マナ・カート
[解説]
マナ・カートは瞬間的に大量のエーテルを供給するためのカートリッジ式の特殊な増槽である。
一般的な増槽のように持続的にエーテルを供給し続けることは出来ないものの、瞬間的に100マギア近いエーテル出力を出すことが可能で、魔導龍翼をはじめとする使用自体に膨大な魔力を必要とする特殊装備の使用補助として用いられることが多い。
一般的な増槽のように持続的にエーテルを供給し続けることは出来ないものの、瞬間的に100マギア近いエーテル出力を出すことが可能で、魔導龍翼をはじめとする使用自体に膨大な魔力を必要とする特殊装備の使用補助として用いられることが多い。
マナ・カートには聖華鍛冶師協会が発明、実用化した液体エーテルの凝固技術をもちいて固体化させた液体エーテル(これをエーギルと呼ぶ)が封入されている。
このことが通常の増槽との最大の違いであり、マナ・カートが『特殊な』増槽である所以といえる。
では、なぜ液体エーテルではなく凝固させる必要のあるエーギルを用いるのか。
その答えはエーギルが持つ特性にある。
このことが通常の増槽との最大の違いであり、マナ・カートが『特殊な』増槽である所以といえる。
では、なぜ液体エーテルではなく凝固させる必要のあるエーギルを用いるのか。
その答えはエーギルが持つ特性にある。
エーギルには特定の手法で爆発的に燃焼(昇華)させる事で、同重量の液体エーテルから生み出せる総エーテル量に対して、瞬間的にではあるが1.3倍程度のエーテルを出すことができるという特性を持っているのだ。
これは、エーギル製造の際に不純物が取り除かれ、純度が向上しているためで、魔獣から取れる無属性魔素の魔石をそのまま昇華させた場合とほぼ同等のエーテルを生み出すことができるためである。
これは、エーギル製造の際に不純物が取り除かれ、純度が向上しているためで、魔獣から取れる無属性魔素の魔石をそのまま昇華させた場合とほぼ同等のエーテルを生み出すことができるためである。
もちろん、ならば、わざわざ液体エーテルにせず、魔石をそのまま昇華させれば良いではないか、と思われるかもしれないが、あくまで魔石は天然物、つまりは形状は全てまちまちであるために昇華の効率が悪いのだ。
そこで一度液体エーテルにし、規格揃った形で凝固させることで、使いやすくしているのである。閑話休題。
そこで一度液体エーテルにし、規格揃った形で凝固させることで、使いやすくしているのである。閑話休題。
ここまでだと、マナ・カートはそれまでの増槽よりも優れた装備であるように思われるが、その特性からくる欠点もいくつか存在している。
もっとも大きな欠点は、液体エーテルを用いた一般的な増槽のように継続してエーテル供給し続けることができないという点だ。
先に説明したように、エーギルは昇華させることで瞬間的に膨大なエーテルを生み出すことができるのだが、一方で、状態として安定してしまっているが故に、それ以外の方法でエーテルを引き出すことができないのだ。
このため、一般的な増槽のように魔導器や装兵の燃料として使用して稼働時間を延長させるというような使い方はできないということになる。
先に説明したように、エーギルは昇華させることで瞬間的に膨大なエーテルを生み出すことができるのだが、一方で、状態として安定してしまっているが故に、それ以外の方法でエーテルを引き出すことができないのだ。
このため、一般的な増槽のように魔導器や装兵の燃料として使用して稼働時間を延長させるというような使い方はできないということになる。
もうひとつの欠点は、一般的な増槽と比較して製造に手間と費用がかかるため、高額になるという点である。
まず、液体エーテルをエーギルにするために錬金術を用いた処理を行う必要がある。加えて基本的にはマナ・カートにはエーギルを昇華させるための魔導機構を搭載する必要があり、その分、値段もあがってしまうことになるのだ。
まず、液体エーテルをエーギルにするために錬金術を用いた処理を行う必要がある。加えて基本的にはマナ・カートにはエーギルを昇華させるための魔導機構を搭載する必要があり、その分、値段もあがってしまうことになるのだ。
瞬間的に膨大なエーテル出力を必要とする魔導龍翼のような魔導器はマナ・カートの理想的な使用例としてうってつけであり、マナ・カートの可能性を知らしめることになったのだ。
これを機に装兵メーカーや装兵用の魔導器を作る工房などは本格的にマナ・カートの応用法を研究し始めることになる。
これを機に装兵メーカーや装兵用の魔導器を作る工房などは本格的にマナ・カートの応用法を研究し始めることになる。
なお、マナ・カートは当初、聖王国内でのみ生産されていたものであったが、使用後カートリッジが戦場で廃棄されるという仕組みのため、使用済みのカートリッジが他国にも回収され、聖華暦800年代においては、この技術は全ての国々に広がっている。