究極神拳

"FINISH HIM !!!"*1

(止めを刺せ!!!)

通常、格ゲーは相手のHPが0になれば勝利だが、海外産の『モータルコンバット』シリーズでは、その状態でもう一発殴って倒す事で勝利となるシステムがある。
相手のライフゲージが0になった(勝利が確定した)際、上記のサインが表示された後に特定のコマンドを入力すると、
トドメ、詰まる所本当に息の根を止める技、「フェイタリティ(Fatality)」が発動する。
例を挙げると、凍らせて砕いたり背骨引っこ抜いたりキスしたら何故か爆発したり、時には地形を利用して相手をはるか下の剣山に突き落としたり……
間違っても「それ最初にやれよ!」とか言ってはいけない。ヒーロー番組等でも前半の内にトドメ技をぶっぱなすのは負けフラグである。
『モータルコンバット』は海外では大ヒットし、続編が出るごとにミリオンヒットしているので、海外の実写モノ格ゲーにはフェイタリティなシステムが多い。
+ 参考動画(言わずもがなだがグロ注意)

フェイタリティは日本語版(SFC版)移植を担当したアクレイムジャパンにより「究極神拳」と訳された。
時々他の格ゲーなどの一撃必殺技(特にグロテスクな表現があるもの)、
または単純にグロい技を「フェイタリティ」や「究極神拳」と呼ぶ事があるのはこれが由来である。
ただし一撃必殺技が戦略に絡める「技の一つ」なのに対して、本家の究極神拳はあくまで勝利演出の一部であるという事が大きな違いであり、
極端な事を言えば「勝ち挑発死体蹴り)専用技」である。
本家の性質を正しく継承しているものには、一部で有名だった奇ゲー『大江戸ファイト』の「FINISH」の他、
サムライスピリッツ天草降臨』の「断末奥義」、『エターナルチャンピオンズ』の「オーバーキル」などが挙げられる。
ビジュアルの違いしかなくダブりだらけで全キャラ合計2196種に水増ししている『タトゥーアサシン』なんてのもあるが

『サムライスピリッツ零SPECIAL』の絶命奥義も同列に語られる事が多いが、こちらは演出が似ているだけであり、
性能的には『痛快GANGAN行進曲』の「GANGAN必殺技」や(3D作品だが)『超鋼戦記キカイオー』の「ファイナルアタック」の様に、
「相手の体力が一定以下の時にのみ使える一撃必殺技」、つまり戦略に絡める技の一つである。
尤もサムスピ火力的には、相手が絶命奥儀を使える状況というのは普通に即死圏内まで体力が減ってるって事だけど
参考動画(やっぱりグロ注意)

変った所では『ウルトラマン(SFC・AC)』や『ウルトラセブン(SFC)』のゲージMAX技(スペシウム光線など)の様に、
普通に高威力の攻撃技としても使用できるが、敵の体力0の時にこれを当てる事でのみ勝利できる必殺技らしい仕様になっている
(逆に言えば止め技を当てない限り絶対に勝利できないのを利用して制限時間一杯までひたすらボコったりも)。
ちなみにウルトラマンジャミラだとトドメ時がウルトラ水流に変わるという凝りようである。見た目は大して変らないが
ウルトラセブンだと通常時はワイドショットだが、一部の怪獣に対してはアイスラッガーで首や腕をはねて止めを刺す描写になり、
相手が怪獣でなかったら『モータルコンバット』にも劣らないスプラッターな演出(流血シーンもある)になっている。
でも原作再現だし、そもそも人間じゃないからOK
(アメリカ等でケモナー作品が多いのもそういう理由からと言われている。
 なにせ12歳以下向け作品ではどんな理由があっても人間を殺してはいけないし、女性のビキニ姿も禁止である。
 逆に13歳以上向け作品なら『モーコン』のように日本以上にグロOKである)。

MUGENでのモーコンキャラは各キャラ通常技のモーションが一緒だったり(コレは原作の仕様)*2
フェイタリティが賛否両論だったりと色々あってか、ニコニコ動画で見る機会は皆無といってもいいほど少ないが、
海外勢の多いYoutubeではかなり見かける。
Isabeauなど、EX-Inferis氏のキャラはフェイタリティが搭載されているものが多い。
また、海外製のアレンジが加わった他のゲームのキャラにもたまに搭載されている。
ニコMUGENでは『ギャラクシーファイト』のカズマを改変した「真カズマ」のそれが有名と思われ、
実際にとある大会でそれを披露した際は色んな意味で阿鼻叫喚となった。
また、ホーマー・シンプソンは、対戦相手ではなくネッド・フランダースを画面外で殺して生首を持ってくる

ちなみに、究極神拳にもいくつかの種類がある。
+ 究極神拳の種類
フェイタリティ(Fatality)
上記のように本当に息の根を止める技。
基本的に相手を惨殺する技が多いが、中には驚かせてショック死させたり、終いには爆弾で地球ごと爆破する事もある。
なお地形を利用しての究極神拳は「ステージフェイタリティ」Stage Fatality 別名「Pits」とも呼ばれる)になる
(ちなみに「Pits」の由来は初めてステージフェイタリティが使えたステージ名から)。
MK9のステージフェイタリティ
余談だが初代『MK』のSFC/SNES移植とGB移植では、当時の任天堂の都合からかFatalityの表記が変更されており、
SFC/SNES移植では「フィニッシングボーナス」(Finishing Bonus)、
GB移植では「フィニッシングムーヴ」(Finishing Move)と表記されていた。
『MKII』以降の移植ではFatality表記に戻されている。

以下は『MKII』以降から追加されたもの。
フレンドシップ(Friendship)
フェイタリティと違い、踊ったりプレゼントを贈ったり等で相手に友好を示す技。
成立時はFatalityと違って陽気なBGMが流れたりするのが特徴。
また『MKII』ではアナウンス時に『Friendship……Friendship?!』と困惑するボイスが流れ、
『MK3』〜『MKT』では『Friendship……Friendship?! Again?』とより困惑しているボイスが流れる。
これは『MKII』〜『MKT』までのアナウンスがシャオ・カーンによるものだからだろう。
まぁさっきまで殺し合いしてたのに急に友好示し始めたら側から見ても困惑するとは思うが
3D移行後は長らく実装されていなかったが、『MK11』のDLC『AfterMath』で復活しており、
どこからともなく現れたピニャータを割って中から出てきたお菓子を意地汚く貪ったり、
ハープーンでテディベアを持ってきて抱きしめたりとみんな芸達者に。面々もはっちゃけている。
……ジョーカーだけは画面外のバットマンからのツッコミが無かったらふっつーにブッ殺してただろうけど
DLC『アルティメット』以前のもの
『アルティメット』追加分のメンツ

ベイバリティ(Babality)
相手を赤ん坊に変えてしまう技。赤ん坊姿にして相手に屈辱を与えるのが目的。
これも3D以降後は長らく実装されなかったが、『MK9』にて復活した。
『MK9』では赤ん坊にされた側にリアクションが追加されたため、萌える。超萌ゑる。
何気に過去作品のネタも盛り込まれているので、ファンならニヤリと出来る…かも。
その『MK9』でのベイバリティはこちら

マーシー(Mercy)
勝負が3本目のラウンドにもつれ込んでいる時のみ使用可能な技。
相手の体力をほんの僅かだけ回復して勝負を再開する。
これだけ見ると相手にラストチャンスを与える有情な技に見える………がっ!
この技の本当の目的は後述の「アニマリティ」を発動できるようにするためである。
こちらも3D以降後は長らく実装(ryが、なんと『MK11』にてまさかの復活。
『MK11』では一部のブルータリティの発動条件を満たすために使用されるものとなった。
舐めプとか言ってはいけない

アニマリティ(Animality)
自らを凶暴な動物(ライオンやら恐竜とか、稀にウサギペンギンなど)に変化させ、
本能のままに相手を殺戮する技。
上記のマーシーを行った後に使用可能だが、実はマーシーを受けた相手も使用可能になる。
これもまた3D移行後は(ryが、なんとなんと『MK1』のDLC『Khaos Reigns』にて復活。
今回はマーシーが実装されてないのでマーシー無しで変身できるようになった。

ブルータリティ(Brutality)
乱舞を繰り出し、相手の肉体が破壊されるまで攻撃を叩き込む技。
当初は『UMK3』のSNES移植とGenesis移植にて先行的に実装されており、後に『MKT』でも実装された。
相手を粉砕した後の骨の量が明らかに1人分よりも多く見えるが、気にしてはいけない
これもまたまた3D(ryが、『MKX』にて形を変えて復活。さらに『MK11』・『MK1』でも続投している
(『MK:A』のFatalityもブルータリティっぽいがあっちはあっちで別の名前がある(後述))。
復活後は、体力一定以下の相手に特定の技を当てると、直接トドメを刺す形で発生する演出のことを指すようになった。
一部のブルータリティにはコマンド入力やマーシーの使用等によって発動可能になる演出もある。
また発生する演出の中には過去作(特に2D時代)のFatality演出の再現だったり、
ゲストキャラだとそのキャラの劇中での行動を再現したものだったりと、ファンサービスとしての要素も。
また『MKX』のみ、Fatalityのようにステージギミックを使ったタイプのブルータリティ、
「ステージブルータリティ」Stage Brutality)なるものも存在した。

ハラキリ(Hara-Kiri)
相手に二本先取された際、止めを刺される前に自決する
ただ、その自決方法は殆どが腹を切らないどころか、自分で首を引っこ抜いたりする。
日本のサムライゲーの自決とどっこいどっこいじゃないかとか言ってはいけない
斬新な試みではあったが、ハラキリ自体はCPUも使用してくるため、
CPUにFatalityを決めようとしたらハラキリされて肩透かしをくらったという事態が頻発。
それ故にプレイヤーからは不評気味な要素とされ、結果的に実装されたのは『MK:D』のみとなっている。


他にもシリーズによっては、
DCヒーローが持ち前のパワーで相手を倒す「ヒロイックブルータリティ(Heroic Brutality)」
(相手が生きている数少ないトドメ技。上記のブルータリティとは無関係。大人の事情とか言っちゃダメ)。
『MKX』以降、オンライン対戦時に切断した側にペナルティとして課せられる「クイタリティ(Quitality)」
(発動すると突然キャラの首が飛んだり、何処からか槍が飛んできてキャラの頭に突き刺さったりする)。
などが存在する。

+ 余談
『モータルコンバット』のスピンオフ作品である『モータルコンバット・ショウリンモンクス』(日本未発売)では、
ジャンルがアクションアドベンチャーなためか、フェイタリティが雑魚戦に限り一撃必殺技と化している
(ちなみに対戦モードでのフェイタリティは従来の性能のまま)。
これ以外にも集団の敵を一網打尽する「マルタリティ(Multality)」が存在してたり、
ブルータリティが「一定時間無敵になって乱舞を叩き込む」技になっている。

また、お祭りゲーとされるポジションの『モータルコンバット・アルマゲドン(MK:A)』では、
フェイタリティの大半が共通モーションとなり、相手の息の根が止まるまでどれだけ繋いだかを評価される、
通称「クリエイト-ア-フェイタリティ(Kreate-A-Fatality)」というシステムが搭載された。
……ただ、キャラクター固有のモーションが乏しいため、コレまでの物に比べると少々見劣りしてしまうのだった。
究極神拳自由演技部門

とはいえ、共通モーションのお陰でクリエイトキャラでもフェイタリティが出来るという利点もあるのだが。
クリエイトキャラでフェイタリティ
流派名:神羅


"Fatality"


関連項目



*1
相手が女性キャラの場合、"FINISH HER!!(フィニッシュ ハー)"と表示される場合もある。

*2
ただし『モータルコンバット3』以降は『月華の剣士』の「連殺斬」のような「ボタン・リンク・コンボ」が存在しており、
そこでは各キャラのモーションが結構違ってたりする。


最終更新:2025年06月12日 12:47