■潜入
誰かを助け出したり、誰かが隠し持っているものを奪い取ったり。
そういった必ずしも戦わなくてもよい状況において、活動フェイズでGMが許可した場合、PCは『潜入』という選択肢を選ぶことができます。また、GMは活動フェイズでのイベントを戦闘ではなくあらかじめ『潜入』にしておくことができます。
『潜入』には、以下の要素があります。
①障害
潜入しようとしている対象に、監視がいくつ配置されているかを表します。
これは乗り越えなければならない障害の数と、潜入に失敗した場合に襲ってくる敵の数を同時に表しています。
『障害』の総数は3から5程度にしておくのが無難でしょう。
②監視
監視が具体的に『何』なのかを表します。
これは潜入に失敗した場合に襲ってくる敵のタイプを表します。
③潜入難易度
潜入しようとしている対象が、どれくらい堅牢かを表します。
PCは監視の数と同じだけ、潜入難易度が目標値の判定に成功し続ける必要があります。
以下に難易度の目安を書いておきますので、参考にして下さい。
- 極めて手薄な警備 難易度5
- 平凡な警備 難易度7
- 厳重な警備 難易度9
- 極めて厳重な警備 難易度11
『潜入』を行う場合、まずPCは全員〔見識〕と〔狡猾〕で目標値9の判定を行います。
〔狡猾〕でGMが設定した目標成功回数(一般的な難易度なら1で十分だと思います)を達成したPCが一人以上いたなら、GMはPCに、『障害』がいくつかを伝えて下さい。
〔見識〕でGMが設定した目標成功回数(一般的な難易度なら1で十分だと思います)を達成したPCが一人以上いたなら、GMはPCに、『監視』が何かを伝えて下さい。
これらの判定は、どちらかの数値を使って一回の判定にまとめても構いません。
その後、PCは潜入に参加するかどうかを個別に選んで下さい。
参加しなかったPCは、この後にあるスニーク判定に参加できませんが、失敗した場合に戦闘に巻き込まれることもありません。
その後、PCは順番に『障害』を一つずつ回避して潜入を目指します。
『障害』を回避するためには、代表するPC一人が『スニーク判定』に成功する必要があります。
スニーク判定:好きな〔基礎値〕:最大値(潜入難易度)
この判定はそれぞれ
〔筋力〕…隙を突いて昏倒させる
〔頑強〕…息を潜めて気配を消す
〔狡猾〕…忍び足や素早い動きで気付かれずに進む
〔見識〕…その場にあるものを上手く利用して目を盗む
〔操作〕…機械知識を利用して死角を突く
〔尊厳〕…説得によってなんとかする
という立ち回りを表しています。
GMはその時その時の設定に応じて、この場にそぐわない解決方法の〔基礎値〕を、スニーク判定の選択肢から外しても構いません。(ただし、外す場合は必ず潜入の開始時に伝えるようにして下さい)
また、一度判定を行った後、他の全ての潜入に参加したPCが同じ回数だけスニーク判定を行った後でなければ、各PCは再び判定を行うことはできません。加えて、各PCごとに、一度スニーク判定で選んだ基礎値を、連続して選ぶことはできません。(最初から一つの基礎値しか許されていない場合は、連続して選ぶことができます)
これらの設定は、GMが自由に無視することができます。
スニーク判定を行うとき、潜入に参加したPCは前もって以下の二つを宣言することで、判定の目標値を下げることができます。
①勢いに任せる
ダッシュで前に進みます。目標値が1下がりますが、ファンブル率が2上がります。この効果は重複しません。
②気を張り巡らせる
神経を集中させて進みます。泥臭さを1点消費して、目標値を1下げることができます。この効果は重複しません。
また、潜入に参加していないPCは、離れた相手との通信手段を持っているなら(例:トランシーバー、【以心伝心(テレパス)】など)、スニーク判定の直前、『アドバイス』を宣言してから以下の判定に成功することで、スニーク判定の目標値を下げることが出来ます。
アドバイス判定:スニーク判定で選ばれた〔基礎値〕:9以上X回
アドバイス判定に成功した場合、次に行われるスニーク判定の目標値がXだけ下がります。
アドバイス判定に失敗した場合、次に行われるスニーク判定の目標値が1上がります。
アドバイス判定は、同じPCが連続して行っても構いませんし、同じ基礎値を同じPCが選び続けても構いません。
アドバイス判定は、一度のスニーク判定のたびに一人のPCが一回しか行うことができません。
スニーク判定に失敗した場合、失敗したPCは『潜入失敗覚醒表』を振らなければなりません。
この窮地表は、『泥臭さ』を1点消費することで無視することができます。
『泥臭さ』を消費するか、『潜入失敗覚醒表』の結果、判定の失敗を取り消すことができなかった場合、潜入先の敵との戦闘が開始します。
GMは現時点で突破できていない『障害』の数を伝えて下さい。
その数と同じだけの『監視』との戦闘が開始します。
『潜入失敗覚醒表』 1D6
見つかってはならない相手に見つかってしまったことに対する愕然が起爆剤。
1:俺のことなんか忘れちまえ。『忘却暗幕(ロストメモリー)』(No.77)に覚醒する。
2:時間を巻き戻せ!『最盛同期(シンクアンドリプレイ)』(No.53)に覚醒する。
3:仲間を呼ばれる前にぶっ殺せ!『不意角(サドンドス)』(No.73)に覚醒する。
4:見られても、認識されなければいいんだ。『透明人間(ザ・モブ)』(No.43)に覚醒する。
5:消えろ記憶! 一瞬のうちだけ!『記憶殺戮(メメント・メモリアル)』(No.33)に覚醒する。
6:どろっと溶けてその辺に浸透。監視の網をかいくぐれ。『流動者(メルトセル)』(No.45)に覚醒する。
最終更新:2022年08月07日 17:49