(おさらい)
 廃棄世界(ハキダメ)の中で冒険を行うスカベンチャーは、体内に埋め込んだナノマシン『メタモライザ』の影響によって窮地を味わうたびに肉体を変質させ、状況に対応できる力を手に入れます。
 適応特性は、『窮地覚醒』と呼ばれる処理が発生した時に獲得のチャンスを得ます。
 『窮地覚醒』が発生する機会は、主に以下の四つです。
①道中フェイズのアクシデント処理で、『カタス』を達成できなかったとき。(→アクシデント
ブレークタイムのコミュニケーションの判定で失敗した時。(→ブレークタイム
③戦闘中で大きな失敗をした時。(例:攻撃の判定に三回以上連続で失敗した時、回避に失敗した時、防御の結果、5点以上のダメージを受けた時、生命力が0になるダメージを受けた時…)(→戦闘
④潜入で、監視に発見されたとき(→潜入

そのうち、①以外はPCごとに5点ずつ配布されている『泥臭さ』を消費することによって、窮地覚醒を無効化することができます。(失敗やファンブルそのものを取り消せるわけではありません)

 適応特性には、以下の要素があります。
①No
 各特性に割り振られた通し番号です。

②レベル
 適応特性には、それぞれ発現しやすさに差があります。その基準を表すのがレベルです。
 『窮地覚醒の提案』ルールを使用する際に重要となります。

③名前
 その特性の名前です。

④系統
 学習特性と違い、適応特性は肉体の変質を伴います。
 この項目は、その変質がどこに起こるかを表します。

⑤外見
 外見にどれだけ影響が出るかを、三つの文字を用いて表します。
『歪』(人間性の喪失):同じ系統の学習特性や武器を使えなくなる。
『醜』(社会性の喪失):ゲットーでの差別・標的・排除などの対象になりうる。
『暴』(複合しない特性):暴の性質を持つ、同じ『外見』の適応特性を二つ以上獲得した場合、各セッションの終わりに『特性暴走表』を振らなければならない。
健全:歪・醜・暴いずれのデメリットも持たない。
複合して二つ以上の影響を持つこともあります。例えば歪醜と表記されている場合、歪と醜の両方の性質を持ちます。

⑥タイミング
 タイミングには、『常在』『誘発』『起動』の三種類があります。
常在:常に効果を発揮するタイプの特性です。
誘発:その特性ごとに指定された行動・判定・イベントなどが発生した時、使用するかどうかを自由に選べる特性です。原則として、1ターン(1ラウンド)中に1回しか使えません。
起動:ブレークタイムまたは戦闘中の一手番を消費して使用することができる特性です。原則として、1ターン(1ラウンド)中に1回しか使えません。

⑦効果
 この特性がゲーム中にどのような効果をもたらすのかの説明です。

⑧概要
 この特性が具体的にどういうものを表しているかの説明です。RPをする際の参考にして下さい。

No レベル 名前 系統 外見 タイミング 効果 概要
146 1 吸着頭髪(クッションアフロ) 健全 起動 『落下』ダメージを受けない。また、ブレークタイムにこの特性を使用した場合、泥臭さを1点回復することができる。 髪の毛がふわふわクッション素材のアフロになって、落下時の衝撃を完璧に吸収してくれる。触り心地も良く、癒し効果もあり。デメリットは髪型の選択肢がアフロ以外なくなるということだ。どんな風にカットしても、髪は勝手にアフロになってしまう。
147 1 別離防鼻(ハナレバナレ) 肉体 誘発 拾得表を振るとき、自分が所持しているアイテム一つを選んで使用できる。そのアイテムが拾得表の選択肢に含まれているなら、ダイスを振らずに選んだアイテムを入手する。 見知った仲間の体臭を脳にインプットし、数キロ先からでもその匂いをかぎ取れるようになる特性。見知ったものであれば非生物の匂いでもかぎ分けられるため、狙った素材などを確実に見つけられる。鼻の形が犬のそれになるのがデメリット。
148 1 潤滑足跡(オイリーウォーク) 健全 常在 ムーブステップで移動するなら、同じ方向に1マス移動する代わりに、2マス移動する。 足の裏から油を出して、滑走するように高速で移動することができるようになる特性。
149 1 疑似飢餓(ハングリーフェイク) 肉体 健全 アクション・ステップにキャラクター一人を選んで使用する。〔狡猾〕で最大値7の判定を行う。成功したなら、そのキャラクターに「飢餓」の状態異常を与える。 片手から電波を飛ばし、特定の相手の空腹感を増幅させる。電撃にダメージはないが、これを食らったが最後、むこう一時間はどれだけ食べてもお腹が減って仕方なくなるだろう。なお自分にも影響があるようで、お腹が空きやすくなるし肥りやすくなる。
150 2 下剤受胎(オート・アイ・サン) 起動 アクション・ステップに、隣接するか同じマスのキャラクター1人を対象として使用する。そのキャラクターは〔頑強〕で最大値9の判定を行う。失敗したなら、以後3ラウンドにわたり、そのキャラクターは移動することができなくなる。 指の一本を注射器に変え、そこから上等な効き目の下剤を注射する特性。副作用として、自分自身のお腹も恒常的に少しゆるくなる。
151 2 熱気冷笑(ハードボイルド) 健全 常在 特殊「炎」を持つ全ての攻撃でダメージを受けない。ムーブ・ステップで移動した場合、そのラウンド、回避を行うことができない。 強靱な熱耐性。皮膚が断熱材となり、燃えさかる炎の中でも全くダメージを受けない。ただし断熱効果が高すぎるせいか、自分自身の体温で熱くなるので激しい運動ができなくなる。
152 2 析裸々眼(ネイキッドアイ) 健全 常在 回避判定の目標値が3下がる。 危険を視覚で認識し、事前に察知することができるようになる特性。危ないものは真っ赤に輝くようになる。素で真っ赤に輝いているものとの区別がつかなくなるのが、欠点と言えば欠点か。
153 2 著大足釘(ジャイアントニードル) 肉体 歪醜 起動 アクション・ステップに使用する。種別近接・破壊力12・精密性8・レンジ1・アングル1・特殊:貫通の攻撃を行う。 脚全体を巨大な一本の釘に変える特性。あらゆるものを貫く貫通力を持ち、道行く全てを傷つけずには居られない。
154 2 窒息弁(チョークバルブ) 健全 誘発 各ラウンドのムーブ・ステップの開始時に、その前のラウンドのムーブ・ステップで移動していない場合に使用できる。そのラウンドの間、このキャラクターの〔狡猾〕を3高いものとして扱う。 周辺の空気を吸い上げ、頬袋に際限なく蓄える特性。酸素を備蓄しておけるほか、頬袋にしまっているうちは、それがどんな危険なガスであっても無力化できる。安全な場所に移動してからゆっくり捨てましょう。何も蓄えていなければ外見上の変化はない。
155 2 人体解析(サピエンスアナライズ) 健全 誘発 ブレークタイムに、自分以外の誰かの生命力を回復する行動を行ったとき、泥臭さを1点以上消費することで、使用できる。その点数に等しい生命力を追加で回復できる。 他人の肉体の状況を透視し、その異常を解消するのに最適な治療法を算出する特別な目。デメリットはほぼないが、周りの人間からは「視線がやらしい」と思われるようになる。
156 2 強依存(サピエンスワン) 背中 常在 適応特性以外の何らかの理由によって『接点』を1点得るたび、追加で『接点』を1点得る。 全身から生暖かい触手を生やす。これに包み込まれた者は、その包容力から貴方に対して依存してしまうとかなんとか。
157 3 肩機関銃(ショルダーショット) 胴体 起動 アクション・ステップに使用する。種別遠距離・破壊力7・精密性7・レンジ3・アングル2・特殊:連射の攻撃を行う。 肩に機関銃を乗っけている。出し入れは自由。
158 3 灼熱鋼線(バーニングワイヤー) 起動 アクション・ステップに使用する。種別近接・破壊力9・精密性9・レンジ2・アングル1・特殊:炎の攻撃を行う。 両手から高熱を放つ糸を出す。手先が器用なら、それを編み上げて発熱する布を作ることも可能。副作用は、視力を持たない複眼が両目尻の近くに一つずつ生まれること。
159 3 小鳥遊戯(ツイートプレイ) 肉体 健全 誘発 戦闘中、各ラウンドの開始時に、泥臭さを1点消費することで使用できる。そのラウンド中、全ての回避判定の目標値が3下がるとともに、回避を3回まで行えるようになる。ただし、生命力は1点であるものとして扱う。 自分自身を小鳥に変化させることができるようになる特性。時間制限こそあるが、物騒な争いごととは無縁の平穏な存在で居られるだろう。副作用として、この力の発現前より口数が多くなる。
160 3 反射組織(アウトローミラージュ) 肉体 醜暴 常在 特性『レーザー』を持つ攻撃によって1点以上のダメージを受けるとき、その全てのダメージを攻撃を行ったキャラクターに代わりに与える。 どんな強い光でも100%反射する鏡になる。レーザー光線の類に対して完全な耐性を持ち、完全な状態で相手に跳ね返すことができる。当然鏡になれば割れやすくなるし、そもそも周りに人間として認識してもらえなくなるだろう。
161 3 般若神経(アクマリアクション) 肉体 健全 全てのアクシデント処理について判定を行う時、追加で1回ダイスを多く振ってもよい。 異常な反射神経を手に入れる。この力に目覚めた者は、敵のどんな小さな隙も見逃さない。副作用として、過敏な反射神経が誤作動して、たびたび痙攣するように体が勝手に動いたりする。
162 3 丸呑大口(ホールイーター) 起動 アクション・ステップに使用する。エネミーを一つ選ぶ。そのエネミーが次のアクション・ステップまで移動しなかったなら、次のアクション・ステップの開始時に、そのキャラクターを死亡させる。 頭と口を無限に大きくして、どんなものでも丸呑みしてしまう特性。顎の力もそれに比例して大きくなる。鈍重な相手や無力化した相手以外に使おうとしたら、口の内側から反撃されたりするかもしれないので注意。
163 4 心理統制(マインドオーダー) 精神 健全 起動 ブレークタイムに使用できる。キャラクター一人を選ぶ。そのキャラクターと自分との『接点』を10点追加で得ることができる。 体内からナノマシンを散布、ターゲットにした相手に散布して、その精神を完全に操作する特性。非常に強力だが、他人に自分自身であるナノマシンを散布する性質上、自他の垣根を失って精神の崩壊を招くリスクがある。
164 4 溶鉄巨人(ヘパイストス) 肉体 歪醜暴 起動 アクション・ステップに使用する。自分の周囲9マスにいる全てのキャラクターは、〔狡猾〕で判定を行う。最大値が最も大きかったキャラクター以外の全てのキャラクターは、10点のダメージを受ける。 高熱により溶解した金属を体中の穴という穴から出し、どろどろの巨人のようなものに変わる攻防一体の特性。当然体にはよくないので、一度使うたびに寿命が十年は縮むとかなんとか。
165 4 安寧授与(エターナル) ラウンドの開始時に使用できる。そのターン、このキャラクター以外の全てのキャラクターは行動できない。ラウンドの終了時に1D6を振り、1点のダメージを受ける。これを、偶数が出るまで繰り返す。 周囲の時を止める特性。原理が未解読な特性の一つ。未解読であるが故に、使用者自身にも制御し切れず、一つ間違えば時の止まった世界でそのまま餓死することになる。間違いなく言えるのは、時が止まった世界は絶対的安寧が担保された世界であるということ。
166 4 百奇役行(キメラアンサンブル) 肉体 あらゆる判定に自分が失敗したとき、「泥臭さ」を1点支払わなければ、ランダムに適応特性を一つ選び、それを習得する。 メタモライザの根幹からの変質、過剰反応。窮地に応じた覚醒ではなく、単なる失敗にすら起因して夥しい頻度で覚醒が発生する。そうしてできあがっていく異形の姿は、まさに合成獣(キメラ)のそれと言うに正しい。

最終更新:2022年08月11日 12:13