精霊 シュブ=ニグラス
[解説]
その正体は世界樹によりたった一体のみ再生された、かつていつかの時代に地球に存在していたらしい、現在生息しているどんな魔獣とも、植物とも、決定的に異なる怪物の類。
その姿は、樹木で形づくられた黒い山羊のようで、見たものの不安を煽るような不気味なものであったとされる。
その姿は、樹木で形づくられた黒い山羊のようで、見たものの不安を煽るような不気味なものであったとされる。
この怪物が初めて新人類に認識されたのは建国期の頃である。
聖王国領内北部の森林地帯において、周辺に集落を築いていた住民たちによって、その〝樹木〟は見出された。
この〝樹木〟は、見たものに嫌悪感を抱かせるその見た目とは裏腹に、それを見た人々を惹きつけた。
この〝樹木〟は、見たものに嫌悪感を抱かせるその見た目とは裏腹に、それを見た人々を惹きつけた。
そうして、〝樹木〟を見出し、直接触れた住民たちを中心として、シュブ=ニグラスと名付けられた〝樹木〟を狂信とも言えるほどに信奉し、儀式を繰り返す集会が広がり始める。
その集会で行われていた儀式はいかなる魔導学の体系からも外れたものであったとされ、その正体については明らかになっていない。
この集会において行われていた儀式は、聖華暦よりも古く、旧人類がコールドスリープに入る時代よりもさらに遡る、西暦と呼ばれていた時代に存在した、樹木信仰を基礎とするドルイド教や悪魔崇拝の集会であるサバトに非常によく似たものであったのだが、建国期の時点ではすでに、それら旧時代の宗教に関する資料はその一切が失われていたために、新人類がそのことを知ることは不可能であった。
話は戻り、こうして規模を拡大し始めた集会と精霊までも支配下に置くほどの精神汚染能力に危機感を覚えた開闢の聖女リアンナ・アーレンハルトはリカルド・アルベルティーニをはじめとする数人のクルセイダーと神官たちを伴って集会の中心である〝樹木〟シュブ=ニグラスの討伐に赴いた。
しかし、リアンナたちの力を持ってしても、シュブ=ニグラスを完全に滅し切るには至らず、聖遺物に封印するという形で討伐するにとどまった。
しかし、リアンナたちの力を持ってしても、シュブ=ニグラスを完全に滅し切るには至らず、聖遺物に封印するという形で討伐するにとどまった。
それでも、集会の中心であったシュブ=ニグラスが封印されたことで、精神汚染が消えたことで、狂信的なまでの集会は急速に瓦解することになり、後にこの地域を領土として賜ったリカルド・アルベルティーニを中心として、森林都市ヘイゼルニグラートが築かれていくことになる。
シュブ=ニグラスを精霊として封じた聖遺物は、聖王国、聖都ヴァース・ランに持ち帰られた後、リアンナの指示により、精霊機に組み込まれることになる。
この精霊機は旧人類との大戦において白光の幻装兵 ヴァイス・エクス・マキナに付き従った雲集の幻装兵 ツラック・イェンシングのうち一機を用いてシュブ=ニグラスを封印し続けるために作られたもので、揺籃の幻装兵 カプラ・ネラ・ドルミーレと名付けられた。
この精霊機は旧人類との大戦において白光の幻装兵 ヴァイス・エクス・マキナに付き従った雲集の幻装兵 ツラック・イェンシングのうち一機を用いてシュブ=ニグラスを封印し続けるために作られたもので、揺籃の幻装兵 カプラ・ネラ・ドルミーレと名付けられた。
この以後、精霊 シュブ=ニグラスを封じている揺籃の幻装兵 カプラ・ネラ・ドルミーレは、その元となった雲集の幻装兵 ツラック・イェンシングの操手であり、〝樹木〟討伐の際にリアンナに付き従ったクルセイダーの1人でもあったリカルド・アルベルティーニ、そして、その子孫達に受け継がれ、守り続けられることになる。