQ1』および『知られざる伝説』の描写を鑑みるに、ゴーレムを倒すために竜王軍によって製造された兵士のようだ。
メルキド攻略戦に100体という大戦力で投入されたが、いずれもゴーレムによって蹂躙され敗北した。やっぱ量産型じゃダメかー
加えてこのストーンマンはラダトーム攻略用の戦力でもあったため、全滅させた竜王軍指揮官カトゥサは粛清されてしまった。
ゴールドマンの方は、採掘された金を安全に運ぶ方法として、金塊に魔法をかけて巨人型にしたは良いものの、
現地に辿り着いたら分解されて溶かされる事を知った一部のものが野生化してしまったとされており、
ゴーレムほどではないにせよ、こうした巨大人型兵器を作る技術はあの世界に存在しているらしい。

また、漫画『トルネコ一家の冒険記』にも似たような設定のゴーレムが登場している。
こちらでは石大工が命の石を与えて組上げた物で、「町に入ろうとする『魔物』を撃退する」という命令を与えるはずが、
間違えて「通ろうとする者全てに攻撃する」という命令を与えてしまった事で無差別に攻撃していた。
最終的にトルネコの封印の杖で怪力を封印され、命の石を取られた事で機能停止した
(ちなみに石大工は町の人に軽口を言われながらフルボッコにされた)。

ゴーレムそのものではないが漫画『DQM+』ではメタルドラゴンがゴーレムと同様、街を守るために建造された存在として登場。
しかし街の人々は発明者を変人奇人扱いしており、彼が完成直後に病死した事もあって、ただのハリボテだと思っていた。
実際に魔物が街を奇襲しようとした際、それを強大な戦闘力の圧だけで威嚇して追い払った事もあり、誰もその真価に気付いておらず、
たまたまその街を通りがかったヒロインのマルモだけが彼に気付いて呼びかけた事で、その仲間になっている。
そしてマルモの窮地には「パパからもらった体を使うべき時がきた」と強大な魔物相手に全力戦闘を挑み、命と引換えにマルモを救うなど、
ゴーレム同様に素晴らしい忠誠心を持った存在として描かれている。

以降のシリーズでもいくつかの作品に登場しており、『VII』では久しぶりに(最初に戦う)中ボスに抜擢された。

仲間モンスターとしての性能は、攻撃力と防御力がやや高く(最大レベルまで育てれば攻撃力は最大まで上がる)、素早さが低い*1パワーキャラ。
だが、消費無しの全体攻撃である「いなづま」や、消費無しの自己回復である「めいそう」などの強力な技も覚え、
はやぶさの剣などの高性能な装備も可能なため後半戦では重宝する。
低いすばやさもほしうるうでわを装備する事でカバーしたり、
素早さと引き換えに高い守備力と耐性を得る魔神の鎧を装備し、鉄壁のタンク役・回復役としても良しと多様性がある。
呪文攻撃や炎・吹雪への耐性はさほど無いがレベル50まで成長する事、そして何よりも仲間になりやすいため、最後までスタメンだった方も多いであろう。
また、『DQ5』は本作のチートアイテムの一角「たたかいのドラム」(味方全体にバイキルトの効果があり、無消費で使い減りしない)の存在から、
「安定してドラム役より遅く動ける物理アタッカー」という役割自体が大きなアドバンテージになっている。


MUGENにおけるゴレムス

Sylphyne氏(しるひー氏)が製作したものが存在していたが、2016年11月のniftyのアットホームページ終了によるリンク切れで現在入手不可。
投げ技を主体としたパワーキャラであるが、地震を起こしたり柱を呼び出したりと、
原作には無いもののイメージ的に使いそうな技を色々と搭載している。

超必殺技として一回転投げと、原作にもある「いなづま」を所持している。
この「いなづま」は癖のある技だが、使用してからしばらくゴレムスが帯電し、
通常技に削り能力や飛び道具打消し能力が付与されるというオマケ効果があるので侮れない。
…それでも同氏のスラりんの「灼熱」に比べると使いにくいのだが。
欠点はパワーキャラにも拘らず総じて技の威力が安い事。最も威力の高い2ゲージ技でも3.5割ほどしか減らない。
ちなみに挑発ボタンを押すと足元に砂で色んな小型建造物を作る。試してみよう。
クモ氏による外部AIも存在し、現在は弾丸マックス氏のロダ(むげん代理公開場4)にて代理公開されている。

出場大会

出演ストーリー



*1
余談だが、ゴーレムの素早さの伸びの悪さはDQ5仲間モンスター中低い方に突出しており。
SFC版では全員共通で「各ステータスがレベルごとの基準上限より高すぎると、レベルアップ時にランダムで0か1か伸びなくなる」という仕様があるが、
ゴーレムに限り、これが「素早さ基準上限が低すぎるので何もしないと常時ランダムで0か1しか伸びない」という事態になっている。
それどころか素早さ成長値もレベル5→20までの8ポイント分だけしか設定されておらず、ここまでのランダム成長のうち半分以上0が続くと、
「レベル20(以上)の基準上限を下回ったので本来の成長値(0)を参照」という事態になり、二度と伸びる事が無くなる。
幸い素早さを上げるほしうるうでわを装備すると基準上限を簡単に超えるので、これでランダム成長に戻り再び伸ばす事は可能。


最終更新:2025年02月28日 09:51