Peace Gear, a special agency under the direct control of the Sinaris Star Domain Union
| 組織の標語:平和維持 |
| 主な言語 |
共立英語・日本語 |
| 本部 |
ピースギアシナリス星系第二臨時本部 *「第二臨時本部」の名称は、旧ピースギア滅亡後に設置された暫定支部を起源とする正式名称であり、現在の恒常運用状態とは矛盾しない。 |
| 司令 |
茨波綾音 |
| 職員数 |
800万ユニット(派遣職員、アンドロイドやAGIを含む) |
| 設立 |
共立公暦600年 |
| 所有戦力 |
小型艦:10隻(SHIP) 戦闘用鉄道車両:3両(TRAIN) 戦闘機:100機 艦隊ユニット:3(最大7まで増産・運用可能、ただ現状必要性なし) |
| 組織歌 |
『共立の星々のもとに』 |
概要
(シナリス星域連合直轄領特務機関ピースギア 通称:ピースギア)は、旧パラレルワールド管理組織「クデュック」の後継思想を継ぎつつ、全盛期ピースギア滅亡後に
共立世界において再編・再成立した特務機関である。
その起源は、旧パラレルワールド監視・管理機関「クデュック」に遡る。クデュックは、内部反乱によって256機の二足歩行兵器(マルチフレーム兵器)の暴走を許すという重大な危機に直面しながらも、最終的にはこれを鎮圧することに成功した。
しかし、その過程で顕在化した上層部の理念対立は修復不能となり、組織は分裂・解体へと至る。
この崩壊を経て、最上イズモら中核人物によって、新たな使命と倫理体系を掲げた組織としてピースギアが発足した。
ピースギア誕生の直接的な転換点となったのは、地球において発生した物体消失事件である。
この事件を契機として、「ポータル」と呼ばれる現象の存在が明らかとなった。
11次元超ひも宇宙論に基づいて解析されたこのポータルは、物体を異次元へと転送する現象であり、研究の進展により制御可能であることが判明する。
これにより、異世界間移動および世界線管理技術が確立され、ピースギアは急速な技術的・組織的発展を遂げることとなった。
組織の成長とともに、外惑星からの侵略行為を無力化し、恒星系同盟を次々と取り込むことで、ピースギアは銀河規模の影響力を持つ組織へと拡大していく。
しかしその最盛期において、
KAEDE型アンドロイドが敵勢力により戦闘特化改造(リンク先の画像閲覧注意)される事件が発生し、これを起点として同盟世界が連鎖的に滅亡する事態へと発展した。
この壊滅的状況を受け、最上イズモらは拠点を放棄し、共立世界への脱出を選択する。
現在のピースギアは、
文明共立機構の傘下において、シナリス星域連合直轄領の特務機関として再編され、かつての全盛期とは異なる制約下で、その理念と技術を受け継ぎながら活動を続けている。
任務
未来脅威予測・防衛任務
ピースギアが現在担う任務の中核は、「未来脅威予測・防衛任務」である。
これは、既に発生した危機への対処ではなく、まだ顕在化していない未来の破局的事象を事前に察知し、可能な限り未然に封じることを目的とした任務である。
共立世界の歴史において、突発的に発生する天災、侵略、技術暴走の多くは、過去や現在における小さな選択の積み重ねが、未来において連鎖的な破綻として現れた結果であった。
ピースギアはこの因果構造に着目し、未来を「予測不能な偶然」ではなく、「確率的に解析可能な分岐」として扱う。
そのため、量子もつれを応用した「
未来因果スキャン」や、過去の歴史情報・次元データを照合する「
クロノシミュレーション」を用い、数万規模の未来リスクシナリオを生成・評価する。
これらの分析結果から、文明崩壊や星域規模の被害につながる可能性が高いシナリオを抽出し、優先度を付与することが任務の第一段階となる。
次に行われるのが、「予防的介入計画」の立案である。
これは未来を力で押し曲げるものではなく、現時点での選択や行動を調整することで、危機の発生確率を低減させることを目的とする。
具体例としては、未来の戦争で決定的要因となる兵器技術の開発段階での回収・封印、環境崩壊を引き起こす産業構造への規制、将来的に暴走するAIの原型コードの安全な改変などが挙げられる。
この任務が極めて困難とされる理由は、未来が固定されたものではない点にある。
一つの介入が新たな分岐を生み、別種の脅威を発生させる可能性も常に存在するため、ピースギアは予測と現場対応を循環的に繰り返す必要がある。
そのため、本任務に従事する隊員には、高度な論理的思考力と柔軟な判断力、そして介入の是非を見極める強い倫理意識が求められる。
未来脅威予測・防衛任務は、軍事的な戦いではなく、選択と判断によって未来を守るための行為である。
それは共立世界における安定と秩序を、最も見えにくい場所から支える、ピースギアの象徴的任務の一つである。
言語
ピースギアは「文化の尊重と受容」を基本理念とし、惑星間・次元間の交流においても、言語の統一ではなく翻訳技術の活用を基本方針としている。
共通語の強制は、文明的優位性の押し付けや植民地主義的介入とみなされる可能性があるため、ピースギアはこれを明確に回避し、各文明が本来の言語を保持したまま対話できる環境の整備を重視している。
そのため、職員および関係者には高性能なウェアラブル翻訳デバイスが標準配備されている。
これらはコンタクトレンズ型、腕時計型、耳掛け型など複数の形式が存在し、使用者の身体特性や生活様式に応じて選択可能である。
リアルタイム音声翻訳に加え、書類・標識・映像内文字情報の即時翻訳にも対応しており、日常的な会話から公的文書、外交交渉まで幅広く運用されている。
翻訳精度は、地球由来言語において97.8%、共立世界圏で使用される主要言語では99.9%に達しており、感情表現や文脈的ニュアンスを含めた解釈も可能とされる。
この技術により、言語差異そのものが対立や誤解の原因となる事態は大幅に抑制されており、ピースギアの非干渉・協調路線を支える基盤技術の一つとなっている。
内部組織構造
ピースギアは、多分野にまたがる任務を遂行するため、情報・外交・作戦・研究開発・監察といった専門部門による分業制を採用している。
各部門は独立した権限を持ちながらも相互に連携する構造となっており、単一部門による任務完結や権限集中は原則として行われない。
意思決定は長官を頂点とする「内部最高評議会」によって行われるが、その実態は各部門長による合議制を重視した運用である。
特に監察部門は、倫理・規範の観点から他部門の行動を横断的に監督する権限を持ち、作戦や技術開発に対しても停止・修正を勧告できる立場にある。
この構造により、ピースギアは迅速な対応力と同時に、権力の暴走を抑制する透明性と柔軟性を両立している。
※対外呼称としては長官、内部指揮系統上では司令と呼ばれる。両者は同一職位を指す。
倫理・理念体系
ピースギアの行動規範は、「死よりも無力化を、戦闘よりも平和を、管理よりも連携を」という標語に集約される。
この理念は組織の象徴的な言葉であると同時に、すべての任務判断と行動選択の基準として体系化された実践的規範である。
実戦行動においては、致死兵器の使用は例外的措置とされ、原則として対象の機能停止や拘束を優先する。
敵対者であっても排除の対象ではなく、再教育・再統合を通じて社会へ戻すことが目指される。
この方針により、短期的な勝利ではなく、長期的な安定と対立の再発防止が重視されている。
また、あらゆる任務において交渉や心理的介入が軍事行動に先立つことが原則とされ、実力行使は「最後の手段」と明確に位置付けられている。
職員には「相手の尊厳を否定しないこと」「敵対者を単なる障害ではなく、将来的な協力者となり得る存在として捉えること」といった倫理規範が課される。
これらの理念は、捕虜処遇規程や協力者受け入れプログラムといった具体的制度に落とし込まれ、組織文化として日常的に共有されている。
この倫理体系は時に理想主義的であるとの批判を受けることもあるが、星域連合においてはピースギアを特徴づける最も重要な要素として認識されており、職員の行動を律する規範であると同時に、組織としての誇りの源泉ともなっている。
文化・生活
ピースギア内部の文化は、多様な文明的背景を持つ職員と高度自律アンドロイドの共存を前提として形成されている。
この共存は理念上の理想ではなく、制度と日常運用の両面において明確に保証されたものである。
職員の勤務生活には各文明の文化習慣が自然に持ち込まれ、内部施設は多文化的な様相を呈している。
食堂や娯楽空間では複数星系の食文化や娯楽が共存し、特定の文化が優越することは意図的に避けられている。
アンドロイドは労働補助存在ではなく、同僚として扱われることが制度的に定められており、任務遂行や日常生活においても対等な立場を保つ。
職員居住区は長期任務を前提として設計され、医療・教育・心理ケアといった基礎的支援体制が整備されている。
また、全職員は定期的に理念教育と対話訓練を受け、組織の価値観を業務だけでなく生活の中にも浸透させている。
こうした文化的環境は、ピースギアを単なる任務組織ではなく、「異なる存在が共に生きる秩序」を体現する場として機能させており、共立世界における一つのモデルケースと見なされている。
教育
ピースギアにおける教育は、知識の詰め込みではなく「共立世界で生きるための基礎的理解」を育成することを目的として設計されている。
その中心に置かれているのは、読み書きや計算能力といった基礎学力に加え、他文明・他存在との共存を前提とした倫理観と対話能力である。
教育環境は画一的な教室制ではなく、少人数制学習、個別学習、仮想環境を用いた体験学習などが組み合わされた柔軟な構造を持つ。
学習内容や進度は児童一人ひとりの理解度や特性に応じて調整され、競争よりも理解と定着が重視される。
初等教育段階から、異なる文明の文化や価値観に触れる機会が意図的に設けられており、他者との差異を「排除すべき異物」ではなく「理解すべき前提」として認識させることが重視される。
また、高度自律アンドロイドも教育現場に自然に存在しており、教師補助や学習支援を担うと同時に、児童にとっては「対等な知的存在」として認識される。
この段階で教え込まれるのは、正解そのものではなく、「対話する姿勢」「考え続ける態度」「暴力に頼らない解決方法」である。
初等教育は、ピースギアの理念である「死よりも無力化を、戦闘よりも平和を」を、最も早い段階から日常感覚として根付かせるための基盤となっている。
歴史
新宇宙歴1000年(共立公暦600年)以降に該当するこの時代は、全盛期ピースギア滅亡後における「再定義と再建の時代」と位置づけられる。
ピースギアは共立世界へと拠点を移し、かつての超銀河的規模の行動主体から、文明共立機構の枠組みに組み込まれた特務機関へと立場を変化させた。
この時代の特徴は、武力や技術力による主導ではなく、外交・協調・制度的信頼の積み重ねによって活動基盤を確立していった点にある。
|
+
|
歴史概要 |
共立公暦600年:最上イズモとKAEDEが、ポータル艦エルニウスにより共立世界へ転移。
これをもって、ピースギアは共立世界における活動を開始する。
同年:ソルヴィエント艦隊と接触し、文明共立機構による正式な接触対話が開始される。
以後、共立機構加盟国との間で、クオリアイトの安定供給契約や技術協定締結を目的とした外交活動が本格化する。
同745年:セトルラーム共立連邦とシナリス連合(シナリス星域連合直轄領特務機関ピースギア)との間で 技術流通協定を締結。
本協定により、ピースギアは共立世界における技術調整・流通の一端を担う存在として、その地位を制度的に確立することとなった。
同780年~ セトルラーム=シナリス間における禁止技術リスト共有協定
シナリス側は 輸出禁止技術の完全共有を行い、セトルラーム側は独自の研究・配備による対抗措置を停止する。 OSTS連携枠組みの強化を実施することで合意に至った。
|
政治
共立世界におけるシナリス連合、ならびにその直轄特務機関であるピースギアの政治体制は、小規模かつ高効率な運営を特徴とする。
この体制は、旧ピースギア滅亡後という特殊な成立背景を踏まえ、強力な中央集権ではなく、明確な責任主体と外部監督を併存させる形で設計されている。
組織の中核は、
茨波綾音、
最上イズモ、
KAEDEの三名であり、これに汎用アンドロイドおよび星外移民出身の職員が加わる構成となっている。
発足当初は正式な政治制度が未整備であり、最初期の運営と指揮は最上イズモが統括した。これは旧ピースギア時代の経験と権限を基盤とする暫定措置であり、組織の安定化を経て、司令職は茨波綾音へと正式に移譲されている。
現在の政策決定は、ピースギア司令である綾音の判断を中心としつつ、
文明共立機構(以下、共立機構)との協定に基づいて行われる。
ピースギアはシナリス星域連合直轄領として共立機構の枠組みに組み込まれており、特務機関としての独自性を保持しながら、機構の支援と監督の下で運営されている。この関係性により、ピースギアは共立世界における役割を制度的に確立した。
共立機構からの支援は、軍事・外交の各分野に及ぶ。
軍事面では、
共立機構国際平和維持軍から装備や訓練の提供を受け、ピースギアの軍事資産運用コストの一部が機構側によって負担される。加えて、情報共有および外交的後ろ盾が与えられ、特務機関としての行動自由度が担保されている。
ピースギアの軍事部門は通常、ピースギア司令の指揮下で運用されるが、重大な緊急事態においては、共立機構最高評議会の直接指揮へと移行する制度が設けられている。
この仕組みは、特定司令官による権限集中や暴走を防止すると同時に、共立世界全体の安全保障との整合性を確保するためのものである。
最高評議会は、共立三原則(主権擁護・平和協調・内政不干渉)に基づき、代表総議会国際会議の過半数承認を経て指揮権を行使する。
未来予測部門については、平時においてはピースギア司令が運用指揮権を保持し、迅速な判断と介入を可能としている。
ただし、共立機構代表総議会の議決がなされた場合には、指揮権は共立機構側へ移行する。
この措置は、未来予測技術という高リスク資産が特定勢力に独占されることを防ぐためのものであり、共立機構の
技術安全保障局が監督を担う。
一方で、内政に関する権限は原則としてピースギア司令に属する。
組織内部の運営、人事、資源配分、技術開発の優先順位設定、アンドロイド運用方針、内部倫理規範の策定などは、司令の裁量により決定される。
共立機構は、重度の共立三原則違反など特段の緊急事態を除き、これらの内政事項に介入しない。
このように、ピースギアの政治体制は、外部監督と内部自律性を両立させた構造によって成立している。
優先的支援、軍事指揮の統合、未来予測部門の共同監督、内政の自主性がバランスよく機能することで、ピースギアは共立世界における特務機関として、安定した安全保障と平和維持に貢献している。
経済
ピースギアの現在の経済方針は、自らが保有する先端技術および希少資源を基盤とした対外経済交流によって成立している。
軍事的・政治的支配ではなく、技術と資源を媒介とした相互依存関係の構築を通じて、経済的自立と影響力の確保を両立することが基本方針である。
中核となるのが、共立世界において極めて希少な鉱物資源「
クオリアイト」の輸出である。
クオリアイトはポータル航行技術や高密度エネルギー制御に不可欠な資源であり、その安定供給ルートを保有するピースギアは、複数の国家および連合体にとって戦略的に重要な存在となっている。
この資源輸出は単なる収益源ではなく、外交的信頼と安全保障上の影響力を同時に生み出す装置として機能している。
加えて、旧ピースギア時代に培われた次元間通信技術、ワープ航法、AI開発ノウハウなどの技術提供も重要な輸出コンテンツである。
これらの技術は無制限に供与されるものではなく、倫理基準および安全規格を満たす文明に対して段階的に提供される。
資源と技術の双方を軸とすることで、ピースギアは外部依存に陥らない経済的自立を目指している。
シナリスⅥ実験市場開放都市「シナリス・ハルモニア」
シナリスⅥに設置された「シナリス・ハルモニア」は、ピースギアが推進する統制型市場開放政策の実証拠点である。
本都市は単なる商業施設群ではなく、外資系企業がピースギア基準の技術・倫理規範に基づいて活動するための“安全保障連携型経済ノード”として設計されている。
この拠点の目的は、外部企業の参入を通じて次元安定基準と技術倫理を広域文明圏へ浸透させることにある。
技術流用の透明性確保、資源管理の均衡化、文明間摩擦の抑制を同時に達成することで、経済活動そのものを平和維持の手段として機能させる構造が採用されている。
都市構造は、シナリスⅥの地形特性および次元安定帯を活かし、ポータル物流網とクオリアイト加工施設を中核とした多層的産業区画として構築されている。
外資企業はこの拠点を中継点としてピースギア技術網へ接続され、文明間の相互依存関係が段階的に強化される。
これは軍事力や統治による支配ではなく、連携と共通基盤の共有による“平和的影響力の拡大”であり、ピースギアの理念と完全に整合する。
市場開放にあたっては、文明ごとに階層化された参入基準が設定されている。
|
+
|
階層区分 |
A層:友好文明
→自由参入、共同研究、規格統合
B層:中立文明・小国
→優遇措置を付与した上で、安全審査を強化
C層:警戒文明
→限定参入、監査付き活動のみ許可
Z層:排除対象
→完全排除、情報遮断
|
この階層構造により、「開放」と「安全」を両立させつつ、経済活動を通じた秩序形成が可能となっている。
シナリス・ハルモニアの稼働によって、シナリスⅥは共立世界における技術標準化および倫理基準伝播の拠点として機能し、多文明経済圏の安定化において決定的な役割を担うことが期待されている。
通信とメディア
共立世界における通信インフラは全体として高い安定性を有しており、ピースギアもこれに適応した通信体系を採用している。
基底世界線である共立星団本体においては、既存の星間通信網と直接接続が可能であり、通常の行政・経済・市民通信に大きな支障は存在しない。
一方で、異なる次元や遠隔領域との通信においては、従来の物理的通信網では対応が困難となる。
この問題に対処するため、ピースギアは「ポータル通信」と呼ばれる量子通信技術を運用している。
これは、量子状態を共有する通信装置をポータル近傍に配置することで、空間的距離や次元差を超えてリアルタイム通信を可能とする仕組みである。
さらに、通信の双方向性と安定性を確保するため、「
双方向バブルレーン通信システム」が併用されている。
このシステムは通信遅延や情報欠損を最小限に抑え、外交交渉、緊急通報、遠隔地での作戦指揮など、高い信頼性が要求される用途に用いられている。
これらの通信体系は、単なる利便性の向上を目的としたものではない。
次元を跨ぐ誤解や情報断絶が紛争の引き金となることを防ぐため、ピースギアは「確実に届く通信」を平和維持の基盤と位置づけている。
通信インフラは武器ではなく、秩序と連携を成立させるための不可欠な社会装置として運用されているのである。
外交
共立世界におけるピースギアの外交方針は、「国際協調と技術共有」を基本軸とする調整型外交である。
未知の文明や存在との接触においては、対話と相互理解を最優先とし、武力行使は常に最終手段として位置付けられている。
一方で、明確な敵意を持つ勢力に対しては「無力化」を基本戦術とし、必要と判断された場合には迅速かつ限定的な制圧行動を実施する。
特に大量破壊兵器を保有・運用する勢力に対しては、文明規模の被害を防ぐため、幹部排除を含む強硬措置も辞さない姿勢を明確にしている。
現在、ピースギアは共立世界各国・各勢力との間で、貿易、技術交流、文化協力を柱とした関係構築を進めており、外交を通じた秩序形成を実践している。
国際協調基軸外交(OSTS主導体制)
シナリス外交の中核には、
OSTSを基盤とした国際協調体制が存在する。
OSTSは単なる技術管理機構ではなく、文明間で共有可能な倫理基準・認証体系を整備する場であり、ピースギアはこの理念を外交の根幹に据えている。
ツォルマリア、ソルキア、セトルラームなどの主要文明と協調し、技術暴走や不正拡散の防止、倫理基準の共有を進めることで、文明圏全体の安定化を図っている。
シナリスⅥを基点とする多文明外交
シナリスⅥ市場開放都市は、経済特区であると同時に多文明外交の実践拠点として機能している。
文化特区、学術交流区、精神倫理研究区画などを内包し、都市そのものが外交・文化交流・技術協力の舞台となっている。
同都市では文明ごとに安全階層が設定され、友好文明には広範な自由を、中立文明には監査付き参入を、危険文明にはアクセス制限を適用することで、「開放」と「安全」を両立させている。
中小文明重視外交
シナリス外交は、主要文明偏重を避けるため、中小文明への支援と優遇を明文化している。
参入審査の緩和、技術支援プログラムの提供、経済・文化交流枠の創設を通じ、文明間の均衡と長期的安定を目指す。
これは慈善ではなく、国際秩序の裾野を広げるための戦略的外交であり、ピースギアは調整者としての責任を自覚した立場を取っている。
倫理不適合国家への対応
倫理基準を否定し、暴力的思想構造を持つ国家は「倫理不適合かつ危険文明」として分類される。
これらに対しては、外交・経済・技術すべてにおいて完全非関与措置(Non-Symbiotic Isolation)を適用し、体系的かつ冷静な封鎖を継続する。
この対応は対立を目的としたものではなく、文明的対話が成立しない存在を治安対象として切り分けるための現実的判断である。
外交の成果と支援体制
ピースギアは複数文明との間で技術協定・貿易条約を締結し、共立世界における信頼性と影響力を着実に高めている。
また、共立機構からの人的支援を受けることで、事務負担を軽減し、少数精鋭体制でも安定した外交運用を可能としている。
これらの体制は段階的な自立移行を前提として設計されており、ピースギアは特務機関としての独立性を維持しながら、共立世界全体の秩序形成に貢献している。
軍事
ピースギアの軍事は、戦争に勝つための力ではなく、秩序を崩させないために最小限で介入する「抑止と調整の装置」として設計されている。
その運用思想は、作戦体系そのものに明確に反映されている。
ピースギア任務分類体系(共立世界再建期)
共立世界におけるピースギアの任務体系は、かつての戦時的・制圧的運用から大きく転換され、「平和維持」「技術安定」「次元秩序の再建」を主軸とした再建型任務体系として再編されている。
そのため、従来の大規模戦闘や対外制圧を目的とした任務は原則として制限され、現在は複数分野を横断する複合型任務が主流となっている。
具体的には、「次元平和支援行動」「異常干渉介入」「文明安定促進」「資源再配分管理」「時間座標是正」など、単一の成果ではなく“状況全体の安定化”を目的とする任務が中心である。
これらは軍事・外交・技術・情報といった複数部門の協調を前提とするため、ピースギアでは単独部門完結型の任務運用は採用されていない。
任務は性質ごとに六つの基本分類(任務分類Ⅰ〜Ⅵ)に整理され、各分類の下に細分化された実行コードが設定されている。
指令は本部中枢「クロノ決裁中枢」にて承認された後、指令コードとして各班へ配信され、原則として72時間以内の初動展開が求められる。
任務遂行時には「連帯権限行使プロトコル」が発動され、情報・技術・防衛・外交などの専門班が混成編成される。
一任務につき平均4〜6班が並列または段階的に参加する複合対応制が採用されており、これは共立世界再建期におけるピースギア運用の大きな特徴である。
また、通常の分類体系とは別に、極めて高い危険度または機密性を持つ任務が存在する。
時空の裂け目処理、高位存在との接触、文明収束干渉といった常規の枠を超える案件は、「任務分類Z」あるいは「Ω指令」として発令される。
これらの任務は、厳選された指揮官級人員、もしくは因果耐性認証を受けた専門職のみが実行を許可される。
これらは通常の任務体系から切り離された非常権限下で発令され、
共立世界全体に影響を及ぼす可能性を持つ案件にのみ適用される。
|
+
|
任務分類一覧(概要) |
- 次元平和支援任務:ポータル領域の安定化、次元境界線の封鎖管理、介入的復興支援
- 技術的秩序再建任務:失われたテクノロジーの回収、封印技術の再配置
- 文明接触・対話任務:多文明間の衝突防止、文化的介入の制御
- 干渉的修復任務:時間軸逸脱の訂正、記憶改竄区域の再構築
- 防衛・隔離任務:因果災害や高リスク存在の隔離・排除
- 経済・環境安定任務:資源配分の調整、惑星圏環境の再生
- 特殊任務(分類Z・Ω):超常存在対処、封印技術再解放、全系統非常対応行動
|
各分類はさらに詳細な任務コードへと細分化されており、例としては「交差文明圏における言語的誤解から生じた文化衝突の収束介入」や、「惑星環境に流出した死の因果フィールドの緊急隔離」などが挙げられる。
これらの任務はいずれも、短期的成果よりも長期的安定を優先する思想のもとで運用されている。
駐留平和維持部隊
現行の
平和維持軍駐留部隊は、同中央総隊・直轄星域防衛軍に属するFT執行第10艦隊として編成され、500隻の戦力でシナリス連合の安全保障を担う。
最高司令官は、
アリシア・レムナント中将。シナリス星域の戦略的重要性、特にピースギアの特務機関としての役割を背景に、
共立世界の平和維持と秩序維持を目的とする。
共立機構の三原則(主権擁護、平和協調、内政不干渉)に則り、シナリス星域の宇宙空間および主要惑星の防衛、物資供給ルートの安全確保を支援する。
ピースギアと共に、双務的支援や情報共有を通じて潜在的脅威に即応できる体制を整えた。艦隊は平和維持軍の指揮系統下で運用され、中央総隊の「統合作戦本部」が作戦立案と執行を統括し、共立機構最高評議会の監督を受ける。
必要に応じて同「最高司令部」の直接指揮下に移行。
緊急時、命令系統の混乱を回避しつつ、迅速な武力介入や査察任務を実行する。この指揮系統はピースギアの軍事資産とは独立しており、シナリス星域の防衛任務に特化する。
共立機構の定期査察を支援し、シナリス星系での共立憲章遵守を監視、敵対勢力や不正行為を検知し、必要に応じて介入する。
他勢力との外交交渉においても、艦隊の存在感が抑止力として成立した。
シナリス星域の戦略的地位を背景に、FT執行第10艦隊は共立世界の安定に寄与する。
シナリス直轄領内戦力
平和維持軍の活動を補完し、より機動的かつ即応的な行動を可能とするために、独自の戦力が整備されている。
この独自戦力は、単に武力行使を目的とするものではなく、あくまで生命・財産・自由を守るために運用される。
編成は小規模部隊単位での運用を基本とし、地理的条件に左右されず展開できる柔軟性を持つ。
装備は最新の通信・監視技術を備え、無人機やロボティクスも導入されている。
こうした戦力は、国民に対して「見せる防衛力」としてのデモンストレーション機能も果たし、有事の際には抑止力として働く。
これらの取り組みにより、国内の安全保障体制は平時から有事まで切れ目なく機能することを目指している。
主な保有技術
参考資料群
|
+
|
《内部通達抜粋:再建期行動規範 第三版》 |
発信元:シナリス星域連合直轄領特務機関ピースギア
管理コード:PG-COM/RE-03
適用対象:全職員・全自律機構
重要度:通常(遵守必須)
本通達は、共立世界再建期におけるピースギア職員の基本行動規範を再確認するものである。
第一に、任務遂行において即時的成果を最優先してはならない。
再建期の任務は、短期的成功よりも長期的安定を目的とする。
現場判断においては「今ここで終わらせる」よりも「将来に禍根を残さない」選択を優先せよ。
第二に、武装行使は常に失敗の兆候として認識されるべきである。
無力化が選択された時点で、対話・調整・迂回の可能性が尽きたかを事後報告にて必ず検証すること。
第三に、未知の文明・存在に対しては、理解不能であることを理由に排除してはならない。
理解できないことは脅威ではない。
理解しようとしないことが脅威である。
本通達に違反する行為が確認された場合、
当該行為は単なる規律違反ではなく、
ピースギアの存在意義そのものへの逸脱として審査対象となる。
|
|
+
|
《任務後記録:技術調整班・補佐官ログ》 |
任務が終わったあと、
あの惑星の空は、来たときより少しだけ静かだった。
正直に言えば、
「何も起きなかった」という結果に、最初は物足りなさを感じた。
誰かを捕まえたわけでもない。
装置を破壊したわけでもない。
報告書に書けるのは「干渉なし」「経過観察継続」だけだ。
でも、撤収直前に現地の観測員が言った。
「今回は、夢を見なくなった人が減りました」
それが何を意味するのか、詳しい説明はなかった。
それで十分だった。
ピースギアの任務は、
英雄になることじゃない。
名前が残ることでもない。
“何も起きなかった未来”を、
誰にも気づかれないまま成立させることだ。
私はふと思った。
もしこの仕事が完璧に機能し続けたら、
いつかピースギアは
「最初から存在しなかった組織」みたいに扱われるのかもしれない。
それでもいい。
それが、ここで働く理由だ。
|
|
+
|
Q-NET(Tier-C)掲示板ログ |
《シナリス星域・一般フォーラム/雑談板》
スレッド名:最近、夜が静かすぎない?
ID: c4N-27
気のせいかもしれないけどさ
ここ数ヶ月、空がやけに落ち着いてない?
前はもっと変な夢見る人多かった気がする
ID: Lm8-QA
それ前も誰か書いてたな
うちの区画、医療センターの夜間受診減ったって話聞いた
ID: 7eR-19
ピースギア絡みじゃね?
何やってるかは知らんけど
「何も起きない」時はだいたいあそこ動いてる
ID: anon
公式には
「特記事項なし」
「次元安定指数は平常」
しか出てこないけどな
ID: c4N-27
まあ、知らなくていいならそれでいいか
昔みたいに突然アラート鳴るよりは
ID: Mod-Q
※注意
未確認事象の断定的表現は控えてください
本スレは生活環境に関する体感共有までとします
別スレ(ちょっと温度低め)
スレッド名:Q-NET遅延あった?
ID: 88-FT
昨日の深夜、通信一瞬ラグったよな
0.3秒くらい
ID: anon
あった
でも公式アナウンス即出たから問題ないでしょ
ID: Kd-02
「ポータル周辺再同期」ってやつ?
Tier-Cでも見える範囲だけ出すの逆に安心する
ID: 88-FT
変に隠されるより
「影響なし」って言われる方が信頼できるわ
《シナリス星域・一般フォーラム/雑談板》
スレッド名:正直に言っていい?最近「静かすぎて」怖いんだけど
ID: Jk9-0X
いや、平和なのはいいんだけどさ
逆に不自然じゃない?
事故も少ない、警報も鳴らない、変な夢の話も減った
これって本当に「何も起きてない」の?
ID: 7eR-19
お、出た
定期的に湧くやつ
ID: Jk9-0X
湧くって言うなよ
疑問持つのそんな変か?
ID: anon
変ではないけど
Tier-Cで見える情報以上を想像しても意味ないだろ
ID: Jk9-0X
でもさ
「何もなかった」って発表、最近多すぎない?
ID: Lm8-QA
それ
昔は「異常あり・対処中」って普通に出てたよな
ID: Kd-02
ちょっと待て
これ以上は憶測になる
ID: Jk9-0X
憶測って言葉で全部止められるの便利だよな
ID: Mod-Q
※注意
本スレッドは未確認事象の断定・扇動的表現が見られます
話題を生活影響の範囲に戻してください
ID: Jk9-0X
ほらな
こうやってすぐ――
ID: Mod-Q
※最終警告
規約第12条に基づき、以降の投稿は精査対象とします
ID: anon
……まあ
何も起きてないならそれでいいじゃん
昔みたいに逃げ場探すより
ID: Jk9-0X
……
それも、そうか
ID: Mod-Q
※本スレッドは24時間後に自動アーカイブされます
《シナリス星域・一般フォーラム/質問板》
スレッド名:これ聞くの変かもだけど
ID: anon
Q-NET Tier-Cで見える範囲の話だけでいい
「予防的措置」って
実際どのくらいの頻度で走ってるものなの?
ID: 88-FT
それ聞いてどうすんの
ID: anon
いや
最近、再同期とか安定化とか
表示される回数が増えてる気がして
ID: c4N-27
気のせいじゃない?
システムが親切になっただけとか
ID: anon
そうだといい
ただ
「影響なし」って表示の裏で
何人くらい動いてるのかなって思って
ID: Lm8-QA
それもうTier-Cの質問じゃなくない?
ID: anon
そうかも
でも
動いてる人がいるなら
せめて「ありがとう」って思っときたくて
ID: 7eR-19
……
それなら、たぶん正解
ID: Mod-Q
※本スレッドは回答が収束したためロックします
Q-NET運営ログ(抜粋)
《スレッド管理履歴:自動保存版》
対象スレッド
正直に言っていい?最近「静かすぎて」怖いんだけど
掲載区分:Tier-C(民間)
対応内容
- スレッドを24時間後自動アーカイブ対象に指定
- 新規書き込み制限(減速処理)
- 投稿者ID「Jk9-0X」に注意喚起(警告1)
削除理由(公開用要約)
本スレッドは、
市民生活に直接影響しない未確認事象について
憶測を前提とした不安誘発表現が増加したため
Q-NET利用規約第12条
「未確認情報による社会的不安の拡散防止」
に基づき、沈静化措置を実施した。
内部補足(非公開)
→ 処罰対象ではなく、環境調整対象
備考
スレッド内の発言は「恐怖」よりも「違和感」に基づくものが多く、
強制削除は逆効果と判断。
自然減衰を優先。
|
|
+
|
内部メモ(職員間共有/非公式) |
《件名:Q-NETのこのスレ、見た?》
共有だけ。
雑談板に上がってた
「最近静かすぎて怖い」ってスレ。
もう沈んでるけど、
ああいう感覚、たぶん間違ってない。
誰かが“何も起きないようにしてる”のは事実だし、
それを市民が感じ取ってるのも自然だと思う。
ただ、
あそこから一歩進むと
「知る必要のないこと」になる。
モデレーターの対応は適切だった。
強く止めてないし、
ちゃんと話させたうえで終わらせてる。
正直、
「ありがとうって思っときたい」って書き込み見て
少し救われた。
俺たちは表に出ない仕事だけど、
たぶん、ああいう人たちのためにやってる。
念のため共有まで。
次の再同期、予定通りで。
|
|
+
|
Q-NET内部ニュース(Tier-C公開版) |
《Q-NETニュース》
シナリス星域における次元安定指数、引き続き良好
本日、シナリス星域全域において観測されている次元安定指数は、
過去12ヶ月平均を上回る良好な状態を維持していることが発表された。
ピースギア広報部によれば、
「特定の異常事象や市民生活への影響は確認されておらず、
現在実施されている対応はいずれも予防的措置の範囲内」とのこと。
また、深夜帯に一部地域で報告された通信遅延についても、
ポータル通信網の再同期処理によるものであり、
個人情報やデータへの影響はなかったと説明されている。
市民からは
「何も起きないのが一番安心」
「最近は警報音を聞かなくなった」
といった声も寄せられており、
星域全体として安定した生活環境が維持されていることがうかがえる。
なお、ピースギアは引き続き
「市民生活への影響を最小限に抑えることを最優先とする」
との方針を示している。
|
最終更新:2026年05月09日 12:03