はじめに

 このTRPGの舞台は、現代文明の殆どが滅びた、遥か未来の世界。大地には濃密な『毒素』が蔓延し、地球上の殆どは人が住める場所ではなくなってしまったし、宇宙に出て行くほどの科学力も失われてしまった。

人類は『毒素』をシャットアウトするための防壁を設置した僅かな『ゲットー』でだけ細々と活動していた。
 『ゲットー』は閉ざされた世界であり、その領土は有限である。
 当然その中に敷かれるのは徹底的なディストピアと格差社会。
 無能の烙印を押された低級市民は、人を人とも思わないような扱いを受けていた。
 そんな苦境を脱するため、危険な外界での命がけの職務に当たって一発逆転の成り上がりを目指す者たちを、俗にスカベンチャーと呼ぶ。

 プレイヤーはそんなスカベンチャーとなり、地平線の向こう側まで瓦礫の山が続く廃墟の世界を冒険することとなる。

スカベンチャーについて

スカベンチャーとは何か?

 『スカベンジャー(廃品回収業者、掃除人)』と『ベンチャー(冒険)』を組み合わせた造語。この世界では、金稼ぎのために環境適応開発型ナノマシン、通称『メタモライザ』を体に取り込んで外界の冒険に勤しむ労働者のことを表す。侮蔑のニュアンスと敬服のニュアンスの両方が含まれているとされる。ちなみに、公的な正式名称は『臨時外界探索特殊対応員』らしいが、私人はもちろん公的機関やその出先であっても、この呼称を使う者は少ない。

何故、人はスカベンチャーになるのか?

 食い詰めの最下層貧民が成り上がるための唯一の手段がこれだから。この時代、ゲットーと呼ばれる居住区の中では完全な管理社会が形成されており、殆どの成り上がりの手段はあらかじめ潰されている。

よくある任務について

①珍しい『適応獣(アダプター)』の確保
 スカベンチャーの任務として最も頻度が高いのが『適応獣(アダプター)』の捕獲、または討伐しての素材収集だろう。
 『適応獣(アダプター)』は肉体と機械の融合に成功した生物であり、その細胞からは稀少な素材を得ることができる。一説によると、メタモライザの原型となった細胞もとある稀少な『適応獣(アダプター)』から採取したものらしい。

②別部隊の救出
 スカベンチャーは消耗品だ。何人死のうが、依頼者側は全く関知しない。
 だが時に、失いがたい知識人や研究者・技術者などをスカベンチャーに同伴させていることがあり、彼らを救出するために別のスカベンチャーを派遣することは珍しくない。

③脅威の排除
 スカベンチャーの仕事は、必ずしも廃品の回収とは限らない。
 オアシスの外壁を破壊しようとする『適応獣(アダプター)』の排除も、時にスカベンチャーに委ねられる仕事となる。

学習特性

 スカベンチャーにとって最も大切なのはメタモライザから得られる適応特性だが、人として体得している技術や蓄えた知識もまた外界での生存のための命綱となりうる。こうした人間社会で培われた経験的な能力を、適応特性と対比して学習特性と呼ぶ。
 こうした技術・知識は、スカベンチャーとなるまでの人生で培ったものに加えて、スカベンチャーとして活動して蓄えた資産で改めて教育を受け、そこで新たなスキルを身につけることもできる。
 しかし、メタモライザによって体得した適応特性が、時にこうして人間として得た技術・知識を阻害する原因となることもある。擬態できない特性は、場合によっては技術そのものを失わせてしまうこともあるだろう。

擬態

メタモライザによる変質は、一定量であれば体内に隠し、普通の人間のようにして振る舞うことができる。
これを『擬態』と呼び、外界で戦いながらもゲットーの中にも生活を持つスカベンチャーには必須の能力である。
擬態可能な回数は薬物や手術などによってある程度増加させることもできる。だが当然それをするにもコストがかかるし、やればやるほど本命本丸の『メタモライザ摘出手術』が遠ざかっていくことには注意が必要だ。


メタモライザ摘出手術

体内に仕込んだメタモライザを摘出し、これ以上体質が変化しないよう処置を施す手術。
スカベンチャーとして活動し、上の階層で生きていくための十分な上納金を稼いだ者が、名実ともに上の世界の住人となるための最後の手順がこれである。
莫大な金と引き替えに、二度と特性暴走に怯えなくて済むようになる安寧を手に入れるが、全ての適応特性を失うことになる以上、今後二度とスカベンチャーとして以前のように戦えなくなる――――という点については十分な注意が必要だ。

ガーベッジアウト

第三階層から第二階層へ、或いは第一階層へと居住区を変えることを意味する。『人になる』という言い方をすることもある。
スカベンチャーのほとんどはこれを目的にして活動を行っている。時に上層から単なる好奇心や探究心を足がかりにスカベンチャーとなるものもいるというが……そういう成り立ちの者についてはまた別の機会に取り上げることとする。



ゲットー内勤

 一定の信頼を得たスカベンチャーは、ゲットー内部での任務(諜報・護衛・暗殺など)を任されることもある。その場合、メタモライザの擬態が完全になされている必要がある。

『毒素』とは?

 一つ前の世界大戦で使われたとされる、地球のほぼ全土に撒かれた生命の活動を暴走させ死に至らしめるガス兵器。文献が逸失してしまっているため、詳細は全く分かっていない。実際には世界大戦とは無関係であり、地球内部から噴出した鉱物の一種だとか、地球外生命体によって地上に広げられた侵略兵器の一つだとか、神による罰だとか、色々な言説が飛び交っているが、真相は未だ明らかになっていない。
 『毒素』を摂取した人間は、耐性を持たない限り数時間で全身が麻痺し、死に至る。一度摂取してしまった場合はこれを防ぐ特効薬は、メタモライザ以外に存在しない。対外に付着した毒素は、指定した薬品を一定割合で溶かしたシャワーによって洗い流すことができる。
 毒素には、非タンパク質の物質の状態を長時間にわたって保持する特殊な性質があると言われており、事実外界では何十年何百年も前に倒壊し放棄されている過去の建造物の廃墟などが、いつまでも朽ち果てることなく残っていたりする。

『ゲットー』とは?

 ゲットーは、毒素に覆われたこの世界で人類が唯一普通に暮らしていけるエリアのことである。
 ゲットーは大きく二つに分けられる。
①偶発ゲットー
 『何故か』毒素が広がらない座標が発生したことにより、偶発的に発生した安全圏。そこに作られた町を、偶発ゲットーと呼ぶ。偶発ゲットーは小規模だが、安定しており、その座標に留まる限り人々は毒素に悩まされることはない。

②文明ゲットー
 360度前面張りのバリケードによる外界との遮断と、徹底した毒素の排除によって人為的に作られたゲットー。小規模なものから大規模なものまで様々な種類が存在する。

このルールブックで扱うPCが生活しているゲットー005は、世界的に見ても特に規模の大きいゲットーであり、数百万人がその中で生活していると言われている。物語の舞台となるのは主に文明ゲットーの一つであるゲットー005である。

『ゲットー005』とは?

 かつての関東平野があった場所に設置されているゲットー。近隣では最大規模を誇る。
地上にある第一階層と、地下にある第二、第三階層の三つのエリアに分かれており、上にある階層ほど上流階級の居住区となる。スカベンチャーの出発地点は、多くの場合このゲットー005である。

ゲットー005各階層の解説

●第一階層

 ゲットー005の支配階級である『オフィサー』やその家族、その他十分な資産を持つ上流階級の人間がここに住む。曇天の合間を縫って時折差し込む太陽の恩恵を受けられる唯一の階層。
 旧時代に存在した文明と同等の生活環境を享受することができるが、そのしわ寄せは第二階層以下の住民にのしかかる。第一階層と第二階層以下はゲートで隔てられており、第二階層以下の住民は第一階層に進むことができない。特別な滞在許可証か、または第一階層の住民としての認可が必要となる。
 公的なルートを経てスカベンチャーとなった者は、原則として一時的な滞在許可証を手に入れることができる。

●第二階層


 いわゆる労働者階級が多く住む階層で、地下20メートル程度まで続く五階建ての人口密集空間。
 コンクリート打ちっ放しで無機質に管理されたそのエリアの住み心地は第一階層とは雲泥の差だが、警備員の巡回や職業斡旋サービスなどの存在によって、最低限の人権は保障されている。
 階層のあちこちにはゲットーの資源管理を担う巨大工場が設置されている。

●第三階層


 ゲットーの地下深くに続く掃きだめのスラム街。第二階層の工場から出た廃棄物は全てここに垂れ流しになる。オアシスの防壁も十分に機能していないため、ここの住人は常に微弱な毒素を吸いながら生活していることになり、その寿命は第一階層や第二階層の人間と比べても極めて短い。
 第三階層は地上に近い方から最下層のどん詰まりまでで、およそ72のエリアに分かれている。第一・第二階層から俯瞰するとどこであろうが掃きだめであることに代わりはないのだが、一応その中にも序列があって、特定エリアの住人は他のエリアの住人に差別を受けているという。
 住人は、罪人やその子孫、ゲットー設立時に強権的に定められた作られた被差別階級、あるいは官憲に目を付けられている人間の隠れ蓑。そして、そういった者たちを親に持ったことにより、ゲットーに存在を認知されていない『公的に存在しない人間』。また、メタモライザの影響で怪物と堕したスカベンチャーが生きられる唯一の場所でもある。他の階層では、イレギュラーな存在であるスカベンチャーは排除され、命を繋ぐことすら難しいからだ。
 一定以上変質が進み、擬態で隠しきれなくなると、最早オアシス内での居場所はここにしかなくなる。
そうなっては、第三階層を抜けだし幸せな暮らしを手に入れるという望みは、最早永遠に叶わなくなってしまう――――スカベンチャーの戦いは、常にそんな矛盾と葛藤の上に成り立っているのだ。

ゲットー005内部のあれこれ


管理局

 人類最後の希望たるゲットーの秩序を管理する統治組織。スカベンチャーを定期的に外界に派遣して、研究調査や稀少資源の回収を行っている。
 管理局で働く官僚公務員はオフィサーと呼ばれ、全てのオアシス市民の憧れの的だ。しかし、オフィサーはオフィサーで内部の出世争い、派閥争いに無駄に心血を注いでいるらしく、どこへ行っても苦労は絶えないものである。
 オフィサーになるためには難関試験を勝ち抜く必要があるとされている。
 難関試験には多大な知識が問われるが、まずスタートラインである受験資格自体が第一階層に住んでいないと得られないもののため、底辺からオフィサーになって成り上がる道は事実上閉ざされていると言える。
 管理局の下部組織として、インフラ整備部、治安維持部、外壁警備部、メタモライザ研究所などがあり、スカベンチャーへの直接の指示はこれらの下部組織から出されることが多い。


メタモライザ研究所

 メタモライザの可能性について研究し、その限界を試さんとするゲットー005管理局の一組織。
 他とは違い、外界の過酷な環境に適応し変化していくスカベンチャー自身に興味を抱いている。
 スカベンチャーがどんな状況で、どんな変化を受けたのかのデータは、彼らにとって垂涎のネタだ。
 ミッション中に確認したものを報告すれば、何かいいものがもらえるかもしれない。

自然主義者(ナチュラリスト)

 現実における自然主義とはちょっと意味が違う。ここで言う自然主義者とは、『メタモライザによる肉体改造を悪と断じ、人間が人間のままに生きることを是とする』主義を掲げる者たちのことである。
 彼らにとってメタモライザは人類のアイデンティティを脅かす害悪であり、それに与したスカベンチャーは、彼らにとって格好の攻撃対象である。
 彼らがゲットー005内部で声高に反対運動を行っているため、スカベンチャーは益々肩身が狭い思いをさせられているとか。
 最も彼らの大半は第一階層に住む裕福な市民なので、第二階層以下で生きる限りはまず遭遇することはない存在なのだが……。


依頼窓口(フロント)

 第三階層に設置された、管理局や研究所の出先機関。
 第一階層に出ることを赦されていない第三階層の人間を雇うためには、第一階層の住人の方から掃き溜めへと降りていかなければならない。そのために設置された、法的には存在しない事務所がこの依頼窓口(フロント)である。
 依頼窓口には会議室や応接室、待合所や自動販売機などが配備されている。
 物品の注文窓口もあり、多くのスカベンチャーはそこを利用して初期装備を調えることとなる。

クレジットについて

 金! 金! 金!
 スカベンチャーがスカベンチャーをやる理由も金ならば、スカベンチャーを辞める手段も金。
 クレジットとは、ゲットー005における通貨と、その単位を指す。
 世界が崩壊した今になっても、人類の活動は金に縛られている。
クレジットはミッション開始前の準備段階で様々な武器を調達するためにも役立つし、技術を身につける上でも役立つだろう。

フォルトスクール

 第三階層に唯一設置された唯一の私設学校。
 (第三階層基準で)法外な学費を要求するものの、まともな教育を受けられる唯一の場所として(第三階層基準で)富裕層の子供たちが通っている。
 並みの第三階層民ではこそ泥やゴミ掠いになるのが関の山だが、この学校に通ったエリート生徒たちなら、大泥棒やスーパーゴミ掠いになれる可能性がある。なお、卒業率は20%未満。

ゴミシャツ

第三階層に出回っている質の悪いTシャツ。色のバリエーションだけは無駄に沢山ある。それは単にサービスがいいということではなく、どんな色になるかすら工場がコントロールできていないことの表れ。

廃棄世界(ハキダメ)のあれこれ


旧東京瓦礫帯(通称・鉄屑平原)

 ゲットー005周辺に広がる鉄屑と廃墟の平原。
 倒壊した建物の残骸が、地平線の向こうまで広がっている。
 多くの場合、ゲットー005で生活するスカベンチャーが活動を行うのはこの旧東京瓦礫帯の圏内とされている。
 このエリア外での行動についてはまた別の機会に記述することとする。

適応獣(アダプター)とは?

 廃棄世界(ハキダメ)に生息する、機械と融合した動物たち。人類はなけなしの科学力で毒素を遮断し、世界と決別する道を選んだが、彼らはともに歩む道を選んだ。適応獣がどのようにして生まれたのか、その詳しい過程は謎に包まれている。研究者は毒素の蔓延によって後天的な突然変異が起こった結果の産物ではないかと推測しているが、信憑性は低い。肉と鋼を融合させた彼らの体からは、時に過去の地球上に存在しなかった極めて特殊な金属が採掘できるという。その資源的価値は極めて大きく、しばしばスカベンチャーはその回収のために廃棄世界(ハキダメ)に送られる。
 適応獣(アダプター)の多くは自らを構成する物質に近い金属を主食としている。

観測ドローン

 旧東京瓦礫帯のあちこちに散在する小型のドローン。珍しい適応獣(アダプター)を探しだす役割を担っており、スカベンチャーの活動を時折サポートしてくれる。だが、同時にこれらのドローンは、スカベンチャーが利敵行為を行っていないかも密かに監視しているのだ。

ゲットー外部で活動する者たち

 スカベンチャーとしてガーベッジアウトを目指した者の末路は大きく四種類。
 無事ガーベッジアウトし上流階級として豊かな暮らしを手に入れた者。
 任務の途中に無惨な死を遂げた者。
 メタモライザの暴走によって人権を失い化け物として生きることを強いられた者。
 そして最後は――――ゲットーでの成り上がりに見切りをつけ、過酷な廃棄世界(ハキダメ)で生きることを選んだ者だ。

●脱落者

 そのうち殆どは、ゲットーの上層部にバレるとまずい何らかの失態を犯した結果、ゲットーに戻りづらくなり、自由を求めて廃棄世界(ハキダメ)へと旅立った者たちだ。
 俗に『脱落者』と呼ばれる彼らは廃棄世界(ハキダメ)の中でも比較的毒素の薄いエリアに生息し、小さな集落を築いてそこで暮らしている。廃棄世界(ハキダメ)には人間が食べられるものは殆ど残されていないが、彼らの殆どはメタモライザの力によって廃棄世界(ハキダメ)でも生活できる程度の特性を身につけることで問題を回避している。とはいえ、特性に頼ってばかりではメタモライザの侵蝕が進むばかりである。
 そこで彼らは、自分たちにとって有用な資源を持ってやってくるスカベンチャーを目視すると、世紀末のモヒカンさながらに襲いかかってくる。彼らの多くは廃棄世界(ハキダメ)で生きていける程度の適応特性を身につけた強力な元スカベンチャーなので、適応獣(アダプター)以上に警戒してことに当たらなければならない。

●探求者

 また、スカベンチャーとしての活動を続けていくうちに、何故か探索活動と廃棄世界の研究に没頭するようになり、ゲットーでの成り上がりなどどうでもよくなって廃棄世界へと繰り出す変人もごく僅かに存在する。
 俗に『探求者』と呼ばれる彼らは、『脱落者』に比べて様々な地域に点在しており、攻撃性も脱落者に比べるとかなり低い。場合によっては、スカベンチャーの任務の手助けをしてくれることもあるだろう。
 だが、一般人とは明らかに違う行動原理に基づいて廃棄世界生活を続ける探求者は、ある意味脱落者より遥かに行動が予想しがたい存在だ。スカベンチャーのほんの小さな発言が、どんな形で彼らの逆鱗に触れるか分からないし、彼らがどんな主義信条を抱いているかも分からない。油断していると、突然は以後からバッサリ……なんてことも十分にありうるので、気を許しすぎるのも危険だ。


地下神殿湿地帯

 かつて旧東京瓦礫帯の地下にあったとされる、巨大な外郭放水路。そこが毒素との融合によって未知の進化を遂げ、ひとつのダンジョンとして変貌を遂げた。この空間のことを、俗に『地下神殿湿地帯』と呼ぶ。地下神殿湿地帯には言葉通り常に一定量の水が湿地帯のように張っており、そこに生息する適応獣(アダプター)も、自然とそういった地域の生き物をベースにしていることが多い。
 普段はあまり立ち入る必要のないこのエリアだが、崩落によってこの湿地帯に落ちてしまった調査隊などを救出するためにここに向かわせられることもあるだろう。
 通常のビークルでは進行が困難なため、ここを進むスカベンチャーには湿地帯の移動に配慮した耐水性特殊ビークル『アクアアルタ15』が貸与される。
 『アクアアルタ』とはかつて西方に存在した都市ヴェネツィアで起こっていた異常潮位現象のこと。

旧浦安惨劇公園(デッドリーパァク)

 かつて浦安市と呼ばれた地域に存在した大型テーマパークがあった場所に生まれた特殊なダンジョン。
 パーク全体がひとつの適応獣(アダプター)として確立しており、内側にはアトラクションと一体化した凶暴な適応獣(アダプター)が多く生息している。特殊な環境のせいか、他では採取できない貴重な資源が時折手に入るが、危険で一杯のこのエリアで安定した採取を行えるスカベンチャーは限られる。 このエリアには、ビークルで侵入することはできない。徒歩移動で探索するなら、夜を過ごすための『厭獣テント』を借り受けなければならないだろう。


災禍不死山(さいかふじやま)

 かつては富士山と呼ばれ、人々から畏敬と信仰を集めていたという巨大な火山。
 現在ではどういうわけか頻繁に噴火を繰り返し、周囲に溶岩と融合した適応獣(アダプター)をまき散らす悪魔霊峰へと成り果てた。
 不死山周辺は極めて危険な適応獣(アダプター)が発生する上に火山砕屑物もひっきりなしに降り注ぐ魔境であり、とても人間が生きていける環境とは言えない。しかしこの周辺でしか得られない貴重な素材も多く、手に入れれば売り捌いて一足飛びに第一階層への階段を駆け上がれることから、手に入れるために無理をして近づくスカベンチャーは後を絶たないという。

冒険を助ける様々なアイテム


ビークル

 広大な鉄屑平原を突っ切るのに必要不可欠な、装甲キャンピングカー。何種類か存在するが、スカベンチャーに貸与されるのは決まって『スタンダードA-101』と呼ばれるオーソドックスなものだ。
 強靱なタイヤと丈夫な装甲、パワー溢れるエンジンと最低限の生活設備が搭載された中々の一品。
 基本的に長旅に耐えられるくらいの燃料が積まれた上でスカベンチャーに貸し出されるが、たまにハプニングが起こって燃料が足りなくなる。
 また、スカベンチャーごとに使い回しなので思わぬ不具合が起こることも……。

厭獣テント(バリアテント)

 ビークルが入れないような入り組んだダンジョンなどを踏破するときに必要になるのは、ねぐらとしてのテントの存在だ。
 管理局が貸与してくれる特注のバリアテントは、適応獣(アダプター)が嫌がる成分を分泌してくれるので、夜間も安心して熟睡できる。

破滅のラジオ

 鉄屑平原でごく稀に見つけることができる、怪しげな電波を受信しているラジオ。電池式のようだが、何故か決して電力が尽きることはない。
 キャッチしているのはとりとめもない怪電波ばかりだが、時折廃棄世界の旅路を助けるお役立ち情報を教えてくれる。それ以外の怪電波を聞きすぎると頭がおかしくなるので注意。
なお、たまに嘘情報を教えてきて罠に嵌められることもある。
最終更新:2022年08月14日 12:25