5.エピローグ

 ミッションの結果を整理し、それによって得られたデータをキャラクターシートに反映する作業を行います。
 エピローグは、大きく四つのプロセスに分かれます。

1.帰り道イベント


 任務が終わり、あとはオアシスに戻るだけ。
 しかしここまで散々苦労して旅をしてきたように、帰り道にも同じだけの苦労が待っています。
 とはいえ、既に佳境を超えた消耗戦、ここで長々と帰り道を描写するのも面倒でしょう。
 そんなわけで、帰り道は全道程をまとめて一回の判定で終わらせることになります。
 活動フェイズを終えた後、各PCはそれぞれ『帰り道イベント表』を振って下さい。
 イベントの処理が終わった後、次の『毒の抵抗』へ移行します。

  • 帰り道イベント表 2D6
2:移動中、どこからともなく放たれた凶弾に倒れる。[回避]で失敗率30の判定に失敗したなら、窮地『銃殺』が発生する。
3:道中での思わぬアクシデントに対応するために、因業商人ツクヨミの力を借りる羽目になる。[交渉]で失敗率30の判定に失敗したなら、法外な価格でアイテムを売りつけられて、5キャッシュを失う。支払えないなら、キャッシュが0になる。
4:うっかり道中でアイテムを落としてしまう。[監視]で失敗率30の判定に失敗したなら、所持しているアイテムをランダムに一つ選び、それを失う。
5:何の気なしに物漁りに励んだら酷い目に。[疾走]で失敗率30の判定に失敗したなら、通過したエリアの中から好きなエリアを一つ選び、そのエリアの窮地表を振る。
6:道中の作業で武器を消耗してしまう。[修理]で失敗率30の判定に失敗したなら、所持している武器をランダムに一つ選び、それが近接武器なら『腐食』を、遠距離武器なら『弾切れ』を付与する。武器を持っていないなら何も起こらない。
7:何事もなく無事に到着。平和で良かったー。
8:道中色々面倒ごともあったが、あなたの活躍で切り抜けることができた。仲間全員との間に、それぞれ2点の『接点』を得る。
9:過酷な道のりに、ビークルがミシミシ悲鳴を上げる。[運転]で失敗率30の判定に失敗したなら、ビークルが障害『ビークル故障』を1つ得る。
10:道中、思わぬ拾いものが。[拾得]で失敗率30の判定に成功したなら、通過したエリアの中から好きなエリアを一つ選び、そのエリアの拾得表を振る。
11:道中で、心に傷を負うような出来事に遭遇する。[休養]で失敗率30の判定に失敗したなら、『メンタル障害表』を振り、指定された『障害』を得る。
12:道中、酷い仲違いで心を痛め、その仲違いは最後まで解消されなかった。ランダムな仲間一人を選ぶ。障害『●●(選ばれたキャラクター)との不和』を得る。

  • メンタル障害表 1D6
1:「PTSD」
2:「●●への苦手意識」
3:「無気力」
4:「ホームシック」
5:「恐慌」
6:「●●との不和」

2.毒への対抗


 廃棄異郷(ハイキョ)の様々なトラブルは無事乗り越えられましたが、異郷毒の侵蝕はまた別の話。
 あまり長く滞在しすぎたスカベンチャーの身体は、異郷毒によって死へと至らしめられようとし――――そうならないために、『異郷耐性』がさらなる進化を遂げることとなります。

 このタイミングで、各キャラクターは、自分の抵抗力と現在の異郷毒の蓄積数を比較して下さい。(原則として、異郷毒の蓄積数は全てのキャラクターで共通です)
 もし抵抗力以下の蓄積しかない場合は、何も起こりません。
 もし抵抗力より大きい蓄積数となっていた場合は、1D10を振って下さい。
 超過した毒の蓄積以下の数字を出した場合は、異郷耐性のレベルが1上がってしまいます。
(10以上大きい場合、判定を省略して自動的にレベルが1上がります)
 蓄積数より大きい数字を出したなら、異郷毒への抵抗が成功したものと見なされ、異郷耐性のレベルは上がりません。

 全員がこの処理を終えたら、次に『入国管理』へと移行します。

3.入国管理


 オアシスに帰還しようとするPCたちの前に、最後の関門が立ちふさがります。
 それは、『オアシスは強くなりすぎた個人を許さない』ということ。
 メタモライズにより強大すぎる力を手に入れてしまったならば、社会を乱す不安分子として処分されてしまうでしょう。
 そして、強大な力を得ているかどうかの判断基準は……見た目。
 見た目が化け物同然ならば、実際の危険度がどれだけであったとしても、入国を拒絶され、最悪の場合はその場で銃殺されてしまいます。
 ですが見た目さえまともならば、オアシスを崩壊させうる力を宿していたとしても、排除されることはないでしょう。
 各PCごとに設定された『異形度』が、現在の見た目がどれだけ常人から乖離しているかを表しています。
 各PCは、まず『オアシスに戻る』か『戻らず廃棄異郷(ハイキョ)で暮らすことを選ぶ』かを選ぶことができます。
 後者を選んだ場合、そのキャラクターはロストし、廃棄異郷(ハイキョ)の住人としてNPCとなります。廃棄異郷(ハイキョ)で暮らす元・スカベンチャーの末路はたいていの場合悲惨なものですが、奇跡が起きれば上手く生き延びられるかもしれません。
 こうなったキャラクターがPCに戻る方法は現状はありません。

 オアシスに戻るスカベンチャーが決まったなら、続いてGMはPCに『抑制剤』を摂取する時間を与えて下さい。
 『抑制剤』は異形度を下げる効果を持ち、有利な条件で入国管理の判定に臨むことができるでしょう。

 全員が使用する抑制剤を選んだ(あるいは抑制剤を使わない選択をした)ならば、いよいよ入国管理の判定です。
 GMはダイスを振り、以下から今回の入国管理官を決定して下さい。
 入国管理官ごとに、入国判定の内容とその場の対応、賄賂が通用するかどうかと相手の要求内容が定められています。

  • 入国管理官決定表
1D6 管理官名 入国判定 賄賂の可否 賄賂要求 対応
1 ツキシマ管理官 [異形度] 可能 そのキャラクターが所有する、最も価値あるアイテム 射殺
2 カミヤ管理官 [異形度]の半分(切り捨て) 可能 そのキャラクターが所有する、一つ以上の全てのアイテム 射殺
3 ミズキ管理官 [異形度]の2倍 可能 4キャッシュか、合計売価が4以上になるだけのアイテム 追放
4 キダニ管理官 [異形度]-20 不可能 なし 追放
5 キンジョウ管理官 [異形度]+20 可能 5キャッシュか、合計売価が5以上になるだけのアイテム 追放
6 ドバシ管理官 [異形度] 可能 このセッション中、廃棄異郷(ハイキョ)で手に入れた一つ以上の全てのアイテム 射殺

■入国管理のルール
  • 通常の判定と違い、判定の失敗率が0以下になった場合は、自動成功とし、そのまま判定を行わない。
  • 補正を与える前の[異形度]が0以下の場合も、自動成功とし、判定を行わない。
  • 判定に失敗した場合は、賄賂が可能な相手であれば賄賂で要求されるアイテム(またはキャッシュ)を渡すことで追放・殺害を回避できます。
  • 条件に該当するアイテムが一つもなく、キャッシュを支払うことも不可能な場合は、回避できません。
  • [異形度]が100を超える場合は、管理官が誰であったとしても自動失敗となり、賄賂も効きません。
  • 判定に失敗した場合、その場で射殺されるか、オアシス入国を許されず追放され、そのキャラクターはその場でロストします。追放の場合は廃棄異郷(ハイキョ)の住人としてNPCとすることもできます。廃棄異郷(ハイキョ)で暮らす元・スカベンチャーの末路はたいていの場合悲惨なものですが、奇跡が起きれば上手く生き延びられるかもしれません。

 なお、入国管理の場面で窮地覚醒を発生させることはできませんが、既に習得している適応特性については、使用することができる場合があります。


4.報告(報酬の獲得)


 無事入国できた場合、依頼人と面会して報告と報酬の獲得を行います。
 その際、依頼人に気に入られて今後も仕事を回してもらえる約束を取り付けてもらえる……かもしれません。




以上で、セッションの行程は全て終了となります。
お疲れ様でした。
最終更新:2022年09月26日 20:47