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ネリエーラ・ヴィ・ユミル・イドラム

ネリエーラ・ヴィ・ユミル・イドラム

作:@Freeton2
生年月日 共立公暦1883年11月3日
年齢 16アストラ歳(星年齢
共立公暦3500年時点
出生地 セトルラーム共立連邦
人種 ケルフィリア系ロフィルナ人
階級 皇帝陛下
所属 ユミル・イドゥアム連合帝国/共同統治機構


概要

 ネリエーラ・ヴィ・ユミル・イドラム(帝国名:ネリエーラ・ヴィスプローメ=ケルフィリア.連邦名:ネリエーラ・ヴィ・レミソルト)は、旧帝国圏の統治を総覧する君主である。
フォフトレネヒト皇帝の称号を戴き、ユミル・イドゥアム連合帝国/共同統治機構の首座に就いた。共立銀河連邦の成立を経た現在も、旧世界の君主として在位を続けている。

自己紹介

 ご足労いただき、感謝いたします。ネリエーラと申します。……ええ、席次はそちらで結構ですよ。ここは私室ですから、細かな作法は扉の外へ置いてきてくださいませ。ふふ、驚かれましたか。式典の場では、うるさいほど作法を申しますので、どうか使い分けてくださいね。手順を一つ飛ばしただけで、宰相閣下の眉が三日ほど下がったままになりますから。……ああ、その椅子は少し傾いております。脚の留め具が緩んでおりまして、今朝、直そうとして余計に緩めてしまいました。工具は一通り揃っているのですが、腕のほうが追いついておりません。お茶は……いえ、今日はきちんとした茶葉を用意させました。甘いものがお好きでしたら、遠慮なくおっしゃってください。棚の奥に、山ほど積んでありますので。……はい。堅いお話でも、他愛のないお話でも、どうぞお好きなほうから。わたしは、聞くほうが少しだけ得意なのです。

来歴

 ネリエーラは、レミソルト公家の第3代筆頭公爵ゾラテス・ヴィ・レミソルトと、イドラム3世の姉にあたるガレルーノ公爵妃との間に生まれた。誕生の折、ユミル・イドゥアム連合帝国/共同統治機構の首座は先帝の離郷から長い時を数える空位のうちにあり、旧帝国圏では構成国の離心が年を追って進んでいた。幼少期は父方の公邸で養育を受け、成長に伴って母方の宮廷へも出入りするようになる。公爵家の課程には行政実務の修習が組み込まれ、帝国側の宮廷では儀典の作法を幼いうちから叩き込まれた。二つの家の流儀を並行して身につけた経歴が、後年の即位交渉で重い意味を持つこととなる。共立公暦1890年代、各地の照会文書が滞留すると、ネリエーラは共同統治機構の事務職へ入り、書式の統一と回付順序の組み直しに従事した。象徴を欠いたまま推移した機構の運営は決裁の停滞を慢性化させ、構成国の間では後継者を求める声が高まっていく。ここで注目を集めたのが、レミソルト家とヴィスプローメ家の双方に連なる血統であった。エルクール大公国ロフィーリア・ヴィ・エルクール女大公が即位交渉を主導し、旧帝国圏の構成国から合意を一つずつ取り付けていった。皇国宰相パヴェル・クロキルシは帝国内部の調整へ回り、旧来の名門貴族が抱いた反発を吸収する側へ徹している。同1901年、ネリエーラはフォフトレネヒト皇帝として即位し、旧帝国圏の総覧に就いた。ジェルビア連邦共同体リティーア公王との盟約では、レミソルト家の血縁を根拠として家長の序列が公王側へ置かれ、機構の運営が皇帝の手へ委ねられた。同2000年に共立銀河連邦が発足すると、旧世界の枠組みへ編入される手続きを自ら取り仕切っている。

人物

 声量を抑えた話し方が、ネリエーラの日常における会話の基調を成す。聞き取ろうとして周囲が静まる場面がしばしば生じ、結果として発言の場が自然に整えられていく。長い演説を苦手としており、要点を先に置いてから経緯を補う順序で語る癖が定着した。判断の拠り所は一貫して先例に置かれ、前例の欠けた案件に当たった場合には、決定を下す前に自ら過去の記録を洗い直す時間を確保したうえで結論を示す。夜間の執務を好む生活習慣が長く続いており、侍従の交代時刻を基準に一日の区切りを決めている。褒め方には独特の型があり、相手の仕事ぶりを手順の単位まで分解したうえで評価の言葉を添える。怒りの表れ方も静かで、声を高めるかわりに言葉数が減り、敬語の丁寧さだけが増していく。側近はその兆候を察して、叱責を受ける前に釈明を始めるのが常となった。帝国の古い意匠へ愛着を寄せており、私室の調度は代替わりのたびに旧型へ戻されている。公務の席では穏やかな笑みを保ち、宮廷の作法に沿った所作を最後まで続ける。私的な場へ移ると口数が増え、器具の構造や書式の由来へ話題が向かう。

戦闘能力

 防御の維持を軸として、ネリエーラの戦闘技術は組み立てられている。タクトアーツでは四属性のうち秋の系統を主軸へ据え、残る系統を補助へ回す構成を採った。足場を面で固めたうえで障壁を張り重ね、間合いを一定に保ったまま相手の消耗を待つ運びが基本となる。帝国近衛騎士団の教練課程を修めており、剣の扱いは儀仗の所作から実戦の型へ接続する形で身についた。主武装は儀仗剣を実戦仕様へ改めたもので、刀身には交換を前提とした規格品が用いられる。損耗した刀身を交戦の合間に差し替える運用は、帝国の量産思想をそのまま個人の装備へ落とし込んだ結果である。術式の媒体も帝国工廠の規格品で揃えられ、手持ちの在庫量が交戦を継続できる時間を左右した。障壁の維持は媒体の消耗を伴うため、交換の間合いを読む判断が戦闘の成否を分ける。決着の付け方は一点への刺突に絞られ、相手の姿勢が傾いた瞬間へ蓄えた出力を集める。攻勢の速度で押す相手には持久の構えで応じ、時間の経過とともに優位を積み上げていく。

人間関係

 ネリエーラが親しく名を挙げる相手は数えるほどで、いずれも即位より前から縁を結んだ者ばかりである。

 ネリエーラが共同体の元首へ宛てる定例書簡は、月ごとの発送を守り、草稿から封蝋までを自らの手で仕上げる流儀のもとに続いている。届く返書は用件を先へ置いた短い文面でありながら、末尾へ季節の一行が添えられるのが常で、ネリエーラは末尾の一行だけを抜き書きして手帖の見開きへ年ごとに並べてきた。公王から贈られた古い印章箱は執務机の右手へ据えられ、書簡の封を切る道具の置き場になっている。判断が割れた場面ではネリエーラの側から先に譲る形が定着しており、理由を問われた折には相手の在位の長さを挙げる答えを繰り返している。年に数度設けられる直答の席では、ネリエーラが先に近況を述べ、公王が聞き役へ回る順序が守られてきた。話題は書式の改訂から始まり、双方の宮廷で起きた小さな失態の報告へ移っていく。公王の口の端が上がる瞬間を見届けると、ネリエーラはようやく本題を切り出す。

「おばさま、と口が滑るたび、儀典官が咳払いをいたします。……次からは、咳払いを待ってから申し上げることにいたしましょう」

 皇国宰相からネリエーラが受け継いだのは、儀典の順序を体へ入れるための稽古であり、即位の前年に始まった課程が月の初めへ組み込まれたまま今も続いている。前例を欠く案件に当たった折、ネリエーラは記録の山へ向かう前に宰相への問いを置き、口伝のみで残る旧例の有無を確かめる手順を踏む。返答はいつも年代の数字から入り、当時の担当官の職名で締めくくられるため、聞き取った側は年代順の並びで話を追える。同じ卓へ着くよう求めても宰相は辞退を重ね、扉の内側へ立ったまま報告を終える流儀を守り続けてきた。ネリエーラは椅子を勧める言葉を毎回添え、毎回受け流されながら、翌月の報告でも同じ言葉を口にしている。宰相が口にする敬称の語調には古い抑揚が残り、由来を尋ねるたびネリエーラは話題を逸らされてきた。退出を見送った後、ネリエーラは指摘を受けた所作を、その場で三度繰り返す。

「閣下に正された所作は、不思議と一度で身につくのです。……正された回数のほうは、数えないことにしております」

 エルクールの女大公が寄越す便りは、用件の三倍ほどの軽口を抱えており、ネリエーラの返信が届くのは決まって三日ほど後になる。即位交渉の期間に積み上がった気安さは公務の席にも残り、儀典官の胃を毎回痛める原因になっている。返しの文面には反論の根拠が几帳面に並び、受け取った側は笑いながら次の軽口を書き足してくる。年に一度、大公国の離宮で立ち合いの席が設けられ、水壁と障壁が向かい合ったまま日没を迎える回が重なっている。両者は勝敗を記録から省く取り決めを結び、代わりに使い切った媒体の本数だけを互いへ申告し合う。女大公の出演作については初日の上映へ招かれるのが慣例で、ネリエーラは最後列の席を望み、幕が下りるまで背筋を伸ばしたまま画面へ向かう。感想を求められた場では、脚本の年代考証への指摘が先に立ち、席を勧めた側は毎回うなだれることになる。

「あの方と向かい合うと、こちらの障壁がすっかり濡れて重くなるのです。……退いたのではありません、洗い物が増えただけでございます」

語録

「王冠は預かりものですから、返す日まで丁寧に扱います。借り手の作法というものが、ございますでしょう」
 即位の直後、帝国貴族からの祝辞へ応じて。

「先帝陛下の御代を覚えている者は、宮廷でも数えるほどになりました。わたしが受け継いだのは埃をかぶったままの椅子で、座り心地に慣れるまでは、もう少しかかりそうです」
 空位の長さへ触れた折に。

「順序を飛ばしたいのでしたら、理由を書面でくださいませ。わたしも過日、自分あてに書いて提出しました」
 式典の進行短縮を求める側近へ。

「壊れたら替える。帝国の作法は正しいのですが、直せるものを替えるのは、少し寂しい心地がします」
 私室の照明器具を分解しながら。

「エルクールの指導者は、わたしの言い分を先に述べてしまわれます。おかげで、口を開く前に息を整える習慣がつきました」
 即位交渉を振り返って。

「宰相閣下は、わたしが席を立つ前に扉を開けてくださいます。いつか立つより先に開かれてしまいそうで、近ごろは少し急いでおります」
 執務室を辞す間際、随員へ向けて。

「決裁は速さで測るものでしょうか。わたしは、後から読み返せる字であることを先に確かめます」
 執務の遅さを指摘された際に。

「この缶詰は、二口目から世界が明るく見えるのです。……侍従には、内緒にしておいてくださいね」
 執務の合間、来客へ甘味を勧めながら。

「名前を覚えることだけは、昔から得意でして。……顔のほうは、たまに取り違えます」
 巡幸を前に、随員へ語った言葉。

エピソード

  • 即位式の直前に儀典書の版が古いことへ気づき、進行を止めて参列者全員の写しを差し替えさせた。式次第は日没まで延び、以後の帝国式典では開式前の軽食配布が先例となった。
  • 宮殿の一区画で照明が落ちた夜、ネリエーラは配電盤を自ら開けて復旧作業に取りかかった。駆けつけた宰相が目にしたのは工具を握ったままの皇帝であり、翌日から私室への工具箱の持ち込みに制限が設けられた。
  • 執務室の棚へ帝国産の甘味缶詰を積み上げていたところ、侍従が在庫を数え上げて健康上の進言を行った。ネリエーラは進言を素直に容れて棚の半分を空にし、空けた分の缶詰を執務机の引き出しへ移し替えた。
  • 書式の不備を理由に差し戻した文書が、同じ不備のまま繰り返し戻ってきた。ネリエーラは記入例を自ら清書して添付し、その様式が旧帝国圏の標準となった。清書の癖字まで写し取られ、地方の書記官の筆跡が皇帝に似通う現象が起きている。
  • リティーア公王との会談において、席次の解釈が両家の儀典官の間で食い違った。ネリエーラは自分の椅子を一つ下げて着席し、記録には公王陛下の隣とだけ書かせた。
  • 深夜の抜き打ち演習へ寝間着のまま駆けつけ、儀仗のかわりに暖炉の火掻き棒を握っていた。講評では姿勢の良さが評価され、近衛騎士団は寝室脇へ予備の得物を据える運用を始めた。
  • 旧帝国圏の巡幸に先立ち、訪問先の地方領主の名を全て暗記して臨んだ。到着した先では当主の代替わりが済んでおり、ネリエーラは道中の車内で新しい名を覚え直した。
  • 書面を読み続けたまま卓上で眠り込み、明け方に侍従へ発見された。頬に印章の痕を付けたまま朝議へ現れたため、議題の一番目が印章の管理体制に差し替えられた。

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最終更新:2026年08月05日 10:57