ゾーリム


円谷プロによるウルトラシリーズの作品『ウルトラマンガイア』に登場した怪獣で、第26話「決着の日」に登場。
別名「巨獣」。身長・体重共に不明。名前の由来は「ゾウリムシ」から。
同作における敵勢力「根源的破滅招来体」直属の一員あるいは侵略兵器にして、中ボス的ポジションを担っている。

初期から続いていた、自らが作った光量子コンピューター「クリシス」の答えにより、
「地球を守るためには人間を滅ぼす必要がある」という思想を持った藤宮博也 / ウルトラマンアグルと、
人類と地球の両方を守ろうとする高山我夢 / ウルトラマンガイアの対立は、
藤宮の友人だった稲森京子の死や我夢がXIG(シグ)を解雇処分されて孤立化するなどの出来事を経て最高潮に達し、
ついにお互いが「自分こそが正しい」と証明するために、ウルトラマン同士で本気の殺し合いに発展した。
この戦いは互いに一歩も譲らぬ死闘の果てに、両名が力尽きる形で引き分けの結果に終わったのだが、
この時にウルトラマン同士の衝突で発生したエネルギーを根源的破滅招来体が回収し、
それにより形成された、通常時の400パーセントという特大のワームホールから姿を現したのが、このゾーリムである。

ガイア怪獣どころかウルトラシリーズの全怪獣の中でも屈指の巨体であり、
ガイアですらゾーリムの頭部と比較して米粒レベルの大きさでしかない。
しかも、あまりの巨体故に頭から首にかけての部分だけしか出さなかったため、
胴体部分の外観がどのようなものか、そもそも全長はどれほどのものなのかは不明。
この巨体故に、XIGファイターの一斉射撃やガイアV2のクァンタムストリームですら、
鬱陶しがる程度のダメージしか与えられない耐久性を備えている。
武器は口から吐く火炎で、非常に広い射程とガイアの身長ほどに火柱が上がる破壊力を持っている。

XIGはで衛星防御システムで攻撃しようとするが、
ワームホールを解析していたクリシスがゾーリム出現と同時に暴走を開始。
そのパルスパターンがゾーリムのものと酷似していた事から、
クリシスは開発された時点から根源的破滅招来体の手先であり、
前述のクリシスがはじき出した結論は根源的破滅招来体によってでっちあげられたものであった事が明らかになった
(後に明らかになるが、クリシスを開発したアルケミースターズにスパイがいた)。
この事から、恐らく根源的破滅招来体はこの偽りの答えによりウルトラマン達の対立を誘発し、
双方が戦いの果てに同士討ちしてくれればそれでよし、
仮に失敗してもその戦いで得たエネルギーにより呼び出したゾーリムで地球を破壊する、
という計略を謀っていたと思われる。
また、そのクリシスとリンクして使役している事実から、ゾーリムはコッヴのように兵器として利用されている訳ではなく、
上記の通り確たる害意のもとで活動している根源的破滅招来体直属の尖兵である事が分かる。

なおも我夢と決着を付けようとする藤宮は、この事実を突き付けられ絶望。
自分の信じていた「正義」が敵の掌で踊らされていただけであった事を知って茫然自失となり、
アグルの光を自ら放棄し、手負いの状態でありながらゾーリムに挑もうとする我夢に譲渡した後、
失意の内に姿を消してしまう。

なおも破壊活動を繰り広げるゾーリムだが、ガイアの光とアグルの光を得てV2となったウルトラマンガイアがこれに応戦する。
ゾーリムはクァンタムストリームすらノーガードで受け止め火炎攻撃でガイアを圧倒するが、
XIGファイターによりワームホールを直接攻撃された事に怯んだ隙を突かれ、
ガイアスプリームヴァージョンに口の中に飛び込まれた挙句、内部からフォトンストリームを受け爆発四散した。

第23話の我夢の追放から始まりゾーリムの撃破で終結する一連の長編エピソードは『ガイア』における大きなターニングポイントとなっており、
これ以降の我夢と藤宮の確執は急速に氷解する事になる。
また、根源的破滅招来体の活動はゾーリムの敗北の後、
まるで「予想外の敗戦が起きた」というかのように一時的に沈静化した後(ミーモスやエンザンなどの「置き土産」は騒動を起こしたが)、
X(クロス)サバーガ、Σズイグル、破滅魔人など、より直接的に「ウルトラマン」を標的に変えたような作戦や、
イザクや超コッヴ&超パズズ回のように人間自身の罪を指摘するような、勝っても後味の悪い作戦を中心に実行されるようになる。
こうして、ゾーリム回以降の『ガイア』はウルトラシリーズの「ウルトラマンVS怪獣」というお約束の構図を排して、
段階的に「地球勢力(ウルトラマン&人類&怪獣)VS根源的破滅招来体」という構図に変遷し、
当時のウルトラマンとしては革新的なストーリー展開に繋がる事になる。

+ ゲーム作品におけるゾーリム
特撮ヒーローRPG『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、第1部『ウルトラマンガイアの章』にて登場。
ほぼ原作通りの流れでボスとして対峙するが、体内には突入せず正面から力押しで倒す事になる。
XIGファイターの援護こそあるものの、原作同様タイマンで戦わなければならないのでかなりの強敵。

『ウルトラマン Fighting Evolution3』では、ウルトラモード「決着の日」にNPCの敵キャラとして登場。
始めはアグルとの戦いとなり、これに勝つとゾーリムが出現。
ガイアを操作してゾーリムの吐く火球を避けつつ弾(ガイアスラッシュ)を当てていくシューティング形式の戦いとなる。
ここでのゾーリムの攻撃はタメが長く高火力の火炎弾と、威力は低いが連射力が高い火球の2種類で、
意外と躱すタイミングが難しく、ダメージを稼ごうと連射していると回避が間に合わない事も少なくない。
体力を全て減らすとイベントシーンが挿入され、ガイアがスプリームヴァージョンに変身、
その場でフォトンストリームを放って撃破という、これまた原作とは少し違う流れになっている。


MUGENにおけるゾーリム

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
スプライトはキッズコンピュータ・ピコで発売された『新世紀ウルトラマン伝説』の物を使用。
移動はできない代わりにアーマーが付与されている。
近接攻撃では噛み付きや頭突き、
遠距離の相手には必殺技の火球で攻撃するキャラとなっている。
図体は非常にでかいものの、首だけで宙に浮いているためか、
下段攻撃は余程近付かなければ当たらない。
超必殺技は1ゲージ技の「火炎」のみだが、威力が高い上に削りも優秀。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

出場大会

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最終更新:2025年06月28日 11:53
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