■拡張的なキャラメイク


■個人解剖(ライフパス)


 スカベンチャーがこれまでたどってきた人生や、身につけてきた技能の由来を、RoC(ロール・オア・チョイス)を使って決めることができます。
 ゲーム上で参照することはありませんが、キャラクターを固める一助になるでしょう。

□遍歴について


 これまでスカベンチャーがたどってきた人生の遍歴を決めます。
 遍歴には「出生」「半生」「契機」の三つがあります。
 「出生」「半生」はキャラクターの「素性」によって、「契機」はキャラクターの「渇望」によって、異なる表を振ることとなります。
 それらを組み合わせることによって遍歴が完成します。

「出生」――――キャラクターの生まれを表す。両親や家庭環境を定義する。
「半生」――――スカベンチャーになるまで送ってきた人生を表す。
「契機」――――スカベンチャーになるに至ったきっかけを表す。


●地上市民の『出生』 1D6

1:オフィサーの両親を持って生まれた。オアシス市民の中でも最上位の生まれ。
2:一般的な地上市民の間に生まれた。地上では平均的だが、十分上等の類。
3:地上市民の変わり者、反政府主義者の間に生まれた。没落まで秒読みだ。
4:オフィサーと地下市民・最下層民の間に密かに生まれた私生児。公的には片親の来歴は隠されており、その存在は親にとって最大の弱点となり得る。
5:乳児の頃に両親が地上から追放されたことで孤児となり、地上の孤児院で育てられた。
6:オアシス地上で行われる禁忌の研究の一つ、デザイナーズ・ベイビー研究の中で生み出された人造人間。身分こそ地上市民だが、人権はあってないようなもの。

●地上市民の『半生』 1D6

1:何不自由なく健やかに幸せに育った。スカベンチャーを目指す理由など、何もないくらいに。
2:親や兄弟などの家族が「やらかし」て、連帯責任で地下に落とされてしまった。かつての栄光は今や遠い彼方だ。
3:メタモライズ研究に縁あって触れるうちに、その魅力にとりつかれていった。深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ。
4:お前自身のやらかしにより、地下にたたき落とされた。何をやったかは知らないが、自業自得だ。
5:地下に住む人々の扱いに憤り、活動家としての道を歩みつつある。地下送りはもう秒読み、そんな状況だ。
6:上昇志向がたたって、上に目をつけられている。どこで罠にかけられるか分かったものではない。

●地下市民の『出生』 1D6

1:一般的な地下市民労働者を親として生まれた。何もしなければ、両親と同じく労働者として一生を終えることになる。
2:地下落ちした元地上市民の両親を持つ。いつか地上に戻ってやると息巻いていた両親が、年を経る毎にトーンダウンしていく様をその目で見ていた。
3:地上市民と地下市民の間に生まれたが、地上市民の親は地下落ちするリスクを嫌ってお前を捨てた。
4:地下市民の中でも、市民としての勤労に従事せず、裏稼業に従事する堕落した市民を親に持つ。市民権剥奪は遠くない未来。
5:最下層との繋がりを持つ、地下市民で最も闇に近い家系に生まれた。
6:スカベンチャーの親を持つ。最下層から這い上がってきたのか、元々地下市民だったのかは、場合による。

●地下市民の『半生』 1D6

1:平凡で、凡庸で、取るに足らない平坦なくだらない生活。破綻はないが、面白みもない。だが何事もなかったなら、そのまま生きていくはずだった。
2:地上の政争や地下の犯罪など、くだらないことに巻き込まれて人権剥奪の危機にある。
3:生活の中で生まれた地上との縁から、メタモライズについて知り、興味を持つようになってしまった。深淵を覗くとき、深淵もまたお前を覗いているのだ。
4:生活の中で生まれた地下との縁から、不意にメタモライズの力に目覚めてしまう。
5:地下の閉塞感にあふれる生活。それはただ退屈で、平坦なだけではない。耐えがたいほどの苦痛を与えるような、悲劇もあった。
6:地下で得られる暮らしとしては、順風満帆の域にあたる。決して完璧ではないが、こんな人生も悪くはないと、そう言えるはずだった。あのときまでは。


●最下層民の『出生』 1D6

1:最下層でごみを掠ったり、ゴミ山で野菜を育てて生きるような、一般的なごろつきの子供として生まれた。
2:かつて地上市民でありながら、政争に敗れて――――あるいは政治犯の汚名を着せられて、最下層まで逃亡してきた親を持つ。
3:最下層を支配する掃き溜めの王族、「ダストシューター」の血を引く者として生まれる。
4:最下層で暮らす中でメタモライズの力に目覚めた、天然スカベンチャーの親を持つ。
5:地上か、地下から掠われてきた。元の親の顔は知らないが、自分をこき使う悪党の育ての親の顔なら知っている。
6:何も分からない。自分の過去も、自分の生まれも。ただ、気づいたときにはゴミ山の上にいた。

●最下層民の『半生』 1D6

1:ゴミの中に埋もれて、何も為せず獣のように死んでいくはずだった運命。それを良しとはしていなかったが、やむなしと妥協はしてしまっていた。
2:最下層での暮らしにも、割合満足していた。別にこのまま獣として死んだって、構わないとすら思っていたはずだった。
3:ここではないという実感があった。生きるべき場所は、本来ここではないはずだという実感が。
4:最下層の生活は、時として人を狂わせる。お前がいつから狂っていたのか、それはもはや誰にも分からない。
5:最下層の暮らしは、人を壊すのに十分だ。だがその上で、お前は壊れることができなかった。
6:地下で得られる暮らしとしては、順風満帆の域にあたる。決して完璧ではないが、こんな人生も悪くはないと、そう言えるはずだった。あのときまでは。

●『好奇』の契機 1D6

1:本を読んだ。廃棄異郷(ハイキョ)に関する、無限の可能性を語る本を。そうしてお前は、知ってしまった。
2:塀で囲まれた世界も、闇に覆われた世界も、ゴミの中に埋もれる世界も、皆等しく息が詰まる。息が詰まる。そして、限界になった。
3:スカベンチャーの友人または家族がいた。その親しい人が、外の世界のことをあまりにも楽しそうに語るので、たまらなくなってしまったのだ。
4:内側の世界は退屈だ。黴の生えたような停滞に満ちた真綿の牢獄だ。思考は次第に凝り固まっていく。この牢獄を抜け出す鍵は、外の世界にしか存在しないと。
5:旅行が好きだ。知らない場所に行くのが好きだ。めぼしいところはもう全部回ってしまった。だったらあとは。
6:廃棄異郷(ハイキョ)というより、スカベンチャーに興味がある。欲望に駆られて化物への道を歩み出したような奴らに、興味がある。

●『出世』の契機 1D6

1:うだつの上がらない人生は、きっとこのまま漫然と続いていく。それを理解してしまった。何かを変えるなら、思い切りが必要なんだと。
2:夢があった。同じ夢を持った友人がいた。その友人が、夢を捨てる瞬間を見た。同じような自分には、なりたくなかった。
3:幸せになりたい。幸福な自分を実現したい。そのためなら、最初から手段を選ぶつもりなどなかった。
4:権力によって、大切なものを奪われた。奪われたことは仕方ない。だが二度と奪われないように、その力を自分のものにしてやると誓ったのだ。
5:自分が頂点にいないこと、それ自体が許せなかった。自分はどんなときも、頂点捕食者でなければならない。それが人という獣の習性というものだ。
6:お前はきっと、立派な人間になれる。愛すべき人々は、お前のことをそう評価した。その期待に応えられる方法を、お前はこれしか知らなかった。

●『探求』の契機 1D6

1:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代では味わえない素晴らしい『物語』がある。そう信じたから、ここに来た。
2:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代には存在しない素晴らしき『科学』がある。そう信じたから、ここに来た。
3:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代では失われてしまった素晴らしき『価値観』がある。そう信じたから、ここに来た。
4:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代社会にはあり得ない素晴らしき『景色』がある。そう信じたから、ここに来た。
5:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代から散逸してしまった素晴らしき『技術』がある。そう信じたから、ここに来た。
6:廃棄異郷(ハイキョ)には、現代では価値を見いだされない素晴らしき『芸術』がある。そう信じたから、ここに来た。

●『脱出』の契機 1D6

1:オアシスの政治形態は限界だ。いずれ崩壊の時がやってきて、秩序は失われるだろう。そうなる前に、逃げなければ。
2:オアシスの科学技術は限界だ。これ以上の発展も、現状の持続もきっとできやしない。そうなる前に、逃げなければ。
3:オアシスの人口は限界だ。これ以上人が増えたら、都市は限界を迎えて死に至る。そうなる前に、逃げなければ。
4:オアシスは限界だ。よく分からないけど、偉い人がそう言っていたんだ。だからとりあえず逃げなければ。
5:オアシス自体は安泰だ。だが安泰とは停滞だ。さらなる進歩を勝ち取るには、新天地へ旅立つほかにない。
6:オアシス自体は安泰だ。だがそこに生きる自分はそうではない。より幸せになるために、幸せに慣れる場所を目指さなければ。

●『奉仕』の契機 1D6

1:人のために役立つことが好きだった。人のために最も役立つ手段が、スカベンチャーになることだと気づいたのだ。
2:世のために役立つことが好きだった。世のために最も役立つ手段が、スカベンチャーになることだと気づいたのだ。
3:今はもういなくなった大切なあの人が、こよなく愛したこの世界を、ただただ守りたいと、そう思ったのだ。
4:大切な人が生きるこの世界を守るためにはなんだってやる。スカベンチャーにだって、なってやるさ。
5:重い罪を犯した。罪を償うためには、残りの人生を賭けて世界に尽くすより他にない。
6:宗教に嵌まった。教祖曰く、他人の役に立つ人間にならなければ天国にいけないらしい。じゃあスカベンチャーやるっきゃないな!

●『進化』の契機 1D6

1:自分の見た目が嫌だった。見た目を変えたいと願っていた。スカベンチャーになれば見た目を変えられるかもしれないと聞いて、一目散に飛びついた。
2:中二病だった。かっこいい超能力とか、異能力とかを使いたかった。
3:自暴自棄を起こしていた。自分が何者か分からなくなるほどに、自分自身をぐちゃぐちゃに変貌させたかった。
4:強くなりたかった。強さを得るために、最もわかりやすい方法が、スカベンチャーになることだった。
5:生まれつき身体が弱いか、重い病を患っていた。そんな疾病も、スカベンチャーになることで克服できるかも知れないとしたら……?
6:スカベンチャーは新たなる人類の形だ。そうなってしまったからには、そうなる手段があるからには。その道を究めるのは、当たり前のことだ。

●『救済』の契機 1D6

1:病気の家族がいるんです。助けるためにはお金が要るんです。
2:応援しているオフィサーがいるんです。そのオフィサーのために、精一杯役立ちたいんです。
3:大家族を養わないといけないんです。養うためにはお金が要るんです。
4:幸せにしたい相手がいるんです。彼(彼女)が地上で生きられるようにするためには、やっぱりお金が要るんです。
5:自分がスカベンチャーにならなければ、仲間の命が危ないんです。ならないと殺すって、脅されているんです。
6:スカベンチャーの皆さんは、とても苦労されていると聞いています。一生懸命頑張って、少しでも皆さんの力になりたいんです。

●『再会』の契機 1D6

1:この恋心だけは抑えられない。かつての恋人に会うためには、スカベンチャーになるしかなかったのだ。
2:この怒りだけは抑えられない。何らかの仇に会うためには、スカベンチャーになるしかなかったのだ。
3:この別離だけは耐えられない。生き別れの家族に会うためには、スカベンチャーになるしかなかったのだ。
4:この運命にはあらがえない。あるとき見かけた美しい人は、きっと地上の人に違いない。だったらスカベンチャーになって、成り上がるしかないよなあ!
5:この崇拝には逆らえない。貴方の夢は、カリスマ・オフィサーの第一の僕となることだ。
6:この死別は超えられない。愛すべき人は、あの世へと言ってしまった。貴方が冒険に出るのは、あの世へ行くための手段でしかない。


●『生存』の契機 1D6

1:金なし家なし仕事なし。シンプルにもう限界だ。スカベンチャーにならないと、飢えて死ぬ。
2:なすりつけられた大犯罪。身に覚えがないとわめいても仕方が無い。スカベンチャーにならないと、嵌められて死ぬ。
3:貴方は希代の大犯罪者。スカベンチャーになった場合に限り、特例的に赦免となる。スカベンチャーにならないと、罰せられて死ぬ。
4:背中に担いだ莫大な借金。それを返済するため、貴方は売り飛ばされた。スカベンチャーにならないと、臓器を売られて死ぬ。
5:生まれついて備わった病により、命を維持するために大金が要る。スカベンチャーにならないと、病で死ぬ。
6:一時の油断が招いた、突然の致命傷。スカベンチャーに覚醒するしか、生き延びる方法は存在しなかった。/ただただ人生に飽いていた。退屈で退屈でたまらなかった。スカベンチャーにならないと、退屈で自殺してしまう。



■エクストリーム・キャラメイク


 より刺激的で、より尖ったキャラクターを作成したい場合は、エクストリーム・キャラメイクが役立ちます。
 いくつかの「制限特性」(デメリットのみの特性)を受け入れることにより、学習特性を追加で二つまで習得できます。
(※エクストリーム・キャラメイクで作成したキャラクターを使用する場合は、必ずGMの許可を取って下さい)

 制限特性を1つ習得した場合、学習特性を追加で一つ習得できます。
 制限特性を3つ習得した場合、学習特性を追加で二つ習得できます。



□制限特性の一覧


 制限特性には、以下の要素があります。

②名前
 その特性の名前です。

③タイミング
 制限特性は、常在(常に効果を発揮するタイプの特性)のみです。

④系統
 その特性を使うのに、体のどの部分を使うかの説明です。
 それ単体では意味がありませんが、他の特性や武器との兼ね合いで意味を持つことがあります。

⑤効果
 この特性がゲーム中にどのような効果をもたらすのかの説明です。

⑥概要
 この特性が具体的にどういうものを表しているかの説明です。RPをする際の参考にして下さい。

名前 タイミング 系統 効果 概要
一匹狼 常在 精神 誰かと同時に判定を行う時、基礎失敗率が20上がる。 群れることを極端に嫌う、孤高の習性。単なる人見知りとも言う。
女嫌い/男嫌い 常在 精神 この特性を習得するとき、男か女を選ぶ。選ばれた性別のキャラクターとの間で「接点」を得ることができず、「関係」を結ぶこともできない。また、選ばれた性別のキャラクターと同時に判定を行う時、基礎失敗率が20上がる。 特定の性別に対して、極端に苦手意識を持つ。人間関係を育む上で大きな制限を受けることとなるだろう。
不器用 常在 肉体 全ての基礎失敗率が5上がる。 何をやるにつけても不器用。
よわよわメンタル 常在 精神 泥臭さの上限が3下がる。(最低1) メンタルが弱い。
鈍足 常在 脚足 イニシアチブが3下がる。(最低1) 足が遅い。
病弱 常在 肉体 致命値が2下がる。(最低1) 身体が弱い。
無学 常在 精神 習得できる得意行動の数が1少なくなる。 同じ境遇の人間と比べて、真っ当な教育を受けていない。
消極的 常在 精神 苦手行動を追加で3つ習得しなければならない。 何事に対しても消極的なため、経験がなく不得意としていることが多い。
紛失癖 常在 精神 セッション終了時に、アイテムを4つ以上所持している場合、所持数が3つになるようにアイテムを破棄しなければならない。 すぐにものを無くしてしまうため、物持ちが極めて悪い。
野良犬 常在 社会 コネクションを結ぶことができない。また、入国管理の判定の失敗率が10上がる。 素行が悪く、オフィサーから危険視されている。


最終更新:2022年09月19日 12:00